問題3:選択記述
最終更新:2018.10.20

    1.問題の内容
    2.出題傾向
    3.今年度問題の対策
    4.記述上の注意・留意点

1.問題の内容

  • 業務計画(プロポーザル含む)・技術向上への取組み・品質確保・コスト縮減等の社会ニーズといったものへの意識と対応、管理能力が問われます。
  • 問題2・問題4ともで13:10〜16:45(3時間35分)
  • 1,600字以内の記述問題 (25字×32行=800字:2枚)
  • ウェイト:推定20〜30%
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2.出題傾向

出題テーマとしては、かつては管理に関する問題が主で、入札契約や業務適正管理に関する問題が繰り返し出題されてきました。その後、倫理やインフラ維持管理など出題の幅が広がっていき、平成27年度には全問がインフラ整備問題になってしまいました。昨年度のセミナーテキストでインフラ整備施策等の要注意テーマに「PFIを主に、防災減災・担い手育成などの重要施策、アカウンタビリティや公共事業評価等の既往問題」と申し上げていたのですが、その「重要施策」が出題されたわけです。
RCCMはもととも管理技術者の資格ですから、品質確保などの管理能力を確認する問題があったのは当然なのですが、平成22年の制度改定以降、技術士の補助ではなく独立した資格としてのステイタスを向上させようという建設コンサルタンツ協会の意図が徐々に試験問題にも現われてきました。そして技術士試験のようなインフラ整備・施策のあり方に関する認識を問う問題が表舞台に出てきたのだろうと思います。

ジャンル テーマ H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29
@入札契約 プロポーザル                      
総合評価方式                    
発注方式全般                        
A業務適正管理 品質確保・向上            
現場に適合した設計                      
BRCCM・建コンのあり方 倫理・コンプライアンス                
CPD                      
情報管理                        
Cインフラ整備施策等 コスト縮減                        
公共事業評価                      
PFI                      
アカウンタビリティ                      
維持管理                      
防災・減災                      
人材確保・育成                      
生産性向上・ICT利活用                      
コンパクトシティ                        

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3.今年度問題の対策

前述の出題傾向を踏まえて、出題が予想されるテーマと対応しておくといいと思われる内容を、ジャンルごとに網羅してみたのが下表になります。

ジャンル テーマ 優先度 内容
インフラ
整備・
重要施策

人材確保育成
生産性向上
H28白書第T部のテーマがイノベーション、働き方改革が技術士でも出題されていることなどから、生産性向上を中心に再度出題される可能性が高い
維持管理 26・27年連続出題で2年ブランク。ストック効果最大化などの視点で、維持管理から踏み出してインフラ整備・経済活性化も含めて出題の可能性
災害 27・28年連続出題で1年ブランク。西日本豪雨も踏まえて減災中心に出題?
地域づくり H29にコンパクトシティで出題。コンパクト+ネットワークで再出題?
RCCM・建
コンあり方
CPD 目的・理念、CPD制度、活用等について出題可能性
倫理・コンプラ H26・28出題パターン+キーワード変更で出題?
業務管理 品質確保 改正品確法の背景・目的・理念・条文等について出題?
  1. 人材育成・生産性向上(ICT利活用含む)
    • 人口減少・人口構造変化(少子高齢化の結果、人口に占める割合が、高齢者が多くなり若年層が減る)の中で生産年齢人口が減少、特に建設業は就労環境が悪い(賃金が安い、3Kなど)等の理由で自然減以上に離職者増加・入職者減少で労働力不足が顕著になっている。
    • 人材確保のためには処遇改善等により社会的地位向上をめざし、外国人技術者や女性技術者も拡大していくべきで、そのためには公共事業予算の持続的・安定的な確保や、地域維持型契約方式など多様な入札契約方式の活用により地域の守り手である企業の経営体力強化が必要。
    • 若手技術者の教育については、業務多忙の中でベテランと若手が分業せざるを得なくなるなどの理由で従来のOJTのみに依存する教育では限界になっているので、OJTとOFF-JTを組み合わせて効率的に人材育成を行っていく必要がある。
    • 熟練技術者の退職とともにスキルが喪失してしまう懸念があるので、暗黙知を形式知化して知のデータベースを構築して、OJT&OFF-JTによる体系的教育で人材育成に活用するナレッジマネジメントにより、技術継承を確実に行っていく必要がある。
    • 労働力不足の中で、現場打ちのような従来の労働集約型手法では生産性維持が困難なので、資本集約型すなわち機械化を進める必要がある。その代表例としてi-Constructionがある。これは以下の3つのトップランナー施策より成る。
      @ICTの全面的な活用(ICT土工):ドローン等による3次元測量→CIMによる設計計画→ICT重機による無丁張施工→ドローン等による3次元出来形測量
      A全体最適化の導入(コンクリート工の規格の標準化):現場ごとの一品生産を、部材規格の標準化によりプレキャスト化やプレハブ鉄筋等の工場製作化を進める
      B施工時期の平準化:公共工事の施工時期を平準化して年間を通して工事量を安定化し、限られた人材を効率的に活用する。

  2. 維持管理
    • 我が国のインフラの多くは高度経済成長期に構築したため、50年以上経過した老朽化インフラが今後急速に増加
    • しかし従来の維持管理は構造物の損傷が顕在化してから補修する事後保全型であったため、割高になるとともに時期のコントロールもできず、またプライオリティも決めにくく、体系的管理ができなかった
    • そこで管理基準値を決めて点検・診断を行うことにより劣化状況を把握し、損傷する前に補修・更新等の予防的措置を行う予防保全により、インフラの長寿命化を図りライフサイクルコストを低減する必要がある
    • さらに地方公共団体が管理するインフラ全体を最適運用の中で予防保全していくアセットマネジメントの導入が必要
    • この考え方をベースに、インフラ長寿命化計画が策定され、点検・診断・措置・記録から成るメンテナンスサイクルを回すことによる戦略的メンテナンスが規定された。今後はこれを実行に移していくことが重要。
    • そのためには点検診断技術の向上も必要。赤外線カメラやドローンといったICTを活用した新技術を積極的に取り入れるとともに、CIMによる図面管理も必要
    • 行政予算だけでは維持管理が困難な場合は民間資金を活用したPFI(特に利用料金収入で民間運営ができるコンセッション方式)で維持管理を行うことも必要
    • 行政だけでは技術革新を含む戦略的メンテナンスが進まないので、インフラメンテナンス国民会議が発足し、革新的河川管理プロジェクト等が推進
    • データベースの構築も必須であり、また地方公共団体担当職員の技術力の向上も必要だが、これらには上級庁の支援や民間技術力活用も必要
  3. 災害
    • 気候変動の中で、かつてなかったような巨大災害が発生するようになった。
    • バックビルディング現象で形成される線状降雨帯による継続的局所的豪雨などに伴い、水災害や土砂災害において想定外外力が作用するようになり、従来の防災インフラだけで国民の安全安心は守り切れない
    • そこで、防災と減災を組み合わせ、ハードソフトベストミックスにより国民の命を守り、経済性ダメージを最小化することが必要
    • ハードは「粘り強い構造」により、想定外外力に対しても粘り強く破壊することで、避難を可能にする
    • ソフトは自助・公助・共助により命を守る
    • 自助のためにはハザードマップや危険地域指定などによるリスクの見える化、防災教育による意識啓発(身につく防災)とともに、X-RAINやスマホなどを活用したリアルタイムの情報提供が必要
    • 公助においては、行政各機関は災害・危険性の進行とともに連携して行動するタイムラインを策定し行動
    • 共助は高齢者等の災害時要援護者の避難を地域で助けるため、自主防災組織の設立や訓練が必要だし、そのためには地域コミュニティ強化が必要
    • 巨大災害に対しては、東京一極集中では政治経済へのダメージが深く長期化するため、リスクを分散するリダンダンシーが必要
    • 経済活動においては、サプライチェーン寸断により資材調達が止まる等して被害が拡大するため、サプライチェーンに関わる生産活動を継続するBCPの策定が必要
    • 水防災意識社会再認識構築ビジョンなどを頭に入れておくとよい。
  4. 地域づくり
    • 拡散型(スプロール化した)都市では、自家用車依存の中で交通弱者の快適な居住が確保できず、公共交通も衰退する中で、高齢化社会における医療福祉サービス水準の維持が困難になる。
    • よって今後は中心市街地に都市機能を集約し、徒歩・自転車・公共交通機関により移動が可能な集約型都市(コンパクトシティ)への転換が必要
    • しかし単純に集約したのでは周縁部は過疎化してしまうので、周縁部において旧庁舎・学校・大型商業施設・道の駅などを核とした「小さな拠点」を作り、中心市街地と結んだコンパクト+ネットワークを目指す
    • しかしそれでも人口減少の中で、都市サービスが維持できなくなる恐れがあるので、コンパクトシティ化した地域同士が、それぞれの独自性・多様性(ダイバーシティ)を保ちつつネットワークを結んで連携(コネクティビティ)したコンパクト+ネットワークが今後は必要
  5. CPD
    • CPD制度の概要
      • CPD(Continuing Professional Development:継続研鑽)とは、技術が日々進歩している中で技術力が陳腐化して資格保持者に期待される能力を保てなくなることを防ぐため、資格取得後も継続的に研鑽することで、その内容と量(時間)を記録し、第三者にも明確にわかるような形で証明できるようにしたものがCPD制度
      • 内容は学協会によって多少とも異なるが、
        ・研鑽内容を、教育形態と教育分野で分類整理している。
        ・研鑽等に要した時間を点数化して溜め込むが、内容によって重み付け係数が異なる。
        という点で共通している
      • 建設コンサルタンツ協会CPDの場合も様々な教育分野と教育形態がある
      • 教育分野専門分野は専門技術に関するものだけでなく、様々な社会経済的知見や一般教養なども含まれる。経済学や語学などといったものもある
      • 教育形態は講習会に参加するだけでなく、自己学習や資格取得、社会貢献活動への参加なども認められる。「専門分野の技術講習会に参加する」だけではないことをしっかり認識!
    • 制度化の背景(JCCA「CPDガイドライン」より)
      • 国際相互承認資格であるAPEC Engineerの資格更新において義務付けられ、その結果技術士法でも責務化され、CPD制度が創設された
      • 従来 CPDは自己管理が基本だったが、建設分野全体にCPDが認知され更新等の条件となりつつあり、CPD単位の証明のためにCPD運営団体による認証が必要とされるようになってきている
      • 発注者からも、技術者評価項目の中にCPDを加える流れになっている
    • CPDと登録更新
      • 登録更新制度を持っている技術資格は、更新に際して一定以上のCPD単位を必要とするものが大部分。たとえばAPECエンジニアや土木学会認定技術者は5年間で250CPDが必要
      • RCCMも4年ごとに更新が必要な資格で、更新要件はCPD単位不要→直近4年間で100CPD必要→平成32年度更新からは直近4年間で200CPDが必要と変化してきている
      • CPD記録はJCCAのPDシステムに記録蓄積されていくようになっており、CPDを記録しようとする者はJCCAに申告し、認証されたもののみが蓄積されていく。平成27年度からの最新システムでは、研鑽実施から6ヶ月以内に記録しなければならず、また申請時には受講証明書等のエビデンスを必要とする
  6. 倫理・コンプライアンス
    • 職業倫理(技術者倫理)については、JCCAのHPに掲載されている「建設コンサルタント技術者の倫理」のページをひととおりやっておけば大丈夫
    • 企業倫理・コンプライアンスについては、(社)建設コンサルタンツ倫理綱領が参考になるでしょう。特に3〜5の中立・独立性の堅持、秘密保持、公正・自由な競争の維持(つまり談合などをしない)の3つをあげておけば間違いない
      会員は、社会のニーズに応えて、技術に関する知識と経験を駆使し、社会の健全な発展に寄与する建設コンサルタントの使命と職責を自覚し、信義に基づき誠実に職務の遂行に努め、職業上の地位及び社会的評価の向上を図らなければならない。そのため次の事項を遵守するものとする。
      1.品位の保持
       会員は、常に建設コンサルタントとしての品位の保持に努めるとともに、会員相互の名誉を重んじなければならない。
      2.専門技術の権威保持
       会員は、常に幅広い知識の吸収と技術の向上に努め、依頼者の良き技術パートナーとして、技術的確信のもとに業務にあたらなければならない。
      3.中立・独立性の堅持
       会員は、建設コンサルタントを専業とし、建設業者又は建設業に関係ある製造業者等と、建設コンサルタントとしての中立・独立性を害するような利害関係をもってはならない。また、依頼者の支払う報酬以外いかなる利益をも受けてはならない。
      4.秘密の保持
       会員は、依頼者の利益を擁護する立場を堅持するため、業務上知り得た秘密を他に漏らしてはならない。
      5.公正かつ自由な競争の維持
       会員は、公正かつ自由な競争の維持に努めなければならない。

  7. 品質確保
    • 基本的に品質確保・向上への取組みは、「ミスを出さない」ことになる(ただしこの場合の「ミス」はいわゆる「間違い」ではなく、「要求品質が充足できないこと」)
    • ミス防止策は教育・標準化・検査の3本立てになる(この3つがISO9001の根幹部分)
      種別 考え方 具体的管理手法
      ミス発生防止 そもそもミスを発生させない @ルーチンワークは標準化(マニュアル化)
      Aブレインワークは教育でスキルアップ
      ミス見逃し防止 ミスを見つけ外に出さない 検査の高度化・多重化
    • 品確法(改正品確法)が重要。品確法自体の大きな方向性は、価格だけでなく技術的内容を評価尺度にした調達だが、H26改正はその担い手育成を前面に出し、入札・契約の基盤となるだけでなく、人材育成・企業育成にも大きく踏み出しているということがポイント


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4.記述上の注意・留意点

  1. 問題1と同様、とにかく読みやすい文章を書く。

  2. インデントや箇条書きを使う(行数をかせぐ)。
    たとえば設計VEのように「いくつかある構成要素」を覚えておくと、
     (1)***VE
      ○○○…
     (2)***VE
      △△△…
    というように行数をかせげる。また読みやすくなる(読みにくいと点数がガタッと落ちる)。

  3. 一旦文章構成(アウトライン)を下書きすると全体構成バランスがとれる。
    できればいくつかの例題に対して文章を作って、覚えておく。

  4. 途中で思いついたエピソードは入れない(構成が崩れやすい)。

  5. 誤字・脱字は減点対象になる可能性があるので、漢字がわからなければ他の言葉に変えるなどする。

  6. 長文は読みやすければかまわないが、主語と述語のねじれなど、構文エラーや読みにくさにつながりやすいので、避けたほうがよい。

  7. 最後に1行使って、右寄せで「以上」と書く。
    ひとつのルールですが、必須ではありません。
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