〜その3〜

保存処理していたドングリがすっかり乾きました。いよいよアク抜き作業に挑戦です。

ドングリは「アク抜き」をしないと渋くて食べられません。その渋みの原因は「その1」でも書いたようにタンニン。お茶の渋み成分と同じものです。これは水溶性、つまり水に溶けるので、水に長時間さらせばいいはずです。とは言っても、具体的にどのようにすればいいのかよくわからないので、楽な方法から順番にいろいろやってみることにしました。
「やってみて、考えて、またやってみる。」・・・・試行錯誤ですが、大事なのは考えるばかりでなく、「やってみる」ことです。

■ステップ3■皮むき

アク抜きの方法があーだこーだ言う前に、とにかく皮むきが必要です。

ドングリの皮は、クリと同じように堅いカラ(表皮)と中の薄い皮(渋皮)の2枚があります。
ところが、よく乾いていると大変むきやすいことがわかりました。特にコナラは、乾く間に勝手に皮がわれて、中の実が抜け落ちているものもありました。
割れてないものも、親指と人差し指ではさんでねじるようにすると、「ペキッ」と割れます。
でも、一番枠なのはクリの皮むき用のハサミ。これでどんどん割れ目を入れてむいていきます。

中には虫食いのもの(色が変わっていたりボロボロになっていたいする)、カビの生えてしまったもの(うまく乾かなかった)がありますから、そういうのは選り分けます。

今回は、実験用に少しだけむきました。
皮むき後の実。乾いているせいか、茶色くなっていて、とても食べられそうな感じはしない。
左上はコナラ、右上はマテバシイ、右下はクヌギ。
クヌギは白っぽい実(あまり乾いていない?)が混じっている。
右下は失敗作のコナラ。乾かす時に手抜きをしようとして、大型乾燥機に入れて80℃で熱してみたところ、渋皮から茶色の汁が出て黒くなってしまった。ダメもとでアク抜きまでしてみることに。

■ステップ4■水にさらす

皮をむいたドングリを、そのまま割らずに流水にさらしてみます。袋は丈夫な土のう袋、ヒモはマニラロープを用意しました。また、袋の中で3種類のドングリが混じってしまうと面白くないので、100円ショップで洗濯用のネットを買ってきて分けて入れました。

さて、いよいよ水にさらします。ある本によれば、できるだけ寒い時期がアク抜きにはよいとのこと。
正月まで待って、1月4日に川に入れました。場所は小浜市西相生の窪谷川。きれいな清流です。あまり流れの速いところは流されてしまうので、少し流れの緩いところを選んで、ヒモを木にくくりつけ、ドングリと重りの石をいっしょに入れた袋を水につけ、このまま2週間ほど放置します。

さて、こんな方法でうまくアク抜きはできるか?
皮をむいたドングリと水さらし用の道具。
土のう袋、洗濯ネット、丈夫なロープ。
川の水にさらした土のう袋。
ドングリが少ないせいもあって軽すぎて流れるので、大き目の石を2つほど重りに入れた。
ずいぶん簡単な手抜きの方法だが、はたしてアク抜きはうまくいくか?