RCCM資格試験(H17年度)問題4−2 推定正解および解説は、臨時掲示板での議論を元に作成しました。
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= 地質部門 =
問題と推定正解および解説 最終更新:2006.10.20

1. 道路計画のルート選定等では空中写真を用いた地形判読を行うが、この地形判読では判断が難しいものを、a〜d のなかから選びなさい。

a. 不安定な地形(地すべり地形、崖錐地形、リニアメント)
b. 土地利用状況
c. 植生の状況
d. 水理地質状況


推定正解:d
水理地質は、段丘や扇状地では可能ですが、岩盤に含まれる被圧水等の判読は不可能


2. 切土の安定確保を目的としてのり面勾配を検討する際の留意点として適切ではないものを、a〜d のなかから選びなさい。

a. 流れ盤、地すべり等の切土に影響する要素を十分考慮する。
b. 切土計画部周辺の自然斜面の傾斜を参考にしてのり面勾配を検討する。
c. 対策処理面積が小さくなるように、地質条件に関係なく切土勾配を急にする。
d. 地山の土質・地質の性状を的確に把握する。


推定正解:c
地質条件により適正勾配を決定する


3. 湿地等の軟弱地盤や火山灰質粘性土の分布地域で、トラフィカビリティーの評価に用いる数値を、a〜d のなかから選びなさい。

a. スウェーデン式サウンディング試験によるNsw 値
b. コーンペネトロメーター試験によるqc値(コーン指数)
c. 簡易貫入試験によるNc 値
d. 不攪乱試料の一軸圧縮試験によるqu 値(一軸圧縮強度)


3.推定正解:b
一般的にコンペネが使われる


4. ダムサイト候補地選定概査時において実施される地質調査・試験項目として一般的でないものをa〜d のなかから選びなさい。

a. 第四紀断層予備調査
b. 大規模な地すべり・崖錐堆積物等不安定斜面の航空写真判読
c. 貯水池周辺地表地質調査
d. 基礎岩盤の原位置せん断試験


推定正解:d
概査段階では原位置せん断試験まで実施しない


5. ダム基礎などの透水性評価のために行われるルジオン試験について記述したa〜d のなかから,誤っているものを選びなさい。

a. ルジオン試験に使用する注水ポンプは,十分な吐出能力を持ち圧力の調整が容易で脈動の少ないものを用いる。
b. 試験区間長は5m を標準として,パッカーにより試験区間を仕切って行う。
c. ルジオン値は,有効注入圧力が9.8MPa の時の試験区間1m あたり注入量で表される。
d. 孔口で注入圧力を測定し,孔内水位,管内抵抗などを補正することにより有効注入圧が求められるが,センサーを試験区間に設置し直接測定する場合もある。


推定正解:c
ルジオン値は有効注入圧力10kgf/cm2時のmあたり注入量、SI単位では0.98MPa


6. トンネル掘削に伴う渇水影響調査のための水文調査手法として,不適切な組み合わせをa〜d のなかから選びなさい。

a. 地質踏査,現地水質調査,水質分析
b. 揚水試験,微流速測定,トレーサー試験
c. 密度検層,PS 検層,水平載荷試験
d. 降水量調査,水位測定,蒸発散量調査


推定正解:c


7. 開削工法のトンネル調査において,土質的に注意する事項を下記に示す。 内に入る語句の組み合わせとして正しいものをa〜d のなかから選びなさい。

掘削底面付近に被圧水頭の高い砂層などがある場合, の発生により施工ができなくなることがあり, の把握が重要である。ごく軟弱な粘性土が存在する場合, が発生する恐れがあり不かく乱試料を採取し,一軸圧縮強度や変形特性などを調査する必要がある。

a. ア.パイピング イ.ボイリング, ウ.透水性 エ.ヒービング
b. ア.圧密沈下 イ.せん断破壊 ウ.地盤性状 エ.ネガティブフリクション
c. ア.盤ぶくれ イ.スレーキング ウ.地盤性状 エ.液状化
d. ア.酸欠空気 イ.過剰間隙水圧 ウ.地下水位変化 エ.周辺井戸の枯渇


推定正解:a
被圧水頭の高い砂層で起こるのはバイリング・ボイリング


8. 設計施工計画が実情に即しているか確認のために,岩盤トンネルで行われる施工中の調査手法として記したa〜d のなかから,誤っているもの選びなさい。

a. 三成分コーンによる計測
b. 切羽,側壁,天端などの地質状況観察
c. 湧水量の測定や内空変位などの計測
d. 弾性波探査を利用した切羽前方探査法による調査


推定正解:a
岩盤で三成分コーンは不可


9. 軟弱な沖積粘性土が厚く堆積している場所で高盛土を計画している場合に,不適切な室内土質試験をa〜d のなかから選びなさい。

a. 土の粒度試験
b. 土の一軸圧縮試験
c. 土の締め固め試験
d. 土の圧密試験


推定正解:a?
不要とも言えない。問題が不適当。


10. 地盤の液状化に関する考え方で正しくないものをa〜d のなかから選びなさい。

a. 液状化検討の必要のある地層は、砂質土だけでなくシルト分を多く含む地層や礫を含む砂礫層も対象とするようになった。
b. 液状化現象とは、地震動で地層の構成粒子間の間隙水圧が上昇し、粒子が水中に浮遊して流動するようになった状態をいう。
c. 液状化の可能性を示す液状化指数(PL 値)は、地盤のN値と地下水位の状態から簡易的に求めることができる。
d. 液状化を起こすと地盤が膨張し、噴砂現象やマンホールの浮き上がり等が生じることがある。


推定正解:d
地盤は収縮する


11. ガスハイドレートに関する記述のうち、誤っているものをa〜d のなかから選びなさい。

a. メタン等の気体分子が水分子のかご状格子中に取り込まれたシャーベット状のガス水和物を指す。
b. 特定海域の海底や永久凍土地帯下に存在が知られている。
c. 化学的に安定なタイプの水分子のかご状格子中には水1リットルに対してメタン20 リットルを包摂できる。
d. 日本周辺海域の埋蔵量は約6兆m3という推計値がある。


推定正解:c
水1リットルに対してメタン200 リットルを包摂できる。


12. 次の地すべり対策工のうち、抑止工に分類されるものを、a〜d のなかから選びなさい。

a. 頭部排土工
b. 集水井工
c. グラウンドアンカー工
d. 押え盛土工


推定正解:c
c以外は抑制工


13. 斜面安定検討に関する記述のうち、最も適切なものをa〜d のなかから選びなさい。

a. 斜面の安定検討は、全て現況安全率Fs=1.0 としてc、φを逆算して行う。
b. 現況安全率Fs=1.0 として逆算したc、φを用いる場合は常に地震係数を考慮する必要がある。
c. ダム貯水池斜面の安定検討では貯水位の変動に応じた残留間隙水圧を考慮する必要がある。
d. フィルダム盛土斜面では地震係数は考慮しない。


推定正解:c
a:滑動中だと1.0以下、b:常時安全率計算時は考慮しない、d:地震時検討では考慮する


14. 地盤中の地下水の流動速度を大きく規定する要素として適切でないものを a〜d のなかから選びなさい。

a. 地盤の間隙率
b. 地盤の透水係数
c. 水のpH
d. 動水勾配


推定正解:c
流速は透水係数×動水勾配で、透水係数は間隙率に支配される


15. 帯水層の能力の把握や,水理定数(地下水位低下工法の設計に用いる)の把握などを目的として行われる揚水試験について記したa〜d のなかから,誤っているものを選びなさい。

a. 試験は,揚水井とその周囲に観測井を配置して行われる。観測井を新たに設ける場合は,揚水井を中心にして,地下水等高線に直行するように上下流に複数配置する。
b. 試験中は,揚水量および試験中の揚水井,観測井の水位低下,揚水停止後の水位回復などが観測される。
c. 解析は,ヤコブ(Jacob)やタイス(Theis)の定常式やチーム(Thiem)の非定常式などを用いて行われる。
d. 解析結果では,限界揚水量や透水量係数,貯留係数などがえられる。


推定正解:c
ヤコブ、タイスの式は非定常式で、チームの式は定常式


16. 地熱開発に関する記述のうち、最も適切なものをa〜d のなかから選びなさい。

a. 世界の地熱地域は、石油資源埋蔵地域と概ね重なっている。
b. 地熱エネルギーの発電利用は、今後のエネルギー資源として期待されている。
c. 地熱エネルギーの源は、地球深部の放射性壊変によるものである。
d. 我が国の国立公園内での地熱開発は環境保全特別措置法で規制されている。


推定正解:b
a:重なっていない、c:火山のマグマ熱、d:自然公園法


17. 屈折法の弾性波探査について記した文章の に入る語句をa〜d で示した。語句の中で誤っているものを選びなさい。

屈折法による弾性波探査は,人工的に発生させた a が地盤の中を伝わって地表の観測点に伝わる b を観測し,地盤の c を推定する調査法である。近年は, d を活用した高密度で高精度の解析法も開発され,低速度はさみ層の解析も可能となってきている。

a. 弾性波(P 波)
b. 弾性波の強度
c. 内部構造や物性
d. コンピュータ技術


推定正解:b
強度ではなく速度


18. 孔内検層でとえられる物性値などについて記したa〜d のなかから,誤っているものを選びなさい。

a. PS 検層 →地盤の弾性波速度(風化部の厚さ,断層など劣化部の位置,地盤の剛性率)
b. 地下水検層 →地盤の比抵抗(断層破砕帯,強風化部,帯水層などの存在)
c. 磁気検層 →磁気量(鋼材や不発弾などの埋設物存在)
d. キャリパー検層→ボーリング孔径(地盤種別の判定,密度検層や音波検層などの解析で必要な孔径補正)


推定正解:b
電気検層の内容。地下水検層は地下水流動層の把握


19. 硬質で均質な岩石を対象に,効率的に深度100m 程度の高精度のコアボーリングを行う場合,作業に最も適している使用機材の組み合わせをa〜d のなかから選びなさい。

a. ハンドフィード式ボーリングマシン,シングルコアバレル,メタルクラウン
b. ハンドフィード式ボーリングマシン,ダブルコアバレル,メタルクラウン
c. 油圧式ボーリングマシン,シングルコアバレル,ダイヤモンドビット
d. 油圧式ボーリングマシン,ダブルコアバレル,ダイヤモンドビット


推定正解:d
硬質岩盤は油圧でダブルコア&ダイヤビット


20. 以下のサンプラーのうち、ボーリング孔での地盤試料採取を目的とするものでないものをa〜d のなかから選びなさい。

a. グラブサンプラー
b. レイモンドサンプラー
c. シンウォールサンプラー
d. デニソンサンプラー


推定正解:a
グラブサンプラーはエックマンバージ採泥器など水底の泥をつかみ取るサンプラー