橋台基礎杭が完了した段階で掘削法肩から10mほど上部にパックリと亀裂(15cm)が発生しまして掘削床付が盛り上がっています。とりあえず抑え盛土を行い、すべりは止まったように感じますが、さてこれからどのような調査を行えばいいでしょうか?また、どんな対策工がありますでしょうか?場違いでしょうがよろしくお願いします。
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No.14511 RE:橋台掘削箇所のすべり面発生 投稿者:APEC 投稿日:2008/07/23(Wed) 21:40
ポンチ絵のような状況ですか?
すべり(形状は岩盤であれば円弧とは限らない。流れ盤すべりも疑うべき)の形状次第ですが、Aのように冠頭部切土で安全率が確保できる可能性もあります。
Bのアンカーのような抑止工が順当なのでしょうが。
そのためには矢印のあたり(状況によりますが)でボーリングしてすべり面を把握してはどうでしょうか。時間が取れれば傾斜計やパイプ歪計で動態観測もしたほうがいいでしょう。取れなければ、せめて地下水検層ででもして、正確にすべり面を特定したいところです。
いずれにせよ、動態観測の不動点確保、アンカーや深礎などの対策工設計を考えると、ボーリングは十分な硬度の岩盤層を3mは確認したいところです。
これは、すべり頭部(クラック)と末端部(盛り上がり)の位置が特定できていることが前提です。
なお、すべり面形状は、特に岩盤・風化岩であった場合、堆積構造なども十分観察して決めないといけません。
すべり解析は逆算法が妥当でしょう。特に岩盤・風化岩であった場合は、すべり面が弱層であることが多いので、サンプリングしての試験などはあまり意味がない場合が多くなります。
気になるのは、杭が施工済みということです。
杭に異常はないでしょうか。懸念するのは、基礎杭が地すべり抑止杭状態になってしまって、さらに降伏もしくは破壊している可能性です。
データがあればもう少し具体的なアドバイスもできるでしょうが、想定・仮定も交えて思いつくところをざっと書きました。
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No.14514 RE:橋台掘削箇所のすべり面発生 投稿者:畑違い 投稿日:2008/07/23(Wed) 23:03
何だか試験問題みたいですね。不謹慎ですが,面白そうなので参加します。
といっても,APECさんが既に,大半の内容を記載していますが........
1.地表変状箇所のその後の挙動を監視する。
・既に地すべり活動が沈静化しているようなので,変位状況を確認できないかもしれませんが,今後の対策工実施時の活動監視・実施後のモニタリング等のためにも地盤伸縮計を地すべり形状に合わせて1〜数箇所設置して下さい。できれば警報装置も必要です。
・周囲地形や地すべりの規模,杭との位置関係等にもよるのでしょうが,大規模なものであれば,GPSや光波測量を用いた監視も有効です。
・このような観測施設を設置する前に,原則からすればまず丁張を亀裂の両側に渡して木杭で固定し,真ん中(亀裂直上)で切断して,切断面の開き具合を確認して下さい(“抜き板”と言いましたっけ)。
2.既存の杭基礎調査資料や空中写真・地形図をチェックする。
・地すべりのための地質調査を行うには時間がかかりますので,まずは既存の杭基礎調査資料を確認し,大局的な地質構造を把握しておく必要があります(例えば流れ盤か,断層等の構造は?,斜面の堆積物は?etc.)
・掘削により発生する地すべりは,掘削前の地形からある程度その形状が推定されるものが非常に多いです。したがって,空中写真(正確な地形図があればこれも有効)を地質の専門家にチェックしてもらうことも有効と思われます。
3.地質専門家による現地調査を行って地すべり形状を把握する。
・地すべりの平面形状を把握することは,対策工を計画する上で基本となりますので,上記の空中写真判読とともに現地調査を行って,地すべり地形を確認して下さい。現地を丹念にみると,意外と変状がたくさん発見されるものです。←緊急現地踏査結果に基づき地盤伸縮計配置を決める。
4.その他
・まず,発生した亀裂について,丁寧に防水性ビニールシートで覆うようにして下さい。これは雨水が直接すべり面に流れ込まないようにするためで,極めて重要なことです。
・杭の降伏・破断等が心配な状況であれば,健全度調査を行ったほうが良いかと思います。新潟県中越地震時には,青○あす○ろ建設のオーリ○(わかりますよね)が重宝がられていたようです。実際に使ってみたことがありますが,それなりの答えが出ます。
・「抑え盛土」ではなく「押え盛土」です。
取りあえず思いつくまま....
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No.14519 RE:橋台掘削箇所のすべり面発生 投稿者:ハマーン 投稿日:2008/07/24(Thu) 07:36
何だか試験問題みたいですね。不謹慎ですが,面白そうなのでぼくも参加します。
何となく表層すべりチックなので、簡易貫入の多様でルーズな部分を一応確認。(格安)
予想通り表層すべりであれば、切り直し法面の頭部が亀裂部分一致するようにもう一度緩い勾配で切り直す。法高にもよるが、それでも変位する場合は、ボルトやふとんかご程度で抑止。
あくまで、表層すべりが前提です。
でも、APECさんが言われるように、基礎杭が地すべり抑止杭状態になっていないかが気になる。
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No.14520 RE:橋台掘削箇所のすべり面発生 投稿者:チョンキー 投稿日:2008/07/24(Thu) 10:08
APECさんのイメージでOKです。掘削勾配は1:0.6で高さは10mです。法肩から上部はなだらかな地形なので、借地をして安定勾配で掘削し直そうかと考えています。土質は全体的に崖錐堆積物なのでcやφの推定は難しいかと思いますので何かの文献で安全側の値を使用し安定勾配を算出しようと思っています。どうやって算出するかわからないので本屋に走ります。
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No.14521 RE:橋台掘削箇所のすべり面発生 投稿者:APEC 投稿日:2008/07/24(Thu) 11:12
法肩付近のクラックだけなら法面部分の表層崩壊でしょうから(単に仮掘削法面勾配が急すぎた)切り直せばいいと思います。(その場合も、単純に勾配を緩くするというのと、それなりの勾配のままで図Aのように主働側土塊を軽減する2段カットがある)
ただ、気になるのは「掘削床付が盛り上がっています」とのお話。その場合、すべり面が掘削面より下に回り込んでいる可能性が出てきます。それだけは十分気をつけないといけません。杭への悪影響も考えられますし。
また、崖錐ということであれば、上部斜面での地すべり性崩壊誘発の危険性もチェックしておく必要があります。
c、φは、すべり面の最大層厚=cとしてφを逆算する方法と、斜面勾配=φとしてcを逆算する方法があります。(マニュアルに書いてあるのは前者ですが、これは第三紀層地すべりの岩盤せん断強度の残留強度に関する経験則なので、すべりに何でもかんでも適用するのはどうかと私は思っています)
間隙水圧の考慮も重要ですから、現地の状況にあわせて慎重に進めてください。
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No.14526 RE:橋台掘削箇所のすべり面発生 投稿者:くりろう 投稿日:2008/07/24(Thu) 22:31
1:0.6勾配で床堀高さまで10m掘削し、その後に杭打設が完了しているということは、土質定数はそれほど低くはないようです。
1)床堀期間中の降雨はどうですか?誘因にはなっていませんか?
2)不安定土塊は全て崖錐ですか?それとも強度境界面がありますか?
3)崖錐の性質が判りませんが、切土の標準勾配から考えると適正勾配は1:0.8〜1.2くらいでしょうか?
(3)から考えると0.2〜0.6分くらいの土塊が推力側に残っているはずですが、
法肩から10m背後に頭部クラックがあるとすれば剪断面は寝ていますね。
この法肩(頭部)を数mくらい幅広く除去して荷重を軽減し、下部工の施工後に埋め戻しすると仮設費用は安くなります。
ただし、借地の了解と原型復旧が必要になります。
観測施工という計測を含めた対策が安全上必要です。
当初のイメージは高角度のクサビ崩壊と思いましたが、
末端が圧縮で盛り上がっていることと、法肩の背後に10mバックするという点で
円弧を有する「すべり破壊」が予見されます。現場を見ていないのでこの程度ですか。
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No.14529 RE:橋台掘削箇所のすべり面発生 投稿者:チョンキー 投稿日:2008/07/25(Fri) 07:22
皆様丁寧に教えていただいてありがとうございます。この杭は径1,000mmの場所打杭です。床付から2.5m上での施工でした。
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No.14530 RE:技術士の姿に感激! 投稿者:覗き見 投稿日:2008/07/25(Fri) 08:37
機械部門の技術士ですが,ここで久しぶりに本当の技術士らしい技術の議論に触れることができ,楽しく拝見させて頂きました。
このような技術士の本領を発揮できる議論や相談事のトピックがもっと多くてもいいでしょうね。
社会への貢献にもなると思います。
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No.14532 RE:橋台掘削箇所のすべり面発生 投稿者:長崎ちゃんぽん 投稿日:2008/07/25(Fri) 14:38
すべりの末端がもぐりこんでますので、地すべり性の崩壊と思われます。推測では強風化岩の中や層境に弱線(すべり面)があるんじゃないかと。崖錐の崩壊レベルなら末端が法尻に抜けると思います。地すべり性の崩壊をする所は周辺の地質も悪いことが多いので切り直しは慎重に考えるべきです。切り直しは崩壊であれば安定しますが、クラックの背後にすべりがあると末端が軽くなりますので、すべりを誘発します。切り直し案は背後の土質・岩質をよく確認してから決定してください。(明瞭なすべり面があればわかりやすいですが、判断は難しいです)
調査ボーリングは法肩とクラック背後の最低2箇所がいいと思います。斜面安定は非常に難しく、長い実務経験が必要です(すべって初めて、対策の必要性がわかる)。できれば、斜面安定の技術者もしくは地元の調査コンサルに手伝ってもらった方がいいのではないでしょうか。勉強は大事ですが、本を買って対応できるレベルではないかと思います。私も十数年、斜面の調査設計にかかわってますが、いまだに難しいと感じます。2、3回ほどすべらかしたことがありますが、かなりヘコミますよ。個人的には、1回すべってますし、施工中の安全を考えると仮設アンカーがいいと思いますが。
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No.14535 RE:橋台掘削箇所のすべり面発生 投稿者:カエル 投稿日:2008/07/25(Fri) 21:35
すみません、現実感湧かないのですが・・・。
不安定な地盤で1:0.6法勾配の深さ10mの掘削!?
勾配が付いているということは、土留め無しですよね?
よく床付けまで持ちましたね・・・。
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No.14536 RE:橋台掘削箇所のすべり面発生 投稿者:カエル 投稿日:2008/07/25(Fri) 22:03
橋台の大きさが分かりませんが、10mの掘削と言えばかなりの土量ですよね?
借地して安定勾配にするって・・・?
亀裂が入った不安定な地盤だから、かなり埋め戻さないと再度掘削は出来ないですよね?
法肩に重機を乗せるわけにはいかないので、埋めた側からブームがとどく程度には埋め戻しし、ダンプを入れるのも、きっとその埋め戻した上ですよね?
まさか、丁寧に転圧しているとも思えないので重機でしっかり転圧した上で、鉄板などで厳重に養生しないと作業できないでしょう。
さらに、運搬土量は洒落にならないぐらい増えるのではないでしょうか?
崖錐性堆積物はよく知らないのですが、ネットで見る限り盛土に毛が生えた程度の安定性しか無さそうですよね?
なら、1:1.0勾配以上の途中小段付きくらいの掘削法面になるのでは?
背面が緩やかな勾配になっていると言うことなので、掘削高さはさらに増えて小段も2段程度必要でしょうか・・・。
掘削土量とんでもなく増えませんか?
置き場はあるのですか?
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No.14538 RE:橋台掘削箇所のすべり面発生 投稿者:くりろう 投稿日:2008/07/26(Sat) 00:00
橋梁基礎工なので事前調査は当然実施しているはずで、地質を認識(知った)した上で採用した勾配でしょう。
設計では床堀勾配を大体このようで、地質を考えずに(分かった上で)立てる方もいますね。
その是非はひとまず置いて・・・荷重軽減はそれほど難しい施工ではありません。
既に変状した斜面の解析は変状前に比べて理解しやすいからです。
1:0.6で10m下がりの斜面で法肩から上部10mの地点が頭部クラックとすれば、地山の剪断形状は概ね予測できます。大がかりな頭部排土は不要と思います。
もっとも、調査ボーリングを実施して変位面を探るのがベストです。
時間的余裕がなければ頭部土塊を掘削面に盛りこぼして変位を収束させ、工事用道路から運搬仮置きします。
問題は剪断面の残留強度で、埋め戻した後は橋台に設計水平力以上の力が作用する心配があります。
土圧とすべり力の比較で決まると思いますが、案外土圧の方が大きいことも多いです。
その場合は問題ないと思います。無視できない場合はアンカーでの安定化を考える必要もあるでしょう。
現地状況が分かりませんので、これも想像の範囲ですけど
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No.14539 RE:橋台掘削箇所のすべり面発生 投稿者:温泉卵 投稿日:2008/07/26(Sat) 00:30
すばらしい技術者の技術的な議論だと思います。皆さんはコンサル系の技術者で、カエルさんはゼネコン系とお見受けしました。議論の前に確認したいことは、チョンキーさんが発注側であるか受注側であるかということです。
受注側からの提案であれば、コストと施工性、工期も重視しなければなりません。当然、設計変更となるわけですから。しかし、調査を十分行なった上でこのような現象が生じた場合、総価契約というこで責任施工ということも最悪考えられます。そうした場合、技術だけでは話は済まされません。
そういった場合、緊急の措置が必要かどうかの判断を見分けることも必要だと思います。急いで本屋さんに走る、ということですから、受注側であることがうかがえます。
受注側であれば、発注者に対する説明として、コストを最小限にした提案をするべきです。いくら良い考えを提案しても、受け入れられなければ仕方が無いわけでありますから。
状況によりますが、単純に法尻に親杭を打設し、背面を埋め戻すなどして土留を設置するということも、コスト的には有効ではないでしょうか?
cとかφも重要ですが、発注者が総合的にこの問題を考えた場合、何とか最少の手立てで効果的な方策は無いものかと言うことを考えます。その第一弾として、こてこての技術論が前面に出るようでは、発注者・施工者一丸となった方策は打てません。まずは、現地確認、緊急性の有無の判断、根本的ではなく、当面の緊急対策としての暫定手段を行い、更にその後の状況確認をする、さして問題がないようならその状態において本体施工を粛々と進める、そして本体構造を利用して土留として適用するなどということも私なら考えます。
経験は技術なり、という施工計画の面からの私の考えですが、いかがでしょうか?
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No.14540 RE:橋台掘削箇所のすべり面発生 投稿者:ハマーン 投稿日:2008/07/26(Sat) 08:29
う〜ん。
何ともお粗末な設計ですが、このような設計を社内でよく見ます。1:0.6の切土勾配って言うのは、数量算出要綱の仮掘削勾配を適用しただけのマニュアル的で地質判断無視の計画でしょう。
実際、こういうことって多々あります。
コンサルが気付いても、発注者が予算的な判断や知識不足により、仮掘削の危険性を否定(軽視)する場合もあります。本体工と金額的に同規模となる仮設工(高価なアンカーや杭工)は、相当の発注者の理解がなければ採用されないのが現実。特に市町村レベルは。
同様に、調査段階でも橋台位置のみで1本のBorしかしないケースも多い。
逆に、地元や下請の橋梁オンリー技術者が、掘削後の斜面崩壊を念頭に置くことすらないケースも多い。そして他部門との連携がないので、チェック機能は自分たちの専門に限った本体構造(橋台)が主体となる。
でもこうなると、仮掘削どころか、本体工の設計における背面土圧などの条件設定が正しいのかも疑問となる。
橋梁設計の発注時に管理技術者は『鋼構造コンクリート』と指定しているのをよく見るが、上部工はメーカー外注となるのが中小コンサルの実態なので、どうせ指定をかけるなら土基礎で指定すべきかと良く思う。あるいは、上部工と下部工を分離発注し、JV化すれば良いのに・・・
もうこの際、永久アンカーを打設して橋台の作用土圧を軽減し、橋台を小型化する修正設計も視野に入れるべきかも。
でもそうなると、無償でコンサルが修正させられるんだろうな・・・
この流れが予測できるコンサルは、安易にアンカーなんて提案できないだろうな〜。提案より、当初の提案不足の言い訳に終始しているかもしれない。
コンサルは価格の割にリスクが高い商売です。低入で修正設計までサービスしてたら、時給はいくらになるのだろう・・・
技術論から離れたファンタジーですみません。疲れているのかな〜
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No.14541 RE:橋台掘削箇所のすべり面発生 投稿者:カエル 投稿日:2008/07/26(Sat) 09:58
すでに地盤が変状を始めている以上、法尻での作業は危険すぎると思います。
法肩でも同様です。
最優先は人命ですからね。
まあ、盛土して押さえたと言うことなのでよいですが・・・。
現場の惨状が目に浮かびますね・・・。
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No.14542 RE:橋台掘削箇所のすべり面発生 投稿者:チョンキー 投稿日:2008/07/26(Sat) 10:42
現場で発生したすべりに対して対策を考えてくれと相談を受けた者で受注者側です。現場は見てません。地山の表面2mくらいが崖錐であとは砂(N=15程度)で床付面より1mくらい下がN=50です。地下水は掘削する前は床付高さより1.5m高かったです。
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No.14544 RE:橋台掘削箇所のすべり面発生 投稿者:カエル 投稿日:2008/07/26(Sat) 11:25
砂地盤で地下水有りって・・・。
地下水と一緒に砂が抜け始めたら止まりませんよ・・・。
全部埋め戻して、シートパイル打って腹起こしは反力取るとこ無いでしょうから、アースアンカー打って掘り直しした方が良いのでは?
労働安全衛生規則でも以下のように書いてあります。
>第三百五十七条 事業者は、手掘りにより砂からなる地山又は発破等により崩壊しやすい状態になつている地山の掘削の作業を行なうときは、次に定めるところによらなければならない。
一 砂からなる地山にあつては、掘削面のこう配を三十五度以下とし、又は掘削面の高さを五メートル未満とすること。
二 発破等により崩壊しやすい状態になつている地山にあつては、掘削面のこう配を四十五度以下とし、又は掘削面の高さを二メートル未満とすること。
10mの掘削ということで、労基署には届出しているのでしょうか?
微妙な掘削深度ですが。
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No.14545 RE:橋台掘削箇所のすべり面発生 投稿者:カエル 投稿日:2008/07/26(Sat) 11:38
ちなみに、掘削たったの2m、ライナー掘削で床付け付近に砂層と地下水位がありました。
これでも、砂の流出が止まらず、ライナーが沈みましたよ。
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No.14546 RE:橋台掘削箇所のすべり面発生 投稿者:温泉卵 投稿日:2008/07/26(Sat) 14:16
状況にもよりますが、やはりまずは黙視による状況確認が必要です。工事エリア全域がやられているのか、一部なのか、重度の部分、軽度の部分、など。そういったところから手がかりがつかめるかもしれません。コンサルさんで調査ボーリングや解析などを設計変更し発注者と合意に至ればその方法でよいのではないでしょうか。発注者がこの程度の処置でよいと考えているのに、受注者がこれとぞばかりに大げさなことをすれば信用問題にも関ります。発注者・受注者が十分にキャッチボールをしながら事に当たることが大切で、一技術者のマスターベーションではいけません。
確かに降雨があった場合は危険ですね。だからこそ状況をよく確認し、まずは暫定的でも短時間で簡易に対応する方法をとり被害を食い止め、抜本的な改善はその後の検討となるのではないですか?
例えば掘削部分を埋めもどすとか。技術士受験のコーナーではふさわしくない意見ですが、こういった場合、事前に分からなかったのかとか調査結果ではどうなっていたのかなどの話から始まり対応・協議には時間を要します。
私は、まずこれ以上進行させないための緊急措置、細かい解析や検討はその次とするべきと考えます。
現場をまず見る。これが一番大切ですね。
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No.14547 RE:橋台掘削箇所のすべり面発生 投稿者:土基礎技術者 投稿日:2008/07/26(Sat) 14:33
↑の方と重なりますが、このような状況ではコストではなく、人命優先、安全第一です。発注者や設計技術者は自身がその現場で作業することを前提に対策の検討や計画を立てる必要があります。当初の計画は現地踏査や施工時の安全性検討などを行わずに、例えば、下請けが数量作成要領に沿って規定通りの図面・数量を計上した結果ではないかと推測します。それらも踏まえ、現場を見ずに対策の検討や計画を行うのは如何なものでしょうか。現場の状況を自ら観察し、現場作業員に施工の状況を聞き取りすれば、おおよその要因やすべりの規模、対策の方向性は見えてくるものです。下手に事務所であれこれ考えるよりもその方が短時間で解決できると考えます。ところで、切土斜面上方を借地するということは、変状が発生した斜面は橋台直角方向の山側斜面なのでしょうか、橋台の背面か側面かによって対策の方法や工法が異なります。アンカーの話がでてますが、仮設アンカーであれば盛土内に埋設しても良いと思いますが、永久の場合は再緊張等の維持管理が必要なので、埋設する場所に設置するのは不適当でしょう。すべりに対して橋台完成時に所定の安全率が確保でき、橋台が変位しないような措置をしておかないと、伸縮装置や支承が遊間がなくなり破損して機能しなくなる恐れもあります。長期安定も考慮にいれて安全第一で検討願います。
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No.14548 RE:橋台掘削箇所のすべり面発生 投稿者:ななめ魚 投稿日:2008/07/26(Sat) 16:15
急がば回れとは良くいったもので、ボーリングによってすべり深度を把握し、対策工を選定することが結局手戻りのない方法と考えます。
私は斜面系を専門としておりますが、時間と工費を理由に発注者と設計コンサルにおしきられて止むを得ずサウンディングと統計的な手法(地すべり形状比)を基にすべり形状を推定し、応急排土工を計画しましたが、結局失敗したことがあります。責任はこちらにきました。
なお、その現場では、すべり面は@崖錐と岩盤の境、A岩盤内の層理面に沿った2つのすべりがありました。
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No.14552 RE:橋台掘削箇所のすべり面発生 投稿者:温泉卵 投稿日:2008/07/27(Sun) 07:36
この問題はおそらく施工側から依頼されたコンサル系の側としての一連の議論であると思います。
したがって、コンサルが机の上で考える問題ではありません。発注者と、施工者と、コンサルの3社が合同で検討会議を開くべきです。まず1番目に必要なことはそれでしょう。
プロジェクト全体を考える発注者、安全第一の施工者、設計のコンサル、三者三様の立場の人間の考えを総合的に加味し、最善の策を取られることを期待します。
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No.14554 RE:橋台掘削箇所のすべり面発生 投稿者:くりろう 投稿日:2008/07/27(Sun) 11:44
チョンキーさんへ
>現場は見ていません。地山の表面2mくらいが崖錐、下方は砂(N=15程度)、
床付面の1mくらい下がN=50。掘削前の地下水位は床付高さ+1.5m。
まず、相談を受けた場合は金にならずとも、とりあえず現場を見ましょう。考えるのはそれからです。
観察は問題解決の基本であって、状況を見ない発想では、私を含む掲示板の多くの想定回答と大差ありません。
その根拠は、
地表面下2mの崖錐堆積物は良しとしても、下方のN=15程度の”砂”とはどんな土ですか?
前のコメントにもありましたが、砂で1:0.6、H=10mの掘削勾配は労安規則に問題があります。
設計段階でどう解釈したか分かりませんが、岩が風化した砂や更新統の固結砂では考え方も取り扱いも変わります。
砂であれば剪断面の形状も考えないといけない部分ですし、単純に円弧すべりでの解決は理論的におかしいことになります。
崩壊誘因が応力解放だけなのか?、
それとも別の素因(崩壊面の特性)・誘因(地下水など)があるのか?
現地を見て地盤特性を確認する必要があります。
対策案はN>50が浅い位置にあるので、アンカーでも親杭でも良いですし、
コスト面でバランス対策の処理も使えますが、
技術士試験と同じように、具体的解決策を導く根拠と論理的構成(プロセス)を考えて
発注者にアドバイスすることが現時点でお勧めしたい対応です。
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No.14555 RE:橋台掘削箇所のすべり面発生 投稿者:長崎ちゃんぽん 投稿日:2008/07/27(Sun) 13:54
斜面の設計で一番重要なのは現地踏査です。設計に必要な情報がたくさんあります。現場を見ないで、斜面の設計を絶対やってはいけません。
私もななめ魚さんと同じような経験があります(同業他社からも聞きます)。問題があると、発注者は「おたくはコンサルなんだから、なんでもっと強く言ってくれなかったの。」と言います。中途半端にかかわると、無給でがんばったのに嫌われたとか最悪の結果になりかねません。斜面がもつかもたないかは、正確なところ、だれにもわかりませんので対策までのプロセスの妥当性や、失敗したときの対応(情報化施工の提案)などを考えとく必要があります。会社の信用のためにも大切なことです。そういう対応をしていると、たとえ結果が悪くても最終的に信頼されることが少なくありません。
ここの現場の場合、抑止工をする場合は逆巻き施工になりますので、ある程度工法が絞られると思います。親杭横矢板は反力を取れませんので自立杭となりますが、直高4〜5mが限界です。(アンカー案があるのでアンカ付親杭は論外です)
床付け面はすべりで緩んだ面まで掘削する可能性があります。さらに、斜面高が高くなります。
分離したすべり土塊は完全に除去しないとだめです。(分離土塊は必ず落ちます)
そうすると切り直し勾配はかなり緩くなって、長大斜面になるのでは?借地料もかかりますし、必要抑止力も小さいので、もしかしたらアンカー案の方が安いかもしれません。
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