何気に今年の専門問題を見ていて、微妙な問題設定だな〜と感じました。
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1−2−4 道路・鉄道・大ダム等の計画段階で,J也形調査によjし現並立忿註動きはないと思われる地すべりの存在が推定された。その一地すベーリガフー再び滑動裳牡とが懸念される場合のすべり面深度の調査法について、次の問いごとに説明せよ。
(1)地すべりのすべり面の起源・性状に関する一般的な知見について述べよ。
(2)すべり面深度を把握するための調査法と滑動状況を計測するための調査法を、ボーリング調査や孔を利用する方法とその他の方法に区分して述べよ。
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(2)の設問が変な感じがしてたまらないというのが私の感想です。理由は以下です。
本問は「動いていない地すべり」を前提にしていると思いますが、(2)の設問の後半では活動状況を計測すると言っている。どちらを前提に答えるのが正解なのか???。特に「すべり面深度を把握するための調査方法」について記述するときにものすごく迷うと感じました。
ちなみに、動いていることを前提とするなら孔内傾斜計やパイプひずみ計が有効でしょうが、動いてないなら強度の境界を利用するとか、コア観察で一生懸命見るとか、物理探査で境界を見つけるとか・・・これは地すべりの素因によって異なるかな・・・という感じでしょうか。
ながながとなってすいませんが、ここから私の質問です。動いていない地すべりのすべり面深度を把握する場合、みなさんはどのようにしていますか?ぜひ、ご教授ください。
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No.9770 RE:応用理学部門今年の専門問題について 投稿者:APEC 投稿日:2007/08/22(Wed) 22:59
とりあえず、OCRがあまりにボロボロですので、問題文を再掲します。
1−2−4 道路・鉄道・大ダム等の計画段階で、地形調査により現時点では動きはないと思われる地すべりの存在が推定された。その地すべりが、再び滑動することが懸念される場合のすべり面深度の調査法について、次の問いごとに説明せよ。
(1)地すべりのすべり面の起源・性状に関する一般的な知見について述べよ。
(2)すべり面深度を把握するための調査法と滑動状況を計測するための調査法を、ボーリング調査や孔を利用する方法とその他の方法に区分して述べよ。
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No.9773 RE:応用理学部門今年の専門問題について 投稿者:K.K 投稿日:2007/08/23(Thu) 00:05
@地すべりの平面規模から経験的に推定する(幅の1/5程度?)。
A弾性波で、緩み領域を推定する(精度は悪いと思いますが)
B露岩や湧水、変状位置から推定
『その他の方法』として、上記が手法があると思いますが、どれも決定的な調査ではありません。
やはり、すべり面の判定は、動いてようが休止中であろうが、ボーリングコアで決定するべきではないでしょうか(丹念にコア観察を行うに限る)。
動いていない地すべりの調査事例はいくらでもあると思います。特に、ダム貯水池の地すべりや、指定地事業の実績が多い、大手のコンサルタントの方はどのような方法をとっているのでしょうか。
是非、ご意見いただければと思います。
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No.9775 RE:応用理学部門今年の専門問題について 投稿者:APEC 投稿日:2007/08/23(Thu) 00:31
ここと思う場所でボーリングしてコア観察(ボアホールカメラやTV含む)、地下水検層が第一段階、その後は孔内傾斜計やパイプひずみ計というところがスタンダードなんでしょうね、やっぱり。
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No.9776 RE:応用理学部門今年の専門問題について 投稿者:畑違い 投稿日:2007/08/23(Thu) 00:49
ご無沙汰しています。
取りあえず,あまり時間が取れないので,思いつくままに.......
最近は高密度電探が流行りと思います。またBHTVなんかもかなり期待できますが,今のところ実用化の段階ではないようです。
あと,滑動状況を把握する上で,忘れていけないのが地下水位の観測で,これは確実に行ったほうが良いでしょう。動いたときの水位は大事です。この場合,すべり面位置が不明瞭でどのようなストレーナプログラムを組むか......面白いですね。
思うにこのような問題は,正解があるわけでもないので,教科書的なことを書くよりも,自分の経験を書いたほうがとっつき易いし,受けも良いように思います。
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No.9777 RE:応用理学部門今年の専門問題について 投稿者:クプクプ 投稿日:2007/08/23(Thu) 01:12
APECさんが、言われるようにボーリングコア判定。
地下水検層が一般的な方法ですね。
で、ひずみ計・孔内傾斜計。。そのまんまですね。
ただし、動いていない地滑りの場合、どう判断するか。
コアで斜面傾斜に似た傾斜角の粘土層を見つける。
見つからなければ、風化層底面とかの不連続面を滑り面と仮定する。
地下水検層で地下水の流入層や逸水面(水が逃げるところ)を見つけ、仮定した滑り面と対比し、
縦断図、横断図で、複数のボーリング孔を対比して、
横のつながり、幅に対する深さ、などから、
もっとも、確からしい深度をすべり面と判断する。
だいたい、こういった手順ですべり面判定をしています。ただし、動いていないすべり面ですから、
間違っているのでは、という疑いは、つきまといますので、調査・観測は、複数年度継続することを提案し、すべり面深度を修正する必要があることを報告書で提案しておく。
です。
実際のところ、動いていない地滑りのすべり面を決めるのって、はらはらどきどきものです。
その後の観測で、すべり面深度が違っていて、変更してもらったことが何度かあります。
地下水を抜くための集水井戸を掘って、
井戸の中に降りていって、自分が決めた深度に、
すべり面を見つけたときは、なかなか感動ものでした。
データでここしかないと決めては見たものの、
実際、自分の目で見るときは、疑心暗鬼ものでしたね。
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No.9778 RE:応用理学部門今年の専門問題について 投稿者:クプクプ 投稿日:2007/08/23(Thu) 01:21
あ、そうそう。追加です。
弾性波探査や高密度電気探査も調査方法には、ありますが、
物理探査ですから、地表から聴診器を当てるようなものですので、すべり面を決めるのに必要な精度は、ないです。
それに、弾性波探査ですと弾性波速度層の区分、電気探査だと電気比抵抗の区分ですから、それが地下の風化層やすべり面と対比するためには、やはり先のようにボーリングコア判定や地下水検層が必要です。
物理探査の利点は、広範囲の調査ができることです。
ボーリングは、点の調査ですから、点と点を結んで線にする時の補間手段となります。
だって、ボーリングとボーリングの間の何十mをすべり面が直線でつながるなんて、あるはずがないので、これを推定するのに物理探査を併用することができれば有効です。
ただし、お金の関係でなかなかやらせてはもらえないですけどね。
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No.9795 RE:応用理学部門今年の専門問題について 投稿者:K.K 投稿日:2007/08/23(Thu) 22:26
ただ、実務レベルの話で、調査(踏査やボーリング、物理探査等)、観測(水位・動態観測)を実施して、変動が現れてからすべり面を決定するなんてことはしないですよね。
動いていないので、すべり面がわかりませんなんて発注者に言えないですすから。
ですから通常、皆さんはコア観察ですべり面を決定しているのではないでしょうか(コアから考えられる最深の位置(安全側考える))。
ちなみに、私は、コアで決定したすべり面深度と変動深度が異なっていたとしても、すべり面震度を変更したことはありません。想定した位置と全く違った深度で動いていれば別ですけど、そのような経験も今までなかったので。
頭で考えられるほど、地すべりの動きは単純ではないし、すべり面に接している不動層についても変動の影響で地質が悪くなることは当然考えられます。
従って、コアで推定したすべり面と変動深度が多少ずれることは当然あると思っています。
皆さんいかがでしょうか?
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No.9801 RE:応用理学部門今年の専門問題について 投稿者:ピカソ 投稿日:2007/08/24(Fri) 07:12
皆様,貴重なご意見ありがとうございました。
やはり,コア観察が基本だということを確認できました。そして,その場合にもほとんどの人がものすごく悩んでいるということを確認できてよかったです。
地下水検層については,補足的に利用するもののように感じていたのですが,メインの調査として実施しておられるのですね・・・勉強になりました(不勉強すぎたか(^^;)
最後に,試験でも多くの人がコア観察が重要だとお答えになったと思います。口答試験では,「コア観察ですべり面を特定する時に具体的には何を根拠に決めますか?」と聞かれるでしょうね。みなさんのレスの中にもキーワードが含まれておりましたが,以下のような感じでしょうか。
・挟み粘土
・条線・鏡肌
・ボーリング中の逸水深度
・色調が急変する深度
・斜面と同じような方向,傾斜角度のき裂
・上部より下部に新しい時代の堆積物(河床礫や古土壌など,これはかなりでかい地すべり)
・・・・・・・
ありがとうございました。
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No.9805 RE:応用理学部門今年の専門問題について 投稿者:APEC 投稿日:2007/08/24(Fri) 08:21
すべり面は確かに決めるのが難しいですね。
その上、地すべりの「加齢」とともに変化しますしね。一般的に地すべりは加齢に伴って浅く、細かくなっていきますから。
以前、潜在変動レベルで累積変動→対策を計画中、何もまだしていないのに停止→「?」と思いつつ観測を継続→ある梅雨時期に2mほど上位で突然変動開始(ただしこれも潜在レベル)という例がありました。
また、潜在変動レベル→あるとき何もしていないのにちょうどすべり面のところまで水位が低下→そのままほぼ停止という例もありました。
地すべりというのは時にわけのわからない挙動をしますね。
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No.9806 RE:応用理学部門今年の専門問題について 投稿者:P&B 投稿日:2007/08/24(Fri) 09:31
厚さ/幅比を参照するのは常套手段だと思ってます。
断面的だけ見てるとありえるように見えても、平面的にはすべり得ないってケースもよくあるので、
厚さ/幅比や平面との整合性(変状位置・露頭位置など)は常に重視します。
貯水池地すべりでは地下水位が低いため、コア観察によるすべり面の検討はさらに難しい。
粘土も乾いて酸化すると、全然すべり面って雰囲気じゃない。それどころか66コアだと粘土層の存在を見逃す可能性すらある。
ミストなんか入れて地質性状の情報量が格段に向上しても、それですべり面や機構が明確になるとは限らない。
さらに訳わかんなくなることも。。。
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No.9811 RE:応用理学部門今年の専門問題について 投稿者:ピカソ 投稿日:2007/08/24(Fri) 12:24
幅,深さ,長さのバランスは確かに重要ですね。
側壁に働く摩擦抵抗が関係して一定の関係があるのだろうと思います。側壁の面積が大きければ抵抗力が大きい(深いすべりは側壁の面積が大きくなるので抵抗力が大きい)ということだと理解しています。
すなわち浅いほど側壁の摩擦抵抗が小さくなる。よって,平面形状と深さの比の関係は,深さが○m以内という下限値(上限値?)としての参考としてのみ考えた方がよいのかなと思っています。
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No.9812 RE:応用理学部門今年の専門問題について 投稿者:APEC 投稿日:2007/08/24(Fri) 13:00
厚さ/幅比は確かに大切ですね。長さも。
ただ、これは地すべりの進化(加齢)に伴って変化しますので、地すべりが若いか年を取っているかの判断とセットにする必要があると思いますが。
地すべりの年齢は、滑動形態にも大きく影響しますね。一般的な地すべり調査法はかなり年齢を重ね、クリープ性の滑動をするようになっていることが前提のものが多いですから、若い地すべりや潜在的な地すべりを扱う時には注意が必要ですね。
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No.9816 RE:応用理学部門今年の専門問題について 投稿者:ラインハルト 投稿日:2007/08/24(Fri) 20:56
大規模な地すべり対策の場合、三次元解析が有効らしい。対策工を決定する場合、すべり方向や荷重集中位置などが把握でき、全体的な抑止工が小規模化できる傾向にあるらしい。
なので、実際起こるであろう地すべりのせん断破壊面は、不動層の三次元的な形状(起伏や凹凸)に支配される場合もあり、前崩壊で地形変化していることを考えると、必ずしもある弱層や旧滑動面が、今後のすべり面になるとは限らないような・・・
つまり、地下構造(不動層の起伏や連続性)を把握する調査が最も優先されると思われます。実際は低コストな簡易貫入の乱発ですが、本当は各種探査を併用したオールコアボーリングが適切なのでしょう。きっと。
ちなみに私は設計屋なので、すべり面の仮定は、やはり調査結果を尊重しつつも、最終的には解析に頼りがちです。ですので、すべり面の判断を行う調査は、解析の精度向上を目的とした調査を優先する傾向にあります。
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No.9818 RE:応用理学部門今年の専門問題について 投稿者:くりろう 投稿日:2007/08/24(Fri) 21:37
現時点では動きがないが、かつては動いてその形跡が地形に残っている。
ということは少なくとも動いた履歴があるわけで、影響は少なからず地盤に記録されているはず。
この観点に立てばコア観察・地下水検層、高密度電探の他、地中変位計測など幾つかの手法が考えられます。
ただ、同じような地形でも地質の違いで地すべり形跡が残りやすいものと、よく見えないものがあります。
いずれにしても技術士試験レベルであれば、こうした解答で良いと思います。
「技術士試験レベル」と書くと語弊があるかもしれませんが、実際の地すべりはこんなに簡単にはいきません。
現在担当している物件は、地中歪みがオーバーフローしても、コアではそのセン断位置が掴めないような代物(地質)です。
某先生も頭をひねっていました。
動かない地すべりを動いているように解釈せざるを得ない一部の地すべり事業も大変ですが、
本当に動く地すべりのすべり面を確認できないのは・・・技術の難しさを実感します。
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No.9822 RE:応用理学部門今年の専門問題について 投稿者:畑違い 投稿日:2007/08/24(Fri) 23:45
皆さんさすがですね。それぞれ多少の違いはあるのでしょうが,地すべりに対する考え方に皆さんの信念を感じます。
ところで,話が横に逸れます。これはお遊びです。
問題文をもう一回読み返すと,「道路・鉄道・大ダム等の計画段階」とあります。これをどう解釈しましょうか。
おそらく,計画地点・路線の変更はよっぽどのことがない限り,できない状態でしょう。また主構造物の築造によって,多分不安定化が懸念されるのでしょう。
実務の場合,この段階において,撤退or大幅計画変更か,原計画をゴリ押しするかの選択を迫られることになります。計画段階ですので,調査にあまりお金がかけられません。こんなとき,皆さんどんなご意見・ご経験がおありですか。
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No.9824 RE:応用理学部門今年の専門問題について 投稿者:畑違い 投稿日:2007/08/24(Fri) 23:56
ちなみに,幸いにというか,私はこのような選択がせまられるような現場はあまり経験していません。ただし,その後の後始末は,かなりやらされています(特にダム貯水池地すべり)。
後から調査すると,なぜ,こんなにハッキリしている地すべりが,計画段階で見過ごされているのか疑問に思うことが多々あります。
自分がもし,計画段階に立ち会っていたとしたら,何ができるのだろうか。
今のところ,考えがまとまりません。
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No.9828 RE:応用理学部門今年の専門問題について 投稿者:クプクプ 投稿日:2007/08/25(Sat) 01:43
確かに、計画段階で、見つけていれば、もっといろいろな対処があるのにと思うことがありますね。
計画段階で、地滑り地形を判読した場合は、
地滑り対策と計画の変更を対比させて、
どちらを優先すべきか、経済性や必要性、施工性などから、決定することになります。
橋台の掘削時に地滑りが想定されることから、
掘削前に地すべり対策としてのアンカー工を設計したこともありました。
地すべりの末端部を通過する道路では、切り土を盛土になるように線形を変えてもらったこともありました。
ようするに、最善の方法を提案すればいいということですね。
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No.9841 RE:応用理学部門今年の専門問題について 投稿者:P&B 投稿日:2007/08/25(Sat) 14:11
>9824
>なぜ,こんなにハッキリしている地すべりが,計画段階で見過ごされているのか
計画段階で、地質技術者が関与していないからですよ。
発注者側にも地質技術者はいませんし。
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No.9848 RE:応用理学部門今年の専門問題について 投稿者:てんてん 投稿日:2007/08/25(Sat) 19:03
>9824
いやむしろこのようなケースが多いのでは??
一般に我々が呼んでいる地すべりには、河川や農政が地すべり事業として扱うものと、道路や鉄道事業における地すべり地形があり、地すべり(地形)は、事業者によって捕らえ方が異なることが多いと思います。
ここでは、地すべり指定区域になっていない、つまり正式に地すべりとは認識されていない後者を対象としているのではないでしょうか?
そう考えれば、道路計画や維持管理の上で、よく遭遇する事象です。
このようなケースでは、あくまでも保全対象は道路や鉄道であり、地すべりそのものの活動よりも、保全対象の安全性が重要視されることが多い。
そして、大半が地すべり地形が判読できるだけで、顕著な地すべり性の変動は見られない。そのため道路計画段階やダム湛水前には、すべり面等がはっきりしない。
そこで道路施工等の負の外力が作用したときに、どのような挙動を示すか?あるいは対策は?が業務の課題になるのだと思います。
が、その時に遭遇する別の問題が一つ、工事前の段階では地すべりの変動がはっきりしないことや、判読は多様な要因から総合的に判断されるため、客先(時には設計者)に地すべりであること、あるいは地すべりによって生じる問題等を理解してもらうことに苦労するのです。
(これの解決も技術者の仕事ですが、、、、)
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No.9853 RE:応用理学部門今年の専門問題について 投稿者:れれれ 投稿日:2007/08/25(Sat) 21:44
てんてんさん、言ってること訳わかんないっす。
「地すべり指定区域」なるものが、地すべり防止区域のことだとして、
保全対象が所管対象のものがないと防止区域に指定しないので、全ての地すべりの分布とは根本的に異なります。
その他あちこち変な表現が多いです。もうちょっと修行しましょう
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No.9855 RE:応用理学部門今年の専門問題について 投稿者:K.K 投稿日:2007/08/25(Sat) 23:03
でも『畑違い』さんの言っている、ダム貯水池の地すべりは、計画段階から地すべり調査は行っているはず。なぜなら、湛水や付け替え道路施工等で動くことが当然あるから。
地すべり地形がはっきりなくても、怪しいところはブロックとして抽出し、ボーリングとまではいかなくても踏査ぐらいは行うはず。
国交省・水機構のダムならまず行うのでは(ダムの規模にもよるかもしれませんが)。
詳しい状況は分からないので、安易には言えませんが、担当者の見方が甘かったのか、担当者以外の第三・四者によるチェックが行われていなかったのが原因ではないでしょうか。
少なくとも計画段階で地すべり調査を行っていたわけですから。
畑違いさんのいう
>後から調査すると,なぜ,こんなにハッキリしている地すべりが,計画段階で見過ごされているのか疑問に思うことが多々あります。
これは、会社のとしてのチェック体制や、第三・四者による検証がないからではないですか。
畑違いさんもきっと私と同じことを思っているのでは。
どの会社もISOとか品質管理とか言っているけれど、私の会社でもこういうことがあると、『書類しか見てないからこういうことが起きるんだよ』と経営者に言いたくなります。話ずれますけど。
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No.9859 RE:応用理学部門今年の専門問題について 投稿者:横からすいません 投稿日:2007/08/26(Sun) 12:08
この問題にピッタリの事例が大滝ダムで起きています
試験湛水時に白屋地区で発生した地すべりは、当初、すべり面がないと考えられていた(※委員会での結論)斜面で発生した「初生すべり」といわれています
また、地すべりの原因は試験湛水の影響でしたが、その後の調査で日本で初めて「前面すべり」という現象が確認されました
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No.9872 RE:応用理学部門今年の専門問題について 投稿者:mcberry 投稿日:2007/08/28(Tue) 00:18
気になったところを順不同に
>地下水検層で地下水の流入層や逸水面(水が逃げるところ)を見つけ、仮定した滑り面と対比し、
今までの経験では、地下水検層と相性のいい地すべり地とそうでもない地すべり地があるようです。
地下水検層でも汲み上げするかしないかでも結果が大きく違います。
経験では、汲み上げが有効な場合と、そうでない場合がありますが、流入や逸水ということだと、多分汲み上げていらっしゃるのでしょう。
多点式なのか懸垂式なのか、多点式だと段階自動観測かどうかなんてのも、話題としてはおもしろいですよね。(毎日掘るたびに裸孔で観測するやつですが、聞いたことがるのは某会社だけかな。自社ではやったことがありません。)
>地下水を抜くための集水井戸を掘って、
井戸の中に降りていって、自分が決めた深度に、
すべり面を見つけたときは
逆に言うと、普通は設計する井戸がすべり面を切ることは、あまりないと思います。すべり面よりも深く掘るのは動いていないと確信がもてるときだけですから。
そういう意味では題意にはそっているわけですけど、
なぜ、すべり面よりも深く掘らなくてはいけないのかが、私にはよくわかりません。確認作業だったのでしょうか?
普通は、変状する可能性のある深度まで井戸は設計しないと思うんですが。
>でも『畑違い』さんの言っている、ダム貯水池の地すべりは、計画段階から地すべり調査は行っているはず。なぜなら、湛水や付け替え道路施工等で動くことが当然あるから。
>地すべり地形がはっきりなくても、怪しいところはブロックとして抽出し、ボーリングとまではいかなくても踏査ぐらいは行うはず。
>国交省・水機構のダムならまず行うのでは(ダムの規模にもよるかもしれませんが)。
某ダムの過去の調査で、地すべりとされているところはどう見ても段丘。
地すべりと思われるところは、無視。
施工段階でいろいろ出てきているようです。やっぱり。
皆さんの書かれているもののなかで抜けていると思ったのは試錐日報の解析と、N値でしょうか。
農地の地すべりではN値をとります。
(国土交通省管轄では、平成5年ぐらいからN値はとらなくなりました。記憶あいまいですみません)
新第三紀や結晶片岩の一部では、すべり面との相関がいいこともあります。最近、N値とすべり面の相関については論文も出ていますよね。
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No.9926 RE:応用理学部門今年の専門問題について 投稿者:畑違い 投稿日:2007/09/01(Sat) 07:44
出張ばかりのため,遅レスで申し訳ございません。
みなさん,たくさんのレスを頂き,ありがとうございました。
9822の発言後,自分自身,何故このようなあやふやな書き込みをしたのか,しばらく悩んでしまいました。このスレの元となる今年度の問題の解答案を考えているうちに,何かモヤモヤしたものを感じて,思わず話を振ってしまったようです。そんな訳で,以下の内容も,結論がないじゃないかとお叱りを受けるかもしれませんが,至らない点はご容赦下さい。
この話題に関連して,まず思い浮かんだ古い言葉に「銀座地すべり」があります。皆さんご存知のことと思いますので,説明は省きますが,これまで私が携わった地すべり現場において,何度となく戒めとして思い出す言葉です。
さて,非活動性のすべり面を特定することについては,これは地すべり技術者としては,1つの永遠のテーマであり,そのアプローチについての方法論で,「こうすれば必ず判る。」的な,確立したものはないように思います。
敢えて言うならば,限られた予算内であっても可能な限り多様な調査を行うこと,そして絶対に見つけるという信念さえあれば,見つかるものかなっと......でも,どうしてもすべり面が確定できない場合は,次善の策を講ずることになります。
また,さらに言うならば,すべり面や地すべり機構を見誤る大きな原因は,解析者・判定者に生ずる様々なバイアスにあります。
活動していない地すべりを評価することは,最も困難な作業です。長年,そのような(失敗の連続)作業に携わってきた者としては,結局「地すべりはよく分からない」のであって,ともかく謙虚に・真摯に取り組んでくしかないように思っています。
でもこれでは,何を言っているのか判りませんし,解答になりませんね。
皆さんの解答は,全て正しいのであって,それらを否定するものでは決してありませんし,私のあいまいな発言で,皆さんを惑わせるようなこと,また不愉快にさせたことがあったとしたら,お詫び申し上げます。
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No.9927 RE:応用理学部門今年の専門問題について 投稿者:畑違い 投稿日:2007/09/01(Sat) 07:46
以下,主だった方への返答です。
>9801ピカソさん
技術士試験の解答としては,仰ることで十分合格ラインに達することができると思います。これに泥臭さを表現できる内容になっていたら,私は満点になるんじゃないかと思います。
>9795,9855 K.Kさん
>ちなみに、私は、コアで決定したすべり面深度と変動深度が異なっていたとしても、すべり面深度を変更したことはありません。
とのことですが,少し誤解を受け易い表現のように思います。ご存知のことと思いますが,この場合,あくまでも安定計算上問題のない範囲で,という前提条件を明示する必要があります。
また,私のいい加減な振りに対してのご指摘,ありがとうございます。まさしく仰るようなことが起こった現場の,後始末をしたことがあります。当時の担当者は,とっくの昔に退社しておりまして,当時弊社の主要幹部も,また発注者側検討機関においても,完全に見過ごしていた地すべりがありました。これは,見落としではなく,恐らく社会的・経済的等の理由から「気付いていたけど無視していた」のでした。
>9848てんてんさん
私も,まさしく現在,発注者の説得に苦労しているところです。自分が確信を持って仕上げた地すべり断面図を,全く理解しようとしてくれません。途方にくれています。発注者が技術屋であればあるほど,他人の意見を聞かなくなるのは何故なんでしょう。
結局地すべりは,動いてくれないと説得力がない。ここに,いろいろな思惑が絡んでくることが多いですよね。
>9872 mcberryさん
私自身は,経験がないのですが,集水井ですべり面を抜くことは,よく聞きます。恐らく,クプクプさんの事例も,すべり面確認のために集水井を増掘したのではないでしょうか。この場合,掘り抜いてすべり面確認やサンプリング・試験等を実施した後,集水井施工底面まで埋め戻すことになります。また,もしすべり面下から地下水を抜く必要がある場合は,集水ボーリング・排水ボーリングを施工後,集水井を所定深度まで礫材等で埋め戻せば良いように思います。
皆さん,ありがとうございました。
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No.9931 RE:応用理学部門今年の専門問題について 投稿者:クプクプ 投稿日:2007/09/01(Sat) 13:03
畑違いさんが閉められたあとですが、
1点だけ、説明させてください。
「すべり面を掘り抜く集水井」ですが、
これは、集水井の対策工事としての考え方によります。
1.滑動中の地すべりにより破壊されるおそれがある場合の集水井
地すべりにより集水井が破壊されないように、すべり面から2m以上浮かせて施工する。集めた地下水は、移動層内を貫通させる排水ボーリングにより地表まで排出する。
この場合、地下水を排除するのは、井内からの横ボーリングによる。
2.地すべり滑動が小さいかほとんどなく集水井が破壊されるおそれが低い場合
集水井自体の集水効果も期待するものであり、地下水の低下効果は、上の場合より高い。集めた地下水を排出する排水ボーリングを基盤岩内に設けることにより、地すべりが滑動した場合にも、すべり面の地下水を排出する機能は確保される。
と、いうようなことですが、実際は、発注官庁により違うというのが現実です。
国土交通省所管では、1の考え方であり、おおむね必ずすべり面から離した深度とし、すべり面を観察する場合は、あとで埋め戻しています。
林野庁所管では、2の考え方 を採用する場合が多く、
林野庁の治山技術基準では、「集水井の深度は、すべり面を貫通させ基盤岩内に2〜3m程度入れる」としています。
すべり面を貫通させた集水井は、林野庁所管で数多く実施されていて、その場合は、井戸の中ですべり面を見ることができます。
すべり面でせん断された集水井というのは、事例が無いとは言いませんが、ほとんどの集水井は、すべり面を貫通しても壊れずに地下水を排除しています。
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No.9933 RE:応用理学部門今年の専門問題について 投稿者:くりろう 投稿日:2007/09/01(Sat) 14:26
林務・農政・国交の示方書を見ると判りますが、地すべりの解析手法や対策工法の考え方が少し違います。
私自身、農政と国交で地すべり対策の調査設計を行い、すべり面を嵌入(かんにゅう)した集水井の設計や施工確認もしました。
林務は経験がありませんが、これを専門にしている技術屋さんから「嵌入させるよ」という話を聞きました。集水井の効果を上げられるということです。
もっとも、激しい動きではダメでしょうけどね。
それにしても「嵌入」という言葉、えらい難しい表現を未だに使っているんですね。漢字変換できたことに少し驚きです(^^;)
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No.9940 RE:応用理学部門今年の専門問題について 投稿者:畑違い 投稿日:2007/09/01(Sat) 22:05
いやあ,大変勉強になりました。
林務は全く経験がなく,勉強不足でした。
私自身,半世紀前の集水井が,傾動しながらも大量の地下水を排除し続けている事例に出会っており,可能であれば,すべり面を嵌入(そういえばこの用語を忘れていました)することは,地下水排除工としてかなり有効であろうとの印象を持っています。
どうもありがとうございました。
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No.9942 RE:応用理学部門今年の専門問題について 投稿者:mcberry 投稿日:2007/09/02(Sun) 07:39
なるほど、埋め戻すのですか。
自分自身は農地と国交省関連しか経験がないので、埋め戻しは知りませんでした。
勉強になりました。
確かに今まで見た井戸の変形は井戸を頭部とした新しいすべりで発生したものや、より深いところですべったために発生したもので井戸そのものが、せん断されたものは見たことがありません。
というか、すべり面を切って設計させてもらえる例がないから、そうなっているのだと思いますが。
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