受験体験記(全般)
『発注者側の立場で』 寄稿者:RAYさん
2022発注者の立場で初めての受験で無事合格しました。この資格は、基本コンサルの皆さまのものと思いますが、掲示板を見ますと、発注者(東北いなかの中規模市です)での一定の需要があるようなので、情報共有します。
掲示板は基本ROM(リードオンリー:死語?)ですが、このサイトで大変お世話になっていることから一大決心して投稿しました。横展開よろしくお願いします。
○試験勉強
技術士受験(一次試験が11月末と遅かったため)のため、地元で受験可能だったためと、メンタル維持のため受験しました。どちらも「道路」で受験です。(いまさらながら、どちらか河川にすればよかったと思います)
RCCMの勉強時間 約2カ月
費用:受験手数料17320円+振込+申込送料+オンライン販売(フリーダウンロードパス2022 for RCCM3000円)
○受験日程
試験Aと試験Bは別日程で受験 初めにB(9月上旬)、約3週間後にAという日程です。技術士一次試験への時間的余裕を確保するための日程調整です。
○問題1 経験論文
私は、業務実績証明書は以下の3つを選択しました。
①渋滞対策の交差点改良
②老朽化+バリアフリー
③無電柱化
内容がさまざまな事例(国の制作の中でも、比較的トレンドに近いもの)を選択するように考えました。【経験業務その3】は③無電柱化にしました。(趣旨は以下の通りで、コンサルではない発注者がいつも考えることをできるだけ入れるように注意しました。)
共通する(1)~(4)はフォーマットを同じにして、覚えやすくしました。
8月に概要を作成し、試験Aが終わってから3週間の間に覚えました。できるだけ自分のロジックに沿ったなかで書いていけるような流れにしました。
特に気を使った点:横50字?と通常使っていないフォーマットなため、入力漏れがないように、自宅での準備もこのフォーマットを再現して、各センテンスの行数確認を行いました。
どうしても不安な方は、「記述答案添削講座25000円」もありますので、技術士受験の予行演習と考えて受けてみましょう。
○問題2、4-1、4-2
各自オンライン販売で得点を取れるよう努力して下さい。合格は50点(総合60点)ですが、私の性格上80点確保を目標にしました。(技術士対策もありました)
過去問が更新されないので、ひとつ目新しい問題がありましたので記録します。
問 避難指示って、だれが、いつ出すのか?
警戒レベル2は市町村長が発表する。レベル4、5は知事が発令する。みたいな問題です。
答 参考サイト
(その他内容省略)
○問題3 選択記述
まずは、公表済み問題テーマ6問について、本サイトで概略をつかみました。正直、担い手や災害などは業務で詳細把握していましたが、SDGsやカーボンニュートラルは一から勉強しました。
APEC様の内容で自分にしっくりこない(丸暗記は無理だったので・・・)ところは、白書で検索して、準備をしました。粗粗の原稿を作成して、1ヶ月位で数回見直を行い自分の原稿にして、試験に望みました。
また、コンサルの現状を知るために、建設コンサルタンツ協会のサイトで、報告書を確認して現状や将来を確認し、前文に盛り込みました。内容は、総花的な項目になってしまったのが少し気になりました。
試験にあたっては、CBT様の「担い手確保と働き方改革」のご託宣を受け、(他の受験者には迷惑だったと思いますが)、一所懸命キーボードを叩きました。(概略は添付)
最後のあがきで記憶力低下を補うため、通勤車(約20分)の中で、テキストを音声変換するオンラインサービス(音読さん)を使ってMP4化しました。が、あまり効果はなかったと思います。涙)
○終わりに
CBT2022は文字数の表示もあり、比較的楽に受験ができたと思います。また、時間も余裕を持って受けることができました。
掲示板では、「公務員がなぜRCCMや技術士を受けるのか」みたいな書き込みも散見されますが、自分のスキルアップのための受験です。立場の違いを超えて建設系職種を盛り上げましょう。
皆さまの合格を願っております。
○問題1(1600字の(5)(6)(7) 概略)
(5)技術上の問題点とその対応
本路線では、(現状を説明) 電線共同溝の埋設位置を決定することが課題となった。
この埋設位置が、事業全体の工程やコストに大きく影響するため、道路管理者、受託者、道路占用者とで総合的な調整会議を開催し、その移設の可否やその移設補償費について協議を行った。
その協議の結果を受け、電線共同溝について複数のパターンでの配置計画と、各々の概算費用やメリット・デメリットについて比較検討を行った。さらに、「電線共同溝整備マニュアル」を参考に、「浅層埋設方式」などの低コスト手法や長尺軽量部材やプレキャスト製品の活用についての検討も進めた。
その結果、限られた道路のスペースを上手に利用し、各施設の維持管理性などにも配慮した、適切な埋設位置の決定および支障物の移転計画を作成することができた。
(6)業務上の問題点とその対応
業務開始にあたって、沿線住民との合意形成の遅れによる業務の遅延が出ないよう、発注者と受注者が協力し、工事渋滞や安全性確保などについて対策を立案するとともに事業説明を行った。
①工事渋滞と交通安全の対策等
工事区間について、片側交互通行の交通規制を想定し、早期の交通開放ができよう施工範囲の設定を行うとともに、歩道については、迂回路を設けるなどの安全対策案を作成した。
さらに、作業効率の低下や安全性の低下する冬期工事を避けるよう、長尺軽量部材やプレキャスト製品の活用による工程の短縮や、債務負担行為の設定など調整を図った。
②住民説明
上記対策のほか、宅地への電線の引込や地上機器の設置については、個別に、沿線の土地利用状況や今後の計画等について聞き取りを行いながら、わかりやすく図面等を用いて丁寧な説明を行った。
これらにより、住民理解が得られ、スムーズな業務進捗と事業全体への影響を抑えることができた。
(7)上記2つの対応について、現時点での評価
(5)の評価
ⅰ 十分な事前調査と総合的な調整会議の開催により、迅速な配置計画等の策定が可能となった。
ⅱ 市街地の幹線道路における事業であり、長尺軽量部材やプレキャスト製品の活用した工期短縮や作業性向上等の提案は十分に評価される。
今後も、工期、全体事業費・その他の現場条件に合わせた最適な提案ができるように技術研鑽する。
(6)の評価
ⅰ 工事渋滞や交通安全の対策の提示は、住民の早期事業理解につながった。
ⅱ 電線の引き込みや地上機器などの住民説明も十分に行うことができ、スムーズな業務進捗につながった。
中心市街地に近く、条件が複雑な業務については、関係者や地元住民の合意形成をスムーズに行うことが業務遂行の重要課題となるが、十分な対応により業務完了に至った。
○問題3(「担い手確保と働き方改革」 概略)
建設産業は、・・・担い手、地域の守り手、3K(きつい、きたない、きけん)などを記載
建設コンサルタントは・・・、長時間労働、賃金などの課題、若者や女性の離職、熟練者の高齢化、担い手の不足の現状などを記載
新担い手3法の成立など全体の方向性を記載
①建設コンサルタントの担い手確保・育成の課題
<1>処遇と就業環境
今後の建設コンサルタントでの進めるべき課題を記載 協会資料から抜粋
残業規制について記載
<2>官民一体となった取り組み
国の施策、(3Kから新3K)など、処遇と就業環境の改善、担い手の育成、働き方改革の必要性を記載
<3>新技術
DX導入による生産性向上、働き方改革、担い手の必要性を記載
特に、インフラ点検などはコンサル頼みになるので、新技術による省力化、高度化を記載
②建設コンサルタントの働き方改革のあり方
<1>処遇と就業環境の向上
以下の処遇と就業環境の改善に付いて記載
・発注者指定完全週休2日制、深夜労働の禁止、ノー残業デーの厳守
・能力や経験に即した給与体系
・女性の働きやすい職場つくり(産休、育休制度の充実、トイレ、更衣室、禁煙など)
・様々な働き方が可能な「ワークライフバランス(WLB)」確保
・働きやすい「ダイバーシティ」環境
・表彰制度、熟練者のノウハウやスキルの技術伝承など
<2>官民一体となった取り組み
以下の処遇と就業環境の改善に付いて記載
・官民一体となったPR、平準化
・入札制度改革
・給与水準の確保
・適正な工期の設定や平準化による長時間労働の是正
・ウィークリースタンスの厳守
・ドローン、レーザースキャナ、BIM/CIMの促進
・新技術基準改正
・検査の簡易化、書類の簡素化
<3>新技術の利活用
以下の処遇と就業環境の改善に付いて記載
・ICT、IOT、AIなどによるDX推進
・ドローンやレーザースキャナによる測量、設計、ICT土工の実施による、施工性や安全性向上
・BIM/CIMの適用工事拡大
・RPAによる定形業務、単純作業の改善、省力化、ミス防止、コスト縮減
・5G6Gなど高速大容量通信網整備による、テレワークや時間、場所の効率化による働き方改革、遠隔操作、リモート臨場
・新技術の担い手育成、社会実装に合わせたマニュアル作成
・地方企業への支援、ICT機器の配置支援や開発促進
CBT方式について、試験A・Bを別日に受験することについて
寄稿者:みゃーくさん
受験年度::2021(R03)
受験部門:施工計画
RCCMは2部門目の受験でした。
CBT方式について
受験会場では、RCCM以外の試験も同時に行われていました。
初めてだと、画面操作に多少戸惑うかもしれまんが、わかりやすく作られていると感じました。
不安な人は、事前にプロメトリック社(CBT試験のシステムを提供してる会社)のHPで、「試験当日の受験の流れ」を読んで、「CBT体験版」を触ってみるといいと思います。
経産省系(IPA)の試験である、「基本情報技術者試験」や「情報セキュリティマネジメント試験」も、プロメトリック社のCBTを使うので、受験しておくと慣れると思います(択一のみですが)。
論文については、文字制限がありますが、現在何文字なのか、画面上には表示されません。
残り文字数を数えたい場合は、「ああああああああ」とキーを文字制限に達するまで押しっぱなしにしました。
1行50文字なので、「ああああああああ」が何行あるかで、残りの文字数がわかります。
試験Aと試験Bを別日に受験することについて
別の日に受験した方が、合格する確率はあがると思います。1回あたりに記憶すべき情報量が半分になるからです。
最初の試験がイマイチの出来でも、そこから勉強量を増やせば、2つめの試験で挽回も可能になります。
試験会場へ行くための、コスト(時間、交通費、宿泊費)が2倍かかることになりますが、コストとリターンを比較して、まとめて受けるか別にするか決めればいいと思います。
試験会場が近い人は、コストが小さいので、別の日に受験するメリットが大きいです。
試験会場が遠い場合は、コストが大きいので悩むところです。
既に合格圏の人はまとめて受験(同日とか2日連続とか)した方が、コストを抑えられます。
試験会場が遠くて、自信がない場合が一番悩みますが、コスト(交通費等)は明確に計算できるので、あとはリターンをどう見積もるかです。
別の日に受験したら、どれくらい合格の可能性が上がるか。
RCCMをとったらどのようなメリット(金銭面、精神面、周囲の評価など)があるのか。
などです。
5日前までなら受験日を変更できるので(枠があいてればですが)、勉強の進捗をみてから、予定を変更することもできます。
私は試験会場まで飛行機利用が必須の世界の果てに住んでますが、RCCM未取得の人には、試験A・Bを別の日に受験するように勧めています。
技術士がほぼいない地域なので、RCCMの価値が高く、交通費などが2倍になってもリターンの方が大きいからです。
勉強方法
SUKIYAKI塾のフリーダウンロードパスを買うのが一番コスパがいいと思います。
必要な情報が網羅されてます。
択一は100本ノックを使い、隙間時間に知識の定着をはかりました。
ただ、100本ノックは図が出る問題には対応していないので、「過去問題と推定正解・解説」を繰り返し読みます。
択一問題(問題2、4-1、4-2)で75%得点できれば、論文(問題1、3)が足切り基準の50%ピッタリの得点でも、トータルで合格基準の60%を超えられます。
しっかり勉強すれば成果が出る試験です。
みんなで合格しましょう。
ありのままの経験を書きました
寄稿者:ちゃんいぇーさん
受験年度::2021(R03)
受験部門上工水道
答案本文
業務番号: 4
(1-1)業務の名称(50文字以内)
: □□市簡易水道会計固定資産調査委託業務
(1-2)発注者名(25文字以内)
: ○○県□□市水道課
(1-3)履行期間(25文字以内)
: 平成27年6月から平成28年2月 9ヶ月間
(2)業務の目的(100文字以内)
: 水道施設の資産調査を行い、水道施設の運転・管理状況を確認し、耐用年数、減価償却等の情報を含めた財政収支の状況及び情報を整理する。本業務によりアセットマネジメントの基礎資料を作成することとする。
(3)業務の内容(125文字以内)
: □□市上水道が将来、水道事業のアセットマネジメントを行う際に必要となるであろう既往資料を収集し、各施設の諸元、耐用年数を整理するとともにその資料を報告書としてとりまとめる。現況との相違点を抽出し、対比した資料を作成する。
(4)あなたの果たした役割(75文字以内)
: 管理技術者として、社内の担当者及び発注者と連携をとり、それぞれの担当者が調査収集した資料をとりまとめアセットマネジメントの基礎資料を作成した。
業務番号: 10
(1-1)業務の名称 (50文字以内)
: 平成30年度□□県交付金に伴う△△市配水管布設替工事設計業務
(1-2)発注者名(25文字以内)
: ○○県△△市水道局
(1-3)履行期間(25文字以内)
: 平成29年12月から平成30年9月 10ヶ月間
(2)業務の目的(100文字以内)
: 老朽化が進んだ鋳鉄管の漏水を無くし有収率の向上を図り安定した生活用水の供給を図る。また、災害時に重要拠点となる病院等の給水優先度が高い施設への配水管を整備し地震等からの被害の軽減を図る。
(3)業務の内容(125文字以内)
: 対象地区の配水管布設替に係る管路設計及び設計図書作成全般。
1.対象地区の詳細測量。2.交付金申請書資料作成。
3.積算設計書作成。4.実績報告書作成。5.工事監督補助。
(4)あなたの果たした役割(75文字以内)
: 管理技術者として測量成果、設計図面、積算設計書等のとりまとめに参画した。また、工事発注後は工事監督補助として施工現場での様々な問題点解決にあたった。
業務番号: 1
(1-1)業務の名称(50文字以内)
: □□市上水道耐震化基本計画策定業務
(1-2)発注者名(25文字以内)
: ○○県□□市水道課
(1-3)履行期間(25文字以内)
: 平成26年10月から平成27年2月 5ヶ月間
(2)業務の目的(100文字以内)
: ○○県□□市は中央構造線に近接しており、さらに給水区域内には老朽化した水道施設及び配水管が多く残存する。水道用水の安定した供給を図るため、水道施設の早急な耐震化基本計画を策定する。
(3)業務の内容(125文字以内)
: □□市上水道全域の水道施設のとりまとめおよび平面図の作成。地震による被害を受けた際に想定される水道施設の被害の算定。各施設の耐震化手法及び実施計画の検討。また、それに係る概算費用の算出ととりまとめ及び報告書の作成。
(4)あなたの果たした役割(75文字以内)
: 管理技術者として、それぞれの担当者が調査収集した資料をとりまとめ、次の業務(耐震化の詳細設計業務)につながる成果報告書の作成を行った。
(5)技術上の問題点とその対応(425文字以内)
: 施設の大半は供用年数が長く、老朽化しているため、耐震化による予算投入には優先順位付けが必要となった。このためこの業務において作成した水道施設の平面図等をもとに水道施設の重要度を改めて洗い出しA1、A2、Bの区分を確認する作業を行った。
この業務における一番の問題点は、10年から20年先における給水人口の分布に対応した耐震化対策であった。過疎化の著しい山間部においては、社会インフラ整備を行うにあたり、費用対効果を考慮すると躊躇する部分があった。
当該地区は、大小様々な簡易水道施設が吸収、統合した上水道であるが、各々の既設水源、浄水施設にこだわらず他の配水本管から支管を分岐、給水する広域的な案を模索し検討提案した。
これは従来の給水人口が増え続けるという前提で施設拡張に予算を使っていたモデルに逆行する考え方で、地区の水道行政として有効であると考えた。将来の給水人口減少と水道施設の耐震化という、相反する問題を中長期的に考慮した結果である
(6)業務の実施上の問題点とその対応(425文字以内)
: 当該地区は平成18年に4町と2村が合併して生まれた市である。以後、小さな簡易水道を吸収、統合し上水道事業を形成、経営してきた。そのため必要な情報が市内各地に点在しており発注者側の管理担当者も不明なケースが多く旧町村役場での資料収集に膨大な時間を費やした。
まずは水道施設の基本情報である水道施設台帳の調査から行った。また、運転及び維持管理の情報、合わせて建設当時あるいは竣工時の設計図書を一元化した情報としてとりまとめるようにした。
一番の問題点となったのは、必要な資料が部分的に存在しない箇所があったり更新されておらず、現況と一致しないため、全体としてつながらない部分が多かったことである。
これを解決するためには現地踏査と合わせて、埋設されている水道管の管路について当時の関係者、つまり発注担当者、設計、施工関係者等に対する資料提供依頼及びヒアリングを積極的に行い、現在の当該地全体像把握を行い、できる限り正確な現況図面の復元に努めた。
(7)上記(5)(6)の対応について、現時点での評価(350文字以内)
: 成果報告書は、必要なときに誰もがすぐにモバイルパソコン等で配管状況等が閲覧できるように汎用性のあるPDF形式のファイルとして充実させることが出来たのは 特に貢献できたところであると思う。
当時はほとんどが紙ベースの資料であったため、できるだけまとめた資料をデジタル化して、複雑なコンピュータの操作をすることなく、誰もが閲覧できる形式にこだわった。履行期間内に工事中であったり、資料が不明であるため成果報告書に記載できなかったところが残った。そのため順次更新することを前提としたファイル構成にした。
これからの設計業務は全てがデジタルファイルで残っていくが今回あまり残存しなかった日々の運転、維持管理に関するデータも合わせて残し、マッピングシステム等々も利活用し、改良改築の資料とすべきである。
問題全般の感想・アドバイスなど
この経験論文は参考書に載っているような模範解答ではありませんが、私はこのとおり試験会場でPCに打ち込み、合格したので、間違いなく合格論文です。RCCM試験は参考書が少ない中、この掲示板を頼りに勉強し受験しました。お礼の意味を込めて、私の論文で良ければ、と思い投稿させていただきました。私は、特に添削も受けず、自分自身が担当した業務に関して、ありのままを素直に書きました。試験会場で、文章が出てこなくて考えるのが怖かったので、あらかじめ多めの字数の論文を用意して試験に臨みました。みなさん、ぜひ頑張ってください。
この論文で、一発合格しました。試験では、ほぼこの通り打ち込みましたよ。
寄稿者:ちゃんいぇーさん
受験年度::2021(R03)
受験部門上工水道
選択した問題2021年度(1) 自然災害
答案本文
①近年の自然災害の激甚化に対する今後の国土づくりに向けた課題
日本の国土は近年、東京、大阪、名古屋の三大都市圏のうち東京に人口が「一極集中」しリスクの高い地域に人口・機能が集中するなど災害等に極めて脆弱であるとともに近年は「気候変動」の影響による自然災害が毎年のように全国各地で頻発し甚大な被害が発生している。
災害リスクに対する脆弱性を克服し日本経済を再活性化させていくためには抜本的かつ総合的な、「防災・減災」対策を早急に講じ「防災・減災」が主流となる社会を構築することが必要不可欠である。
これまでの施策では対応しきれない下記にあげる新たな課題が明らかとなった。
①台風における豪雨被害で河川上下流での連携した「ハード対策」が途上であるために複数の河川で氾濫が発生している。
②大雨警報解除後に氾濫が発生し、避難行に影響。ハザードマップが活用されていない、という情報発信の方法に問題があり二次災害が起こってしまった。
災害時にはいかに正確な情報発信を行政が行うかが大事である。その場合経験がある、経験が無いにこだわる情報発信は過去に何度も失敗例がある。(日本海には津波が起きないと言われていたが日本海中部地震では津波も起きた。)歴史の浅い近代観測技術に頼りすぎるのは問題がある。
③コロナ感染症下で災害が発生した際、道路などライフラインの機能停止のみならず、感染症対応の最前線である医療機関や自治体の機能喪失も想定され、大きな危機をもたらす恐れがある。
④災害危険地域としてのエリアに含まれると地下が下がり財産価値が下がるので難色を示す地域住民が多い。
⑤高度成長期に建設された「インフラ老朽化」問題は根深く、老朽化したインフラを補修、修繕する建設労働者人口も減少する一方である。
防災対策は、全ての国民が納得するような対策はとれないので、自分の生命財産は自分で守るという基本的な考え方のもとでそれぞれが防災、減災意識を強く持つ社会の合意形成が必要である。
②近年の自然災害の激甚化に対する今後の国土づくりのあり方
災害から国民の命と暮らしを守るため、行政機関、民間企業、国民一人ひとりが、意識・行動・仕組みに「防災・減災」を考慮することが当たり前となる社会の構築をし「国土強靱化」をめざす。
地球温暖化が確実視され、巨大地震が切迫していること等について危機管理意識のより一層の共有・発信、行政が行う防災対策を分かりやすいものに転換する。
河川整備、流域での貯留施設の整備、浸水リスクを考慮した土地利用規制・誘導等を組み合わせた総合的な水災害対策を行う。
1.あらゆる関係者により流域全体で行う治水への転換
2.気候変動の影響を反映した治水計画等への見直し
3.「防災・減災」のための住まい方や土地利用の促進。
4.災害発生時における人流・物流のコントロール
5.交通・物流の機能確保のための事前対策
自然災害をハード面だけで防ぐには、予算的にも不可能であるし、科学的な発達も追いついていない。ソフト的な要素からも多分にアプローチする必要がある。
災害に対する、防災訓練は予期しない、想定しない災害についての訓練も大事であるが、想定できうる災害に対する当たり前の対応が予定通りに出来るかが大事である。
近代観測データの蓄積はたかだか100年そこそこであり、経験した災害、経験していない災害の区別は存在しない。経験したこともないような災害を常に目の当たりにするのは当然である。人の生物としての寿命からして、生きている間に体験する災害の数はわずかであるから、そこは歴史に学ぶしかない。
行政が作成した防災プログラムも各地方都市に全て当てはめられるものばかりではない。そのためには各地域住民における防災、減災意識の高まりが重要である。
問題全般の感想・アドバイスなど
論文は6題全て用意しましたが、もちろん全て記憶はできないので、それぞれ2500字程度で作成し、半分程度内容が飛んでも骨子が崩れないように何度も記述練習をしました。他の問題の出来にもよるのですが、論文記述、見直し等を行っても時間には余裕があると思います。私はキーボードのタイピングがそんなに早いほうではありませんが、最初に数字を打ち込んで画面上でのⅠ行の文字数を確認してから、ゆっくり打ち込みましたが、時間前に退出しましたよ。
私の作った論文のベースは、ほぼ「国土交通白書」ですが、インターネットで自然災害をキーワードに検索して、ヒットした文献を織り交ぜて作成しました。
合格した場合は、「合格」と書いた通知しか来ませんので、この論文で何点か分かりませんが、合格した論文には間違いないので、よければ参考になさってください。
私は、Ⅰ度目の試験で合格しましたが、試験勉強に関しては、半分はこのサイトでの資料を参考にしました。お世話になったお礼に投稿させていただきました。これから試験を受ける方、ぜひ頑張って、合格してください。
択一問題を突破するための体験記
寄稿者:Dy0517Dyさん
- 問題Ⅱに関する情報
出題傾向としては、過去問題より「設計業務等共通仕様書」「公共工事の品質確保の促進に関する法律」「知的財産権」「建設コンサルタント技術者の行動規範」が比較的多く出ていたため、インターネットを活用し独学で、日々繰り返し内容を記憶させることで、半年で何とか身についたと感じています。私はお金をかけず勉強するタイプのため、全て自分で調べ勉強を行いました。参考書などもよいと思いますが、自ら調べることで、より身についたと実感しています。 - 問題Ⅳ-1に関する情報
問題Ⅳ-1はやはり過去問題をとにかく繰り返し行うことだと、実感しました。
中でも土木の柱である「構造力学」「鋼構造・コンクリート」「土質基礎」「水理」を重点的にやることで、50%以上の点数は取れると思いました。 - 問題Ⅳ-2に関する情報
問題Ⅳ-2はやはり過去問題をとにかく繰り返し行うことだと、実感しました。
道路の問題では、設計に必要な条件の問題がまんべんなく出されたと思います。過去問題と道路構造令を読むことをお勧めします。
択一問題は過去問だけでOK
寄稿者:羽衣あられさん
- 問題Ⅱに関する情報
問題1~12、19~20は過去問とほぼ同じなので、過去問を繰り返し問いて練習すれば、余裕です。問題13~18は、国土交通白書、生産性革命の取り組み(2019年は何の年か問われた…貫徹の年が正解?)、新型コロナ感染症(飛沫、接触感染などの問い)等の新しい問いが出たが、日経コンストラクション、国交省のサイト、国土交通白書の概要版を読んでいる人にはそこまで難しい問題ではないと感じた。先に受験した人と同じ問題が出ていたようなので、先に受験するより後ろの日程で受験して情報収集すればより正解しやすくなります。問題Ⅱは過去問だけでも十分、6割は取れます。 - 問題Ⅳ-1に関する情報
問題1~20の全問、過去問とほぼ同じなので、過去問を繰り返し問いて練習すれば、余裕です。満点が狙えます。 - 問題Ⅳ-2に関する情報
30問中10問を選択できる上、過去問とほぼ同じなので、過去問を繰り返し問いて練習すれば、余裕です。満点が狙えます。CBT試験の性質なのか…同じ問題が連続で出たりもします。解答を知っていれば、2問正解できます。
過去問重視の傾向は変わらず
寄稿者:みゃーくさん
2021年からCBT方式になり、問題3の論文は出題形式が変わりました。しかし、択一問題(問題2と4)の出題傾向は従来のままでした。ほぼ、過去問からの出題です。
問題文、選択肢とも過去問と全く同じ内容、という出題もありました。
新しい問題としては、コロナに関する問題が1問。生産性革命に関する出題が2問ありました。
生産性革命については、R1年度の試験でも2問出ているので、今後も出題が続くかな、と思いました。(R2年度は試験中止)
ただし、H29前進の年、H30年深化の年、令和元年貫徹の年、とくるんですが、令和2年以降はググっても資料が出てきません。国交省のHPも令和元年の資料が最新です。飽きちゃったのかもしれません。それでも、生産性革命プロジェクトの中身は、ずっと取り上げられ続けているテーマなので、しっかり押さえておくべきです。
農業土木Ⅳ-2
寄稿者:B16Bさん
R3年度の農業土木のⅣ-2は、当該HPの農業土木Ⅳ-2を一読、自信が無ければ繰返し予習しておけば、殆ど過去問題で対応できました。