問題3:選択記述
最終更新:2021.08.22

    1.問題の内容
    2.出題内容
    3.今年度問題の対策
    4.記述上の注意・留意点

1.問題の内容

  • 業務計画(プロポーザル含む)・技術向上への取組み・品質確保・コスト縮減等の社会ニーズといったものへの意識と対応、管理能力が問われます。
  • 試験時間は問題4-1・問題4-2とともに試験Bの130分です(試験Bの中で各問題を行ったり来たりすることはできるようです)。従来は問題2も合わせて3時間35分(215分)だったものが、問題2を除いただけで130分になったのですから、著しく時間が短くなったといえます。
  • 1,600字以内の記述問題
  • ウェイト:推定20〜30%
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2.出題内容

公表済み問題は6問で、以下のとおりです。
(1)近年の自然災害の激甚化に対する今後の国土づくり
設問@、Aについて、1600 字以内で記述しなさい。次の8つの用語、「気候変動」「インフラ老朽化」「一極集中」「国民生活・社会経済活動」「国土強靭化」「ハード対策」「ソフト対策」及び「防災・減災」の中から4つ以上を用いて記述しなさい。記述文中で用いた用語は「 」で囲んで記述すること。
用語は@、Aの全体を通して(「@のみ」「Aのみ」「@、A併せて」のいずれも可)、4つ以上を用いていればよい。
@近年の自然災害の激甚化に対する今後の国土づくりに向けた課題
A近年の自然災害の激甚化に対する今後の国土づくりのあり方
※平成27年度・28年度問題がある程度参考になると思います

(2)ICT、IoT、AI 技術の利活用
設問@、Aについて、1600 字以内で記述しなさい。次の8つの用語「働き方改革」「長時間労働」「テレワーク」「ネットワーク環境」「Web 会議」「RPA」「BIM/CIM」及び「緊急事態宣言」のなかから4つ以上を用いて記述しなさい。記述文中で用いた用語は「 」で囲んで記述すること。
用語は@、Aの全体を通して(「@のみ」「Aのみ」「@、A併せて」のいずれも可)、4 つ以上を用いていればよい。
@我が国における建設生産性向上のための ICT 利活用の現状と課題
A我が国の建設業、建設コンサルタント業における ICT、IoT、AI 技術の活用方策
※類似の過去問題はあまりありませんが、平成28年度・平成29年度問題は若干参考になるかなと思います

(3)設計成果の品質向上
設問@、Aについて、1600 字以内で記述しなさい。次の6つの用語「BIM/CIM」「照査体制」「コミュニケーション」「合同現地踏査」「業務スケジュール管理表」及び「建設コンサルタント業務の発注方式・評価方式」の中から4つ以上を用いて記述しなさい。記述文中で用いた用語は「 」で囲んで記述すること。
用語は@、Aの全体を通して(「@のみ」「Aのみ」「@、A併せて」のいずれも可)、4つ以上を用いていればよい。
@設計成果の品質向上における現状と課題
A設計成果の品質向上に向けて、発注者と建設コンサルタントの対応のあり方
※平成30年度問題がかなり参考になると思います

(4)維持管理と長寿命化
設問@、Aについて、1600 字以内で記述しなさい。次の6つの用語「老朽化」「地方公共団体」「ライフサイクルコスト」「更新」「予防的措置」及び「新技術」のなかから 4 つ以上を用いて記述しなさい。記述文中で用いた用語は「 」で囲んで記述すること。
用語は@、Aの全体を通して(「@のみ」「Aのみ」「@、A併せて」のいずれも可)、4 つ以上を用いていればよい。
@社会インフラの維持管理の現状と課題
A社会インフラの長寿命化のあり方について
※平成30年度問題がキーワードに至るまで完全に同じ問題です

(5)人材確保と働き方改革
設問@、Aについて、1600 字以内で記述しなさい。次の6つの用語「生産性革命」「担い手確保」「外国人労働者」「長時間労働」「多様な働き方」及び「OJT」の中から4つ以上を用いて記述しなさい。記述文中で用いた用語は「 」で囲んで記述すること。
用語は@、Aの全体を通して(「@のみ」「Aのみ」「@、A併せて」のいずれも可)、4つ以上を用いていればよい。
@建設コンサルタントの人材確保・育成の課題
A建設コンサルタントの働き方改革のあり方
※平成27年度・平成29年度・平成30年度、特に平成30年度が参考になります

(6)コンパクトシティの推進
設問@、Aについて、1600 字以内で記述しなさい。次の8つの用語「人口減少」「高齢化」「公共施設の老朽化」「公共交通」「生活サービス機能」「行財政」「都市のスポンジ化」及び「立地適正化計画」の中から4つ以上を用いて記述しなさい。記述文中で用いた用語は「 」で囲んで記述すること。
用語は@、Aの全体を通して(「@のみ」「Aのみ」「@、A併せて」のいずれも可)、4つ以上を用いていればよい。
@わが国の地方都市が抱える課題
Aコンパクトシティ推進により期待される効果
※平成29年度問題がキーワードに至るまで完全に同じ問題です

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3.今年度問題の対策

  1. 答案準備の基本的考え方

    問題3は6問中1問が出題されるため、この答案を全部準備して記憶していくのは大変だし非効率的です。このため、課題と提案の項目と項目ごとの書くべきキーワードからなる骨子を作って記憶し、文章そのものは当日試験会場で作成するようにすることをお勧めします。
    ただ、全くゼロベースで文章を試験当日に作るのは大変だと思うので、骨子を使って文章を作るトレーニングは何度か行なっておく必要はあると思います。
    ただしそのようにして文章を作成した場合でも、その文章を丸暗記することはやめましょう。なぜなら骨子から文章を作成する作業はロジックやストーリーといったものを「考える」作業ですから、文章を多少忘れても元となる骨子をしっかり覚えていればどうにかなりますが、文章丸暗記は文字面を「覚える」作業であり、もうそこにはロジックやストーリーがなくなってしまうので、一部を忘れてしまって抜け落ちやおかしな表現が出てくると、全体のロジックやストーリーがおかしくなってしまい、高得点が期待できなくなるからです。
    だいたいにおいて丸暗記に走ろうとする人は、ロジックやストーリーを理解する力が不足していることが多いので、丸暗記した文章の一部が変わってロジックやストーリーがおかしくなって「似たような言葉が使われていても、文章の意味合いが全く変わってしまっている」状態になっても、そのことに気がつかない・理解できないのです。もし自分がそういうタイプだと思うのであれば、ロジックやストーリーに弱いとコンサル業務でもいい仕事ができませんから、この試験を機会に技術者としてステップアップすることを目指しましょう。

    骨子作りは次の手順で行います。
    @キーワードを、
    ・ネガティブなもの:好ましくない現状や予想される状況などに関するワード
    ・ポジティブなもの:実施すべき施策取組みなどに関するワード
    ・その中間的なもの:課題にも対応策にも使えそうなワード
    の3つに分類する。ネガティブなものは課題に、ポジティブなものは対応策に割り振る。中間的なものはとりあえず課題にも対応策にも割り振らない。
    A割り振ったキーワードから、実際の施策・取組みや問題となるワードを導く。これが課題や対応策の項目名になってくる。(例:「ハード対策」「ソフト対策」「防災&減災」からハードとソフトを一体化した多重防御、あるいはハードソフトベストミックスといった施策に関するワードを考える)
    キーワードが項目名そのものに含まれるようであればなおよい。
    Bその項目名と対になるワードを考える。項目名のワードを裏返して考えるとよい。課題に関する項目名に対して考えたのであれば対応策の、対応策に関する項目名に対して考えたのであれば課題の項目名となる。(例:ハードとソフトを一体化した多重防御に対してであれば、「ハード対策の限界」とかいったワードになる)
    Cこのようにして、課題と対応策のペアを2つから3つ程度考える。これで骨子は完成。

    この骨子を元に答案を作成するわけですが、全体で1600字という制限の中で、各項目に何文字程度割り当てられるかを考え、その文字数枠に応じた文章を考えるトレーニングを積むことをお勧めします。
    紙の答案用紙に書いていた時代なら「何行」という目安で考えられたのですが、 CBTではちょっと難しく、おそらく答案入力フォームは「1行何文字」ではなく「全部で何文字」という制限しかないと思われます。そして画面上で1行何文字になるかはディスプレイの解像度次第で、さらにユーザーが画面ズームをできるような仕様の場合はもっと自由に1行の文字数を変えられてしまうので、行数ではなく文字数で考えておくしかないと思われます。
    こういったことから、文字数に相当する文章がどういった内容の、どういったボリューム感のあるものなのかをトレーニングの繰り返しの中で身につけることがお勧めになってきます。

  2. 答案の構成

    問題3は、大きく@課題、Aその対応策という2部構成になっているだけで、問題1のように項目名が細かく決まってはいません。課題や対応策の書き方は自由ですが、それだけに答案の構成で差がつくことが考えられます。つまり章立てが大切だということで、大項目・中項目というように入れ子構造にした章構成、箇条書きの活用による簡潔明瞭な論述に留意してください。
    一方、答案は1,600字以内で、改行もするので、それほど多くのことは書けません。ということは、入れ子構造にしたうえで、短文(箇条書きというほどではないが、接続詞で文章をつないでいった長文とも違う、1つの項目に1つの事柄だけを述べたもの)を並べるようにすれば、省力的に(つまりあまり多くのことを書かなくても)答案を作成することができます。例えば以下のような構成です。
    ここでインデントもできるといっそう読みやすくなるのですが、実際の試験ではCBTのシステム制限上、インデントはできないと思われます。ただ行等を1文字字下げすると少し読みやすくなりますが、スペースも1文字カウントされるので、注意してください。
    @●●の課題
    (1) ▲▲▲(課題の1つ目)
    ・□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
    ・□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
    (2) ■■■(課題の2つ目)
    ・□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
    ・□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
    (3) ◆◆◆(課題の3つ目)
    ・□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
    ・□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
    A●●の課題への対応のあり方
    (1) ▲▲▲(対応策の1つ目)
    ・□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
    ・□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
    (2) ■■■(対応策の2つ目)
    ・□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
    ・□□□□□□□□□□□□□□□
    (3) ◆◆◆(対応策の3つ目)
    ・□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
    ・□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

    このように、答案は入れ子構造と行頭に段落記号(上記の場合は「・」を入れた短文のみから構成することができます。行末に空白が多く、記述量をあまり多くせずに簡潔明瞭な答案が賭けます。また、大項目や中項目ごとに空行を入れてもかまいません。
    このとき注意しないといけないのは、課題とあり方の各項目(上記(1)(2)(3))は1対1に対応していなければならないことです。課題の(1)とあり方の(1)が別のことについて述べていたり、課題が3つあるのにあり方は2つしかないなどといったことはあってはいけません。

  3. 各問題の答案骨子の考え方
    1. 災害
      (1)近年の自然災害の激甚化に対する今後の国土づくり
      設問@、Aについて、1600 字以内で記述しなさい。次の8つの用語、「気候変動」「インフラ老朽化」「一極集中」「国民生活・社会経済活動」「国土強靭化」「ハード対策」「ソフト対策」及び「防災・減災」の中から4つ以上を用いて記述しなさい。記述文中で用いた用語は「 」で囲んで記述すること。
      用語は@、Aの全体を通して(「@のみ」「Aのみ」「@、A併せて」のいずれも可)、4つ以上を用いていればよい。
      @近年の自然災害の激甚化に対する今後の国土づくりに向けた課題
      A近年の自然災害の激甚化に対する今後の国土づくりのあり方
      問題タイトルに「近年の自然災害の激甚化」とあり、キーワードに「気候変動」とあることから、地震や津波などではなく水災害(洪水だけでなく高潮なども含む)や土砂災害を対象としています。従って地震動に伴う災害などを書いてはいけません。
      キーワードを分類すると、下表のようになります。

      ネガティブなキーワード

      ポジティブなキーワード

      中間的なキーワード

      気候変動

      インフラ老朽化

      一極集中

      国土強靱化

      ハード対策

      ソフト対策

      防災・減災

      国民生活・社会経済活動

      まずは気候変動に伴う施設能力を上回る事象に対して、ハードに頼りきっていたのではだめなので、ソフトも含めた多重防御で対応しなければいけないという話が来ると思います。ネガティブなキーワードとしては気候変動、ポジティブなキーワードとしてはハード対策、ソフト対策、防災・減災が該当するでしょう。
      そうすると残っているキーワードは、ネガティブなものとしてはインフラ老朽化と一極集中になってきます。一極集中は前述したように政治経済機能を集中させているといけないから分散させるというリダンダンシーの考え方になります。したがって、一極集中を課題として、リダンダンシーを対応策とするセットが書けますね。そしてここに中間的なキーワードである国民生活・社会経済活動をくっつけると良いでしょう。課題のところに一極集中していると政治経済機能が麻痺してしまって国民生活・社会経済活動に多大な影響があるということを書いてもいいでしょうし、対応策のところにリダンダンシーを確保することによって国民生活・社会経済活動への影響を最小化するということを書いてもいいでしょう。
      残るのはインフラ老朽化ですが、インフラが老朽化しているという話と災害対応は必ずしもセットではありません。もちろん防災インフラが老朽化していると防災機能が落ちますから機能を維持向上させておいた方がいいのですが、老朽化が原因で災害が激甚化したという顕著な例があるわけではないので、無理に書かなくてもいいと思います。もし書くのであれば後段の「維持管理と長寿命化」問題の解説を参考にしていただき、「インフラ老朽化が進行する中で事後保全だと維持管理が持続できないので予防保全に転換する」というような課題と対応策のセットになろうかなと思います。
      キーワードは国土強靭化が残っていますが、これはこれまでにあげた二つあるいは三つの課題と対応策のセットを包括して、これらの課題に対応することによって安全安心を確保した国土強靭化が実現するというようなことを書けばいいでしょう。例えば対応策の冒頭に「前述した課題に対して以下のような対応策を講じることで国土強靭化の実現を期する」みたいなことを書けばいいと思います。

    2. ICT/IoT・AIの活用
      (2)ICT、IoT、AI 技術の利活用
      設問@、Aについて、1600 字以内で記述しなさい。次の8つの用語「働き方改革」「長時間労働」「テレワーク」「ネットワーク環境」「Web 会議」「RPA」「BIM/CIM」及び「緊急事態宣言」のなかから4つ以上を用いて記述しなさい。記述文中で用いた用語は「 」で囲んで記述すること。
      用語は@、Aの全体を通して(「@のみ」「Aのみ」「@、A併せて」のいずれも可)、4つ以上を用いていればよい。
      @我が国における建設生産性向上のための ICT 利活用の現状と課題
      A我が国の建設業、建設コンサルタント業における ICT、IoT、AI 技術の活用方策
      まずキーワードを分類すると下表のようになります。

      ネガティブなキーワード

      ポジティブなキーワード

      中間的なキーワード

      長時間労働

      緊急事態宣言

      働き方改革

      テレワーク

      Web会議

      RPA

      BIM/CIM

      ネットワーク環境

      ポジティブなキーワードが圧倒的に多いので、まずはこれらを組み合わせてどういった ICT 等活用方策があるかを考えるといいでしょう。
      例えばテレワークは働き方改革促進策の一つと位置づけることができますね。そしてこのテレワークを支えるのはネットワーク環境です。専用ソフトへのアクセスとセキュリティ確保を同時に実現するのがVPNですから、これはキーワードではないですがぜひ書いておきたいところです。
      Web 会議もテレワークには不可欠なものですから、テレワークとワンセットで使うといいでしょう。
      そしてこのテレワークはコロナ禍で一気に進みましたから、これと対応する課題の中に緊急事態宣言を入れておくといいですね。
      一方BIM/CIMはi-Constructionの代表的な技術のひとつです。そしてi-Constructionによって設計施工の現場の生産性が向上するため長時間労働が解消され、休暇が取りやすくなるとともに、収益性が向上しますから給料アップが期待でき、さらに機械化が進みますから安全性も向上するということでやはりこれも働き方改革につながっていきます。
      こういったことから、i-Constructionを対応策としてあげるといいでしょう。当然ながらこれと対応する課題は生産性の低い労働集約型生産体制をあげて、そういった中で長時間労働が余儀なくされているというようなことを書くと良いでしょう。
      そうするとRPAが残ってしまうわけですが、これはデスクワークにおける定型作業等の効率化技術ですからテレワークの中に入れてもいいですしキーワードとして使わずにおいてもいいでしょう。

    3. 設計成果の品質向上
      (3)設計成果の品質向上
      設問@、Aについて、1600 字以内で記述しなさい。次の6つの用語「BIM/CIM」「照査体制」「コミュニケーション」「合同現地踏査」「業務スケジュール管理表」及び「建設コンサルタント業務の発注方式・評価方式」の中から4つ以上を用いて記述しなさい。記述文中で用いた用語は「 」で囲んで記述すること。
      用語は@、Aの全体を通して(「@のみ」「Aのみ」「@、A併せて」のいずれも可)、4つ以上を用いていればよい。
      @設計成果の品質向上における現状と課題
      A設計成果の品質向上に向けて、発注者と建設コンサルタントの対応のあり方
      「調査・設計等分野における品質確保に関する懇談会」を背景にしたものと判断され、特に平成30年2月の「調査・設計等分野における品質確保に関する懇談会」(平成29年度第2回)において、建設コンサルタンツ協会が提出した資料「詳細設計の品質確保について」が参考になります。
      キーワードはすべてポジティブなキーワードなのですが、これらは基本的に三者会議において修正箇所が発生した内容への対応ですから、どういった修正内容が発生しているかということを現状としてあげてこれを改善するという課題とし、それに対応した対策をキーワードを網羅しながら書いていけばいいと思われます。
      まず建コン協会の提案のうち、現場条件関連のキーワードとしては合同現地踏査があげられます。
      また単純エラー対応策として、照査体制、業務スケジュール管理表があります。
      さらに国交省の取り組みとしてBIM/CIM(CIM導入)、建設コンサルタント業務の発注方式・評価方式(総合評価落札方式の改善)がありますね。BIM/CIMは確実な照査の実施に関する取組みなので、単純エラー対策として書くといいでしょう。
      キーワードとしては「コミュニケーション」が残りますが、これは施工関連段階として、設計成果における施工時の留意事項が発注者に十分伝達されなかったというようなエラーがあるようなので、こういったことの対応として監督職員とコンサル側担当者との十分なコミュニケーションというような内容を書くといいでしょう。

    4. 維持管理
      (4)維持管理と長寿命化
      設問@、Aについて、1600 字以内で記述しなさい。次の6つの用語「老朽化」「地方公共団体」「ライフサイクルコスト」「更新」「予防的措置」及び「新技術」のなかから4つ以上を用いて記述しなさい。記述文中で用いた用語は「 」で囲んで記述すること。
      用語は@、Aの全体を通して(「@のみ」「Aのみ」「@、A併せて」のいずれも可)、4つ以上を用いていればよい。
      @社会インフラの維持管理の現状と課題
      A社会インフラの長寿命化のあり方について
      まずキーワードを分類すると下表のようになります。

      ネガティブなキーワード

      ポジティブなキーワード

      中間的なキーワード

      老朽化

       

      予防歩的措置

      新技術

      地方公共団体

      ライフサイクルコスト

      更新

      中間的なキーワードが一番多く、次にポジティブなキーワードが多いのですが、ポジティブなキーワードが二つなので基本的に対応策としてまず二つ考えられます。
      「予防的措置」からは予防保全への転換という対応策が考えられますから、課題のところではこの裏返しである事後保全を書いておけばいいでしょう。当然ながらこれは維持管理体制の基本的な内容になりますから、課題のところにはキーワード「老朽化」が出てくるでしょうし、対応策のところでは「ライフサイクルコスト」が出てきます。そしてアセットマネジメントに言及すれば「地方公共団体」も出てきますね。当然ながら「更新」はあちこちに出てきます。
      次にキーワード「新技術」は点検診断におけるICT/IoTの活用が対応策になりますね。担い手不足・技術継承不足により点検・診断が困難になってくることを課題としてあげて、ドローン・MMS等を使った点検をあげるといいでしょう。
      これでキーワードは全部使ったわけですが、もう一つ維持管理を行う上で、特にメンテナンスサイクルをしっかりと回していく上で非常に重要な課題が地方公共団体のマンパワー不足対応です。 我が国の道路橋の7割は市町村管理なのですが、その多くが小規模橋梁です。その多くは老朽化が著しく損傷もしていて、直営で管理していくことが多いのですが、それを担当するマンパワーが、数の上でもスキルの上でも不足している現状があります。そこで上位機関や民間による支援が必要とされています。

    5. 人材確保・働き方改革
      (5)人材確保と働き方改革
      設問@、Aについて、1600 字以内で記述しなさい。次の6つの用語「生産性革命」「担い手確保」「外国人労働者」「長時間労働」「多様な働き方」及び「OJT」の中から4つ以上を用いて記述しなさい。記述文中で用いた用語は「 」で囲んで記述すること。
      用語は@、Aの全体を通して(「@のみ」「Aのみ」「@、A併せて」のいずれも可)、4つ以上を用いていればよい。
      @建設コンサルタントの人材確保・育成の課題
      A建設コンサルタントの働き方改革のあり方
      まずキーワードを分類すると下表のようになります。

      ネガティブなキーワード

      ポジティブなキーワード

      中間的なキーワード

      長時間労働

       

      生産性革命

      担い手確保

      多様な働き方

      外国人労働者

      OJT

      ポジティブなキーワードが多いので、これらを対応策にまず割り振ることを考えます。
      生産性革命が進めば長時間労働が解消され、また身体的能力要求も小さくなりますから担い手確保にも多様な働き方にもプラスになります。したがってネガティブなキーワードとポジティブなキーワードはすべてこの「生産性革命による担い手確保と多様な働き方が実現」に含まれてきます。さらにここには中間的なキーワードである外国人労働者も含まれるでしょう。
      ただし外国人労働者は、やはり特定技能制度を記述することによって得点アップを狙いたいところです。
      OJT というキーワードがあるので、これはやはり教育訓練すなわち人材育成の方に持って行きたいところですね。課題としてはOJT依存の人材育成、その対応策はOJTとOFF-JTを組み合わせた体系的な教育体制でしょう。これで課題と対応策のセットを二つになりました。

    6. コンパクトシティ
      (6)コンパクトシティの推進
      設問@、Aについて、1600 字以内で記述しなさい。次の8つの用語「人口減少」「高齢化」「公共施設の老朽化」「公共交通」「生活サービス機能」「行財政」「都市のスポンジ化」及び「立地適正化計画」の中から4つ以上を用いて記述しなさい。記述文中で用いた用語は「 」で囲んで記述すること。
      用語は@、Aの全体を通して(「@のみ」「Aのみ」「@、A併せて」のいずれも可)、4つ以上を用いていればよい。
      @わが国の地方都市が抱える課題
      Aコンパクトシティ推進により期待される効果
      まずキーワードを分類すると下表のようになります。

      ネガティブなキーワード

      ポジティブなキーワード

      中間的なキーワード

      人口減少

      高齢化

      公共施設の老朽化

      都市のスポンジ化

      立地適正化計画

      公共交通

      生活サービス機能

      行財政

      ネガティブなキーワードが多いので、これらを対応策にまず割り振ることを考えます。
      前述のように、スプロール化した地方都市では人口減少・少子高齢化時代に入って都市のスポンジ化が進行しています。このことだけでキーワードが3つ使えますね。
      そして都市のスポンジ化が進行すると、次のような生活サービス機能の衰退が起こります。
      ・公共施設の多くが高度経済成長期を中心に建てられているため老朽化が進むものの、行財政が切迫している中でなかなか立て替えもできない。
      ・高齢化に伴い自家用車利用ができなくなった高齢者は公共交通を利用するしか移動手段がないが、モータリゼーション進展に伴って公共交通が衰退しているため、移動手段がなく、交通弱者となってしまう。
      ・人口減少に伴って、たとえば救急病院が撤退するなど、様々な都市サービスが受けられなくなる。
      ここでキーワードのうち4つが使えますから、ポジティブキーワードである「立地適正化計画」以外は全部使ったことになります。なお、都市のスポンジ化と生活サービス機能衰退の2つをあげたわけですが、これは並列する2つの課題ではなく、課題を2段階で書いただけですので、あげた課題は1つになります。
      設問Aではコンパクトシティの効果を書くわけですが、いきなり効果だけ書いたのでは課題とのつながりがなくなってしまいますから、課題に対して講じるべき方策をまず書いて、そのあとそれによって期待される効果という順で記述します。ここでは方策を課題の第1段階に、期待される効果を第2段階に対応させた内容にしています。

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4.記述上の注意・留意点

  1. 問題1と同様、とにかく読みやすい文章を書く。

  2. 小項目・箇条書きを使う。
    前述したような入れ子構造の答案にするとともに、積極的に箇条書きを使うと、これでかなり読みお安くなります(読みにくいと点数がガタッと落ちる)。
    ただしスペース・改行も1文字カウントされるので注意が必要です。

  3. 事前に文章まで一度作って、ぼんやりでいいので覚えておくといい。
    骨子だけ覚えていって文章は本番で考えてもいいのですが、一度文章まで作っておくと、ぼんやりとでも内容が頭に入るので、本番で文章を作りやすくなります。

  4. 途中で思いついたエピソードは入れない(構成が崩れやすい)。

  5. 長文は読みやすければかまわないが、主語と述語のねじれなど、構文エラーや読みにくさにつながりやすいので、避けたほうがよい。
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