平成17年度技術士第二次試験問題(上下水道部門)
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提供:棟梁

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必須科目
上下水道一般(択一問題)
         正解と解説
上下水道一般(記述問題)
選択科目
経験論文(下水道)
専門問題(下水道)

必須科目

上下水道一般(択一問題)

Ⅱ-1 次の20問題のうち15問題を選んで解答せよ。(解答欄に1つだけマークすること)

Ⅱ-1-1 水質汚濁に係る環境基準に関する次の記述のうち、最も不適切なものを選べ。
① 人の健康の保護に関する環境基準は、公共用水域で同一の基準値を掲げている。
② 生活環境の保全に関する環境基準は、各公共用水域で水域類型ごとに基準値を掲げている。
③ 人の健康の保護に関する環境基準の水質測定は、河川にあっては低水量以上の流量がある場合に行う。
④ 生活環境の保全に関する環境基準は、各公共用水域ごとに、施策の推進とあいまちつつ、可及的速やかにその達成維持を図る。
⑤ 人の健康の保護に関する環境基準は、設定後直ちに達成され、維持されるように努める。

Ⅱ-1-2 淡水における水温躍層に関する次の記述のうち、最も適切なものを選べ。
① 水温躍層の位置や範囲は季節によって変わり、ここを境に上方の高温水層と、下方の低温水層に分けられる。
② 水温躍層とは、湖沼が成層期で水温に鉛直分布がみられるとき、その水温分布の変化が著しい層をいう。
③ 水温躍層は、河川水の水面が太陽光によって暖められることにより、水温の鉛直分布ができるとき、その温度分布の変化が著しい層をいう。
④ 日本の湖沼の水温躍層は、世界の湖沼に比べて、傾度が小さいほうである。
⑤ 一般に水温躍層の鉛直傾度は、平均10mにつき2℃くらいである。

Ⅱ-1-3 地球温暖化対策の推進に関する次の記述のうち、最も不適切なものを選べ。
① 地球温暖化とは、人の活動に伴って発生する温室効果ガスにより、地球全体として地表および大気の温度が上昇する現象である。
② 地球温暖化対策とは、温室効果ガスの排出の抑制並びに吸収作用の保全および強化、その他の国際的に協力して地球温暖化の防止を図るための施策をいう。
③ 温室効果ガスとは、二酸化炭素、メタン、一酸化炭素の3種類をいう。
④ 温室効果ガスの排出とは、人の活動に伴って発生する温室効果ガスを大気中に排出し、放出しもしくは漏出させ、又は他人から供給された電気もしくは熱を使用することをいう。
⑤ 温室効果ガスの総排出量とは、温室効果ガスである物質ごとに算定される排出量に、当該物質の地球温暖化係数を乗じて得た量の合計量をいう。

Ⅱ-1-4 環境マネジメントシステムに関する次の記述の中で、(ア)~(エ)にあてはまる言葉の組合せのうち、最も適切なものを選べ。
 組織体が自主的に(ア)に関する取組みを進めるにあたり、(イ)に関する方針や目標等を自ら設定し、これらの達成に向けて取り組んでいくことを(ウ)という。
 国際標準化機構(ISO)は、環境マネジメントシステムの規格として(エ)を制定し、その中で環境マネジメントシステムの仕様等を定めている。
     (ア)      (イ)         (ウ)        (エ)
 ① 環境保全    環境       環境マネジメント  ISO14000s
 ② 環境保全    地球温暖化  環境影響評価    ISO14000s
 ③ 生態系保全  地球温暖化  環境マネジメント  ISO9000s
 ④ 生態系保全  環境       環境影響評価    ISO14000s
 ⑤ 環境保全    地球温暖化  環境マネジメント  ISO9000s

Ⅱ-1-5 臭気に関する次の記述の中で、(ア)~(エ)にあてはまる言葉の組合せのうち、最も適切なものを選べ。
 においの強さを表す指標として、臭気強度、臭気濃度、臭気指数が使用されている。
(ア)は、においのする気体を無臭の空気で希釈してにおわなくなったときの希釈倍数である。(イ)は、(ア)の対数を10倍した値として定義される。(ウ)は、においの強さを6段階に表示したものである。悪臭防止法における敷地の境界線での排出規制基準の対象は、特定悪臭物質の濃度または(エ)である。
    (ア)     (イ)      (ウ)    (エ)
① 臭気濃度  臭気指数  臭気強度  臭気指数
② 臭気強度  臭気濃度  臭気指数  臭気強度
③ 臭気強度  臭気濃度  臭気指数  臭気指数
④ 臭気濃度  臭気指数  臭気強度  臭気強度
⑤ 臭気強度  臭気指数  臭気濃度  臭気指数

Ⅱ-1-6 上下水道に使われる管種に関する次の記述のうち、最も不適切なものを選べ。
① ダクタイル鋳鉄管は強度が大で耐久性がある。
② 鋼管は強靭性に富み強度が大である。
③ 強化プラスチック複合管は高強度で耐食性に優れているが施工性に劣る。
④ ステンレス鋼管はライニングや塗装を必要としない。
⑤ 水道配水用ポリエチレン管は融着継手により一体化ができる。

Ⅱ-1-7 厚生労働省が平成16年に策定した水道ビジョンに関する次の記述のうち、最も不適切なものを選べ。
① 今後の水道の在るべき姿について議論し、水道の将来像についての共通認識の形成を目指した。
② 目標期間は、21世紀の中頃を見通しつつ、概ね10年間とした。
③ 共通の目標として、「世界のトップランナーを目指してチャレンジし続ける水道」を基本理念に掲げた。
④ 「安心」、「安定」、「安全」、「持続」、及び「環境」を5つの主要政策課題と位置づけた。
⑤ 「持続」として、水道に係る文化や技術を継承すべく、水道技術に携わる人材の確保・育成などを挙げた。

Ⅱ-1-8 水道法第3条に基づく用語の定義に関する次の記述のうち、最も不適切なものを選べ。
① 水道事業とは、給水人口が100人を超える水道により水を供給する事業をいう。
② 簡易水道事業とは、給水人口が5,000人以下である水道により水を供給する水道事業をいう。
③ 専用水道とは、寄宿舎、社宅、療養所等における自家用の水道であって、100人を超える者に供給するものをいう。ただし、供給する人口が100人以下であっても1日最大給水量が20㎥/日を超える施設を含む。
④ 水道用水供給事業とは水道事業者に対してその用水を供給する事業をいう。
⑤ 簡易専用水道とは、水道事業者から供給を受ける水のみを水源とし、水の供給を受ける水槽の有効容量の合計が20㎥を超えるものをいう。

Ⅱ-1-9 水源に関する次の記述のうち、最も不適切なものを選べ。
① 水道用水源の種類には、河川表流水、湖沼水、ダム水、地下水、湧水、伏流水がある。
② 水道用水源は、現在及び将来についても計画取水量を常時確保できる等、量的に安定していること、水質が水道用として供するにふさわしい良好なものであること、の2つの条件を満足することが望ましい。
③ 森林を「緑のダム」としてダム機能の代替とする考えもある。渇水期における樹木からの蒸発散量の影響などによると、森林の効果の定量的評価は比較的容易に計測できる。
④ 化学薬品、重油、廃棄物及び農薬などが、水道水源である河川、湖沼、地下水などに流入したり、貯水池などで増殖した藻類による異臭味発生などで取水停止や浄水処理障害等が起こることを水源汚染事故という。
⑤ 水源汚染事故の対策としては、取水停止や汚染水の下流放流、処理法として薬品注入など(曝気、活性炭、凝集材強化)や塩素消毒強化により対応することが多い。

Ⅱ-1-10 水道水質管理および水質検査計画に関する次の中で、(ア)~(エ)にあてはまる言葉の組合せのうち、最も適切なものを選べ。
  水道水質管理計画は水質検査および水質監視に係る体制、検査施設の整備等についての基本方針を、(ア)が策定するものである。水質監視地点は水道事業者等が大規模に取水している主要水系毎に必ず設定する。水質監視は(イ)について実施するほか、地域の実情に応じて必要となる項目についても適宜実施するものである。一方、水質検査計画は(ウ)が(エ)に策定するものである。
     (ア)        (イ)             (ウ)       (エ)
 ① 都道府県    水質基準項目        都道府県    事業年度内
 ② 都道府県    水質管理目標設定項目  水道事業者  毎事業年度の開始前
 ③ 水道事業者  水質基準項目        都道府県    毎事業年度の開始
 ④ 水道事業者  水質管理目標設定項目  水道事業者  住民が要請した時
 ⑤ 国        水質管理目標設定項目  水道事業者  毎事業年度の開始

Ⅱ-1-11 クリプトスポリジウム暫定対策指針に関する次の記述のうち、最も不適切なものを選べ。
① 水道原水に大腸菌群が検出された場合には、指標菌の検査を行い、1項目でも検出されれば、クリプトスポリジウムによる汚染のおそれがあると判断する。
② 大腸菌群が検出されたが指標菌が検出されなかった場合、クリプトスポリジウムを除去できる浄水処理を実施していない施設では、水道原水の指標菌の検査を毎月1回以上実施する。
③ 指標菌とは、大腸菌及び嫌気性芽胞菌をいう。
④ ろ過方式ごとに適切に維持管理を行う必要があるが、特に急速ろ過法を用いる場合で原水が低濁度である時には、凝集材を用いて処理を行はなくともよい。
⑤ 水道の取水口の上流近傍に汚水処理施設が設けられる場合があるが、この場合には、当該施設の排水口を水道の取水口の下流に位置させることを検討する。

Ⅱ-1-12 水処理に関する次の記述のうち、最も不適切なものを選べ。
① 色度が高い場合には、その除去のため、凝集沈殿処理、活性炭処理、オゾン処理を行う。
② トリハロメタン前駆物質を多量に含む場合には、その低減のため、活性炭処理、あるいは前塩素処理に代えて中間塩素処理等を行う。
③ 陰イオン界面活性剤を多量に含む場合には、その除去のため、活性炭処理、生物処理を行う。
④ 水に異臭味がある場合には、その除去のため、異臭味の種類に応じてエアレーション、塩素処理、活性炭処理、オゾン処理、生物処理を行う。
⑤ アンモニア性窒素を多量に含む場合には、その除去のため、エアレーション、活性炭処理を行う。

Ⅱ-1-13 管の腐食に関する次の記述のうち、最も不適切なものを選べ。
① 電食とは、直流電気鉄道の漏れ電流及び電気防食設備の防食電流によって生じる腐食をいう。
② ミクロセル腐食は、金属管の表面上の微視的な局部電池作用によって生じる。
③ 配管支持金具及び各種の設備機器の基礎アンカーは、コンクリートの中の鉄筋と接触しないようにする。
④ 硬質塩化ビニール管を布設する場合は、高い温度を受ける所は避けるが紫外線の影響には強い。
⑤ 管に異種金属を接続する場合、金属自体の電位差により、巨大な腐食電池が形成される。

Ⅱ-1-14 下水道の計画に関する次の記述のうち、最も不適切なものを選べ。
① 汚水ポンプの容量は、分流式下水道の場合は計画時間最大汚水量によるものとする。
② 小規模下水道となる処理区域では、人口の経年変化や移動人口が少ない場合、計画人口は、原則として計画策定時における常住人口とする。
③ 大規模な流域下水道における計画時間最大汚水量は、幹線管きょ延長も長くなるため、必要に応じて各処理分区からの流入汚水量の流達時間差を考慮する。
④ 浸水対策を目的として雨水調整池や合流式下水道の雨天時放流負荷量削減対策として雨水滞水池を設ける場合がある。
⑤ 雨水流出を抑制するための雨水浸透型施設は、流出量を平均化させピーク流出量を減少させる効果があり、雨水貯留型施設は、雨水流出量そのものを減少させる効果がある。

Ⅱ-1-15 下水道施設における硫化水素による腐食対策に関する次の記述のうち、最も不適切なものを選べ。
① 金属塩の添加による硫化物の酸化により、硫化水素の気相中への拡散を防止することができる。
② 管路の清掃により、硫化水素発生の原因となる管内堆積物を除去し、また硫酸塩還元細菌、硫黄酸化細菌の生息場所取り除くことができる。
③ 換気により、施設内の硫化水素を希釈することができる。
④ 圧送管においては、空気等の注入により、下水の嫌気化を抑制し硫化水素の発生を防止することができる。
⑤ 樹脂系資材や被覆(ライニング)等により、腐食を受けるコンクリート表面を防護することができる。

Ⅱ-1-16 雨水調整池及び貯留施設に関する次の記述のうち、最も不適切なものを選べ。
① 雨水調整池は、大規模な新市街地の開発による雨水流出量の増大への対策として有効であるが、地形が急勾配の地域から平坦地域へ変わる地点における浸水対策には適していない。
② 下流の雨水幹線の流下能力や雨水ポンプ場の能力の増強が困難な場合は、雨水調整池を計画することがある。
③ 雨水調整池は、公園、建物及びその他の施設の地下に設置したり、既存の池を利用することなども含め、地域の実情に応じて検討する。
④ まとまった用地が確保できない場合や多数の排水区を横断した流出抑制計画を策定する場合、雨水調整池と同様の機能を持つものとして貯留管が設置されることがある。
⑤ 雨水調整池は、二山降雨や長時間降雨などの超過降雨(絶対量が計画対照とするパターン降雨の場合を上回ってしまう降雨)発生時に貯留能力を使い果し、機能しなくなる恐れがあるので、この点を計画上十分に考慮に入れておかなくてはならない。

Ⅱ-1-17 下水道のポンプ場施設に関する次の記述のうち、最も不適切なものを選べ。
① 合流式下水道の汚水ポンプ場の計画下水量は、雨天時計画汚水量とする。
② 雨水ポンプの排水位は、河川においては平水流量時の水位を対象として決定する。
③ 汚水沈砂池は、覆がいすることが望ましい。
④ 汚水沈砂池の標準的な水面積負荷は、雨水沈砂池よりも小さい。
⑤ ポンプの全揚程は、実揚程に、吸込み管・吐出し管・弁類の損失水頭、および吐出し管末端の残留速度水頭を加えて定める。

Ⅱ-1-18 下水処理における活性汚泥による有機物の吸着と摂取に関する次の記述の中で、(ア)~(エ)にあてはまる言葉の組合せのうち、最も適切なものを選べ。
  下水と活性汚泥を混合してエアレーションすると、下水中の有機物は活性汚泥との接触後の短時間にその多くが除去される。この現象を(ア)という。
(ア)では、(イ)が活性汚泥に吸着されるとともに、(ウ)が急速に摂取される。
 吸着された(イ)は加水分解を受けた後に微生物体内に取り込まれる。活性汚泥の酸素利用量は、(エ)に対応し、ある時間までエアレーション時間に比例して増加する。一般に、下水の有機物やその除去量が大きいほど酸素利用量は増加する。
     (ア)       (イ)       (ウ)        (エ)
 ① 過剰摂取  溶解性有機物  固形性有機物  酸化及び同化量
 ② 過剰摂取  溶解性有機物  固形性有機物  還元及び分解量
 ③ 初期吸着  固形性有機物  溶解性有機物  還元及び分解量
 ④ 初期吸着  溶解性有機物  固形性有機物  還元及び分解量
 ⑤ 初期吸着  固形性有機物  溶解性有機物  酸化及び同化量

Ⅱ-1-19 下水汚泥の嫌気性消化に関する次の記述のうち、最も不適切なものを選べ。
① 過度に消化汚泥を引抜くと、微生物と投入汚泥有機分のバランスが崩れ、泡立ちを起こす。これは、消化がアルカリ性醗酵期に達していないか、又は不十分であることを示している。
② 消化方式には、生物反応のみを行う1段消化と生物反応と固液分離を行う2段消化がある。濃縮性が余り期待できない場合や水処理への負荷を軽減する場合は、2段消化として運転することがある。
③ 投入汚泥の固形物濃度が低下すると、ガス発生量の低下や消化汚泥の固形物濃度を低下させるため、濃縮工程を適正に管理するなど、投入汚泥の固形物濃度を高める必要がある。
④ 消化温度は、一般に、汚泥消化タンクの加温用燃料を消化ガスでほとんど賄える中温消化帯の35℃程度とすることが多い。
⑤ 投入汚泥中の有機物は、消化温度に応じて適当な消化日数をとることで、液化及びガス化により、40~60%減少する。

Ⅱ-1-20 消毒に関する次の記述のうち、最も不適切なものを選べ。
① 作業環境中のオゾン濃度が0.1ppm以上となったら警報を出すことが望ましい。
② 紫外線ランプについては巡回時に点灯の有無を確認する。
③ 下水道法施工令では放流水の大腸菌群数を3,000個/c㎥以下と定めている。
④ 次亜塩素酸はアンモニア性窒素と反応してトリハロメタンを形成する。
⑤ 塩素消毒用の薬剤として固形のものがある。

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上下水道一般択一問題・正解と解説

Ⅱ-1-1 ③
 人の健康の保護に関する環境基準の関係項目については、公共用水域の水量の如何を問わずに随時、生活環境の保全に関する環境基準の関係項目については、公共用水域が通常の状態(河川にあっては低水量以上の流量がある場合、湖沼にあっては低水位以上の水位のある場合等)の下にある場合に、それぞれ適宜に行う。

Ⅱ-1-2 ②
 水温躍層とは、湖沼等において、太陽により温められた表層水と冷たい深層水の間に存在する、水温が急激に変化する層のことである。水温躍層を境にして上層と下層では密度が大きく異なるため、水の交流がほとんど無く水質的に異なる環境となる。

Ⅱ-1-3 ③
 温室効果ガスの主なものは、二酸化炭素、メタン、フロン、一酸化二窒素。

Ⅱ-1-4 ① 

Ⅱ-1-5 ① 

Ⅱ-1-6 ③
 強化プラスッチク複合管は、高強度で耐食性及び施工性に優れている。

Ⅱ-1-7 ④
 5つの主要政策課題は、「安心」「安定」「持続」「環境」「国際」である。

Ⅱ-1-8 ⑤ 簡易専用水道とは、水道事業者から供給を受ける水のみを水源とし、水の供給を受ける水槽の有効容積の合計が10㎥を超えるものをいう。

Ⅱ-1-9 ③
 森林の水源涵養機能については学説が定まっておらず、森林整備による効果の定量的な評価は困難とされている。森林の増加は樹木からの蒸発散量を増加させ、渇水時には河川への流出量を減少させることが観察されている。

Ⅱ-1-10 ② 

Ⅱ-1-11 ④
 たとえ、原水が低濁度であっても急速ろ過池でろ過するのみではクリプトスポリジュームを含めコロイド・懸濁物質の十分な除去は期待できないので、必ず凝集剤を用いて処理を行う。

Ⅱ-1-12 ⑤
 アンモニア性窒素を多量に含む場合には、その除去のため、生物処理又は塩素処理を行う。

Ⅱ-1-13 ④
 硬質塩化ビニール管は、耐食性に優れ、重量が軽く施工性良いが、特定の有機溶剤及び熱、紫外線に弱い。

Ⅱ-1-14 ⑤
 雨水貯留施設は、ピーク流出量を減少させ流出量を平均化させる効果があり、雨水浸透施設は雨水総流出量を減少させる効果がある。

Ⅱ-1-15 ① 

Ⅱ-1-16 ①
 大規模な新市街地の開発による雨水流出量の増大への対策及び地形が急勾配の地域から平坦な地域へ変わる地点の浸水対策には、雨水調整池は有効な手段である。

Ⅱ-1-17 ②
 雨水ポンプの排水位は、頻度の高い高水位を考慮して定める。

Ⅱ-1-18 ⑤ 

Ⅱ-1-19 ②
 消化タンク内での濃縮性が余り期待できない場合には、二次タンクを生物反応タンクとして使用し脱離液を分離しないで投入汚泥を全量引抜くことも行はれている。また、投入汚泥を高濃度とした1段消化も実施されている。

Ⅱ-1-20 ④
 アンモニア性窒素を含む時は結合塩素消毒となりトリハロメタンの生成を抑制できる。

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上下水道一般(記述問題)

Ⅱ-2 次の問題について解答せよ。(青色の答案用紙を使用し、3枚以内にまとめよ。)

 ライフラインとして重要な都市機能である上下水道の事業者が、大規模地震の災害に備え、とっておくべき対策(予防策、応急対策)を水道及び下水道それぞれについて述べよ。

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選択科目

経験論文(下水道)

Ⅰ-1 次の問題について解答せよ。(答案用紙6枚以内にまとめよ。)
 あなたが受験申込書に記入した「専門とする事項」について、あなたが技術的責任者として行った業務のうち、技術士としてふさわしいものを3例挙げ、その概要を記述せよ。(3例合計で1枚程度にまとめること。)さらに、そのうち技術的に最も困難であった1例について、下記の4項目について詳述せよ。
(1) その業務の内容
(2) その業務を困難にしていた技術的課題
(3) その業務において課題解決のために技術的に創意工夫した点
(4) その業務について現時点で考えた場合の技術的評価

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専門問題(下水道)

Ⅰ-2 次の8問題のうち2問題を選んで解答せよ。ただしAグループからⅠ問題、BグループからⅠ問題を選ぶこと。(緑色の答案用紙を使用し、問題ごとに用紙を替えて解答問題番号を明記し、それぞれ3枚以内にまとめよ。)

(Aグループ)
Ⅰ-2-1(A) 下水道施設(管路、処理場、ポンプ場)の改築計画を策定する場合の手順を説明し、留意事項を述べよ。
Ⅰ-2-2(A) 開削工法により布設された管路施設について地震による被害の特徴を説明するとともに、管路の設計及び施工のそれぞれについて被害を軽減するための方策を述べよ。
Ⅰ-2-3(A) 特定都市河川浸水被害対策法で示された河川事業との連携を図った浸水対策を実施する場合に、その計画に盛り込むべき事項を述べよ。
Ⅰ-2-4(A) 合流式下水道における雨天時越流水の河川等の公共用水域への影響を説明し、合流改善技術を3つ挙げ、それぞれの概要と効果を述べよ。

(Bグループ)
Ⅰ-2-5(B) 小規模な下水処理場に適用できるオキシデーションディッチ法以外の下水処理方法(標準活性汚泥法を除く)を2つ挙げ、特徴の違いをオキシデーションディッチ法と比較して説明するとともに、採用する場合の留意点を述べよ。
Ⅰ-2-6(B) りん除去を図るための嫌気-好気活性汚泥法及び凝集剤添加活性汚泥法についてそれぞれの原理を説明するとともに、両法の特徴、得失を比較して述べよ。
Ⅰ-2-7(B) 下水汚泥の脱水に一般的に使用される機種を3つ挙げ、それぞれの原理を説明するとともに、特徴、得失を比較して述べよ。
Ⅰ-2-8(B) 有機性産業廃水の活性汚泥から発生する余剰汚泥の減量化技術(可溶化技術も含む)のうち、オゾン、酸アルカリ、ミル破砕、超音波、好熱性細菌、嫌気性消化による方法のいずれか2つを選んでそれぞれの原理と特徴を述べよ。

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