平成19年度技術士第一次試験専門科目問題(森林部門) 提供:うらさん   各部門の部屋Topへ
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W 次の35問題のうち25問題を選択して解答せよ。(専門科目解答欄に1つマークすること。)


4-1 平成18年9月こ策定された森林・林業基本計画に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
@本計画は、林政審議会の意見を聴いて5年ごとに基本計画を変更するとの森林・林業基本法の規定に基づき、農林水産大臣が策定したものである。
A本計画は,100年先を見通した森林づくり,多様化する二一ズに応えた森林の整備と利用,国産材の利用拡大を軸とした林業・木材産業の再生等を目指している。
B本計画策定の背景には,利用可能な資源の充実,森林に対する国民二一ズの多様化,木材の需要構造の変化など,森林・林業・木材産業をめぐる情勢の変化がある。
C本計画は,林産物の供給及び利用に向けて重点的に取り組むべき事項として,木材の安定供給体制の整備,木材産業の競争カの強化,消費者重視の新たな市場形成と拡大を掲げている。
D本計画は,多面的機能の発揮に向けて重点的に取り組むべき事項として,国民のニーズに応えた多様で健全な森林への誘導,京都議定書の約束達成に向けた総合的取組みの推進等を掲げている。

4-2 森林資源に関する次の記述のうち、あやまっているものはどれか。
@日本の森林率は国土面積の約2/3と世界でも有数の高い比率となっているが,国民1人当たりの森林面積で見ると世界の平均レベルとなっている。
A世界の森林面積は,2000年から2005年までの間に,それまでの10年間と比ベスピードはやや鈍化しているものの、年平均で約730万ha減少している。
Bわが国の森林面積は約2,500万haであり,国土面積に占める森林の比率は,昭和20年代半ばからほぼ変わっていない。
C森林と生活に関する内閣府の世論調査(平成15年)によれば,国民の森林への期待は,災害防止が1位を占め,地球温暖化防止がそれに次いでいる。
D日本の人工林は森林面積の約4割を占めており,植栽されている樹種は,スギが最も多く,その他主要な樹種は,ヒノキ,マツ類,カラマツ,トドマツである。

4-3 わが国の森林計画制度及び保安林制度に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@昭和26年に制定された森林法において,それまでの施業案監督制度を廃止し,新たな森林計画制度が導入された。
A国有林においては,全国森林計画に基づき,森林管理局長が5年ごとに10年を一期とする「国有林の地域別の森林計画」を策定することとされている。
B民有林においては,森林所有者等は「森林施業計画」を自発的に作成し,都道府県知事の認定を受けることとされている。
C保安林制度は,明治30年の森林法の制定により法的に制度化され,昭和26年制定の森林法により現在の法体系に整備された。
D水源かん養保安林は,河Jllの流量を調節し,洪水の防止または各種の用水の確保を目的に指定される保安林であり,全保安林の中でも最大の指定面積を占めている。

4-4 人工林の保育に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
@下刈りは,実施する区域や形によって,全面を刈る全刈り,部分的に刈る筋刈りや坪刈りに区分される。
A除伐は,目的樹種以外の樹木を中心としつつ,目的樹種についても病害木などの形質の悪い木を対象に取り除く作業である。
B枝打ちは,無節・完満材の生産等を目的に行う作業であり,厳寒期を避け,材の組織が成熟した成長休止期に行う。
C間伐の主な効用には,残存木の成長促進,抵抗力の強い健全な森林の育成,販売収入の確保等がある。
D林分密度管理図の収量比数(Ry)曲線は,林分の混み方を相対的に示す基準線として用いられ,一般に収量比数(Ry)=0.5以下を中庸仕立てとしている。

4-5 地球温暖化防止京都議定書にかかる次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@本議定書においては,第一約束期間の温室効果ガスの排出量を,基準年と比べ,先進国全体で少なくとも5%,わが国においては6%削減することとなっている。
A温室効果ガスとは,地球から宇宙への赤外放射エネルギーを大気中で吸収して熱に変え,地球の気温を上昇させる気体の総称であり,代表的なものに二酸化炭素,メタン,一酸化二窒素等がある。
B京都議定書目標達成計画においては,わが国の森林経営による吸収量として1,300万炭素トン程度の吸収量の確保を目標として位置づけている。
C二酸化炭素吸収量として算入できる森林による吸収量は、1990年以降、新たに造成された森林による吸収量に限定されている。
DCDM(クリーン開発メカニズム)植林とは,先進国と開発途上国が共同で植林を実施し,開発途上国の持続可能な開発に資するとともに,その事業による吸収分を先進国が自国の温室効果ガス削減目標達成に利用できる制度である。

4-6 林業経営に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@林業経営を行うに当たっての主要な原則には,公共性の原則,経済性の原則,生産性の原則,保続性の原則,合自然性の原則等がある。
A法正林として具備すべき要件は,法正齢級配置,法正林分配置,法正蓄積の3条件である。
B作業法は,林型により一般的に、高林作業、低林作業、中林作業・竹林作業の4つに分類される。
C伐期齢には,自然的伐期齢,工芸的伐期齢,材積収穫最多の伐期齢等があり,生産目的に適合する伐期齢が選択される。
D収穫規整の方法には,区画輸伐法,材積平分法,面積平分法等があり,保続経営を維持する上で重要な機能をもっている。

4-7 林業生産の場となる隣地に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
@森林区画は,森林全体を地形界,林相界,所有者界などに区分することであり,森林地図に記入されていて,その所在地が識別できる。
A林班は,固定的で半永久的な区画であり,尾根や川など変わりにくい自然の地形や道路,あるいは行政上の字界などで区画される。
B小班は,林班の中を所有者ごと,樹種や林齢など林況の違い,および施業上の取り扱いの差などによる区画の必要性に応じて細分したものである。
C地利は,林木の生育場所から市場までの距離,あるいは運搬費用を尺度に林地の経済的な有利さを表す概念である。
D地位は,材積生産力を示す級区分の概念であり,その査定法として,林木の平均胸高直径を測定する方法が一般的である。

4-8 森林帯に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@亜寒帯常緑針葉樹林は,森林限界より温度条件が温暖なところに最初に形成される森林で,わが国ではシラベ,トウヒ,エゾマツ,トドマツなどが優占する。
A温帯落葉広葉樹林は,ブナ類,ミズナラ,カエデ姦を中心とする森林で,夏緑林とも呼ばれ,本州中部や東北地方,北海道などに分布する。
B暖帯落葉広葉樹林は、冬季の気温が温帯冬季の気温と同じ程度まで低下する段温帯気候下に分布する森林で、クリ、コナラが代表的な樹種である。
C暖温帯常緑広葉樹林は,シイ類,カシ類を中心とする森林で,九州,四国,本州に見られるが,熱帯においても1,600〜1,800m以上の高標高の地域に見られる。
D亜熱帯林は,わが国の四国・九州の南部、南西諸島、小笠原、対馬などに分布し、アコウ,ビロウ,ソテツ,オリーブなどに代表される。

4-9 樹木に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@木本植物とは,二次肥大成長と同時に木化を行うことによって,植物体を長い年月地上に維持している植物のことである。
A木本性の双子葉類は針葉樹と呼ばれ、広葉樹に比べてその種類数は圧倒的に多く、わが国には約800種が自生している。
B樹木などの緑色植物は,太陽光エネルギーを光合成反応により有機物に変換・蓄積できるので,無機栄養生物とも呼ぱれる。
Cあて材は,樹木の形成層が重力刺激に応答して形成する特殊な構造の木部組織であり,針葉樹では傾斜した幹の下側に,広葉樹では上側に形成される。
D浅根性樹種としては,シラカンバ,ブナ,ミズキなどがあり,根株から水平方向へ車軸状に伸長する平根が発達する。

4-10 針葉樹人工林の取り扱いに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
@過密林分は,形状比が大きく,根系の発達も不良であるため,冠雪害や強風による折損や倒木の被害を受けやすい。
A定性間伐は,樹型級区分によって間伐木の選木を行う問伐であり,わが国では寺崎式間伐がよく知られている。
B下層間伐は,地位の高いところで繰り返し行うことによって,市場で評価の高い芯じまり材の生産が期待できる。
C択伐的聞伐は,一定の形質と大きさに達した立木だけを順次間伐するもので,間伐材の利用に重点を置いた間伐である。
D複層林施業は,非皆伐施業の一種であり、水土保全機能や保健休養などの生活環境保全機能を重視する施業法である。

4-11森林土壌に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@主に斜面上部から尾根部にかけて分布する残積土は、一般に土層は浅く、水分や養分が流亡しやすいため、理化学性が不良である。
A腐植とは,狭義には,土壌の無機質土層の黒褐〜暗褐色を呈する非晶質の,動植物遺体の原形をとどめていない,高分子有機化合物に対して用いられる用語である。
B火山灰を母材とする土壌は,一般にアロフェンと呼ぱれる粘土鉱物が多く含まれているためリン酸吸収係数が大きい。
C土性は、土壌の機械的組成または粒径組成とも呼ぱれており,埴質なものは一般に保水力は小さいが、透水性は大きい。
DpF価は,土壌の孔隙が水を吸着保持している力の大きさを水柱圧で示したもので,植物の永久萎凋点はpF4.2に相当する。

4-12 樹木の病害に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@植物の寄生者としての病原体には、菌類や細菌などの微生物,藻類などの植物,線虫類やダニ類などの動物があげられる。
A枝や幹に発生する枝枯性,胴枯性の病気は,その種類は様々であるが,農作物には見られない樹木特有の病気である。
B根の病気には,主として,土壌病原菌によって引き起こされる病気と,線虫によって引き起こされる病害とがある。
C病原体の侵入から,宿主植物に外見的な異常が現れる感染までの期問は,潜伏期間と呼ばれ、病原体の種類によってその長さは異なる。
D下刈り,除伐,間伐等の保育的手段による病害防除効果は,徐々にではあるが持続的で、長期間には大きい効果を表す。

4-13森林の鳥獣害に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@ニホンノウサギは、夜行性で巣は作らず、食害された造林木の枝や幹には特徴的な細かく入り組んだギザギザの切断面が見られる。
Aニホンカモニカは、中国地方を除く本州、四国、九州に分布し・樹木や草本の柔らかい葉,小枝,芽等を菜食する。
Bニホンイノシシは、宮城県以南の積雪の少ない地方に分布し、クズやイモ類等の根や土壌動物等を食べる際に、造林木の根を損傷する。
Cツキノワグマは,本州と四国に分布するが,広い行動域を有することなどから,個体数調整からの樹木の剥皮害の軽減は困難である。
Dブナやナラ類が数年に一度大豊作になるのは,鳥獣による食害のダメージを少なくするための,樹木側の適応戦略と考えられている。

4-14 森林環境に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@陸域の年降水量の世界平均は900mm程度であるが,アジアモンスーン地帯に位置する日本の年平均降水量は1,700mm程度である。
A大気組成では,窒素が約78%,酸素が約21%,アルゴンが約0.93%であり,炭酸同化作用に必須な二酸化炭素は約0.04%にすぎない。
B山岳地帯では、標高が上がるにつれて気温が徐々に低下する現象が見られるが、それは大気密度の減少が主な原因である。
C酸性雨により土壌が強酸性化すると,塩基類の欠乏やアルミニウムの溶出により成長障害が引き起こされ,森林が衰退するとみられている。
D樹木から発散されるフィトンチッドと呼ばれる揮発性の無機化合物群は,殺菌カを持つ成分や良い香りの成分を含んでいる。

4-15 森林水文に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
@森林のアルベド(反射率)は,他の地表面に比べて大きく,同じ量の日射を受けたとき日射から反射を差し引いた森林で吸収されるエネルギーは,他の地表より小さくなる。
A樹冠遮断量は,林外雨量から樹冠通過雨量と樹幹流下量を差し引いた量である。
B多孔性材料中を流れる浸透流の単位面積当たりの流量は,流れが層流状態にある範囲では,水理水頭の勾配に比例する。
C洪水流出解析は,降雨に速やかに応答して増加し,降雨終了後は急激に減衰する応答成分,すなわち直接流出成分を対象とするものである。
D森林は蒸散作用により大量の水を消費するため,同じ降水量の場合,一般に森林流域よりも裸地流域のほうが河川への水の総流出量が多い。

4-16 土石流に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@土石流の発生源による分類には,山腹崩壊や地すべりなどに起因するものと,河床や山腹堆積物に起因するものがある。
A砂礫型土石流の流れは,先端の石や礫が集中している部分とそれに続く後続流とからなり,特に先端部付近では流れの水深に対して流れを構成する石礫の径が大きい。
B泥流型土石流の流れは,先端部が段波の形状をなし,構成する石礫の径に対し水深が十分に大きく,その速度は砂礫型土石流の2〜数倍の値を示すことが多い。
C土石流の発生時刻は,時間雨量のピーク値の出現と関係が強く,事前に継続的に降雨があり,そこに強い雨が降ると土石流の発生する可能性が高い。
D土石流の堆積構造は,層状を呈する場合と呈さない場合があり,堆積した場所の渓床勾配は,11〜20度の区間が多い。

4-17 地すべりに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
@第三期層地帯のうち、新潟県に分布する寺泊層はシルト〜粘土によって構成された泥岩層のため,地すべりの発生頻度が高い。
A三波川結晶片岩を構成する岩石のうち,泥質片岩,緑泥片岩の分布地域では,片理やへき開が発達し,風化により粘土化しているため,地すべりが多い。
B温泉地帯では,火山岩類が硫気作用,熱水作用によって温泉余土といわれる粘土に変質するため,地すべりが発生しやすい。
C花崗岩類は、深層風化により粘土を大量に生成するため、地すべりが多い。
D地すべり地にみられる粘土、いわゆる地すべり粘土はモンモリロナイト(スメクタイト),カオリナイト等の粘土鉱物である。

4-18 山腹工に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@土留工は,不安定な土砂の抑止,斜面勾の補整,地表地下水の分散等のほか,水路工の支持等を目的に施工される。
A暗渠工は,地下水や浸透水を遠やかに排除し,余地盤の含水比や間隙水圧を低下させ,山腹斜面の安定化を図るために施工される。
B柵工は,山腹斜面や階段上に柵を設けて表土の流亡を防止するとともに,柵の背面に埋め土を行い,植栽木や侵入植生の良好な環境条件を造成するために施工される。
C積苗工は,特に多雨地帯の予防治山工種としては最適であり,植生導入の基礎づくりとして植生盤を用いる代表的な工種である。
D筋工は,崩壌地斜面の雨水の分散を図り,山腹斜面の地表侵食を防止するとともに,植生の生育環境を整え,その早期導入を図る工種である。

4-19 治山堰堤に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
@重力式ダムの下流法勾配は,越流・落下する転石により下流法面が損傷しないように、2〜3分が一般的である。
A天端の厚さは・静水圧・土圧・動水圧のほか、転石の衝撃に耐えるだけのの厚さが必要である。
B袖部は、非越流を原則とするため、その高さは計画高水位以上とし、地山への取り付けは構造的に十分強固にしなければならない。
C水通しの断面の大きさは,計画最大高水流量を用いて決定される。計画最大高水流量出は,一般にラシヨナル式が用いられる。
D重力式ダムの安定条件は,底面に沿って滑動しない,地盤支持力が十分である,内部応力によって破壊されない,の3項目である。

4-20 測量に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@トラバース測量は,基準点を結合してできた多角形の水平角と測点間の距離を順次測定し,その結果より各測線に対する緯距,経距を計算し,各測点の座標を定め平面上の位置を決定する測量である。
A直接水準測量の昇降式は,測点ごとにレベルを移動させ,後視から前視の値を引いた値を高低差として,各点の地盤高を求める測量方式である。
Bスタジア測量は,望遠鏡内に設けられた上下2本のスタジア線を利用し,測点に立てた標尺またはターゲットに挟まれた鉛直間隔を測定し,間接的に測点の距離と高さを求める測量である。
C側方交会法は,平板上に図示されている2個または3個の既知点に平板を据え,各既知点から視準したそれぞれの方向線の交点を求めることによって,未知点の位置を図上に決定する方法である。
D点高法は,広い地域の整地,埋立てなどの土量を求める場合,その地域全域に等面積の長方形あるいは三角形の網をつくり,その交点の標高より体積を求める方法である。

4-21 林道規程(昭和48年4月1日付け林野庁長官通達)に関する次の記述のうち,誤っいるものはどれか。
@2級林道の縦断勾配の最大値は,9%とされるが,やむを得ない区間については100m以内に限り最大16%までとなっている。
A縦断勾配が変化する箇所には、縦断曲線が設けられるが,舗装箇所以外の箇所で縦断勾配の代数差が5%以下の箇所については設けなくてよいことになっている。
B自動車の通行の安全のため、林道の曲線半径は設計速度が大きいものほど大きく、またその曲線部の拡幅量も曲線半径が大きいものほど大きくすることになっている。
C林道の曲線部には、曲線半径が極めて大きい場合を除き,曲線の外側が高くなるように8%以下の片勾配を付けることになっている。
D2級林道の待避所は、一定間隔以内ごとに車道幅員5.0m以上,有効長20m以上設けることになっている。

4-22 林道の設計・施工に関する次の記述のうち,、最も適切なものはどれか。
@林道の土工作業においては,土量の移動量が大きいブルドーザーがバックホウよりも多く使用されている。
A林道の盛土は、盛土箇所近くの切取りのり面から出てきた土・切株・草木が混ざつた流用盛土が用いられる。
B傾斜した盛土基礎地盤では、盛土の滑動を防止するため,原地形を階段状に切り取る方法がとられている。
Cのり面勾配は、一般に路線勾配と同様,水平距離に対する垂直距離の比を%で表示している。
Dのり面に設置される擁壁に作用する土圧の大きさには,受動土圧<静止土圧<主動土圧の関係がある。

4-23 林道の維持・管理に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@馬蹄形状の滑落崖がある凹凸の著しい地形,斜面上部に沼,へこみなどのある場所,竹やぶなど周囲の植生と異なる場所は,林道維持の上で何らかのトラブルの発生が予想されるので対策が必要である。
A春先の凍結・融解の繰り返しにより,流れ盤ののり面はだらだらと崩落し,また,受け盤ののり面は落石の危険がある。
B牧草等の外来植物を用いたのり面緑化工は,郷土植物の侵入,定着を困難にするため,自然保護上,最近は行われていない。
C側溝の維持・管理では,機能維持のための側溝内の清掃を怠ると,豪雨時等に路面流が発生し,林道が崩壊する危離が生ずる。
D木材生産に伴う末木枝条は,暗渠排水施設の上流にスリットタイプの構造物を設置して,それらを捕捉することが行われている。

4-24 集材機作業に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@集材機作業に用いるワイヤーロープは,1よりの間の素線の断線数が1/10未満であもの,直径の摩耗による減少が公称径の7%以下であるものは,使用して差し支えない。
Aフォーリングブロック式索張りは,傾斜のゆるい場所での集材に適しており,架空索に設置された搬器と吊り荷の移動を、引寄索兼荷上索と引戻索の張力を調整しながら行う集材方式である。
B機械集材装置を組み立てたときは,元柱あるいは先柱付近の主索の傾斜角を測定して索の垂下比を求める方法や,主索を叩いて振動波が往復する時間を測る方法などによって,主索にかかる張力を検定しなけれぱならない。
C動力を用いて原木を巻き上げ,空中において運搬する設備を用いて集材する作業については,林業架線作業主任者を選任しなければならない。
Dタイラー式索張りの荷上索にかかる最大張力は,吊り荷重量及び吊り荷を下げるためのロージングブロックや重錘などの器具重量を合計したものである。

4-25 林業機械に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@タワーヤーダは,ホールラインとホールバックラインのそれぞれのウインチ間で索張力を一定に保ったまま,索速度を同期させるインターロック機構をもつものが多く用いられている。
A我が国において一般に使用されているハーベスタは,ドラグショベルを林業用に改良したべ一スマシンをもち,伐木造材をする高性能林業機械である。
B単胴のウインチを装着したグラップル・ローダは,林内路網を積極的に作設した林地において,材の木寄せに活躍している林業機械である。
Cチェーンソーのキックバックとは,ガイドバーの上の直線部分が挟まれたり,突然停止したときに反発力が働き,チェーンソーが作業者の方向に向かって押しつけられ,コントロールが困難になることをいう。
Dチェーンソーは,振動の加速度の最大値が29.4m/sec2以下で,ソーチェーンの切断等の際に生ずる危険を防止するためのハンドガードを備えていなければならない。

4-26 林業作業の安全に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@立木は,一般に伐根直径の1/4以上の深さに受け口をつくり,受け口の高さの下から2/3程度の高さの位置に追い口を切り込んで伐倒する。
A立木を伐倒するときは,伐倒前に退避する場所の選定をし,また,伐倒の際に危険を生ずるおそれのあるかん木,枝条,つる,浮石等を除去しなればならない。
B立木を伐倒しているときは,伐倒木による危険を防ぐため,樹高の1.5倍の範囲内に他の作業者を立ち入らせないようにしなければならない。
Cチェーンソー及び刈払機を用いて行う作業従事者は,労働安全衛生法に基づく特別教育を受講しなけれぱならない。
D刈払機によって下刈作業をする場合は,刈刃の送り方向である左側が谷側となるように作業を進める。

4-27 我が国の近年における木材需給に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@木材(用材)の需要量は,平成14年に9,000万m3を割って以降,平成17年まで8,000万m3台が続いている。
A木材(用材)の供給量の内訳(平成17年)で,最も多いのは南洋材で約20%を占め,次いで米材,国産材の順となっている。
B近年の木材の輸入状況は,丸太の輸入から製材品輸入へとシフトしてきており,製材品においては特に欧州材のシェアが拡大し、約34%(平成17年)を占めている。
C木材(用材)需要を部門別にみると、最も多いのがパルプ、チップ用で全体の約44%(平成17年)を占め、次いで製材用、合板用の順となっている。
D木造住宅を構(工)法別にみると,国産材の利用割合の高い在来軸組構法が全体の約80%(平成17年)を占めている。

4-28 木材の組織構造に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@未成熟材とは,未成熟期の形成層から分化した細胞で構成された樹幹の髄(芯)近くの木部部分をいい,一般に針葉樹材に典型的に現れる。
A広葉樹の構成細胞は,その大部分が木部繊維(木繊維)と道管からなっており,前者は樹体の支持機能を,後者は水分の通導機能を受けもっている。
B我が国の針葉樹で正常樹脂道が発生する樹種は,トウヒ,モミ,トガサワラ,カラマツおよびマツの5属のマツ科樹種に限定されている。
C形成層には,形状の異なる紡錘形および放射組織の両始原細胞があり,両細胞は分裂してそれぞれ幹軸方向に配列する細胞と,水平方向に配列する細胞になる。
Dぬか目材とは,広葉樹の環孔材に発生するもので,年輪幅が異常に狭くなった材のことで,年輪の大部分が孔圏道管によって占められている。

4-29 木材の物理的・力学的性質に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@晩材(夏材)率は,一年輪幅に対する晩材幅の百分率で表示される。一般に針葉樹材では、晩材率が増加するほど密度が高く、強度(強さ)も大きくなる。
Aヒステリシスとは,木材の平衡含水率が低含水率から吸湿により到達したか,高含水率から脱湿(乾燥)により到達したかにより,その値が多少異なる現象のことである。
B木材の真密度(比重)は,木材中の一切の問隙や空隙部分を除いた木材実質のみの密度で,この値は樹種による差異がほとんどなく,約1.50g/cm3である。
C木材の熱伝導率は,含水率,密度および温度がともに増加するほど大きくなる。また,繊維方向の熱伝導率は,繊維に直角方向のそれよりも大きい。
D木材に節が存在すると木材の強度を低下させるが,一般的にその影響は圧縮強度において著しく,引張り強度では比較的その影響が少ない。

4-30 木質系材料に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@木片セメント板は,目本工業規格(JIS)によると製品のかさ比重の違いにより,普通木片セメント板と硬質木片セメント板に区分している。
A普通合板の目本農林規格(JAS)では,ホルムアルデヒドの放散量の程度により、その量の少ないものから,F☆☆☆☆,F☆☆☆,F☆☆,F☆の4タイプに分けている。
B集成材の挽き板(ラミナ)の長手方向の縦つぎには,製品の歩止りと作業効率を向上させるため,フィンガージョイントよりもスカーフジョイントが多用されている。
COSBは,細長いストランド状の削片の繊維方向を配向させて,一般には表・裏層と中心層が直交するように製造した3層構造の木質ボードである。
D硬質繊維版(ハードボード)は,目本工業規格(JIS)によると油,樹脂等で特殊処理をしたテンパードボード(T)と,無処理のスタンダードボード(S)とに区分している。

4-31 木材の切削加工に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@折れ型切削とは,木材の平削り加工の縦切削において,切込み量および切削角がともに中位の大きさのときに見られる切削形態で,切り屑は一定間隔で折り曲げられる。
Aのこ車仰伏装置は,挽き材時の帯のことのこ車面との接触状態を安定させるために,上部のこ車を傾斜させる装置であり,のこ車からの帯のこの出入りを調節する。
B研削加工には,研磨布紙と砥石を用いるものとがあるが,後者は目づまりの発生や研削焼け等を生じやすいため,現在は一部の加工を除きほとんど用いられていない。
C全自動化された機械プレカットでは,平面図や伏せ図等から部材の加工データをCAMへ入力し,その情報をCADへ転送して部材を自動的に加工する。
D木材の切削抵抗は,被削材(加工材)条件により影響を受けるが,一般には密度の増加とともに増大する。また,被削材の温度の増加に伴って切削抵抗が減少する。

4-32 木材乾燥と木材保存に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@木材を一定条件下で乾燥すると,一般に含水率が初め急激に減少する減率乾燥期間と,その後乾燥の進行につれて徐々に少なくなる恒率乾燥期間とに区分される。
A人工乾燥期問中の応力経過をみると,乾燥材の表層部では前期に引張り応力が,また,内層部では前期に圧縮応力が,後期には引張り応力が発生する。
B人工乾燥における調湿処理には,含水率分布を均一にするためのイコーライジングと,応力を除去するためのコンディショニングがある。
C木材の保存処理技術で最も基本的な加圧注入法には,前排気(減圧)一薬液加圧一後排気(減圧)の3工程により薬剤を注入する充細胞法(ベセル法)がある。
D木材腐朽性担子菌類は,生育に酸素(空気)が必要な好気性菌であるため,水中貯木は腐朽菌への酸素の供給を遮断して,その生育を阻害することによる防腐効果を利用したものである。

4-33 木材接着と木材塗装に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@木材接着での接着強さは,接着阻害物質(抽出成分等)の多い木材(樹種)を除いて,一般に密度が大きい木材ほど高い接着強さを示す。
Aユリア(尿素)樹脂接着剤は,作業性が悪く,硬化後のひぴ割れが生じやすい等の欠点もあるが,耐老化性に擾れ,安価なため木材用として広く用いられている。
B木材用に使用する多くの熱硬化性接着剤は,主剤に対して硬化剤を添加するほかに,接着性能の改善や接着の低コスト化のために充填剤や増量剤が添加される。
C素地調整とは,塗装に適した素地表面にするために,塗装に先立って被塗面の汚れの清掃,逆目や毛羽立ち等の欠陥部分を研磨布紙で素地研磨等を行うことである。
D天然樹脂塗料である漆(うるし)の特徴,塗膜に肉厚感(ふっくら感)があり,耐酸性・酎久性等に擾れているが,乾燥が遅くまた高価である等の短所もある。

4-34 特用林産、木材成分とその利用に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
@木炭の製法で,白炭ともに炭化操作の終了時に精錬(ねらし)を行うが,一般に精錬温度は黒炭のほうが白炭よりも高い。
A特用林産物のうち,平成16年における乾しいたけの都道府県別の生産量をみると,大分県が最も多く,次いで宮崎県である。
B木ろうは,ハゼノキの果実から得られる脂肪で,常温では固体でろう状の物性をもっており、和ろうそくや医薬品等に用いられる。
C針葉樹材と広葉樹材で比較した場合,正常材ではセルロースの量が両材の間で差がほとんど見られないの対しリグニンの量は針葉樹材のほう多い。
D現在、我が国のパルプ生産の主流であるクラフトパルプ(KP)は,硫酸塩パルプとも呼ばれ、用途が広く、強度も大きい。

4-35 木質構造と製材品に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@丸太組(校倉)構法は,校木(あぜき)と呼ばれる丸太やその他これに類する木材を水平に積み上げて,壁を形成することにより建築する方法である。
A在来軸組構法での壁の構造は,柱が壁仕上面に露出する真壁造りと,柱が壁仕上面に出ない大壁造りの2つに区別される。
B針葉樹の構造用製材の目本農林規格(JAS)では,目視等級区分製材を甲種構造材と,乙種構造材とに分けている。
Cアイビーム(I型梁)部材は,断面がI型の複合梁で,曲げに対してはウェブ(腹材)で,せん断に対してはフランジ(弦材)で抵抗する。
D高周波式(容量式)水分計は,木材の誘電率と含水率の関係を利用した水分計であるが,密度,樹種の影響を受けやすいので補正する必要がある。


正解
問題 正解 問題 正解 問題 正解 問題 正解 問題 正解 問題 正解 問題 正解
1 1 6 2 11 4 16 5 21 3 26 4 31 4
2 1 7 5 12 4 17 4 22 3 27 2 32 1
3 3 8 5 13 1 18 4 23 3 28 3 33 2
4 5 9 2 14 5 19 5 24 5 29 5 34 1
5 4 10 3 15 1 20 4 25 4 30 3 35 4