口頭試験体験記 建設部門/施工計画、施工設備及び積算
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年度 体験記提供者 備考
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09 (34歳) 掲示板より
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13 11 (某スーパーゼネコン)
12 -
14 13 -
   
年度 体験記提供者 備考
14 14 - 掲示板より
15 (38歳) 掲示板より

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技術士 口頭試験内容

試験場所 : 渋谷フォーラムエイト 
試験日時 : 平成10年12月11日(金)  13:00〜13:20
1.経験論文の要旨とそれが技術士としてふさわしいと思える理由について簡単に述べてください。
回答:1つ目の論文は、阪神大震災で被害を受けた砂防ダム工事の工事用道路の崩落した法面について、安全性、施工性及び経済性を考慮して崩落箇所の重要度に応じて法面工の復旧計画を立て、限られた期間内に施工したことです。
もう1つの論文は、宅地造成工事のもたれ擁壁工事の当初計画であった土留仮設工を計画変更して、作業空間を広く確保することによって安全性を高め、また経済性、施工性もよく工期短縮を図り施工したことです。
技術士としてふさわしいと思える理由は、法面復旧工事については、短期間に対策工を立案して早期着手を実現させて、発注者の要求であった短い期間で完成させて隣接工事をを早期に再開させたことです。もたれ擁壁工事については、当初計画であった土留仮設工を切梁2段方式から切梁1段方式に変更したことにより、安全性、経済性及び施工性を高めて工期短縮を図り施工したことです。
2.書かれている現場では技術的にどのような立場でされましたか。
回答:法面復旧工事については、現場代理人として工事の現場統括責任者として、またもたれ擁壁工事については、主任技術者として現場の技術統括責任者として従事いたしました。
3.震災時で大変だったでしょうが、あなたがすべて設計計画したのですか。
回答:いいえ、地質コンサルタント会社と共同で設計、計画いたしました。
4.もたれ擁壁の土留仮設工は、発注者の当初計画を設計変更ということで計画変更したのですか。
回答:はい、その通りで設計変更となりました。
5.土留仮設工の施工性、経済性を高めたということは具体的にはどのようなことを言うのですか。
回答:まずもっとも重視したのが安全性を高めるということで、計画いたしました。土留仮設工の切梁が2段であったのを1段に変更し、作業空間を広く確保したことによって掘削作業の効率をあげ施工性を高め、また切梁、腹起部材を埋殺しせず、撤去することによって経済性を高めました。
6.次に一般論文についてですが、いろいろとキーワードをあげて書かれていますが、この中でどのようなことがポイントだと考えていますか。
回答:効率的、効果的な国土基盤整備ということで記述いたしましたが、見直してみると「景気回復のために公共投資を行う」と表現していますが、「将来の世代に有益な事業については積極的に公共投資を行う」という表現が適していたと思います。また、少子・高齢化が進み、財政が悪化していることから公共事業の妥当性を評価する「時のアセスメント」の必要性についてもう少し記述すべきであり、ポイントだと考えております。
7.民間の活力を利用することなど、あなたはどう思いますか。
回答:PFIの導入を図り,民間の資金とノウハウを活用し、地方部の社会資本整備を進め、活性化を図るべきだと考えております。
8.あなたの「受験の動機」と「合格後の抱負」にいて聞かせてください。
回答:まず、「受験の動機」は2つあります。
1つは、どんな問題に対しても技術的創意工夫により解決策がだせる応用能力のある技術者となり、社会に貢献したいことです。
もう1つは自分自身の技術レベルの向上を図り、後輩に技術指導を行いたいことです。「合格後の抱負」の抱負については、合格した場合は技術士会等の活動の場に積極的に参加し、交流を深めることによって自分自身の技術レベルの向上を図り、また専門以外の技術習得にも努めて時代の流れやニーズを的確に捉えて対処することができる技術者となり、社会に貢献していきたいを考えております。そして後輩に技術指導も行っていきたいと考えております。
9.これからの社会資本整備を進めていくうえで、どういった分野に力をいれていけばよいと考えていますか。個人的な考えで結構です。
回答:私の個人的な考えでお答えいたします。今後の社会資本整備については将来の世代に有益であるということが重要ですので、情報通信分野にもっと予算をさいて整備を進めるべきだと考えています。と言いますのは、地方部にも情報通信整備が進めばどこででも仕事ができるようになり、都市部への人の集中も減少させることができ、環境負荷の低減も図ることができるからです。
10.情報通信整備を地方部まで進めるということは、非効率であると思いますがどう考えられますか。
回答:既設の下水道管を利用して整備するとか、衛星を利用するなどの方法もあると思います。
11.ハード面を都市部に集中させる方が効率的であると考えますが、ソフト面等も含めてどのように地方部に情報通信整備を進めていくことがコスト縮減につながると思いますか。
回答:確かに言われるとおり、ハード面については都市部に集中させる方が効率的です。地方部に整備を進めていくうえで情報の共有化やネットワーク化を図ることができれば少しはコスト縮減につながると考えております。
12.情報通信分野の他にどのようなことが必要であるとあなたは考えていますか。
回答:下水道整備、道路整備については欧米諸国と比べてもわが国の整備水準は立ち遅れているのが現状ですので、このような分野が必要であると考えております。
13.「砂防」での経験が豊富ですが、昔と現在との施工方法などに技術進歩は見られますか。
回答:私が経験した「砂防ダム」はすべて○○○○の管轄工事でありまして、国立公園内と言うことからコンクリート等の運搬設備は索道(ケーブルクレーン)であり、柱状ブロック工法での施工ということで技術的にはほとんど変わらない方法での施工となっております。しかし、隣接工事では掘削発生土にセメントを混合し、堤体土として利用する「○○○○工法」という工法を採用しており、工事の環境負荷の低減を図っています。
14.今後は、どのような分野で活躍したいと考えていますか。
回答:経験が多い「砂防」と「コンクリート」の分野で活躍してみたいと考えております。
15.あなたにとって「技術士」とはどういう資格だと思いますか。個人的な考えで結構です。
回答:個人的な考えとしてお答えいたします。「技術士」とは規格化できないような業務に対して、技術的創意工夫によって実務的な解決策をだせる技術者であり、幅広い視野を持っている技術者に与えられる資格だと考えております。
16.「コンクリート」分野で活躍したいとのことですが、コンクリート分野ではどのような技術開発などを行っていきたいと考えていますか。
回答:現在の業務では技術開発等は行っておりませんが、「マスコンクリート」について今後も勉強していきたいと考えております。
17. 「技術士の義務」を言ってください。
回答:信用失墜行為の禁止、秘密保持義務、技術士の名称表示の場合の義務です。
結構です。これで終わります。

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2

口頭試験について(受験科目:施工計画、施工設備及び積算)

平成11年12月9日、(於:東京・渋谷フォーラムエイト)

(1)控え室

15時00分からの試験でしたが、13時45分頃受付を済ませ、控え室に入りました。控え室は、3箇所に分かれており、私は8Aという部屋でした。8A室は、100名程度が入れる会議室で、すでに、35名程の受験生が、待機していました。13時50分頃から14時にかけて、続けざまに、受験生が呼ばれ、試験会場へ向かいました。同じことが、14時20分頃からもありました。数えてみると、12名でした。
 待機中は、メモ類に目を通したり、トイレに立ったり、少し体を動かしたりしながら、試験開始を待っていました。(個人的な感想ですが、余り重苦しい雰囲気ではなかったような気がしました。)

(2)口頭試験

15時を2、3分すぎた頃、女性の係りの方に呼ばれ、試験会場へ向かいました。試験室のドアをノックし、「失礼します」と挨拶し、受験番号と氏名を言い、促されて、荷物を置き、受験者用の椅子に着席しました。
 試験官は2名で、向かって左側は、55才位の大学教授かコンサル風で、右側は、45才位で、コンサルかゼネコンの方かと思いました。質問は、左側の方のみでした。

(3)質問内容

 質問はあとで数えてみると、全部で23問ありました。口頭試験時間が、約23分だったので、1問のQ&Aに要した時間は、平均1分かと思われます。 主な質問を記述します。
1)この論文(経験論文のこと)によりますと、設計変更をしていますが、公共事業において、一般的に見て、設計変更に対して、発注者の対応はどうですか?なかなか聞いてもらえないのではないですか?
2)設計変更を聞いてもらうに当たり、何か問題となる点はありますか?
3)少子高齢化に伴い、まあ、事業数も減っていくと思いますが、若い建設業の就業人口が、減っていくことについては、どう考えますか?
4)あなたの書かれた論文(建設一般)にも触れていますが、PFIという制度があります。ところが、日本では、このPFIという制度が定着しないのではという意見もありますが、その点について、どう考えますか?
5)昭和50年頃から、TQCというものにゼネコン各社が取り組みましたが、そのことは知っていますか?また、せっかく、TQCがあるのに、ISOを始めて、書類が増えたりして、現場は大変じゃないのですか?
6)公共工事を専門工事業者に直接発注すれば、ゼネコンは不要であるという話がありまが、どう思いますか?
7)台湾やトルコなどで地震がありましたが、地震の直後で必要と思われる技術者は、どういう技術者と思いますか?
8)入札制度の変革が言われています。コスト縮減を目的に入札VEや、契約後VEがありますが、VEについてどう思いますか?
9)設計施工一括発注の導入すると、ゼネコンが設計を担当することになりますね、そうなると、コンサルの役割はなにでしょう?(これは、Gの質問に対し、今後は、設計施工一括発注の採用が望まれると回答したため。)
10)最近、リニューアルという言葉がありますが、土木では、どのようなものがその対象となりますか?また、リニューアルに、どんな技術が必要となりますか?
11)経験論文に関連して、鋼板巻き補強と炭素繊維シート補強の使い分けは、どうなって
いますか?
12)建設工事は朝早くから、夕方遅くまで、現場で一生懸命働いているのに、特にバブル崩壊以降、諸悪の根元は、建設業にありといわれていますが。あなたは、この点に対し、何か行動を起こそうと思いますか?
13)技術士になった時の抱負を言って下さい。
その後、「ありがとうございました」「失礼します」と挨拶し、退室する。(起立時とドアから退室時)

(4)感想

 全体を通じ、和やかに進んだと思います。特に、回答に窮する質問はありませんでした。同時に受験した友人は、特徴的なものとして、以下の質問を受けています。
(義務に関して)信用失墜行為とは、あなたの現在の業務中で、どういう行為が、それに当たると考えますか。
・経験論文以外で、技術士にふさわしい業務があれば説明して下さい。
何らかの理由により、技術士として知り得た情報を漏らす必要に迫られた時、どう対処しますか。

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3

佐口先生、本日127930より、施工計画で口頭試験をうけてまいりました。
今まで、先生には本当にお世話になりましたので、少しでも恩返しになればと今日の口頭試験の報告をします。私は、35歳で、ゼネコンにつとめています。入社以来、ずっと現場で、現在、主任技術者です。ということで、専門は施工管理でした。127930からの試験でしたが、9:34になっても、女性は呼びにこず、前のひとが、長びいているのかな、と思っていました。9:35にやっと,呼ばれ、部屋にはいると、荷物をおく間もなく、試験官の方と目があい、「おはようございます。B000 **です。よろしくお願いします。」と言い、それから、荷物を置きました。 試験官Aは50歳代のコンサル風、Bは60歳代の学者風といった感じでした。
-今日のトッフ゜バッターです。緊張せずにやりましょう。
-まず、経歴を見ますと、忙しい中、随分、資格をとられていますね。どのように勉強されたのですか。
A−1級建築士もとられたのですか、また、どうして。経験も必要なのでは。
A−会社での今の立場は。A−いろいろな現場を経験されていますが、工種にかたよったことはありますか。A−失敗例はありますか。
B−経験論文でも、情報技術にからめたことをされていますが、ほかにも情報技術を生かしていますか。
B−技術士になったら、今後、どう技術の情報を得ていきますか。B−技術士になったら、抱負は。
B−技術士になったら、後輩にどう技術的指導をしていきますか。・・・
A−今後、建設業はどうなっていかねばならないと思いますか。・・・
A−技術士の定義は。
A−技術士の義務は。
3つ程ありますが。
以上が質問で、全体的に和やかに淡々と進みました。自分の書いた論文に関して、突っ込みは一切ありませんでした。若いという風にも見られている気もしませんでした。試験官も紳士的で良い雰囲気でした。答えは全て窮することなく、自分の意見を述べられたのですが、*の質問が抽象的で自分の答えが、試験官の期待する答えでなかったように感じとられましたので、反応があるまで、自分の考えを述べました。ここだけが、もっといい答があったと今になって悔やまれるところです。でも、満点の答ではありませんが、まちがったことは言ってないと思うので、これで落とされたら、満点の答が要求されるのか、と思ってしまいます。部屋を出ると9:50でした。正味15分の試験でした。佐口先生、いままで、本当にありがとうございました。以上

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1.   口頭試験の概要等

口頭試験実施日:平成12年12月7日(木)16:00〜16:30
口頭試験場:渋谷道玄坂フォーラム8
試験:2名(推測ですが大学教授とコンサルタントであると感じました)
選択科:施工計画
経験論文内
「総重量200t梁・支柱式支保工スライド移動計画」
「プレグラウトPC鋼材の樹脂硬化に関する試験施工」

2. 口頭試験の質疑応答について

経験論文に関する回答内容については省略します。
Q1.現在までの職務経歴を説明して下さい。
平成元年に○○建設株式会社に入社し、今年で12年目になります。入社後5年間は、○○に配属となり主に地下鉄工事に携わりました。その後○○○に転勤になり、排水機場水門工事、下水道工事、地下鉄工事、PC上部工工事に携わってきました。現在は、○○○で工事主任として地下鉄工事に携わっています。
Q2.あなたが得意とする分野は何ですか。
入社以来、構造物の工事を主体として経験してきましたので、鉄筋コンクリート構造物が私の得意とする分野です。
Q3.何回目の受験ですか。
2回目の受験になります。
Q4.受験の動機は何ですか。
受験の動機には3つあります。
第一に、技術士の資格を取得し、発注者並びに現場の方々により信頼感を持ってもらえる業務を遂行したいと思ったことです。
第二に、社内の先輩技術士を見ていて、私も様々な分野の技術士の方と交流を持つことにより、人間的に成長したいと思ったことです。
第三に、自分自身の技術力を向上させたいと思ったことです。
この3つの動機から、技術者の最高峰の資格である技術士試験を受験いたしました。
Q5.1つ目の経験論文の内容について説明して下さい。
Q6.発注者は実際には施工できない支保工形式を計画していたのですか。
Q7.支保工をスライド移動させずにA・BLINEに支保工を同時架設しなかったのですか。
Q8.支保工の地盤耐力に問題は発生しませんでしたか。
Q9.支保工をスライド移動させようと計画した際に参考にした既設工法はありますか。
Q10.このような大掛かりな計画だと当初計画と比較してコストアップにつながったのではないですか。
Q11.それでは2つ目の経験論文の内容についても同様に説明して下さい。
Q12.可使温度が75℃でFEM解析の結果が74℃であれば、樹脂の硬化は発生しないのではないですか。Q13.コンクリート硬化温度を低下させる対策は考えなかったのですか。
Q14.どうして可使温度が75℃以上の樹脂タイプを採用しなかったのですか。
Q15.試験体は実物大のものを作成したのですか。
Q16.従来のPCグラウトによる施工とプレグラウトPC鋼材を使用した場合の施工とではどちらの方が有利であると思いますか。
Q17.技術士の義務を述べて下さい。
第44条 信用失墜行為の禁止
第45条 技術士等の秘密保持義務
第46条 技術士の名称表示の場合の義務です。
以上17項目について質問を受けました。

3.私的感想等

1)試問官である大学教授の方(以下A氏)はおそらく筆記試験の採点をされた方であると思います。一方、コンサルタントの方(以下B氏)は試験の時に初めて私の論文の内容を読んだと思います。
2)A氏は終始頷きながら話を聞いていただき、試問の方法も穏和であり、進行係的役割であった。B氏の方は、どちらかというと批判的な質問をされる方でした。
3) 先輩技術士の方より、「35歳位で口頭試験を受験すると、必ず挑発的な質問をされるので、口論にだけはならないように注意し、否定されても何とか納得してもらうように丁重に回答しなさい。」と忠告を受けていたので、B氏の質問に対しても慎重に回答できたと思います。
4) 日本能率協会主催の口頭試験模擬試験を受験した際に、「どうしても早口になるので、もう少しゆっくり話して下さい。」と忠告を受けていましたが、本番ではやはり早口になってしまいました。(試験終了後、反省した点です)
5)全体的な感想としては、やはり若輩受験者に対する洗礼は厳しく、挑発的な内容もあります。私は、常に慎重に回答したつもりでおりますが、少ししゃべりすぎたと思います。(90%は私が話していたと思います)試問官の質問にも頷きながら「はい、はい」と言葉を出し、技術士にどうしてもなりたい熱意は感じて頂いたとは思います。また、若輩受験者に対する試問は、やはり経験論文で述べた内容が本当に本人が主体として行った業務であるか否かを確認する内容になるようです。(専門論文及び建設一般論文の内容に関する試問はありませんでした)

4おわりに

私自身としては、昨年12月から準備を開始し、何とか口頭試験までたどり着き、合否に関わらず自分自身の技術力向上を図ることができたと満足しております。結果は、平成13年2月7日(水)に明らかになります。現在は、やることは全てやり尽くしたという達成感を感じております。どうかいい結果がでることを強く望んでおります。私のような若輩者にご支援下さいました様々な方々にお礼申し上げます。誠にありがとうございました。

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日時 平成12年12月7日(木)16:02〜16:30

場所 フォーラムエイト804会議室ン

口頭試問内容

1.現在の業務について概略を説明しなさい。
・これについては、経歴書通りに答えると、工期はいつからいつまでですかと聞かれ、答えると現在の立場上での業務は、何ですかと聞かれ、「他工事との工程調整や品質管理面の指導管理を重点的に行っています」と答える。
2.受験動機と受験回数を答えなさい。
・これについては、模試と同じことを答えた後、「初めての受験ですか」聞かれて「いえ、今回で3回目の挑戦になります」と答えた。
3.技術士になった時の抱負と将来の計画を答えなさい。
・これも模試と同じことを答えた。

4.体験論文について

1.鋼殻着底について
(1)全体の概要について説明してください。
・とりあえず論文をトレースするように話して、比較表は採用分だけを掻い摘んで話した。
(2)水位の差違とありますが具体的とのようなものであったか説明しなさい。
・水位の差違がどの程度かを具体的に説明し、設計水位の決定根拠と施工水位との差違がなぜ生じた説明し、差違によってどのような不具合が発生したかを説明した。
(3)たくさんの工法比較をされていますが具体的に説明してください。
・施工工法比較は、評価の決め手を全て説明した。補助工法比較は、検討した施工性と安全性と施工の現実性を個々に説明し、最終的にどうなったかを説明した。
・「このような変更に対して、施主側のコストの対応はどのようでしたか」と聞かれ「鋼殻が保たないことを通知し、このことで変更できないので当初より据付地盤の支持力が不足していることで変更を認めてもらった」と答える。
(4) このような施工方法は、どのようなメリットがあるとお考えですか。
・これについては、現場組立式鋼殻のジャッキダウン工法による施工は、員弁川の後に相模湖や淀川の御幸橋工事で採用された、締め切り・築島・地盤改良を施工できない箇所におけるケーソン基礎の施工を可能にしたと答えた。
2.シールド地中接合について
(1)全体の概要について説明してください。
・上記と同様に論文をトレースするように話して、技術提案型受注のこと、工期を短縮する理由、そのほかも検討を行ったこと、比較表の内容を簡単に説明した。
(2)当初の計画と変わった点でどのように工程を短縮できたか説明してください。
・当初計画との相違点として、主に工程短縮検討を行った項目でシールドに関して、マシンの現場組立期間短縮、高速掘進による短縮、泥水処理設備設置と立坑施工のラップ、二次覆工のロングスパン化、地中接合による短縮を挙げて具体的な短縮期間と検討内容を簡単に説明した。

地中接合工法比較表を具体的に説明してください。

・薬注、凍結、機械式について現場における条件、当時の技術的評価、施工性、コスト、工期を具体的に述べて説明した。
(3)比較表の評価結果と施工方法が異なっているがどうしてなのか説明してください。
・「我々、施工サイドとしては凍結工法を施工リスク・コスト共に有利なので評価選択したが、技術提案協議の中で、20日の工期短縮をどこで稼ぎ出すか具体的な提案なく、コスト・施工性よりも工期を最優先事項として評価するとの施主回答により採用された」と説明すると「どのような技術的リスクがあったのか説明してください」といわれ、MSD工法での接合時の留意点を3つばかり答えた。
(4)地中接合と言えば、薬注や凍結が多い工法で、機械式地中接合は、あまりありませんが、どのような構造・機構で補助工法が必要ないのが具体的に説明してください。
・先の回答を受けて、MSD工法の具体的特徴と施工事例および接合構造を説明し、もう少し具体的にと言われて、海底下でのドッキング作業の留意点と機械式接合作業の手順について説明した。
(5)非常によい工法なのですが、採用事例が少ないのは、どうしてだと考えられますか。
・「コストが高いことと、採用される側に工法の認知が少ないのではないでしょうか?」と答えると「コストが高い原因は何だと思います」と聞かれ「特殊な工法として開発されていて工法使用料やパテントが含まれている点や機械式接合の弱点である機械的トラブルに対して二重防護の対策や凍結を可能にする対策も採られておりこのあたりがコストアップの要素ではないでしょうか?」と答えた。
(6)都市部でのシールド工事に対して地中接合のメリットを説明してください。
・「到達立坑が必要でないこと、機械式接合であれば、土被りや地上状況に影響を受けないので大深度や大口径でも施工可能であると考えられ、立坑築造コストと比較したりすれば良いと考えられます」と答えた。
5.技術士の定義を答えなさい。
・多少詰まりながら、条文通りに答えた。
6.技術士の道義規範を答えなさい。
・三大義務のタイトルだけを答えると次ぎに、「技術士法が改正されると新しい道義規範がありますが答えなさい」と言われたので「公益確保の責務と資質向上の責務」と答えた。その次ぎに「技術士の倫理規定について答えなさい」と質問されので「公正中立を保ち、常に知識・技能を向上させ、強い責任感を持って業務を完遂することであります」と答え、結構ですと言われて試験終了となった。
試験委員の方は、主に質問された方は、50才台のゼネコン風、もう一人は、40才後半のコンサル風の方でした。名前は、名札が非常に見えにくかったので記憶にありません。試験時間は、私の漫才回答が長引いて実に28分間もありました。質問については、やはり経験の少ないシールド工事に集中してしまいいつボロがでるか非常に不安な面もちでしたが、これまで、会社において模擬面接をして頂いたお陰で受け答えの準備資料が充実できたので本人はうまくいったと思っています。皆様のご指導・ご支援の賜です。日常業務の大変お忙しい中を数多くの論文を読んで添削指導と模擬面接を受けられた結果と思います。本当にありがとうございました。

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6

平成12122日 13:5513:25・・・ゼネコン

Q(A):まず業務経歴から話してください。
A:(入社からの経歴を答える)
Q(A):では技術士試験を受けようと思った動機と、あと初めてですか?
A:(首を振る)
Q(A):では何回目かから、お願いします。
A:今回で4回目です。以前の3回は技術者としては、最高の資格である技術士を取ってみたいという漠然としたものでした。しかし先ほども経歴でお話したとおり昨年から営業をやってまして、営業は仕事を取るのが仕事ですから、お客さんのいうことが、技術的に多少おかしいと思ってことも、つい合わせてしまうことが多くなってしまいました。技術者としてこれでいいのか思っている時に、技術士法に「信用失墜の行為の禁止」という技術士の義務を見たときに、技術士を取得して、自分を戒めなければならないと思いました。あともう一つは、客先の信頼を得るために技術士が必要だと思ったからです。
(質問者以外は下を向いて、論文をパラパラとめくっている。)
Q(A):経験論文に移りますが、この通信鉄塔というのは、通常は下から組み立てていくということが普通とありますが、このリフトアップという方法を考案されたのですか。
A:いえ、リフトアップ工法は今までに多数の事例がある工法です。
Q(B):では、設備が特殊だったのですか。
A:いえ、使用したジャッキも実績のあるジャッキでした。
Q(B):リフトアップする時の天候の基準というのはあったのですか。
A:はい、雨天の時は時間何ミリ以上で中止というような明確な基準はありませんでしたが、風は平均風速が10mを超える場合は中止するというものでした。ただ作業を決定した後に風が強くなることもあったので、風の息を見ながらリフトアップを行いました。
Q(B):10mを超えても?
A:(答えようとしたら)
Q(C):その時は止めるんでしょ?
A:(そのタイミングの良さに思わず・・)はい、そうです。
Q(A):最終重量が2800tとありますが、ジャッキは何tのものを何台使ったのですか。
A:えーっと(頭の中で数えながら)、200tが8台と150tが8台の合計16台です。
Q(A):16台を制御したんですか。
A:16台を3つの群にまとめて、3点異荷重にしてリフトアップしました。
Q(A):鉄塔の倒れは計測したと思いますが、どのように行いましたか。
A:鉄塔の最上部に近いところにターゲットを付けて、地上から3次元計測を行いました。
Q(A):苦労されたというところで、地組ブロックを中に引き込むということですが、どのようにされたのですか。
A:建屋の一面に開口ガイドというものを設置して、リフトアップ中は閉じて水平力をとれるようにしておき、引き込む時はそれを広げて中に引き込むようにしました。
Q(A):水平力はどのようにしてとったのですか。
A:はい、建物4面のガイドレールを設置して、そこに水平ジャッキを取り付けて、そのジャッキに取らせるようにしました。
Q(A):(B試験官を見ながら)じゃ、次にいきましょうか。
Q(B):何を質問していいか良くわかんないだけど・・・。こういう風に孔を開けてやるってことは、簡単に思いつきそうだけど、今まで無かったんですか。
(この辺から、なんか思いつきで質問されてるんじゃないかと感じ始める)
A:はい、ありませんでした。
Q(C):振動法では出来ないとなってますが?
A:はい、東京スタジアムのようにケーブルが連続してる場合、個々のケーブルの固有振動数が分からないと思います。
Q(C):でも一般的にはよく使われてるんじゃないですか。
A:斜張橋ではよく使われますが、加振した場合に隣のケーブルにも振動が伝わって、そのケーブルの固有振動数が掴めないだろうというのが、検討会での結論でした。(あっ、そうじゃなくて自分の意見を言わなきゃ!)
Q(C):孔の微小変形を検出するということですが、このセンサーはどうなっているのですか。
A:センサーの中心に隔壁があって、そこに歪ケージが貼り付けられており、その歪ケージが隔壁の変形を検出します。(ということを、とてもまだるっこく説明した)
C試験官、首をひねっている。
Q(B):温度補正はどうなっているのですか。孔の変形とセンサーの密着度が重要であれば、かなり影響が大きい気がしますが。
A:温度補正はセンサーの中で自動補正するようになってます。キャリブレーションの段階で冷却スプレーをセンサー付近に掛けて冷やし、センサーの出力値の影響が無いことを確かめています。
Q(A):センサーは○○○○さんが作られてるのではないと思いますが。○○○○さんみたいなところが作るとか。
A:はい、○○○○ではありませんが、計測メーカーが製作しています。特許も共同出願です。
Q(A):最後のトラスの施工についてですが、中間に支保工を立てないのですか。
A:中間には既存の駅のホームがあり、支保工を立てることが出来ず、このようなスライド工法になりました。
Q(A):3F梁レールのジョイントがスライドに邪魔になったのではないですか。
A:ジョイントは溶接継手になっており、溶接後ビードを平滑に仕上げました。
Q(A):レール梁の中央にブロックがスライドしていくとたわみが生じると思いますが、その影響で不均等反力が発生しませんか。
A:実は梁のスパン中央には鉛直ブレースがあり、スパン4mになっていました。さらにスライドブロックとのスパンの関係が同じため、たわみによる影響はそう大きくなかったと思います。それより製作誤差、施工誤差による不陸の影響が大きかったと思います。
Q(A):今、スライドするとしたらどんな方法がいいと思いますか。
A:(論文の事例ではなく、一般的に考えた場合と思い)はい、究極は本設の梁をスライドレールにしてテフロン版などの支承を使用して・・・・(論文に書いてることじゃないと気付いてから、何をいってるのか分からなくなる)
Q(A):28台のジャッキを制御するのは大変だと思いますが。
A:はい、2台一組のジャッキ、あ、端部は1台ですが、をイコライズして、16点のジャッキを設計値の20%を超えないようにし、超えた場合に調整するようにしました。
その後、3,4の質問があり・・・
Q(A):(左右の試験官を見て)よろしいですか。
試験官B,C(うなずく)
Q(A):では時間ですので、ご苦労様でした。
A:(えっ、うっそー!技術士の義務は聞いてくれないの?と思いながら)ありがとうございました、よろしくお願いします。(すでに3人とも下を向いて何かを書き込んでいる)
終始、経験論文について、単純な好奇心から質問してるという感じで、技術士としてふさわしいかを見極めようと質問してるという印象は全然無かった。筆記の成績が悪いから、最初から落とすつもりだからおざなりなのか、もし仮に逆の場合でも、何か釈然としない、後味の悪い試験でした。

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7

はじめまして。毎度お世話になっておりますm(__)m今回、始めて技術士を受験しましたが、このHPの情報提供が大変有用でありましたので、恩返し(としては十分かどうかは分かりませんが)の意味も含めまして、口頭試験についての情報提供をさせていただきます。

面接日時:12年12月7日(木)16:30〜
面接官:2人(ゼネコンの部長クラス&コンサルタントの精鋭[中堅クラス]?)
私の年齢:32歳

質問概要:

1.技術士を受験した動機を述べよ
2.経験業務(1)について概要を説明せよ
3.論文を読んでいて1つ分からないところがあった。「近接工事の制限領域」について説明せよ
4.米国で施工計画をやったようだが、日米の発注者の姿勢で何か特徴的な違いはあるか
5.一般で情報化について書いているようだが、あなたのいる会社で何か推薦できる施策があれば紹介せよ
6.技術士とは何か説明せよ
7.技術士の義務について述べよ
8.技術士法が改正されたが、どのような点が改正されたのか説明せよ
付記:当日は、緊張のためか、受付するのを忘れてしまい(エレベータの同乗者につられて5Fの控室に直行してしまいました。本当の控室は8Fだったようです)、控室で1時間以上も前から待機していて名前を呼ばれないことを不審に思いながら待っていると、腕章をした係員が私をみつけてくださり、「受付は済ませましたか?」と聞きました。その時既に面接予定時間を5分超過していたので、顔面蒼白になりましたが、係員が面接官に事情を説明してくださり、無事、面接を受けることができました。これから面接を受ける方には、7Fでまず受付を済ませることを忘れない(葉書に書いてありますが)ように忠告されると良いと思います。本当に焦りました(^_^;;--   ゼネコン K.T

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8

00/12/07 Thu 20:58:15

6月ごろからこのHPを参考にさせていただきました。どうも有難うございました。本日、施工計画で口頭試験を受けてまいりました。試験官の方は、2名で学者風の方と、若干若いコンサル風の方の2名でした。2名とも紳士的で、私の発言に対して耳を傾けてくれる態度がすぐに分かり、すぐに緊張も和らぎました。試験時間はみっちり25分間でしたが、終わってみればあっという間の出来事でした。

質問内容は、

現在の業務の内容とその中で最も気をつけている点について
受験動機について
経験論文についての質問(合計15問ほど)
いままで失敗した事例はあるか。どうしてそうなったと考えるか。対処法は。
・技術士の義務についてでした。
経験論文についての質問時間が大半であったと思いますが、一方的に答えたという感じでもなく、会話を交わしていたという感じでした。その中の質問内容では、
その経験業務に関して最も苦労したことは何ですか。
・今後、同じ様な条件で施工する場合、何か他にこうすればよいという事はありますか。等がありました。
その他、経験問題に関する質問はかなり突っ込んだ質問も多く、また、試験官の問いかけに対して、「それは違います。」と否定せざるを得ない質問もありました。それについては、今考えると「○○の場合はそうなると思いますが、今回は○○でしたのでこうなりました。」と答えるべきであったと反省しています。反省点はいろいろありますが、とにもかくにも、試験後はやはり肩の荷がおりて、いつにない充実感を味わいました。あとは、結果を信じて待つ事とします。試験後は、少なからず迷惑をかけた家族と食事をして参りました。
これから、口頭試験を受けられる方の参考になれば幸いです。がんばってください。

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9

00/12/07 Thu 23:50:54

佐口さんの技術士受験講座には大変お世話になりました。色々と心配した口頭試験もついに終わってしまいました。今日の結果は、良いとも悪いとも判断つきません。試験官は2名で、皆様のように容姿だけでは職業を言い当てられません。経験論文から1問だけで、専門論文、一般論文からの質問はありませんでした。ついでに、技術士の3大義務(+2)や倫理要綱の質問もありませんでした。
試験の内容は以下のとおりです。
1.これまでの経歴について述べてください
2.現在の業務について興味をもたれ、質問が集中
(今、まさにやっている業務なので完璧に言いたいことは言えた。なんだか盛り上がってしまった。しゃべり過ぎたとも言う。)
3.現在の業務での失敗例があったら教えてください
4.過去の現場の業務での失敗例があったら教えてください
5.4.に関連して、発注後に発生する対策工について官側負担となっている
現状について考えるところを述べなさい
(私は民側ですが持論を展開。ニコニコしながら聞いてくれた)
6.経験論文Uについて、私の研究課題を褒めて頂いたあと、改良しなければならないポイントはあるかどうか?
(山ほど解決しなければならない問題を抱えているため、何を言うか迷った。1つ言ったあと、今までのしゃべり過ぎが気になって、まだしゃべって良いかと聞くと、どうぞといわれたので一つだけ付け加えて締めくくった)
7.開発技術の適用において現在考えられていることをなんでもいいから述べてみてください。
8.受験の動機と技術士に成られてから責任ある立場としてどのように活動されるか
(あとで考えれば、ここで3大義務を言うべきだったのだろうか。しかし、3大義務とか義務という言葉を言ってもらわないと、切り出せなかった。)
「おつかれさまでした」(あらら・・・・)
(次は3大義務だと思ったら終わってしまったのでオヤ?と思った)
試験室から外へ出て時計を見たらぴったり30分だった。やっぱりしゃべり過ぎかな。経験論文についての質問は1問だけで、経歴書のみのやりとりでした。経歴書に記載の年齢は33歳。(今は34歳なのですが)実績は空欄だらけの状態。経歴に重みを付けてくれていたのかなと良きに解釈。意地悪な質問は一切なく、終始和やかに進められました。主張したいことは全て言えたと思うのですが、3大義務が聞かれなかったのが非常に気になります。2月7日までは、忘れようと思います。

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10

00/12/08 Fri 08:11:19

佐口さん、投稿者の皆さん私の口頭試験も昨日終わり、この講座には大変お世話になりました。受験場での感想と試験の内容を今後の参考として報告します。(時系列で)

2時31分 かわいい女性が控え室に迎えにきました。32分 入室 受験番号と氏名を言う。

    まず 何処から来ましたか

1.なぜ技術士を受験されましたか
2.何回目ですか
3.経験記述の内容について質問(内容は省略)
4.経験上で失敗したことは
5.では最後に技術士の定義と義務は
6.追加された責務は

2時54分 では結構です

以上がその内容です。
試験官は2名で非常に紳士なかたでした。専門が施工計画でしたので、質問の内容は経験に関する事項がほとんどでした。自分としてはある程度は回答できたとは思いましたが、後は2月7日を待つしかありません。あとの皆さんがんばってください。

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11

日 時:2001年12月06日  9:35〜10:00 (予定:9:30)
場 所:渋谷フォーラム8

T.私の口頭試験における基本戦略

技術士の試験には当社(某スーパーゼネコン)のブランドイメージが、非常に影響力が強いという噂を事前に聞いていたので、「私は、○○建設で十数年第一線の技術者としてやってきました。」という基本戦略としました。具体的には、経歴に社名をさりげなく入れる、あるいは、見えないかもしれないけれど社章着用するなど…。

U.試験会場到着から試験開始まで

当日、フォーラム8に予定時間の1時間15分前(8:15頃)に到着し、受験受付場所で受付を済まし、受験者控室で待機しました。余り早く到着したためか受付場所もあわただしく準備中であり、受験者控室の入り口も閉まっており、しばらくの間、廊下で待機しました。その間に同じ階の試験会場の入り口が開放中であったため、試験会場の中の様子が良くわかりました。(朝一番あるいは朝早く受験する方はなるべく早く会場に到着する事が得策です。)受験控室の雰囲気は、やはり非常に重いため受付時に配られる受験時の注意書きを読んだら、控室を出たり入ったりして時間をつぶしました。傾向としては、年配(50代)の方の受験者非常に重い雰囲気を醸し出し、若い受験者(30代)はそれなりにリラックスしていたように感じました(ちなみに私はちょうど中間層です)。定刻9:30を過ぎると呼び出しの女性が受験者一人一人を呼び出し、ショットガン方式で各試験会場に連れて行かれました。試験会場の扉は、既に開いておりその女性の誘導で荷物置場に、かばん・コート類をおき、受験するいすの横で「Bの○○○番の○○○○です。よろしくお願いいたします。」と言ってから着席しました。

V.試験内容

試験官は、2名でその内1名はいかにも切れもののキャリア風(以下、キャリア氏)、もう1名はいかにも温和なゼネコン風(以下、ゼネコン氏)の試験官でした。ちなみに試験主査は、キャリア氏が担当し、質問はほとんど全部キャリア氏が出していました。最初は非常に緊張しており、声が上ずったりしましたが、試験官が非常に紳士的に対応していただいたおかげ(相槌を打ってくれる等)で、途中からとてもリラックスして対応が出来ました。
以下、一問一答

経歴及び動機について

キャリア氏:それでは主な経歴を述べてください。
 私 :○○建設に入社して、今年16年目になります。そのうち設計業務に2年間、本社での技術開発業務に約1半年間携わっております。それ以外の約12年半は現場での施工計画・施工管理の業務に携わっております。設計業務は主として○○を担当しました。本社での技術開発業務は、主として○○を担当しました。12年の現場管理業務のうち約○年間は、○○を担当しました。現在は、○○工事を担当しております。(多少たどたどしくも、想定どおり回答)
キャリア氏:技術士を取得しようとした動機について述べてください。
 私 :○○建設に入社した時から、技術部門の最高資格として、いつかは取得したいとあこがれていました。また、企業内技術士として社内的に技術的指導的な立場で今後の業務に取り組みたいというのが主な技術士を志望した主な動機です。(これも想定どおり回答)
キャリア氏:まだ、○○工事を担当しているのですか?(経験論文に記載した工事名と現在担当している工事名と非常に似ているため)
 私 :いいえ別件の工事です。(このぐらいから緊張が大分解けてきて、身振り手振りを加えた熱弁モードに入る)

経験論文1例目について

キャリア氏:経験論文1例目の事例ですが、なぜこのような施工機械を選ぶ事が出来たのでしょうか?(たぶん発想の根本をチェックしにきたのだろうと推測)
 私 :実を言うと、お得意さんと建設機械の展示会を見に行きまして、そこにこの機械が出展していたのが基本的な発想の原点です。(キャリア氏いたく納得の御様子)
キャリア氏:この事例は、設計変更の事例だと思いますが、当初工法は誰が設計したのですか。
 私 :○○○エンジニアリングと言うコンサルです。
キャリア氏:あなたが記述してある当初工法は、基本的に問題がある工法なのに本当にコンサルが考えたのですか?
 私 :(事実そうなのだが、コンサルの悪口を言ってもしょうがないので)たしか昭和53年ぐらいの設計で、基本的な施工条件等もまだ不確定の段階で検討したからではないでしょうか。(キャリア氏そんな古いものではしょうがないですねと、いたく納得の御様子)
キャリア氏:あなたの立場と役割は?
 私 :現場の○○として○○工法の技術的な責任者でした。
キャリア氏:現場では、この施工機械が林立していたのですか?
 私 :いいえその論文には、詳しく記載していませんが。2台で施工しました。
キャリア氏:本当に○○%もコスト縮減できたのですか?
 私 :はい、その○○%と言うコスト縮減額は、労務費のコスト縮減額という位置付けのものです。機械化によりかなり労務費が縮減できました。

経験論文2例目について

キャリア氏:この論文の中にある○○年間というライフサイクルは、どのようにして設定したのですか?
 私 :お得意さんの前提条件です。
キャリア氏:(納得していない表情で)一般的にRC構造物の供用期間として○○年間は、短いのではないですか。100年ぐらいが妥当だと思いますが。
 私 :(ここで口論してもしょうがないと思いながら)たしかにその通りです。一般的にいえば、○○年間という供用期間は短いと思います。
キャリア氏:(そうだなといわんばかりの満足した表情で)その他検討内容についての質問が2,3続く。

技術士の倫理観及びその他技術士の知識について

キャリア氏:技術士法が改正されて技術士の倫理観が重要視されています。例えば、あなたの施工現場で有害な土壌汚染が発見されましたどのように処理しますか。
 私 :まず調査結果を発注者に説明し、発注者といっしょに適正な処理をするように行動します。また、コストがかかるため、設計変更等認められない場合は、持ち出し覚悟で適正な処理をします。
ゼネコン氏:あなたの会社の利益が大幅に減じるケースでも同様の行動をしますか?
 私 :はい、私の所属する会社の企業規範に照らし合わせても、このような場合、利益より社会的倫理観を優先させるように指導されていますし、このような判断をしても特に問題視されることないと思います。むしろ、利益優先の行動をとる事のほうが、問題視されます。
キャリア氏:技術士の義務として、信用失墜の禁止というものがありますが、最近、新聞やマスコミをにぎわした事例を言ってください。
 私 :(最近そのような事例があったかな〜と思いつつ頭を抱えた。)
キャリア氏:そのようなことには興味がありませんか。
 私 :そんなことはないですが、最近というと今すぐ思いつきません。
ゼネコン氏:(助け舟を出してやるかという表情で)例えば、トンネルの覆工崩落事故や東海村の裏マニュアルなどのことです。建設に限らずそのような事例です。
 私 :(あまり最近じゃないな〜と思いつつ)はいそうですね。
キャリア氏:技術士は日本における技術部門最高の資格ですが、他の国のこのような資格についてご存知ですか?
 私 :アメリカのプロフェッショナルエンジニアや英国のCEがこれに該当すると思います。
キャリア氏:それとAPECエンジニアです。
 私 :はい、わかりました。
キャリア氏:(ゼネコン氏に向かって)他に何かありますか?
ゼネコン氏:特にありません。
キャリア氏:それでは、これで終わります。
 私 :(3大義務や2大責務はないのかな〜と思いつつ)どうもありがとうございますと一礼し、出口付近で失礼しますといって退室する。
以上が口頭試験をできる限り、忠実に再現したものです。全体的な感想は、とても穏やかな雰囲気で進み、信用失墜事例以外は特に答えに窮する質問はありませんでした。

W.アドバイス

基本的には、
1. 経歴について
2. 技術士受験の動機について
3. 経験論文の再チェック
4. 技術者倫理観
5. 国際動向(ISO,CPD)
ぐらいを簡単にまとめれば十分だと思います。口頭試験対策というのは、本当に完璧にやれば、それこそ1ヶ月ではとうてい終わらないぐらいのボリュームですので、それこそ何もしないのもなんだからなんかやろうぐらいの気持ちで取り組むとちょうどいいと思います。−以上−

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12

1.はじめに

平成13年度技術士二次試験の口頭試験は12月1日〜13日迄の期間で実施された。私が受験した建設部門の「施工計画・施工設備及び積算」は、筆記試験合格の通知とともに送られてきた書類では、6日、東京澁谷道玄坂の「フォーラム8」で実施されることになっていた。私は午後2時からになっていた。インターネットの関係ホームページ等の情報によればこの専門科目は、この日1日に同じビルで行われるようであった。

2.試験当日

試験当日、9時38分土浦発の常磐線に乗車した。会場に着いたのは12時頃であった。受付を7階で済ませると、10階の受験者控え室で待つように指示された。控え室は150人〜200人ほどの定員の講習会用の部屋が用意されていた。昼時ということもあり室には10人ほどが既に入室していた。部屋のそれほど重苦しい雰囲気出はなかった。
空いている席に就き、来る途中のコンビニで用意したおにぎりとお茶でゆっくりと腹ごしらえを済ませた。その後、筆記試験合格後作成した問答集に2〜3回目を通した。特に、技術士法の技術士の義務、技術士法の目的、定義、技術士会の倫理要綱、土木学会の倫理規定の前文は何回も口の中で反復した。1時少し前の頃になると、部屋には100人ほどの受験者となっていた。
1時5分前頃になって、受験者を案内する女性が1時からの予定の受験者を一人ずつ呼び出しそれぞれの部屋に案内していった。呼ばれたのは5〜6名ほどであっただろうか。
1時25分頃にも同じ情景があり、2時少し前、いよいよ自分の番になり、受験番号と名前を呼ばれた。担当の女性に案内され12階の小会議室風の部屋に案内された。部屋は50m2ほどの広さで、長テーブルが2基に試験管が2名座っていた。自分書いた答案と、願書提出時の経歴書が机上に用意されていた。その前2mほど離れたところに受験者用席と荷物置き用の椅子が用意されていた。 試験官は50才前後の役人風(後の質疑の内容から想像)と60才前後の大学教授風(?)であった。
受験番号と氏名、「よろしくお願いします」を言い立っていると、「お座り下さい」と指示が有り、着席した。時間の確認はしなかったが、丁度2時頃であったと思う。

3.試験官とのQ&A

Q1.早速ですが、貴方の書かれた2つの経験論文について、簡単にその内容について説明して下さい。
A1. 1つ目の工事は、JH○○自動車道○○工事で土工事を主体とする工事でした。他工区からの客土盛土で高含水比の粘性土盛土材を80万m3施工する工事でした。掘削、運搬は他の施工区の範疇で土取り場でのトレンチカットによる含水比低下工法等は行ったが十分な低下は困難であった。そこで、盛土の中に排水シート、ジオテキスタイル等の4タイプの試験施工を行い施工計画立案のためのデータ-を収集した。
@ は織物シート(全面敷設)、Aは不織布(全面敷設)Bは織物シート+排水ドレーンCは不織布(のり方3mに敷設)試験施工の結果、費用対効果を勘案するとCのタイプを採用することにした。この試験施工を技術的評価と成果、反省としてまとめたものです。

2つ目の工事は、鋼矢板の2重締め切りで、取水樋管を新設する工事であったが、施工中にボイリング災害が発生した。その災害対策のための、@2重締め切りの崩壊箇所の復旧と補強方法、A施工途中の既設鋼管杭の支持力確保、B掘削のための山止めと水替え工の施工方法等、それを復旧するための施工計画に必要な調査と施工計画の検討をまとめたものであります。
(上記は用意していた回答であるが、実際の回答は更に簡略して応えた)
Q2.1つ目の工事について質問します。排水シートの敷設のピッチと盛土の敷き均し厚はどのようにしましたか?
A2.シートのピッチは50 cmで盛土の巻き出し厚は25cmです。
Q3.論文の表によるとCの強度で×になっているのに何故、総合評価で◎になっているのですか?
A3. 実験の結果からCの法肩部3mの敷設は排水効果が他の工法と比べ成績が良いか、同等であり、費用対効果から判断するとAの方法が最も経済性が優れていると判断したから採用しました。
Q4.この盛土材はどこから運んできたのですか。
A4.隣のサービスエリア工事からです。
Q5.何と言うサーピスエリヤですか?
A5.地名はちょっと思い出せませんが、工事をされたのは○○○建設さんでした。( 試験終了後じっくり考えて思い出したが、ここでは思い出せなかった。)
Q6.この工事には構造物はなかったのですか?
A6.カルバートボックスが8個所有りました。
Q7.骨材はどこの産地のものでしたか?
A7.地名は思い出せませんが、この近くの骨材でした。
Q8.○○市といえば北陸地方ですが、冬も仕事をやったのですか。
A8.大体今ごろの季節(12月初旬)まで施工しました。
Q9.この地方のこの季節は雨が多いですが土工事もやられたのですか。
A9.おっしゃるような気象条件もあって、この工法を考えました。
Q10.2つ目の工事についてですが、最初の工事計画時に山留の安定計算等の検討はしなかったのですか?
A10.現場は3路線の鋼矢板の真下に有り、長い鋼矢板が打てない状況でした。工法としては、2重締切りで、締切っただけで、山留はしない工法だったのでそのような検討は行いませんでした。(説明になっていない回答であったが、試験官はある程度、理解されたようだった)(この工事に関する質問はこれのみであった。)
Q11.貴方が今まで体験された工事のなかで、第三者に振動、騒音、家屋損壊等被害のあった経験はありませんか。
A11.小規模の苦情等はありました。例えば生コン車のエンジンの空ぶかしやブルドザーの振動などですが、特に大きな被害の出た経験はありません。
Q12.工事現場の近くで、家屋にクラック等の被害が出たり、地盤にクラックが入ったと言った苦情があったことはなかったですか?
A12.特にそのような大きな災害のあったことは有りません。
Q13.最近、役所、コンサルの設計者に未経験者が多くなり発注前の施工計画立案に支障が出るケースが多くなっているが、どのような対処方法がありますか?
A13.個別の物件について、ゼネコンの経験に声をかけ相談していただければ良いと思います。また、集団学習として、ゼネコンの経験者を講師に招き、講習会を開いて勉強するのも必要であると思います。(関連質問が1〜2あった)
Q14.貴方は、会社でどのような仕事をされていますか。
A14.私は○○建設の人間ですが、今は経営状態の悪い再建中の○○建設に出向し、工事本部長として土木本部、建築本部、リフォーム部、安全推進本部の統括監理をしています。
Q15.苦労されているようですが、部下の指導ではどのようになさっていますか?
A15. ・特に施工検討会は重点的に指導しているところです。社員1人1人の個性を尊重し、長所を伸ばしながら、大きな方向性に誤りの無い様、指導している。また、月に1回の主任所長会議を開催し、その中で日ごろ思っていることの指導等を行っています。(関連質問が1〜2あった)
Q16.貴方の経歴書の中で、クループ企業のコンクリート構造物耐久性検討会の委員長という項目が有りますがこれはどういうことをされたのですか?
A16.○○建設は、セメント会社、生コン会社、2次製品会社、と私どもゼネコンと言う企業グループを抱えておりまして、○○大の○○先生の書かれました「コンクリートが危ない」の本を読んで社長がグループ全体に声を掛け始まったもので、私がその纏め役をやったのです。
Q17どういうことをやったのですか。
A17.いろいろやりましたが、生コンプラントな品質管理について、ゼネコンとしては生コンプラントに対する品質、工場の管理状態についての関心が薄かったが、色んな管理状態のブラントが存在することが判り、全国の当社の施工中の現場が関わっている生コンプラントの一斉調査をしました。
Q18.その他にどういうことをしましたか?
A18.コンクリート施工についての良いコンクリートを打つためのチェックリストを作成し、全作業所に配布したりしました。コンクリート打設前の作業員や関係者の教育の重要性を強調して訴えた。
Q19.貴方の工事本部長として担当されている工事で代表的な工事にどんな工事を今やって居ますか?
A19.国道6号線の○○○工事を行っています。
Q20.○○橋工事はもう終わっているでしょう
A20.いいえ、まだ付帯工事を行っています。(試験官:ああそうですね) (本体工事は前年度に終わり、今は付帯工事の小規模な工事のみで代表的な工事とはいえない工事であったが、とっさの質問で適当な工事が思い出されず、思いつくままに言った。内心この答えは、失敗したなと思う)
Q21.○○県で今施工中の代表的な工事にはどんなものがありますか?
A21.自動車研究所の工事があります。
Q22.それはどのような工事ですか?
A22.今、つくばにある旧施設を○○市の近くに移転するための工事で4工区に分け発注されており、大手ゼネコンさんも沢山参加されています。○○建設も一部参加させてもらっています。
Q23.一周、どのくらいあるのですか?
A23.5kmくらいです。
Q24.最高速度はどのくらいなんですかねえ?
A23.ちょっと判りません。(試験官は笑っていた)
Q25.それはどのようなところから発注になっているのですか?
A25.自動車会社の集まりの団体です。
Q26.貴方が今まで経験された現場で一番苦労なさった現場はどこですか?
A26.○○自動車道(改築)○○中工事でした。
Q27.それはどのような工事でしたか?
A27. この工事は○○自動車道の○○PAを含む3000Mの上下線各1車線を拡幅する工事で特殊法面工法の施工計画と施工管理の指導を行いました。
Q28.今までに貴方が経験された工事で失敗例が有れば話して下さい。
A28. かなり古い話になりますが、20年ほど前のことですが、下水終末処理場において、構造の複雑な構造物でコンクリートの1日の打設量の多いコンクリートであったため、コールドジョイントとジャンカを出したくなかったためスランプを規格値一杯まで落とし打設した。この為に、打設時期が夏季であったことも影響して乾燥収縮クラックが多く入り漏水の原因となったと言う失敗例が有りました。
Q29.技術士の義務について述べて下さい。
A29 44条 信用失墜行為禁止の義務、45条 秘密保持義務 45条の2 公益確保の責務 46条 名称表示の場合の義務 47条 資質向上の責務
Q30.それでは公益確保と資質の向上について貴方はどういう行動を実際とりますか?
A30.公益確保については、所属する団体や会社の利益にとらわれること無く、大きな視点で物事を判断する。資質の向上については、技術士会や協会や学会等に積極的に参加し、技術の研鑚を図るように努力します。
試験官:結構です。これで終わります。
私:「ありがとうございました。失礼します。」で荷物を持って試験室を退席する。
<<追加>>上記のほかに多少の関連質問があったので質問の数は35問位であったでしょうか。部屋の外に出て時計を見たら、2時20分であったので、正味の試験の時間は20分位であった。

3.試験が終わって

全体的に試験官は温和な質問の仕方であった。この後、試験官は4〜5分の採点作業をやり、次の受験者の設問準備をするものと予想される。受付時に渡された「口頭試験での注意事項」の中で、合格発表は3月7日(木)の発表予定であることが記されていた。結果は口頭試験の5分後には出ているだろうに、はなはだ待ち遠しい限りである。

4.試験の準備

口頭試験の準備は筆記試験の発表があってから始めた。国家試験受験指導センターの口頭試験受験対策講座(料金2万円)に申し込んだ。センターから参考資料が送られてきたが、12ページの口頭試験に対する簡単な内容と、100ページほどの過去の受験者の体験談が載った冊子が送られてきた。その後10日ほどして、申し込み時に送っておいた経験論文2題に対する試験で聞かれそうな仮想質問が各題に対して8問づつと、一般的な仮想質問について数題を書き込んだ3ページにわたる指導事項の書き込んだものが送られてきた。内容から見て2万円は高い様に思ったが、これが無いと口頭試験に対する適切な勉強ができていたか?と思うと2万円は仕方が無いかなと思った。一方、インターネットの技術士二次試験受験講座が有り、多いに役に立った。これらの2つの情報源を参考にしながら、自分なりの想定問答集を作成し、テープに吹き込んで通勤の行き帰りに何回も繰り返し聞いた。結果的に、かなりの部分で役に立ったように思ったが、想定しない質問も多くあった。
準備した想定問答集の主な内容
1.技術士法の目的、技術士の定義、義務規定、技術士会倫理要綱、土木学会倫理規定
2.経験論文の概要説明
3.自分の経歴の説明
4.受験の動機、技術士になった時の抱負、
5.会社の中での自分の立場、部下の指導の仕方
6.失敗例と対策
7.経験論文の技術的事項いろいろ
8.最近話題になっている建設関係時事のいろいろ
例えば、PFI, ライフサイクルコスト、コスト縮減、ISO、建設CALS、電子入札、維持管理等ほか色々、( 結果的にはこの部分は1つも聞かれなかった)全部で50問ほどの想定問答集を作った。

5.あとがき

試験官とのQ&Aは試験委員が大勢おられる中でそれぞれの専門、資質等が異なり何を質問されるかは分からないのが現状である。私が体験したQ&Aは一つの参考に過ぎない。試験会場の雰囲気を感じてもらえば良いのではないかと思っています。どのような試験管に当たろうとも私が準備した想定質問の内容程度を準備し、会場では自信を持って、大きな声ではっきりと応える事が肝要ではないのだろうか。

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13

平成14年12月11日(水) 10:30〜11:00
新宿ワシントンホテル

案内係の女性について部屋に入って、荷物を置き、「B○○○○番の○○○○です、宜しくお願いします。」と挨拶し、着席。(緊張のせいか番号のところでつかえてしまったが、以下のように、和やかに始めてくれたので、一気にリラックスできた。試験官は役人とゼネコンといった感じで、質問内容から見てもコンサルではなさそう)
1. 今日はどちらから来られたのですか?
「イギリスのロンドンから来ました」
「へえ、随分遠いところから、この試験のためにわざわざ来たんですか?」
「はい、そうです」
「それはそれは、東南アジアじゃなくてイギリスとは.....、夏も筆記試験のためにわざわざ来たんですね?」
「はい、その時は会社の研修がほぼ同時期にありましたので、それに絡めて来ました」
2. ロンドンでは、何をやってるのですか?
「はい、ご存知とは思いますが、1994年に開通した国際列車のドーバー海峡トンネルの延長で、現在イギリス側約109キロの区間では在来線を利用してスピードを落として走っているものを、フル規格にするプロジェクトです。そのうち私が担当しているのはロンドン中心部の7.5km上下線合せて15kmの土圧シールドトンネルです」
「ああ、あのユーロスターですね?」
「はい、そうです」
「ロンドンでのターミナル駅はどちらでしたっけ?」
「現在はウォータールー駅ですが、工事が完成しますとセントパンクラス駅になります」
3. 今回の受験の動機は何ですか?
「はい、率直に申しまして、ここ数年の建設業の厳しい状況を見ますと、やはりこれからは確固たる自分個人の技術力がないと活躍の場がなくなるとの危機感をもちまして、技術士を受験することで自分の培ってきた技術について見直し、今後さらに磨いていくためのきっかけにしようと思って受験しました」
4. イギリスで技術士に相当するものはプロフェッショナルエンジニアですか?
「いいえ、チャータードエンジニアと呼ばれているようです」
「へえ、チャータードエンジニアというんですか」
5. 経歴を見ますと土圧シールドがずいぶん多いようですね。経験論文で土圧と沈下のことを書いていますが、この論文の内容を一言でいうとどういうことですか?
「はい、N値0〜1の軟弱シルト地盤におけるシールドの沈下対策をテーマにしたものです。与えられた地表面の許容沈下量が20mmで、これを地山ロス率に換算しますと2〜5%で、当時の同様地盤条件における実績を調べた結果から厳しいと判断しました。特に後半部分は土被りが小さいため、何らかの沈下抑制対策が必要だと考えました。そこで、前半の約500m区間を試験施工区間と位置付け、土圧を変化させながら、きめ細かい地盤変状計測を行うことを計画しました。この結果、適正土圧などの後半のための管理指標を見出すことができました」(少々長くなってしまったが、一言ではとても無理なので)
6. 実績はどのように調べたのですか?
「色々な文献を調べたり、社内の経験者に聞いたりしました」
7.地山ロス率というのは、よく使われているんですか?
「当時日本で広く一般的だったとは言えませんが、文献には良く出ていまして、私自身としては初めて実施工に適用しました」
8.地山ロス率の考えを適用した理由は何ですか?
「あくまで、重要なのは沈下量そのものですが、沈下量は土被りの大小に影響されます。つまり、土圧や裏込め注入などの適正度が同じでも土被りが違えば、その分地表面沈下量が変わってきます。地山ロス率は土被りと無関係にトンネルの影響度を表すものなので、施工の良し悪しを比較するのに適していると言えます」
9.現在のイギリスでも地山ロス率の考え方を使っているのですか?
「はい、ほぼ全線に渡って鉄道や民家に対して近接施工となっていますので、事前の影響検討の段階から、経験に基づいた地山ロス率をある範囲で設定し、沈下予測を行っています」
10.現在のイギリスでの土圧式の選定理由は何ですか?
「やはり、経済比較の結果です。泥水式はどうしても設備の費用が多いですから」
11.泥水式の方が沈下が少ないと思いますが、沈下については多少目をつぶるということですか?
「いいえ、土圧式の方が切羽圧などの管理が難しいのは事実ですが、きっちりとした管理を行えば問題ないと判断しています。残念ながら、私自身泥水式の経験が無く、両者の比較はできませんが」
12.沈下や騒音問題などは工事につきものですが、住民対応の仕方について日本と海外で差はありますか?
「現在も沈下と騒音は重要な問題ですが、我々日本人ではうまく対応できない部分がありますので、専門の折衝担当者を雇って対応しています。日本と比べると苦情が少なく、わりと協力的な人が多いと感じます」
「バンコクでもそうだったんですか?」
「はい、そうです」
「なるほどね。でも、どうして日本は苦労が多いのかなあ...」(笑)
13.東京でも色々経験されてますけど、その時はどのように対応しましたか?
「はい、やはり苦情が多く、少なからずとも迷惑を掛けていることは事実なので、下手に出て対応していました。ただし、どうしても理解して頂きたいことは誠心誠意何度でも説明するようにしていました」
14.技術士には公益確保の義務というものがありますが、そういった住民対応などと絡めて、どのようにお考えですか?
「まず、その国や地域の法律、例えば騒音・振動の規制値などに従うのが第一ですが、たとえその範囲内であっても、相手の立場に立って最大限の努力をすることが技術者の務めだと思います」
15.沈下対策などをしっかりやろうとするとお金がかかりますが、それについてはどのように考えていますか?
「例えば、今の工事では沈下が何ミリまたは地山ロス率で何パーセント以内ならば、被害が発生しても発注者負担というように、契約ではっきり謳っているのでやりやすい面はありますが、お金をかけなくても管理をしっかり行うことで、沈下を最小限に抑えることをまず考えるべきだと思います。現に今の工事では既に1km進んでいますが、土圧、排土量、裏込め注入量、強度、圧力などについて日々分析、管理を行うことで地山ロス率最小0.3%、沈下量で5mmに抑えることができています」
16.また、技術士には信用失墜行為の禁止というものがあって、最近いくつかの実例が発生していますが、何か該当する事例を知っていますか?
「勉強不足で申し訳ありませんが、知りません」
「ん..海外でもこれは大事な問題だと思いますけど、何かあるんじゃないですか?」(えっ勘弁してくれないの)
「少し古いですが、JRや高速道路トンネルの二次覆工コンクリートの剥落事故の原因として施工不良があったことは否めず、土木技術に対する信用を失墜したという意味で該当するのではないでしょうか」
17.イギリスあるいはヨーロッパと日本を比較して、技術的にはどう思いますか?
「設計、品質管理などを含めたトータルマネジメントシステムに関しては、欧米には進んでいる面がたくさんあって、学ばなければいけないと思っています。しかし、実際の細かい施工技術では日本のほうが優れていると思います。特に、シールドに関しては近年の工事量の差が大きいので、その傾向が強いです」
18.海外にいると、日本の技術に関する情報が得にくいと思いますが、どのように勉強しているんですか?
「定期購読しているのは土木学会誌だけですが、実務に関連して必要な資料は本社に頼んでその都度送ってもらっています。今の工事では沈下や切羽添加材についての情報が必要なので、トンネルと地下や基礎工などに目を通しています」
19.今後あなた自身について、どのような将来像を描いていますか?
「シールド、都市部での開削、また近接施工などの自分の得意分野で国内外を問わず、幅広く活躍していきたいと思っています。もし、技術士になれましたら、APECエンジニアなどの国際資格にも挑戦していきたいと思っています」
20.技術士の定義は?
「科学技術に関する専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、評価、試験またはそれらの指導を行う者を技術士といいます」(つかえながらも何とか言い切った)
21.それでは最後に、技術士には守らなければならない義務がありますが?
「信用失墜行為の禁止、技術士等の秘密保持義務、技術士等の名称表示の場合の義務、公益確保の責務、資質向上の責務、以上です」(またまた、つかえながらも何とか言い切った)
それではこれで終わります、ありがとうございました
「はい、どうもありがとうございました」
全体的な印象としては、技術的な突っ込みや自分の実績に関する質問が少なく、倫理的な事に関する資質を試されたような感じでした。住民対応については、確かに海外にいると直接タッチしないため、不意を突かれましたが、下手に出るなどの不適切な表現を使わず、昔実際に苦労した体験を話せばよかったと後悔しました。また、自分の将来像や抱負については、もっとはっきりしたものを持つべきだと反省しました。最後に、想定問答集などの準備は重要ですが、それを丸暗記しようなどとせずに、その場で落ち着いて、臨機応変な受け答えができるような心構えを持つことが第一と痛感しました。    以上

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14

2002/12/10(Tue) 23:51:52

本日新宿ワシントンホテルで施工計画で口答試験受けました。11時からでしたが、10時前にホテルにつき、エレベーターホールで試験官の方数十名と一緒になってしまいました。(お食事処みたいな場所からでてきましたので、事前の打ち合わせか、それとも単にお茶を飲んでいたのかは不明)。
さて、試験内容ですが、いきなり経験論文についての質問から始まり、17,8分は、ずっと経験論文についての質問でした。その後受験の動機、3大義務と2大責務。なぜ公益確保の責務が追加になったと思うか。公益確保と、企業の利益が相反する場合、どういう行動をとるか。など倫理に関する質問が約10分間。合計27,8分の試験でした。専門や建設一般に関する質問はありませんでした。施工計画の場合は、やはり経験論文に関する質問が中心なのでしょうか?

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15

2002/12/11(Wed) 00:14:34        

本日ワシントンホテルで施工計画の口頭試験を受けました。最初に「経歴の概略を話してください」から始まり、後は経験論文2題についてのやりとりが各10分程度づつで最後に3大義務と2大責務を回答し、おまけで継続教育に対して自身はどう対応していくかを問われました。試験官から若いと見られると経験論文について結構しつこく聞かれるようで、私の場合もそうでした。(私は38歳で、自身はそれほど若いと感じてませんが、見た目が幼い感じなので、そう見られても仕方ないとあきらめています。)
もう一度、経験論文の内容について再度復習し、結構つっこんだ質問に対してもある程度答えるようにし、あくまで自分が主体で考え、実行したということを強調する気持ちで試験にのぞまれることをアドバイス致します。なお、私の場合、試験官2名は、つっこんだ質問をどんどんしてきましたが、質問内容は純粋に技術的内容を問うもので、いやらしい質問はありませんでした。ご健闘を祈ります。

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