平成17年度技術士第一次試験専門科目問題(森林部門) | 提供:ポンキチさん | 各部門の部屋Topへ 第一次試験過去問題Topへ |
W 次の30問題のうち25問題を選択して解答せよ。(専門科目解答欄に1つマークすること。)
W−1 丸太の求積式に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@ フーバー式は中央断面積式とも呼ばれ,円柱体および放物線体に対しては正しい体積を与える。
A スマリアン式は平均断面積式とも呼ばれ,円錐体およびナイロイド体に対しては正しい体積を与える。
B リーケ式はニュートン式とも呼ばれ,スマリアン式にフーバー式の2倍を加えて平均した形になっている。
C 末口二乗法は日本において古くから用いられている慣用法であり,末口の二乗に長さを乗ずるという簡便な方法である。
D 5分周式はフランスにおいて用いられている慣用法であり,中央径の周囲長を5分した値の二乗に長さの2倍を乗ずるという簡便な方法である。
正解はA
W−2 輪伐期に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@ 作業級において成立する概念である。
A 期間概念である。
B 各種の伐区式作業を行う場合に重要なものとされている。
C 皆伐作業に起因する法正林思想の所産であるといわれている。
D 照査法や恒続林施業において重要な概念とされている。
正解はD
IV− 3 材積表に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@ 材積表とは,胸高直径,樹高などの因子別に樹幹材積またはその一部分の平均的な材積の値を示した表である。
A 一変数材積表とは材積表の中でも最も簡単なものであり,主に胸高直径の値のみから材積を求める表である。適用できる地域や樹種については汎用性が低い。
B 二変数材積表を作成する際によく使われる山本−シューマツカー式(シューマツ力ー−ホールの式)は胸高直径と樹高の値から幹材積を求める式である。
C 三変数材積表は胸高直径,樹高に加えて光合成に関連する薬量を表す因子が変数として取り入れられることが多く,汎用性は高いが利便性が低い。
D 材積表は基本的に地域ごと,樹種ごとに調製されるものであり,調製試料を収集した林分の母集団を超えて適用してはいけない。
正解はC
IV−4 林分材積成長に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@ 粗成長量とは,成長期間内に林分の全林木から生産された全材積である。
A 進界成長量とは,成長期間内に測定対象となる大きさに達した林木の材積である。
B 枯損量とは,成長期間内に枯損した林木の材積である。
C 純成長量とは,粗成長量から枯損量を差し引いた残りの材積である。
D 純増加量とは,粗成長量から枯損量と進界成長量を差し引いた残りの材積である。
正解はD
IV− 5 林業の生産手段としての林地に関わる用語に関する次の記述のうち,誤ってい るものはどれか。
@ 林班は永久的性質を持つ基礎的な林地区画の単位である。
A 小班は地形を基準として一時的に設けられる林班の細分区画である。
B 地位は林地の生産力を示す概念であり,基準林齢に対する優勢木の平均樹高を基本とした指数で表される。
C 地利は搬出費によって示される経済的位置を示す概念であり,搬出条件が一定の場合,搬出距離を基本とした指数で表される。
D 立地級は地位と地利を総合した概念であり,自然的立地(地位)と経済的立地(地利)を組み合わせた指数で表される。
正解はA
W−6 平成13年度に作成された「森林・林業基本計画」の基本方針に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@ 森林のもたらすさまざまな恩恵を将来にわたって享受していくためには,長期的な視点にこだわるのではなく,社会,特に都市住民のニーズの短期的な変化に敏感に反応し,柔軟な姿勢で整備及び保全を図ることが必要である。
A 山村地域における定住の促進を図るとともに,森林所有者等による適時適切な森林施業が行われるようにするとの観点から森林施業の実施に不可欠な現況調査等の基礎的な活動が確保されることが必要である。
B 森林や緑に対する国民の関心が高まりを見せており,自然とのふれあいの場,野外教育や環境教育の場,健康づくりの場など森林の保健・文化・教育的利用に対する国民のニーズに応じた森林の整備が求められている。
C 林業労働に従事する者の減少と高齢化が進んでいるため,林業労働に従事する者の雇用の安定,労働条件の改善等により,これらの者の福祉の向上等を図り,人材の育成及び定着を進める必要がある。
D 木材の需要を確保し拡大するためには,最終需要者である消費者の二ーズに的確に対応することが不可欠であり,森林所有者をはじめ素材生産から製品販売にいたるすべての関係者がこのことを認識することが必要である。
正解は@
IV− 7 空中写真の利用に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@ 空中写真に見られる「像のひずみ」は,主点を中心とする放射方向に起こり,被写体の高低差の大きさと主点からの距離に比例する。
A 空中写真では,カメラから地表までの距離によって像の縮尺が違って写り,標高の高いところは小縮尺に写る。
B 組写真を利用する場合,相手の写真の主点が撮影されていることが重要であるが,この際,自らの主点と相手写真の主点像とを結んだ線を主点基線と呼ぶ。
C 立体視は空中写真測量にとって重要な技術であるが,立体視が可能になる原因は主点基線方向の像のひずみにある。
D 視差差は,祖写真における被写体の基線方向のひずみ量であり,被写体の高低差を表す写真上の重要な指標である。
正解はA
W−8 開花・結実に開する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@ 広葉樹では,萌芽再生木は実生木にくらべて開花・結実の開始期が早い傾向がある。
A 表日本系スギは,裏日本系スギよりも結実の開始が遅く,結実性が劣るといわれている。
B 一般にスギは幼齢期から花を着生するが,挿し木品種の中には老齢まで開花・結実しないものもある。
C 開花・結実性は遺伝性が強く,マツ属の中には1年生で花をつける早熱性個体がある。
D 一般にスギ,ヒノキ,ケヤキは2〜3年,ブナは4〜8年の周期で結実が豊作になる。
正解はA
W−9 下刈りに関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@ 下刈りは造林木が雑草木の高さを抜け出る高さになるまで行う。
A 刈り払った雑草木は造林木の根元周辺を覆うようにおくとよい。
B 全刈りは労力を多く必要とするので密植造林には不適である。
C 坪刈りは特に造林木の保護を必要とする場合には適している。
D 筋刈りでは刈り残された雑草木に造林木が被圧されることがある。
正解はB
IV −10 樹木の年輪幅に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@ 年幅偏が樹心部から周辺部まで適度に狭く揃っている材は,強度的に優れており狂いも少ない。
A 地位の高い林地で下層間伐を繰り返すと,樹心部,周辺部ともに年輪幅の広い立木が多くを占めるようになる。
B 無間伐の場合,樹心部は年輪幅の狭い,周辺部は年輪幅の広い立木が多くを占めるようになる。
C 針葉樹では斜面上の切り株の年輪幅は,比較的谷側が広く山側は狭いのが普通である。
D 年輪幅の変化を調べることによって,年を時間単位とした過去の成長経過を知ることができる。
正解はB
IV − 1 1 光合成に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@ 樹木のほとんどはカルビン回路を通して二酸化炭素を還元するC3植物である。
A C3植物とC4植物では,C3植物の方が強光・高温環境下での光合成能力が高い。
B サボテン等のCAM植物は水分損失を防ぐため日中気孔を閉じたまま光合成を行う。
C 緑色植物で光合成量と呼吸消費量とが釣り合って,実質的な光合成量がゼロになるような光の強さを補償点という。
D 飽和純光合成量とは飽和光強度以上の光条件下における純光合成量のことである。
正解はA
IV−12 森林微生物に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@ 我が国では2,000種以上の樹木病害が報告されているが,そのうちの約8割は糸状菌による病害である。
A 内生菌根の主なものはアーバスキュラー(VA)菌根で,宿主植物の根の細胞間に樹枝状体をつくる。
B 木材を腐朽・分解する菌類は比較的大型の子実体を形成するが,本体は木材中の菌糸体である。
C マメ科植物に根粒を形成するRhizobium属の細菌は単生窒素固定菌である。
D 試料中の細菌や放線菌を計数しまたそれらを単離するには,一般に希釈平板法が用いられる。
正解はC
IV −13 森林土壌動物に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@ ダニ類等の微小な節足動物の採集には,土壌動物の負の走乾性を利用する乾式抽出法が適している。
A 線虫類,ヒメミミズ類,ソコミジンコ類等の土壌水分に依存的な動物群は総称して湿性土壌動物と呼ばれる。
B 土壌を水で希釈して直接検鏡することによって原生動物の個体数や群集構造を調べることが可能である。
C 土壌動物の調査では,定性(群集)調査よりも定量調査の方がサンプリング誤差や季節,年変動等の影響を受けにくい。
D 土壌深度に伴う土壌動物の垂直的な変化は,その土壌の層状構造や成熟度等を反映している。
正解はC
IV−14 森林土壌に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@ 未熟な土壌が発達しその理化学的性質が向上していく過程と,そこの植生遷移との間には密接な関係が存在する。
A 有機物層は土壌動物・徹生物の生息の場,土壌の庇護物,そして養分の貯蔵庫として重要である。
B 腐植とは,広義には土壌中に存在する有機物の全体を指すが,狭義には暗黒色の非晶質有機化合物群のことである。
C 土壌内でおよそpF4.2までの力で保持されている水分は植物に利用可能である。
D 土性は,土壌を構成する砂,微砂,粘土の重量割合を示したもので,細粒状,粒状,団粒状,単粒状などに区分される。
正解はD
IV −15 我が国の地質と山地災害に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@ 第三紀層の黒色泥岩地帯である新潟県の中越地域では,地すべりが発生しやすい。
A 中央構造線に沿う結晶片岩地帯や蛇紋岩の露出する地域では,地すべりが発生しやすい。
B 箱根,別府,霧島などの火山岩類の変質した地域では,地すべりが発生しやすい。
C 南九州などの火山灰質粗粒土のシラスが分布する地域では,地すべりが発生しやすい。
D 六甲山付近から瀬戸内海沿岸の中国地方にかけて広く分布する花崗岩の風化したマサ土地域では,表層崩壊が発生しやすい。
正解はC
IV −16 地すべりに関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@ 主として粘性土をすべり面として滑動する。
A 主として緩傾斜面に発生し,上部に台地状の地形を持つ場合が多い。
B 土塊の乱れは少なく,原形を保ちつつ動く場合が多い。
C いったん発生すると,再度発生することはほとんど無い。
D 発生前に亀裂の発生,陥没,隆起,地下水の変動等が生ずる。
正解はC
IV −17 治山・砂防構造物に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@ 山脚固定ダムは,崩壊の拡大防止や荒廃地に施工する山腹工の基礎として施工される。
A 床固工は,渓床を横断して施工する構造物で,一般に高さが5m以下のものを指す。
B 護岸工は,横侵食から河岸を保護するもので,崩壊脚部の固定にも使われる。
C 水制工は,流勢を緩和して土砂の堆積をばかり,護岸を保護する目的で施工される。
D 帯工は,上流からの流出土砂を一時的に貯留し,その後徐々に流下させる目的で施工される。
正解はD
W−18 山腹工に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@ 筋工は,のり面に水平階段を設け,階段上に切り芝と地山上を用いて植栽のための基盤を造成する工法である。
A 張芝工は,整地して適度に締め因めたのり面に芝を張り付け,のり面を保護する植生工の一種である。
B のり切工は,山腹斜面における不安定な土層の傾斜を緩勾配にし,安定した斜面を造成することを目的とする山腹基礎工の一種である。
C 植生工は,播種工,植栽工,植生誘導工に含まれる工法の総称である。
D 伏工は,植生工を施工した斜面にそだ,かや,わら,網等を敷き詰め,表面侵食を防止して,導入植生の生育を助けるための工法である。
正解は @
IV −19 測量に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@ 単測法は,観測点より2つの視準方向を観測し,その挟む角を測定する方法である。
A 結合トラバースは,ある1点より出発し,順次測距,測角を行い出発点に戻り多角形を形成するトラバースである。
B 閉合比は,側線長の総和に対する閉合誤差の比で示される。
C コンパス法則は,角測量と距離測量の精度が同程度のとき用いられ,誤差を各訓練長に比例配分する方法である。
D 後方交会法は,未知点に平板を据えて,複数の既知点への方向視準で未知点の位置を定める方法である。
正解はA
IV−20 土質力学に間する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@ 土の含水比は,土粒子部分の質量に対する間隙に含まれる水の質量を百分率で表したものである。
A 土の間隙比は,土の土粒子部分の体積に対する間隙の体積の比である。
B 土の飽和度は,土の間隙の体積に対する間隙に占める水の体積を百分率で表したものである。
C 最適含水比は,土を締め固めたとき最大の乾燥密度が得られる含水比のことである。
D 塑性限界は,土が塑性体から液体に移行する時の限界の含水比のことである。
正解はD
IV−21 水文に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@ ティーセン法は,複数の地点雨量記録より流域平均雨量を算出する方法である。
A ラショナル式は,降雨量から対象地点のピーク流量を算出するための式である。
B タンクモデルは,流域からの流出現象を3〜4段のタンクに仮想し,単位面積当たりの流出量を計算する方法である。
C リターンピリオドは,ある水文現象が何年に一回の確率で発生するかを示すものである。
D ハイドログラフは,降雨強度の時間分布を時系列的に示した図のことである。
正解はD
IV−22 林道規程の用語に関する次の記述のうち,最も適切なものはどれか。
@ 車道幅員は,もっぱら車の通る部分とこれを支えるため両サイドに設けられる路肩をあわせたものである。
A 林道の縦断勾配は,道路幅方向の傾斜で排水を考慮して通常3〜5%に定めている。
B 設計速度は,普通自動車が安全に通行できるよう50km以上とし,やむをえない場合でも40kmとするよう定めている。
C 林道を設計する場合の視距は,自動車の運転手が見通し可能な距離で,最低でも15mの値とするよう定めている。
D 林道の曲線半径は、その開設地が山岳地であるため急カーブが多くなりがちであるが,極力大きくすることが望ましく,半径70m以上と定めている。
正解はC
W−23 林道密度に関する次の文章の空欄(a)〜(e)の中に入る用語の組合せのうち,正しいものはどれか。
「林道密度は,森林の(a)当りの(b)で示され,マチュースによる林道密度理論は林地モデルにおいて(c)と(d)の(e)にするという経済的理論によって合理的な林道密度を求めようとする林道網整備の有力な理論である。」
(a) (b) (c) (d) (e)
@ 林道延長 森林面積 出材々積 材積単価 積を最大
A 単位材積 林道延長 出材々積 材積単価 積を最大
B 単位成長量 道路延長 集材コスト 林業収入 差を最大
C 林分面積 道路延長 集材コスト 林業収入 差を最小
D 単位面積 林道延長 集材コスト 林道開設コスト 和を最小
正解はD
W−24 林道の設計手順に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@ 林道を設計しようとするときは,まず林道の種類および起終点や通過点の概略を決め,ついで現地を踏査してその適否を検証することから始める。
A 予定路線を現地に設定していくには,起点から設定された所定の勾配により,地形の変化を最も表しうる位置と道路の中心線として適切な位置に測量杭を打って予定路線を決めていく。
B 林道の曲線を交角法で求める場合のカーブの中心点M.C.は,両側の直線部を延長して求めた交点から,計算によって出された距離と角度によって設定される。
C 路線の施工基面は,現地を測量した結果を図面におとして計算によって求めた盛土量が切取量よりも若干多くなるようにして決定される。
D 設計図書は,林道を図面上に表した設計図および構造物等の各工種別の工事数量を算出して工事ごとの経費を積算した事業費等を記した書類等からなる。
正解はC
IV−25 林道の路面に関する次の記述のうち,最も適切なものはどれか。
@ 林道の路面は砂利道または舗装道とし,砂利道は路面侵食を防止できる構造とすると林道規程に定められている。
A 路面の表層部分は林道の支持力に対する役割を持っていないので,路床に十分な強度を持たせるようにしなければならない。
B 盛土部の施工は,路面の沈下を防止し強固に締め固めができるよう,水分を多く含んだ雨天時に極力行うようにしなければならない。
C 切土部の掘削面の路面支持力はもともとの地山で十分あることから,この部分の敷砂利は不要である。
D 冬季に凍結する地方では,凍結によって路面の支持力が飛躍的に向上することから,略体に水分を多く含ませるよう工夫することが必要である。
正解は@
IV−26 林道の排水施設に間する次の記述のうち,最も適切なものはどれか。
@ 山側のり面から流出してくる湧水には,ヒューム管,コルゲート管等の明渠による排水施設が多用されている。
A 路面排水施設は,路面の降水を効率的に排水するため林道勾配の緩急にかかわらず等間隔に設置する。
B 集水域から流水が集中し渓流等になっている箇所には,一般に橋あるいは暗渠の排水施設が設けられる。
C 排水施設の規模は,排水施設に流入する通常年の流量とその施設が排水できる流量が同一となるようにする。
D 側溝は林道に沿った小面積からの流水の排水施設で,路面からの流水は考慮しないで作設する。
正解はB
IV−27 林道ののり面に関する次の記述のうち,最も適切なものはどれか。
@ 山側ののり肩となる部分の立木は,林道の保護のためのり面のギリギリの所まで残しておくことが望ましい。
A のり面は,雨水による侵食防止の観点から普通土,軟岩,硬岩の順に勾配をゆるくするようにする。
B 盛土のり面が高い場合にはのり面の侵食を防止するため,勾配を急にしてのり長を短くしなければならない。
C 盛土のり面は,路盤の形成後長くおいて安定させた後,工期の最後にのり面の締め固めと植生工を施工する。
D のり面の崩壊は地表の植生や土質,母岩,風化度等に左右され,また,降雨や凍結・融解などの気象条件の影響を大きく受ける。
正解はD
IV−28 機械集材装置の主索に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@ 主索の安全係数は,機械集材装置に使用されるワイヤロープの用途の中で最も大きな数値が決められている。
A 主索として使用できるワイヤロープの宰線の断線は,一よりの間において素線数の10分の1未満でなければならない。
B 主索を取り付ける支柱の頂部を安定させるための控えは,2本以上とし,控え索と支柱のなす角度を30度以上としなければならない。
C 林業架線作業を行うときは,主索の下で荷が落下しまたは降下することにより作業者に危険を及ぼすおそれのある箇所に立ち入らせてはならない。
D 実際に張られた主索の張力は,その無負荷索の一端を木づちや棒で強くたたいて,その振動が支点間を往復する時間を測ることによって知ることができる。
正解は@
IV−29 我が国の近年における林産物の需給に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@ きのこ類の生産額は,特用林産物の総生産額の約80%(平成15年)近くを占めている。
A 木材(用材)の需要(平成15年)は,製材用およびパルプ・チップ用が各約40%,合板用が約15%となっている。
B 新設住宅着工数全体に占める木造住宅の割合(木造率)は,約45%(平成15年)である。
C 木造建築の施工合理化のため,住宅部材のプレカット加工のシェアが,年々増加している。
D 集成材の総生産量は,増加傾向にあり,特に造作用集成材の生産が伸びている。
正解はD
IV−30 木材の組織構造に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@ 広葉樹材は,材の構成細胞の種類が針葉樹材に比べて多く,各細胞の受けもつ機能の分業化,専門化が進んでいる。
A 二次肥大成長は,二次師部と二次木部の間にある維管束形成層(形成層)の分裂細胞の活動によって行われる。
B チロースは,真正木繊維の壁孔を通して,隣接する柔細胞が膨大し,真正木繊維の内こうの一部あるいは全部をふさいだものである。
C もめは,樹幹が風圧や雪圧などにより強く曲げられ,細胞が圧縮破壊によりつぶされたもので,縦断面では細い線状に現れる。
D 木材の基本断面の一つである板日面は,幹軸に平行で樹心(髄)を通らず,年輪に対して接線をなす方向の縦断面である。
正解はB
IV−31 木材の物理的・力学的性質に関する次の記述のうち,誤っているものはどれ か。
@ 木材の電気抵抗と熱膨張率は,繊維方向の値よりも繊維に直角方向の値の方が大きい。
A 含水率変化による木材の収縮・膨潤は,一般に全乾状態から繊維飽和点(FSP)までの含水率の範囲内でおこる。
B 木材の含水率は,一般に木材中の含有水分重量を木材実質重量(全乾重量)で除した値を百分率で表される。
C 木材の強度(強さ)のうちで,せん断強度は,曲げ強度,圧縮強度および引張り強度に比べて大きい。
D クリープは,木材に一定荷重を継続的に加えておくと,変形が時間の経過とともに増加する現象のことである。
正解はC
IV−32 木質系材料に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@ ランバーコア合板とは,幅の狭いひき材を幅はぎして幅広の心板(コア)とし,その表・裏・添え心板に単板を使用したものである。
A Uタイプ・パーティクルボードとは,主としてユリア樹脂系またはこれと性能が同等以上の接着剤を使用して製造したものである。
B シージングボードとは,インシュレーションボード(軟質繊維板)の用途による区分の一種で,乾性油を含浸したものである。
C 大断面集成材とは,構造用集成材の日本農林規格(JAS)によると,短辺が15cm以上,断面積が300cm2以上のものをいう。
D 木毛セメント板とは,木毛,セメント,硬化促進剤および水とを練り合わせ,圧縮成形後に乾燥してつくったボードである。
正解はB
IV−33 木材の加工に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@ インサイジングは,木材保存剤を木材中に注入する際,刃物などにより材表面に傷を付け,薬液を均一に深く浸透させるための処理のことである。
A 振分けあさり(組あさり)は,のこ歯のあさりの一種で,のこの歯先を押しつぶして左右に広げたもので,主として製材用帯のこに用いられる。
B 逆目の平削り切削で,逆目ぼれの発生を防止するためには,かんなの主刃のすくい面上に裏刃(裏金)を取り付けた二枚刃の使用が有効である。
C スライスド単板(平削り単板)は,角材などに製材木取りしたフリッチ(板子)から,スライサーと呼ばれる切削機械で製造される。
D プレカット部材は,木造建築に使う部材の寸法ぎめや継手・仕口の加工などを,予め工場において,機械により加工したものである。
正解はA
IV−34 木材乾燥と木材保存に間する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@ 乾燥による狂いのうち,板材が幅方向に湾曲する幅反り(カップ)は,板目材の場合にその反りの形状は木裏側か凹になる。
A 高い含水率木材の乾燥過程での恒率乾燥期間は,主として自由水が蒸発し,木材表面が繊維飽和点(FSP)に達するまでの期間のことである。
B 人工乾燥では,乾燥室内の温度と関係湿度を適切に調整して割れなどの損傷を生じさせないように乾燥することができる。
C ヒラタキクイムシは,乾材害虫の一種で,比較的大きい直径の道管をもつ広葉樹材などのデンプン量の多い辺材を好んで食害する。
D 白色腐朽菌は,木材の主要成分のセルロース,ヘミセルロースおよびリグニンをともに分解し,その腐朽材は色があせて白色を呈する。
正解は@
W−35 建築材料としての木材特性に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
@ 単位質量あたりの強度である比強度が大きい。
A 生物材料であるため,力学的な性質のバラツキが認められる。
B 熱伝導率が大きいため,断熱性や保温性が低い。
C 材料の方向によって物理的な性質が異なる。
D 湿度調節機能があるため,結露の発生かおこりにくい。
正解はB