２－１ 次の40問題を解答せよ(解答欄に1つだけマークすること。)。なお、法令及び制度については、特に記載のあるものを除き、平成22年4月1日時点のものとする。
Ⅱ-1-1 次の記述のうち、事業企画におけるフィージビリティ・スタディと関連の度合いが最も小さいものを選び答えよ。
①事業の目的に沿って事業規模などの事業のフレームを具体化する。
②市場調査を行い、事業化した場合の需要を予測する。
③予備的な設計によって、事業に要する概略の期間やコストを予測する。
④生産能力の調整や需要の平滑化を検討する。
⑤事業の収支や資金の調達方法を検討する。
正解は4
これは総合生産計画のことです。
Ⅱ-1-2 組織の品質管理活動における品質計画に関する(ア)～(エ)の記述のうち、不適切なものの数を①～⑤の中から選び答えよ。
(ア)品質計画は品質管理活動の根幹に関わるものなので、一且策定されたものは変更してはならない。
(イ)経営層から示される組織全体としての品質方針を部門毎の品質方針に展開し、これに基づいて部門毎の品質計画を策定する。
(ウ)品質計画書では、現状での問題点やリスク、活動目的なども明確にすることが必要である。
(エ)品質計画は、顧客の要求に基づいて策定するものなので、要求がなければ策定しない。
①0 ②1 ③2 ④3 ⑤4
正解は3
（ア）の「変更してはならない」と（エ）の「要求がなければ策定しない」が×です
Ⅱ-1-3 ある会社では、資本の利率(その会社の平均的な投資利益率のことで、利率x%ならば前年末の資金Aは、その年末にA(1+x/100)になる)を、1年目及び2年目は10%、3年日は5%と見込んでいる。この利率を前提とした場合に、借り入れた資金を返済するとき、最も現在価値が少なくてすむ返済方法を次の①～⑤の中から選び答えよ。
①1年目末1,000万円返済、 2年日末1,000万円返済、 3年目末1,000万円返済
②1年目末1,000万円返済、2年目末1,000万円返済、3年目末900万円返済
③1年目末800万円返済、2年目末1,400万円返済、3年目末800万円返済
④1年目末700万円返済、2年目末1,500万円返済、3年目末800万円返済
⑤1年目末1,200万円返済、 2年目末 600万円返済、 3年目末1,200万円返済
正解は4
借り入れた資金をＭとすると、
（1年目）
残金Ｍ＋利率10％により利益0.1Ｍ＝1.1Ｍ
ここからＣ1を返済するとするので残金1.1Ｍ－Ｃ1。
（2年目）
残金1.1Ｍ－Ｃ1＋利率10％により利益0.1（1.1Ｍ－Ｃ1）＝1.1（1.1Ｍ－Ｃ1）
＝1.21Ｍ－1.1Ｃ1、ここからＣ2を返済するので残金1.21Ｍ－1.1Ｃ1－Ｃ2。
（3年目）
残金1.21Ｍ－1.1Ｃ1－Ｃ2＋利率5％により利益0.05（1.21Ｍ－1.1Ｃ1－Ｃ2）
＝1.05（1.21Ｍ－1.1Ｃ1－Ｃ2）＝1.2705Ｍ－1.155Ｃ1－1.05Ｃ2
ここからＣ3を返済するとするので残金1.2705Ｍ－1.155Ｃ1－1.05Ｃ2－Ｃ3。
以上により、3年後の残金1.2705Ｍ－1.155Ｃ1－1.05Ｃ2－Ｃ3が最大になる組み合わせが正解となるが、Ｍはどのケースでも3,000万円で一定なので、1.2705Ｍは一定。
よって返済額の1.155Ｃ1＋1.05Ｃ2＋Ｃ3が最小になる組み合わせが正解となる。
①Ｃ1＝10、Ｃ2＝10、Ｃ3＝10 よって1.155Ｃ1＋1.05Ｃ2＋Ｃ3＝32.05
②Ｃ1＝10、Ｃ2＝11、Ｃ3＝9 よって1.155Ｃ1＋1.05Ｃ2＋Ｃ3＝32.1
③Ｃ1＝8、Ｃ2＝14、Ｃ3＝8 よって1.155Ｃ1＋1.05Ｃ2＋Ｃ3＝31.94
④Ｃ1＝7、Ｃ2＝15、Ｃ3＝8 よって1.155Ｃ1＋1.05Ｃ2＋Ｃ3＝31.835
⑤Ｃ1＝12、Ｃ2＝6、Ｃ3＝12 よって1.155Ｃ1＋1.05Ｃ2＋Ｃ3＝32.16
よって正解は④。
Ⅱ-1-4 国の公共工事における入札及び契約の適正化を図るための施策に関する次の記述のうち、最も不適切なものを選び答えよ。
①低入札価格調査制度の下で特別重点調査を試行している。
②価格と品質を総合的に評価する方法の難しさ等から、総合評価方式の採用を取りやめることとしている。
③工事の品質確保への支障や下請・労働者へのしわ寄せが生じかねないこと等から、ダンピング受注を排除するよう求めている。
④予定価格の作成に当たっては、最新の実勢価格等を踏まえた積算に基づく適正な水準とすることとしている。
⑤低入札価格調査基準価格を下回って落札した場合には、工事の重点監督の実施や配置技術者の増員の義務付け等を積極的に進めることとしている。
正解は2
総合評価方式はむしろ増えています。
Ⅱ-1-5 製造物責任法に関する次の記述のうち、最も不適切なものを選び答えよ。
①製造業者が、製造等を行い引き渡した製造物の欠陥により、他人の生命身体又は財産を侵害したときは、過失の有無にかかわらず、損害を賠償する責任がある。
②この法律の製造物とは、製造又は加工された動産と定義され、不動産やソフトウェアは該当しない。
③安全性にかかわらない単なる品質上の不具合は、この法律の賠償責任の根拠となる欠陥とはならない。
④製造物の欠陥による被害が、その製造物自体の損害にとどまった場合には、この法律の対象外である。
⑤この法律に基づいた損害賠償を受けるためには、消費者は被害の事実のみを証明すればよい。
正解は5
消費者は、「製品に欠陥があったこと」と「その欠陥により損失を受けたこと」の２つを証明する必要があります。青本p.37。
Ⅱ-1-6 企業会計に関する次の記述のうち、最も不適切なものを選び答えよ。
①管理会計は、原価に関する集計内容を対外的に説明するために作成されるものである。
②複数の投資案からいずれを採用するかという問題に対して、管理会計の立場からは割引現在価値を適用することが多い。
③財務諸表は企業会計原則に基づいて作成されるべきものである。
④財務諸表には、貸借対照表、損益計算書が含まれる。
⑤減価償却費は、費用でありながら支出を伴わないため、その分が内部に留保される効果が生じる。
正解は1
対外的説明資料は財務会計です。青本p.46。
Ⅱ-1-7 進行管理(あるいは進捗管理)に関する(ア)～(エ)の記述のうち、不適切なものの数を①～⑤の中から選び答えよ。
(ア)進行管理は、日程計画に基づく生産活動の実行を統制することである。
(イ)作業手配では、必要となる資機材、工具、図面の手配などの作業準備を行い、作業割り当てを行い、作業指示を与える。
(ウ)実績管理における「余力管理」とは、不意の生産増に対して対処できるように、なるべく余力を残すように管理することである。
(エ)実績管理における「現品管理」とは、仕掛品の所在と数量の管理のことである。
①0 ②1 ③2 ④3 ⑤4
正解は2
在庫は最小化すべきで、（ウ）の「なるべく余力を残すように」が誤りです。青本p.41。
Ⅱ-1-8 シミュレーションに関する次の記述のうち、最も不適切なものを選び答えよ。
①構築されたモデルが、解決しようとする問題にふさわしいモデルかどうかをチェックする必要がある。
②論理あるいは数式で表現されたモデルは、コンピュータを利用したシミュレーションで扱いやすい。
③乱数を使用したシミュレーションでは、使用した乱数の性質に注意し、シミュレーション結果を適切な統計的手法で分析しなければならない。
④微分方程式で表現されるモデルに対して用いられるシミュレーションは、離散型シミュレーションである。
⑤コンピュータ上のプログラムによって表現されたモデルが、作成者の意図どおりであることをチェックする必要がある。
正解は4
微分方程式は離散型ではなく連続型です。青本p.62。
Ⅱ-1-9 人の行動モデルとインセンティブに関する次の記述のうち、最も適切なものを選び答えよ。
①マズローによれば、人間の欲求は物質的要求、安定欲求、自己実現欲求の3段階から成り、これらの欲求を満たすようにインセンティブを与えることが重要である。
②マグレガーによれば、基本的に性悪説に立つものがX理論、性善説に立つものがY理論であり、現代の組織運営ではX理論に基づく管理が適切としている。
③評価的インセンティブとは、給与や賞与などの報酬の形で評価することによりインセンティブを与える方法である。
④人的インセンティブとは、職場で接する人々の人間的魅力、居心地のよさ、組織への所属意識の向上によってインセンティブを与える方法である。
⑤自己実現インセンティブとは、思想や価値観観の追求を達成意欲の源泉とするようなインセンティブを与える方法である。
正解は4
①…× マズローは、人間の基本的欲求を低次から生理的欲求、安全の欲求、所属と愛の欲求、承認の欲求、自己実現の欲求の5段階に分類しました。
②…× マクレガーは、X理論は低次元欲求を多く持つ人間の行動モデル、Y理論は高次元欲求を多く持つ人間の行動モデルに分類されるとし、低次元欲求の多くが満たされている社会（1960年代のアメリカ社会）ではX理論は効果が期待できず、Y理論に基づいた経営方法が望ましいとしました。
③…× 金銭的報酬は評価的インセンティブではなく物質的インセンティブです。
④…○ そのとおり。
⑤…× 記載は自己実現インセンティブではなく理念的インセンティブです。
青本p.70。
Ⅱ-1-10 組織形態に関する(ア)～(エ)に示す説明のうち、適切なものの数を①～⑤の中から選び答えよ。
(ア)職能別組織は、多くの中小企業で採用されているが、単一事業型の大企業で採用されることは少ない。
(イ)事業部制組織は、社内全体で購買、製造、販売、研究などの専門の部ごとに構成員を配置した組織である。
(ウ)事業部制組織は、複数の事業を営む企業に多く採用されている。
(エ)マトリックス組織は、組織の全体的な編成原理について1つの軸を中心にとるのではなく、職能と事業の二元的な組織編成を行うものである。
①0 ②1 ③2 ④3 ⑤4
正解は3
（ア）…× 単一事業型であれば企業規模が大きくとも職能別組織が適しています。
（イ）…× 記載は職能別組織です。
（ウ）…○ そのとおり。
（エ）…○ そのとおり。
Ⅱ-1-11 育児・介護休業法(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律)に関する次の記述のうち、最も不適切なものを選び答えよ。
①労働者は、その養育する1歳に満たない子について、その事業主に申し出ることにより、育児休業をすることができる。
②育児休業ができる労働者として、目々雇用される者は対象にならない。
③事業主は、3歳未満の子を養育する労働者については、勤務時間の短縮等の措置を講じなければならない。
④事業主は、労働者が育児休業や介護休業、子の看護休暇の申し出をしたこと又は取得したことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。
⑤事業主は、育児や家族の介護を行う労働者に対して時間外労働をさせてはならない。
正解は5
小学校就学前の子の養育又は要介護状態の家族の介護を行う男女労働者が請求したときは、事業主は、1か月について24時間、1年について150時間を超える時間外労働をさせることはできませんが、「時間外労働をさせてはならない」というわけではありません。
Ⅱ-1-12 次の文章は、職務設計に関して記述したものである。[ア]～[ウ]に入る用語の組合せのうち、最も適切なものを①～⑤の中から選び答えよ。
職務設計においては、その職務そのものに真の動機付け要因を含んでいることが一般的に期待されており、「技能の多様化」、「仕事の[ア]」、「仕事の[イ]」、「[ウ]」、「フィードバック」の5つを中核的職務特性と呼んでいる。
ア イ ウ
①一貫性 収益性 自律性
②柔軟性 有意味性 整合性
③一貫性 有意味性 自律性
④柔軟性 有意味性 自律性
⑤柔軟性 収益性 整合性
正解は3
中核的職務特性は以下の5つです。
(1) 技能の多様化
その仕事をするのにどれくらい多様な能力や技能を必要とするかの程度で、さまざまな能力を必要とする複雑・高度な仕事ほど動機づけが高まる。
(2) 仕事の一貫性
自分の仕事が職務全体の遂行にどの程度関与することができるのかの度合で、大きな仕事の一部なのか、仕事そのものにまとまりある自覚を持てるものなのかということである。
(3) 仕事の有意味性
その仕事が他の人々にどれくらい実質的な影響を及ぼすかの程度で、仕事の意味が自覚され、自分の仕事は価値があり、重要だと感じる程動機づけは高まる。
(4) 自律性
仕事のスケジュールを立てたり、仕事を進めるための手続きを決めたりするとき、どれだけ自由裁量があるのかの程度で、自由裁量の範囲が大きければ大きいほど、自分の仕事の結果に責任を感じ、動機づけが高まる。
(5) フィードバック
仕事の成果についての直接的で明確な情報を上司や周囲の人々によって手に入れることがどの程度できるかで、フィードバックのある状況は動機づけに働く。
Ⅱ-1-13 組織は人間関係の複合体としての人的組織の側面を持っており、人的組織は、一般に公式組織と非公式組織の側面がある。公式組織に比較した非公式組織の特性に関する次の記述のうち、最も不適切なものを選び答えよ。
①真似の対象や刺激の源泉は、非公式組織内の尊敬できる人、互いに切硅琢磨しあう人であることが多い。
②どの程度働くべきか、どの程度規律を守るべきか、などの行動規範は、非公式組織内で決まることは少ない。
③自分が非公式組織に受け入れられなければ、その人は職場で気持ちよく働くことはできない。
④非公式組織は1つの単位となって同じ動きをするので、それが力の源泉となる。
⑤非公式組織は、人々が業務を通じて接触していると必ずそこに形成される。
正解は2
非公式組織の仲間意識や規範が大きく影響します。
Ⅱ-1-14 教育訓練管理に関する(ア)～(オ)の記述のうち、不適切なものの数を①～⑤の中から選び答えよ。
(ア)教育訓練では、従業員が組織の一員として求められる、課題設定能力、職務遂行能力、対人能力、問題解決能力などを向上させる。
(イ)教育訓練管理では、教育訓練活動を適切に管理するだけでなく、教育訓練の成果を人事考課管理などその他の人事管理に適切に反映させる体制を構築することが求められる。
(ウ)態度教育は、職場の同僚と協力する姿勢や仕事に取り組む態度を向上させ、対人能力を高めることを目的とし、討議やロールプレイングなどにより実施される。
(エ)ブレイン・ストーミングにおいては、奇抜なアイデア、自由な発言、他のアイデアへの批判を歓迎するというルールがある。
(オ)OJT(On-the-Job Training)とは、上司や先輩などの指導の下で、職場で働きながら行われる教育訓練である。
①O ②1 ③2 ④3 ⑤4
正解は2
（エ）の「他のアイデアへの批判を歓迎する」が誤りです。他のアイデアへの批判はしないことがルールです。
Ⅱ-1-15 人事考課管理に関する(ア)～(エ)の記述には、適切なものと不適切なものが含まれている。その組合せとして正しいものを①～⑤の中から選び答えよ。
(ア)評価の実施方法は、直属の上司による一次査定を経て、その上の上司が二次査定を行うという二段階で行われるのが一般的である。
(イ)人事考課に当たっては、ルールや評価基準までは公開しないが、評価結果を被考課者に伝えることによって、従業員の納得性を高めることが大切である。
(ウ)人事考課の評価の時期は、姿勢評価と業績評価はやや長期で行い、能力評価はやや短期で行うことが一般的である。
(エ)業績を評価する方法を用いると、組織への貢献を評価することはできるが、能力や姿勢以外の偶然の要因にも左右され易く、また短期の成果を求める傾向が生じる恐れがある。
ア イ ウ エ
① 適切 適切 不適切 適切
② 適切 不適切 適切 不適切
③ 適切 不適切 不適切 適切
④ 不適切 不適切 適切 適切
⑤ 不適切 適切 適切 不適切
正解は3
（ア）…○ そのとおり。
（イ）…× 評価結果は伝えず、ルールや評価基準を公開します。
（ウ）…× 長期と短期が逆です。
（エ）…○ そのとおり。
Ⅱ-1-16 労働者派遣等に関する次の行為のうち、労働者派遣法(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律)の主旨に照らして最も望ましいものを選び答えよ。
①労働者派遣契約の中途解除に際して、派遣先が派遣労働者に関連会社での就業を斡旋する。
②請負業務を円滑に実施するため、その業務の発注者が請負労働者に直接指揮命令を行う。
③以前従事したことのある優秀な派遣労働者を確保するため、派遣先が派遣労働者を指名する。
④熟練労働者を育成するため、物の製造の業務について、3年を超えて派遣労働者を受け入れる。
⑤労働基準関係法令等の責務は、基本的には派遣会社が負うことになっているので、派遣先は労働時間管理について関与しない。
正解は1
①…そのとおり。
②…× 請負業務の場合、発注者は請負労働者に直接指揮命令はできません。
③…× 指名はできません。
④…× 物の製造の業務は政令6業務に含まれないので3年が派遣受入期間上限です。
⑤…× 派遣労働者の労働時間等の管理は指揮命令者である派遣先が行います。
Ⅱ-1-17 組織における情報管理に関する(ア)～(オ)の記述のうち、不適切なものの数を①～⑤の中から選び答えよ。
(ア)情報は必要に応じて加工され、適切な内容と量のものが意思決定者に届けられなければならない。そのため、管理すべき情報が体系的に整理されていることが重要である。
(イ)情報は組織内で利用するばかりでなく、組織外での利用を考慮して戦略的に情報公開を活用していくことが必要である。
(ウ)公開すべき情報には、財務諸表や環境アカウンタビリティのように説明責任を果たすための情報や、活動報告、広告・宣伝のためのPR情報、緊急時の広報などが含まれる。
(エ)公開すべきでない情報には、技術情報や顧客情報などが含まれており、情報セキュリティに留意して扱う必要がある。
(オ)どの情報を開示するかを示す開示基準は、組織の重要な意思決定問題のひとつであり、とくに緊急時の開示基準はあらかじめ検討しておくことが必要である。
①0 ②1 ③2 ④3 ⑤4
正解は1
すべて適切な記述です。
Ⅱ-1-18 「見える化」を最初に実践したとされる某自動車メーカー製造ラインにおける「あんどん」(下注参照)のように、生産現場における「見える化」に対するひとつの考え方は、"組織としての問題を現場から顕在化させ、その情報が現場関係者にタイムリーに伝わるよう、現場での掲示・表示により視覚に訴えていく方法論"というものである。
次の記述のうち、この視点からみて最も不適切なものを選び答えよ。
(注:「あんどん」は製造ラインにつり下げられた大きな掲示板で、各工程や機械が稼働しているか停止しているかなどをランプによって表示するものである。ランプを点灯させるのは現場の作業担当者で、管理者や監督者は工場のどこにいても、これを見れば現場の稼働状況が把握できる。)
①「見える化」においては、現場で表示される情報の量(掲示・表示される項目の数)を可能な限り多くし、そこで起きている状況をできるだけ詳細に伝えるよう務めることが肝心である。
②現場や組織にとって都合の悪い見えにくい情報でも、関係者の間で共有すべきものは、セキュリティに配慮した上で「見える化」すると効果的である。
③「見える化」する情報は鮮度が大切であり、タイミングよく提供・更新されなければならない。
④「見える化」する情報は、その発見者などの当事者から発信されるよう仕組むのが基本である。
⑤「見える化」しただけで満足せず、見えたあとそれを具体的なアクションに結びつける必要がある。
正解は1
情報の量は最小化し、わかりやすさを優先します。
Ⅱ-1-19 公益通報者保護法に関する次の記述のうち、最も不適切なものを選び答えよ。
①労働者が公益のために法令違反行為を通報した場合に、それを理由とする解雇は無効である。
②監督官庁たる行政機関に通報する場合は、事前に事業者内部に通報する必要がある。
③通報の対象となる法令違反行為が生じていなくても、まさに生じようとしていると思われる場合には、事業者内部に通報することができる。
④通報にあたっては、他人の正当な利益(名誉、信用、プライバシーなど)を侵害しないように配慮することが必要である。
⑤ 正社員のみならず、パート、アルバイトであっても法令違反を通報した場合には保護の対象となる。
正解は2
事業者内部、行政機関、その他の事業者外部の3つが通報先になりますが、特に順序は定められていません。
Ⅱ-1-20 プラント施設の事故・被害などの緊急時における当該事業所の広報に関する次の記述のうち、最も不適切なものを選び答えよ。
①緊急時における広報の日的には、大別して安全のための広報と安心のための広報の2つがある。
② 従業員や周辺住民の安全のための広報は、緊急度が高く、迅速性が求められる。
③ 安全のための広報において、当該事業者の各関係者は、それぞれその時点で自分の知っている情報を、できるかぎり素早くかつ丁寧に外部に説明しなければならない。
④ 具体的な被害が発生していない場合でも、誤解や不安感を与えないようにするため、安心のための広報は必要である。
⑤ 安心のための広報は、社会に対する説明責任を果たすための情報公開の一部と考えられる。
正解は3
情報を一元化してから説明しないと誤解やパニックの誘因となります。
Ⅱ-1-21 情報管理に関する(ア)～(エ)の記述のうち、適切なものの数を①～⑤の中から選び答えよ。
(ア)データマイニングとは、コンピュータを利用して膨大なデータの中から役に立つ情報パターンを発見する技術である。
(イ)総所有コスト(Total Cost of Ownership;TCO)とは、情報システムを構築する際のハードウェアとソフトウェアの導入費用の総額を意味する。
(ウ)ナレッジ・マネジメントでは、思考スキルや行動スキルといった形式知を活用することが重要な鍵となる。
(エ)組織における情報の職能別分類とは、技術部門における特許情報や人事部門における人事情報など、部門・部署において使用する情報毎に分類することをいう。
①0 ②1 ③2 ④3 ⑤4
正解は3
（ア）…○ そのとおり。
（イ）…× 導入費用だけでなくランニングコストも含みます。
（ウ）…× 思考スキルや行動スキルは形式知ではなく暗黙知です。
（エ）…○ そのとおり。
Ⅱ-1-22 インターネットの出現によって現れた技術、社会現象に関する(ア)～(オ)の記述のうち、不適切なものの数を①～⑤の中から選び答えよ。
(ア)ウェブアクセシビリティとは、高齢者や障害者をはじめ誰でも、ヴェブで提供される情報にアクセスし利用できることである。
(イ)B to Bとは、 Business to Businessの略であり、一般に企業間商取引のことである。
(ウ)総務省のICT政策大綱などで用いられるICTとは、 Internet and Computer Technologyの略であり、インターネットとコンピュータ技術のことである。
(エ)VoIPとは、 Voice over IPの略であり、音声データをアナログ信号のままインターネット上でやりとりする技術のことである。
(オ)デジタルデバイドとは、コンピュータを使いこなす能力の有無によって生じる情報格差のことである。
①0 ②1 ③2 ④3 ⑤4
正解は3
（ア）、（イ）…○ そのとおり。
（ウ）…× Internet and Computerではなく、Information and Communicationsです。
（エ）…× デジタル信号に変換してやりとりします。
Ⅱ-1-23 情報システムのセキュリティポリシーに関する(ア)～(オ)の記述のうち、不適切なものの数を①～⑤の中から選び答えよ。
(ア)セキュリティポリシーとは、情報セキュリティに関する活動を行うための基準であり、これに従って具体的な対策が検討され実施される。
(イ)情報や情報システムに関するセキュリティ対策は、組織全体に関わる問題であり、組織全体として取り組む必要がある。
(ウ)セキュリティ対策をどこまで行うかは、セキュリティレベルとコストの視点などから判断する必要がある。
(エ)組織によって守るべき情報の種類や対処すべき情報リスクの種類も異なり、さらに経営環境も異なることから、他の組織を真似したものが自らの組織に適したものとは限らない。
(オ)策定されたセキュリティポリシーを基に具体的な対策が検討され、行動基準やマニュアルの作成、ハード対策が行われる。
①0 ②1 ③2 ④3 ⑤4
正解は1
全て正しい記述です。青本p.122。
Ⅱ-1-24 コンピュータウイルスに関する(ア)～(エ)の記述のうち、適切なものの数を①～⑤の中から選び答えよ。
(ア)知り合いから届いたメールに添付されたファイルであれば、開く前にウイルスチェックを行う必要はない。
(イ)メールをプレビューしただけで、あるいは、インターネットにつないだだけでは、ウイルスに感染することはない。
(ウ)最新のウイルス定義ファイルを利用すれば、ウイルスに感染することはない。
(エ)USBメモリを挿入しただけでは、ウイルスに感染することはない。
①0 ②1 ③2 ④3 ⑤4
正解は1
（ア）…× 開く前にウィルスチェックをする必要があります。
（イ）…× 不正プログラムが添付されたメールをプレビューウィンドウで表示させただけで、ウィルスに感染してしまう場合があります。。
（ウ）…× 次々と現れる新種のウィルスに対応するため、各ワクチンソフトメーカーは頻繁に自社ソフト向けの新しいウィルス定義ファイルをインターネットなどで配布していますが、新種ウィルスが現れた直後はそれに対応した定義ファイルもまだないので、これに感染することがあります。
（エ）…× AutoRunにより駆動するウィルスソフトもあります。
Ⅱ-1-25 次の(ア)～(ウ)のリスクアセスメント活動は通常どの順序で行われるか、最も適切なものを①～⑤の中から選び答えよ。
(ア)リスクが顕在化する確率と被害規模の推定
(イ)リスクマトリクス等によるリスクの評価
(ウ)事故等不都合事象へ進展するシナリオ分析
① ア→イ→ウ
② ア→ウ→イ
③ イ→ア→ウ
④ ウ→ア→イ
⑤ ウ→イ→ア
正解は4
青本p.132。
Ⅱ-1-26 自然災害をもたらす自然現象に関する(ア)～(オ)の記述のうち、正しいものの数を①～⑤の中から選び答えよ。
(ア)日本に襲来する台風は、その進行方向の左側の方が右側より風速が大きくなる。
(イ)地震波のうち横波(せん断波)の方が、縦波(疎密波)より伝播速度は大きい。
(ウ)長周期地震動は、震源から遠く離れたところまで伝わりやすいという性質がある。
(エ)気象庁の震度階級は10階級あり、最も大きい震度は、「震度8強」である。
(オ)津波は、最初の波よりも高い波が後で来る場合がある。
①1 ②2 ③3 ④4 ⑤5
正解は2
（ア）…× 右側のほうが大きくなります。
（イ）…× 縦波のほうが横波の倍ほど速くなります。
（ウ）…○ そのとおり。
（エ）…× 震度7が最大です。
（オ）…○ そのとおり。
Ⅱ-1-27 下図は労働安全衛生マネジメントシステムの概要について、「労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針」(厚生労働省平成18年3月改正)に基づき作成したものである。(ア)、(イ)に入る語句の組合せとして最も適切なものを①～⑤の中から選び答えよ。
ア イ
①システム各級管理者の指名 安全衛生教育の実施
②システム各級管理者の指名 システム監査の実施
③システム各級管理者の指名 安全衛生活動記録の保管
④危険性又は有害性等の調査の実施 安全衛生教育の実施
⑤危険性又は有害性等の調査の実施 システム監査の実施
正解は5
こちらを参照。
Ⅱ-1-28 危機管理活動の各段階に関する次の記述のうち、最も不適切なものを選び答えよ。
①準備段階では、危機管理チームを組織し、その組織の責務、活動方針、社会的な要請などを検討していく。取組み開始に当たってはトップの強い意思を示すことが重要である。
②事前作業段階では、想定される危機と影響度合を検討する。考えられる危機を綱羅することと最悪の事態を想定することが重要である。
③事前作業段階では、必要な資機材の備蓄、緊急時対策組織と連絡体制の確定、各種マニュアルの作成、教育訓練の実施などを行う。
④緊急事態対応段階の意思決定では、迅速さよりも正式なルールや手順によって行うことが重要である。
⑤事後復旧段階では、実施した危機管理活動の効果を測定・評価し、計画の有効性、手順の適正を検証して、次の危機に備えることが重要である。
正解は4
迅速さが重要です。
Ⅱ-1-29 ヒューマンエラーに関する次の記述のうち、最も不適切なものを選び答えよ。
①ヒューマンエラーとは、目標から逸脱した人の行動である。
②ヒューマンエラーによる事故では、複数の要因が複雑に絡んでいることが多いので、多角的な観点から分析することが重要である。
③ヒューマンエラーによる事故では、当事者の責任の追及が最も重要である。
④ヒューマンエラーの解析には、認知過程や置かれた状況に注意しないと解析自体の信頼性を損なうことになる。
⑤トライポッド理論では、ヒューマンエラーの要因を複数のグループに分類して考えている。
正解は3
常識感覚でわかりますね。
Ⅱ-1-30 消費生活用製品の長期間の使用に伴い生ずる経年劣化により、特に重大な危害を及ぼす事故を未然に防止するため、平成21年4月1日から「長期使用製品安全点検制度」が始まった。この制度の施行日以降に製造・輸入された製品に関する次の記述のうち、誤っているものを選び答えよ。
①対象製品は屋内式ガス瞬間湯沸器など、ガス、石油、電気を使用する9品目である。
②点検時期は、製品やメーカーによって違う。
③所有者はメーカーなどにユーザー登録を行う責務を負う。
④点検時期がきたら、メーカーなどは所有者に連絡する。
⑤所有者は決められた時期に点検を受ける責務があるが、点検費用の負担はない。
正解は5
点検費用はユーザー負担になります。
Ⅱ-1-31 機械と人の協調作業において人の安全を確保するための技術に関して、(ア)～(オ)の記述のうち、適切なものの数を①～⑤の中から選び答えよ。
(ア)作業場の扉が閉じていることを確認して機械の運転をすることを隔離安全、作業場の扉が開いた時は機械の運転を停止することを停止安全という。
(イ)隔離安全の確認だけでなく、工学的手段に危険側障害が生じないことを証明しなければならない。更に安全が人の命を扱うという意味で、安全が論理的に扱われるべき必然性として、安全立証の概念を必要とする。
(ウ)インターロックシステムで行う安全確認は、作業場に人がいないこと、機械が完全に停止していることを確認することである。
(エ)安全確認型インターロックは、安全を確認した時にのみ、機械の運転をし、センサが故障すると安全な状態でも機械の運転を停止する。
(オ)危険検出型インターロックは、危険の情報を検出し、積極的なブレーキ動作に結びつけるが、センサが故障で危険状態を検出できないと安全な状態でも機械を停止させる。
①0 ②1 ③2 ④3 ⑤4
正解は5
（オ）のみ誤りです。センサが故障で危険状態を検出できないと、危険な状態でも機械が動作し続けます。
Ⅱ-1-32 安全管理における未然防止活動に関する(ア)～(オ)の記述のうち、不適切なものの数を①～⑤の中から選び答えよ。
(ア)定期点検活動はマンネリ化しやすいので、実施レベルのムラを無くし、その低下を防止する対策が重要である。
(イ)小集団活動は、職場内の小集団に、主体的に安全衛生などの目標を設定させ、計画を立てさせ、その達成過程で、参加している個人の創造性やグループの一体感を醸成させることにより、安全衛生意識の向一ヒと徹底を図ることを目的とする。
(ウ)ヒヤリハット活動では、可能な限り早期に報告し、報告内容によって個人の責任を追及し、早期の対策を行うと共に、早期に同種の作業を行っている人にその情報を流通することが重要である。
(エ)故障しない機械はあり得ないので、そのための発見と停止操作や再起動操作は、安全制御の考え方では基本的に人間が行うべき事としている。
(オ)危険検出型の安全装置の故障が原因となる事故は繰り返されており、安全確認型のアプローチによる体系的な検討は重要な観点である。
①0 ②1 ③2 ④3 ⑤4
正解は3
（ア）…○ そのとおり。
（イ）…○ そのとおり。
（ウ）…× 個人の責任を追及するのではなく危険を洗い出すことが必要です。
（エ）…× 基本的には自動制御です。
（オ）…○ そのとおり。
Ⅱ-1-33 環境省が毎年度公表している我が国の温室効果ガス排出量(確定値)に関して、エネルギー起源の部門別二酸化炭素排出量の推移を示した下図について、部門の組合せとして正しいものを①～⑤の中から選び答えよ。
