RCCM資格試験(H17年度)問題4−2 推定正解および解説は、臨時掲示板での議論を元に作成しました。
補足・疑問等ありましたら、
メールでご連絡ください。
= 上水道及び工業用水道部門 =
問題と推定正解および解説 最終更新:2006.10.20

1. わが国の水道事業についての次の記述のうち、誤っているものをa〜d のなかから選びなさい。

a. 100%に近い普及率を目標とした水道建設の時代から管理、運営の時代をむかえている。
b. 「水道ビジョン」は21 世紀におけるわが国の水道の将来像と進むべき方向を示したものである。
c. 水道事業における水質管理は体制が整備されており、重要課題にはなっていない。
d. 水道事業においては事業者の統合・広域化、民間活用などが今後図られていく。


推定正解:c



2. 水道事業についての次の記述のうち、誤っているものをa〜d のなかから選びなさい。

a. 末端給水事業とは、需要者の蛇口まで水道水を供給することを目的とした水道事業のうち、特に末端給水の部分を行っている事業のことを慣用的にいう。
b. 応急給水とは、地震・渇水及び配水施設の事故などにより水道による給水ができなくなった場合に、飲料水を給水することであり、拠点給水、運搬給水および仮設給水などの形態がある。
c. 水道施設とは、水道のための取水施設、貯水施設、導水施設、浄水施設、送水施設、配水施設であって、当該水道事業者、水道用水供給事業者、または専用水道の設置者の管理に属するものをいう。
d. 水道水源の種類は、地表水と地下水に大別できるが、海水は水道水源には含まれない。


推定正解:d



3. 平成13 年の水道法改正についての次の記述のうち、誤っているものをa〜d のなかから選びなさい。

a. 浄水場の運転管理や水質管理等の高い技術力を要する業務を、第三者に委託できるようになった。
b. 水道事業を統合や管理体制の強化のための広域化に対する手続きの簡素化が図られた。
c. 水質検査結果等の情報は、国民保護法(「武力攻撃事態等における国民のための措置についての法律」)により利用者へ提供してはならないこととなった。
d. ビル、マンション等の貯水槽水道については、設置者の責任を明確にし、管理の充実を図ることとなった。


推定正解:c



4. 「水道事業ガイドライン」(平成17 年)についての次の記述のうち、誤っているものをa〜d のなかから選びなさい。

a. このガイドラインは、水道事業の定量化によるサービスの向上を目的とする規格である。
b. このガイドラインは、ISO/TC224 において検討されている規格「水道サービスの評価についてのガイドライン」の引用規格である。
c. このガイドラインで定義されている業務指標は、安心、安定、持続、環境保全、管理、国際貢献等の水道事業全般をカバーしている。
d. ガイドラインの業務指標の総数は、約50 項目である。


推定正解:d
業務指標の総数は137項目。


5. 水道のための構成施設の一般的なフローで、正しいものをa〜d のなかから選びなさい。

a. 導水施設−貯水施設−取水施設−浄水施設−配水施設−送水施設
b. 配水施設−浄水施設−導水施設−貯水施設−送水施設−取水施設
c. 取水施設−貯水施設−導水施設−浄水施設−送水施設−配水施設
d. 貯水施設−取水施設−送水施設−浄水施設−導水施設−配水施設


推定正解:c



6. 地下水の調査に関する次の記述のうち、誤っているものをa〜d のなかから選びなさい。

a. 電気探査は、地中に電流を通して地層の見掛けの比抵抗を測定し、地質構造と地下水位を調査する方法である。
b. 弾性波探査には、水平探査法と垂直探査法がある。
c. 試験井の仕上がり口径は、少なくとも75mm 以上とする。
d. 試験井の段階で、各層試験を行うのが望ましい。


推定正解:b
水平探査・垂直探査は電気探査。


7. 以下の組み合わせで、誤っているものをa〜d のなかから選びなさい。

a. 遊離残留塩素 − 0.4mg/l以下
b. 臭気 − 2−メチルイソボルネオール
c. 色度 − フミン質
d. 膜処理 − クリプトスポリジウム


推定正解:a
給水栓における遊離残留塩素は0.1mg/Lで、結合残留塩素が0.4mg/L。


8. 急速ろ過池に関する次の記述のうち、誤っているものをa〜d のなかから選びなさい。

a. 空気洗浄用下部集水装置には、ストレーナ形、有孔ブロック形、多孔板形等がある。
b. 逆流洗浄の水量は、砂の有効径及び均等係数によって適切に設定する。
c. 多層ろ過池に用いるアンスラサイトの比重は1.2 以上とする。
d. 直接ろ過は高水温・低濁度原水を対象として採用される。


推定正解:d
累積曲線ではなく、累加曲線。


9. 消毒剤の説明で、誤っているものをa〜d のなかから選びなさい。

a. 液化塩素は塩素ガスを液化して容器に充填したものである。塩素ガスは空気より重く、刺激臭のガスで、毒性が強い。
b. 次亜塩素酸ナトリウムは有効塩素濃度が5〜12%の淡黄色の液体で液化塩素に比べ取り扱いは極めて難しい。
c. 次亜塩素酸カルシウムは粉末、顆粒及び錠剤があり、保存性が良い。小規模浄水場に使用される。
d. 生成次亜塩素酸ナトリウムは浄水場で塩から電気分解により有効塩素濃度が1%〜5%程度の次亜塩素酸ナトリウム溶液が生成されるものである。


推定正解:b?



10. 浄水処理における膜処理において、膜の種類によって分離される物質の大きさが異なるが、その大きさを大から小へ並べた組み合わせで誤っているものをa〜d のなかから選びなさい。

a. 限外ろ過膜 - 精密ろ過膜 - ナノろ過膜
b. 精密ろ過膜 - 限外ろ過膜 - ナノろ過膜
c. ナノろ過膜 - 精密ろ過膜 - 限外ろ過膜
d. 精密ろ過膜 - ナノろ過膜 - 限外ろ過膜


推定正解:b?



11. 天日乾燥床に関する次の記述のうち、誤っているものをa〜d のなかから選びなさい。

a. 天日乾燥床は、一般に広い設置面積を必要とするが、構造が簡単なため、他の脱水設備より建設費は安い。
b. 池数は、2 池以上が望ましい。
c. 必要面積は、スラッジ負荷量、スラッジ性状、目標含水率、気象条件によって大きく異なる。
d. スラッジの乾燥促進のため、取り出し装置や下部集水装置を設けることが多い。


推定正解:c



12. 場内連絡管の水理計算に関する次の記述のうち、誤っているものをa〜d のなかから選びなさい。

a. 連絡管の摩擦による損失水頭はダルシー・ワイズバッハ(Darcy-Weisbach)の式で計算されることが多い。
b. Kutter の粗度係数n は溶接鋼管で0.010〜0.014 程度である。
c. 損失水頭を計算する際、通常は曲がりや屈折等の影響は小さいため摩擦損失のみ考慮すれば足りる。
d. 流入部の損失水頭を計算する場合の損失係数は角端で0.5 とすることが多い。


推定正解:c



13. 配水池の容量に関する次の記述のうち、誤っているものをa〜d のなかから選びなさい。

a. 配水池の有効容量は、給水区域の計画一日最大給水量の12 時間分を標準とする。
b. 配水池の基本的な機能は、取水量と配水量との調節である。
c. 配水池の有効容量は、非常時対応として増量することが望ましい。
d. 配水池の時間変動に対する容量の決定には、面積法、累積曲線法等の方法が用いられる。


推定正解:b
取水ではなく送水。


14. 配水管の埋設方法について、正しいものをa〜d のなかから選びなさい。

a. 公道に管を敷設する場合は、道路法及び関係法令によるとともに、警察署長との協議による。
b. 配水管を他の地下埋設物と交差又は近接して布設する時は、少なくとも0.3m以上の間隔を保つ。
c. 寒冷地における管の埋設深さは、凍結深度よりも浅くする。
d. 道路法施行令では、土被りの標準値は規定されていない。


推定正解:b



15. 消火栓に関する次の記述のうち、誤っているものをa〜d のなかから選びなさい。

a. 単口消火栓は、原則として管径100mm 以上の配水管に取付ける。
b. 双口消火栓は、原則として管径300mm 以上の配水管に取付ける。
c. 消火栓の設置間隔は一般に100〜200mとする。
d. 積雪地で冬季に消火栓の位置が分からなくなることがある場合は適切な標示設備を設ける。


推定正解:a
150mm以上。


16. 送・配水管路の耐震化計画についての次の記述のうち、誤っているものをa〜d のなかから選びなさい。

a. 水運用上重要度の高い管路などを設定し、優先順位を定めて整備する。
b. 管路の複数系統化、ループ化、相互連絡管、配水ブロック化などバックアップとシステムの安定化を図る。
c. 離脱防止機構を付加した耐震性能の高い管路にしていく。
d. ダクタイル鋳鉄管の鎖構造継手(S形、SU形、NS形など)は耐震性能が小さいため、柔構造継手(K形など)を検討する。


推定正解:d
US,S,NS,SUが耐震継ぎ手。


17. 機械・電気設備の計画における留意点についての次の記述のうち、誤っているものをa〜d のなかから選びなさい。

a. 現在必要とする設備の配置の確保に専念し、将来の増設設備についてはその時点で考えるようにする。
b. 特に必要な場合を除き、汎用品・標準品を選定するようにする。
c. 維持管理が容易であるものを選定する。
d. 省エネルギーや振動・騒音対策を十分考慮した設備とする。


推定正解:a



18. ポンプの流量制御についての次の記述のうち、誤っているものをa〜d のなかから選びなさい。

a. 流量制御の方法には、運転台数制御、回転速度制御、バルブ開度制御がある。
b. 運転台数を自動制御する場合は、各ポンプの運転時間を平均化させるため順次に運転できるよう計画する。
c. 回転速度制御の方式には、二次抵抗制御方式、一次周波数制御方式、セルビウス制御方式がある。
d. バルブ開度制御は、設備費が少なくて済み、運転効率が高く運転コストも安い。


推定正解:d?



19. コンピュータを使用する制御設備に関する次の記述のうち、誤っているものをa〜d のなかから選びなさい。

a. 集中制御方式では、全ループを一括して制御するため制御用コンピュータのバックアップ対策が必要である。
b. 集中制御方式におけるシーケンス制御などは、ソフトウェアで対処できるので比較的柔軟である。
c. 分散制御方式は、設備単位に分散配置した制御装置で行うものであり、中央監視操作設備や各設備間での結合はしない。
d. 分散制御方式では、保守点検もシステム全体を停止させることなく行える。


推定正解:c?



20. 給水管についての次の記述のうち、正しいものをa〜d のなかから選びなさい

a. 受水槽への給水量は給水用具の同時使用の割合等を考慮して設定する。
b. 給水管の管径は計画平均動水圧時において計画使用水量を供給できる大きさとする。
c. 給水管の摩擦損失水頭の計算は、管径50mm 以下の場合はウエストン公式による。
d. 給水管の管種としては硬質塩化ビニル管、ポリエチレン管等が用いられ、ダクタイル鋳鉄管、鋼管、ステンレス管は用いられない。


推定正解:c
水道施設設計指針P680