平成18年度技術士第一次試験専門科目問題 (応用理学部門) |
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W 次の30問題のうち25問題を選択して解答せよ。(専門科目解答欄に1つマークすること。)
4-1 長さ0.1mのひもの先端につけた質量0.1kgの錘(おもり)が同・平面内で振勤している。錘の振れの角度が小さく、錘の大きさが無視できるほど小さいとしたとき,錘の振動の周期として最も適切なものは次のうちどれか。ただし,重力の加速度を9.8m/s2とする。
(1) 約0.1秒 (2) 約0.3秒 (3) 約0.6秒 (4) 約1.0秒 (5) 約6.0秒
正解は3
4-2 酸性雨に関する以下の記述において,[ ]内に入る用語の組合せとして最も適切なものは次のうちどれか。
化石燃料などの燃焼によって大気中に生成された[ ア ],二酸化窒素などの気体が雨粒に取り込まれたことにより、水素イオン指数(pH)が[ イ ]となった雨を酸性雨という。
ア イ
(1) 二酸化炭素 5.6以下
(2) 二酸化炭素 7.0以下
(3) 二酸化硫黄 5.6以下
(4) 二酸化硫黄 7.0以下
(5) 二酸化硫黄 8.4以上
正解は3
4-3 カルマン渦に関する以下の記述において,[ ]内に入る無次元数として正しいものは次のうちどれか。
円柱を過ぎる流体の流れがカルマン渦列を形成するとき,渦周波数と円柱の直径の積を流体の速度で除したものは[ ]である。
(1) レィノルズ数 (2) ストローハル数 (3) マッハ数 (4) レィリー数 (5) プラントル数
正解は2
4-4 音に関する次の記述のうち,誤っているちのはどれか。
(1) 大気中の音速は温度が高いほど大きい。
(2) 真空中では音は伝わらない。
(3) 海中では深さによらず音速は一定である。
(4) 周波数が高い音ほど空気による音響吸収が大きい。
(5) 超音波を使って固体内に生じた亀裂を探査することができる。
正解は3
4-5 左の粒子性を実証したコンプトン効果に最も関連の薄い事項は、次のうちどれか。
(1) 光子の運動量 (2) エネルギー保存則 (3) フラウンホーファー回折
(4) X線非弾性散乱 (5) クライン・仁科の式
正解は3
4-6 磁性に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
(1) 常磁性体の磁化率は,絶対温度に比例して増加する。
(2) 単体で強磁性を示す元素は,Fe,Mn,Niやいくつかの希土類金属である。
(3) 反強磁性が常磁性に転移する温度を,ネール温度と呼ぶ。
(4) 強磁柱体内部に発生する反磁界の大きさは、磁性体の形状には依存しない。
(5) グラファイトや銅は,磁場中に置かれても全く力を受けない。
正解は3
4-7 元素の周期律表と電子軌道に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
(1) s殼,p殼,d殼に最大入れることのできる電子数は,それぞれ,2,6,8個である。
(2) 希土類元素のf殼軌道には電子が存在しない。
(3) 周期律表の第2周期は、主量子数が2の軌道まで電子がつまっている。
(4) 主量子数の小さな軌道が全て占有されてはじめて,より大きな主量子数の軌道に電子が入ることができる。
(5) アルカリ金属元素は、稀ガス元素に比ベイオン化エネルギーが大きい。
正解は3
4-8 次の事項のうち,固体の格子振動に最も関係の薄い事項はどれか。
(1) バルクハウゼン効果 (2) アインシュタインの比熱式 (3) デバイ温度
(4) デバイ・フラー因子 (5) デュロン・プティの法則
正解は1
4-9 理想気体,理想溶液に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
(1) 圧力が高くなると,液体(1成分)の沸点は上昇する。
(2) 熱の出入りがない状態で気体を膨張させると,温度が低下する。
(3) 定温,定圧では2種の気体の混合は自発的に進行する。
(4) 気体を加熱して温度を上昇させるとき,体積が一定の場合は,圧力が一定の場合よりも多くの熱を必要とする。
(5) 溶液と平衡にある気体中の成分Aの蒸気圧は,溶液中の成分Aのモル分率に比例する。
正解は4
4-10 次の反応や現象のうち,文末に示した元素が還元されるものはどれか。
(1) 水の電気分解による酸素と水素の発生【O】
(2) 四酸化三鉄の加熱による三酸化二鉄の生成【Fe】
(3) 銅−亜鉛電池(通称ダニエル電池)の放電反応【Zn】
(4) 炭酸マグネシウムの加熱による酸化マグネシウムの生成【Mg】
(5) 二酸化マンガンを正極に用いたマンガン乾電池の放電反応【Mn】
正解は5
4-11 炭素材料に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
(1) 層状構造をもつ黒鉛では,層間の炭素間の結合距離は,層面を形成する炭素間の総計距離よりも大きい。
(2) ダイヤモンドは,1つの炭素原子が周囲の4個の炭素原子と等距離で結合したダイヤモンド型構造をもつ。
(3) ダイヤモンドは,黒鉛よりも電気伝導率と熱伝導率がともに小さい。
(4) 炭素網面が繊維軸に沿って配向した構造をもつ炭素繊維は,高い弾性率と引張強度をもつ。
(5) 黒鉛の層間にアルカリ金属などのイオンや分子が入ると,黒鉛層間化合物を形成する。
正解は3
4-12 カルシウムの化合物に閉する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
(1) 炭酸カルシウムに,塩酸と反応して二酸化炭素を発生する。
(2) 炭酸カルシウムは,二酸化炭素を含む水には溶解しないが,純氷にはよく溶解する。
(3) カルンウムイオンを含む水酸アパタイトは,骨や歯の無機質の主成分となっている。
(4) 半水セッコウ(CaSO4・1/2H2O)は,水と混練すると水和して硬化するため,建材などに用いられる。
(5) 塩化カルシウムは,潮解性があり,吸湿材に用いられる。
正解は2
4-13 エチレンジアミン四酢酸(EDTA)にLる金属イオンのキレート滴定に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
(1) EDTAと金属イオンの錯形成平衡はpHに依存するので,緩衝溶液を加えてpHを調整する。
(2) 生じるEDTA錯体の安定度定数が大きいほど,明確な終点を得やすい。
(3) 妨害イオンが存在しても,適切なマスク剤によりその影響を除ける場合がある。
(4) 指示薬は金属-EDTA錯体の安定度定数に比べて、金属−指示薬錯体の安定度定数が大きいものを選ぶ。
(5) 直接滴定だけではなく、逆滴定か行われる場合もある。
正解は4
4-14 酸と塩基に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1) 溶媒中でプロトンを与えるものを塩基,受け取るものを酸とする酸塩基の定義がある。
(2) 水は相手により酸として,あるいは塩基として働く。
(3) 互いに共役な酸と塩基の強さには相関がない.。
(4) 水平化効果のため,水中に存在する化学種で最も弱い酸はオキソニウムイオンとなる。
(5) 共役塩基の安定性が酸の強さを決める。
正解は2
4-15 次の語句のうち、高分子の物性を長す指標として最も不適切なものを選べ。
(1) 結晶化度 (2) 溶解性 (3) ガラス転移点 (4) 沸点 (3) 分散性
正解は4
4-16 以下の記述の[ ]内に入る化合物として,次の組合せのうち正しいものはどれか。
一置換ベンゼンである[ A ]と[ B ]は求電子試薬と反応し、オルトまたはパラ位の置換生成物を与えるが,[ A ]のほうが反応性が高い。これに対し[ C ]はメタ位の置換生成物を与える。
A B C
(1) アミノベンセン クロロベンセン ニトロベンゼン
(2) クロロベンゼン アミノベンセン ニトロベンゼン
(3) アミノベンゼン ニトロベンゼン クロロベンゼン
(4) クロロベンゼン ニトロベンゼン アミノベンセン
(5) ニトロベンゼン アミノベンゼン クロロベンゼン
正解は1
4-17 液体クロマトグラフィーに関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
(1) 分離機構には分配,吸着,イオン交換,サイズ排除,などがあるが,複数の機構が関係する場合がある。
(2) 固定相の極性が移動相の極性よりも高い場合を逆相クロマトグラフィーと呼ぶ。
(3) サイズ排除クロマトグラフィーでは,大きな分子ほど速く溶出する。
(4) イオン交換クロマトグラフィーでは,移動相のpH,および溶存する塩の種類や濃度により保持値が変化することがある。
(5) 送液や検出に対する溶存ガスの影響を除くため,通常,移動相を脱気する。
正解は2
4-18 次の記述のうち,誤っているものはどれか。
(1) 一酸化二窒素は,温室効果ガスであると同時に,オゾン層の破壊に影響を及ぼす成分である。
(2) メタンの発生源としては,石炭採掘や天然ガス採取によるものがほとんどであり,湿地,水田、牛など反すう動物の腸内発酵の寄与は大きくない。
(3) 大気中の二酸化炭素濃度は季節変動を伴いながら年々急速に増加している二とが,様々な観測から明らかとなっている。
(4) フロン11とフロン12は安定であるため大気中に蓄積し,さらに成層圏上部に達したフロンは紫外線により分解され,塩素原子を放出する。
(5) 成層圏オゾンは生物に有害な紫外線を除去するフィルターの役割を果たすのに加えて,成層圏の大気を暖め,成層構造を保持するためにも重要である。
正解は2
4-19 次の記述のうち,誤っているものはどれか。
(1) 人間活動による酸性物質の放出がないとすれば,雨のpHは6.5〜7.5になると推定される。
(2) 海水中にある窒素及びリンは,それぞれ主に硝酸イオン及びリン酸水素イオンとして介在する。
(3) 世界の河川に比較し,我が国の河川水質の特徴はカルシウムイオン濃度,マグネシウムイオン濃度が小さく,溶存ケイ酸SiO2濃度が大きいことである。
(4) 石灰岩地帯の地下水はカルシウムイオン濃度,炭酸水素イオン濃度が大きい。
(5) 藻類プランクトンや水草によって固定された太陽エネルギーが,湖内生態系のエネルギーの源である。
正解は1
4-20 次の記述のうち,誤っているものはどれか。
(1) 粘土鉱物は岩石の風化・変質で生じたものである。
(2) 土壌粒子の隙間に存在する気体の組成は空気とほとんど同じで,二酸化炭素の量がやや多い程度である。
(3) 土壌のB層の色は鉄比合物の種類によって変化し,酸化的な環境では,淡青色を示す。これに対して還元的な環境では赤褐色から黄褐色を帯びることが多い。
(4) 湛水によって水田土の下層では溶存酸素が消費されて還元的な状態となり,土壌粒子中の鉄,マンガンが2価イオンとなって溶出する。
(5) 土壌中の陽イオン交換反応は,1)吸着基の総数は一定,2)吸着体およびそれに接する溶液は電気的に中性に保たれなければならない,という制約条件下で生じる吸着反応である。
正解は3
4-21 次の記述のうち,誤っているものはどれか。
(1) 土壌微生物の炭素源として,セルロース,ヘミセルロース,タンパク質,脂肪,リグニン,キチン,それに土壌特有の有機物質としての土壌腐植などがある。
(2) 水稲のように湛水土壌に生育する水生植物はアンモニアの形で窒素を吸収できるが,陸地土壌に生育する植物の多くは硝酸の形で吸収する。
(3) 土壌中ではリンの大部分がフィチン,核酸,レシチンのような有機態の形で存在し,土壌微生物の活動によって分解,無機化して植物に利用される。
(4) マンガンは土壌中に2価と4価の形で存在する。pHが4.5〜5.0では土壌微生物によるマンガンの酸化・還元作用が顕著に行われる。
(5) 土壌中の無機態硫黄の代謝は,好気的条件下では硫黄酸化細菌によって硫酸(SO04)となり,嫌気的条件下では硫酸還元菌によって硫化水素(H2S)を生成する。
正解は4
4-22 以下の記述の[ ]内に入る割合として、最も適切なものは次のうちどれか。
現在生きている動植物の炭素同位体の割合(原1比)を12C : 13C : I4C = 0.990:0.010:1.2×10^12とする。これと同じ炭素同位体の割合(原子比)をもち,57,300年前に化石となった同種類の動植物の炭素同位体の割合(原子比)は,現在約[ ]に変わっている。
(1) 0.990:0.010:1.2×10^-14 (2) 0.890:0.110:1.2×10^-14
(3) 0.990:0.010:1.2×10^-15 (4) 0.990:0.009:1.2×10^-15
(5) 0.990:0.010:1.2×10^-12
正解は3
4-23 地中レーダに関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
(1) 地中レーダは、主に地下10m以深の調査に適している。
(2) 地中レーダの測定装置は,送信アンテナ,受信アンテナおよび制御装置から構成される。
(3) 地中レーダの測定方法は,プロファイル測定,ワイドアングル測定およびアレイ測定に大別される。
(4) 地中レーダの解析では,測定記録断面上の反射パターンから定性的な解析を行うことが一般的である。
(5) 地中レーダには,アンテナを地表に置く地表型レーダと,アンテナをボーリング孔内に挿入するボアホールレーダの2種類がある。
正解は1
4-24 物理探査法に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
(1) 重力探査は,重力を測定し,その分布状況から地下の密度構造を推定する手法である。
(2) 単一のボーリング孔を利用して,弾性波速度の深さ方向の分布を求める手法を速度検層という。
(3) 屈折法地震探査は,地下の速度の異なる層境界で屈折して戻ってきた屈折波を測定し,地下の速度構造を解析する方法である。
(4) 屈折法地震探査では、地下深部ほど速度が大きい場合,各速度層の速度比が大きいなど速度分割が行いやすく,層厚を決定する精度が高い。
(5) 改削反射法地震探査の手法は,急峻な地形や地表面が凹凸に富むところれる。
正解は5
4-25 電気探査比抵抗法に関する次の記述のうち誤っているものはどれか。
(1) 電極配置は1種類で,ウェンナー配置と呼ばれる。
(2) 電気探査比抵抗法は,地下水,地すべり,トンネル、空洞、ダム、地質構造の調査など土木分野でも多く利用されている。
(3) ウェンナー配置の垂直探査では、測定結果の1次処理として両対数グラフ用紙の横軸に電極間隔aを,縦軸に見掛比抵抗値ρをプロットし,ρ−a曲線を作成する。
(4) 2次元探査を実施する場合,地形に起伏のある測線では、地形の影響を受ける場合がある。
(5) 地層の比抵抗は構成鉱物の種類,構造,風化,変質および含水状態などにより変化し同種の地層であっても大きな幅をもつことが知られている。
正解は1
4-26 ジオトモグラフィに関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
(1) ジオトモグラフィは、ボーリング孔や坑道を利用して対象地盤を取り囲むようにセンサーを配置し,対象地盤の詳細な構造を視覚的に捉える物理探査技術の総称である。
(2) 実用化されているジオトモグラフィには,弾性波トモグラフィ,比抵抗トモグラフィ,電磁波トモグラフィおよび電磁気トモグラフィがある。
(3) 比抵抗トモグラフィの孔内電極は,有孔鋼製管内に配置して測定する。
(4) 比抵抗トモグラフィは,電気探査比抵抗2次元探査と同じ逆解析法で解析する。
(5) 地盤調査に用いる弾性波トモグラフィは,起振点で起振した際に発生する地震波を多くの受振点で観測し,主として初動走時を観測する探査法である。
正解は3
4-27 電気検層に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
(1) 粘性土地盤は,砂質上地盤より一般的に地層の比抵抗が低い。
(2) 不飽和部分は,一般的に地層の比抵抗が高い。
(3) 岩盤では,亀裂が多く風化が進んでいるものの方が比抵抗は低い。
(4) 孔内水に海水が混入していると,地層の比抵抗は著しく高くなる。
(5) 電気検層は裸孔で実施することが基本である。
正解は4
4-28 遠洋性炭酸塩の堆積環境に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
(1) 現在の大洋底において遠洋性石灰質堆積岩が堆積するか否かは,炭酸塩の溶解速度に規制されている。
(2) 海洋の上部数100mは炭酸カルシウムに過飽和であるが,それ以深では次第に不飽和となり,あられ石,方解石の順に溶解し始める。
(3) 炭酸塩の溶解量と供給量が等しくなる深度を炭酸塩補償深度という。熱帯域では炭酸塩補償深度は4,500〜5,000mであるが,高緯度に向けて次第にこの深度は浅くなる。
(4) 炭酸塩補償深度より深い海底では,浮遊性有孔虫や円石藻(ココリス)を主体とする石灰質軟泥が堆積するが,これ以浅では珪質軟泥あるいは赤色粘土が堆積する。
(5) 地質時代の代表的な遠洋性石灰岩としては,北西ヨーロッパや南部アメリカに発達する白亜紀のチョーク層が挙げられる。その大部分が円石藻(ココリス)からなる。
正解は4
4-29 堆積構造は,堆積過程で形成される初生的堆積構造と、堆積後の末凝固段階で堆積物中に形成される二次的堆積構造に分類される。次のうち,二次的堆積構造に分類されるものはどれか。
(1) 級化層理 (2) 葉理 (3) 火炎構造 (4) 流痕 (5) リップル
正解は3
4-30 地下水揚水による地盤沈下は,揚水に伴って地下水位が低下したところで生じるためその影響は広範囲にわたり,一般に広域地盤沈下と呼ぱれている。この広域地質沈下に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 広域地盤沈下は,住宅等の構造物の浮き上がり,道路の波打ち,埋設物の破損等の直接的な被害を及ぼす。
(2) 広域地盤沈下は,低平地において排水機能の低下による浸水や冠水などの二次的な被害が生じる危険性を増大させている。
(3) 広域地盤沈下の主な原因は,過剰な地下水汲み上げによって,その帯水層だけでなく,それに接する粘土層の地下水位も低下し,地盤内の土粒子骨格に作用する応力が増加するために生じる圧密・収縮に起因している。
(4) 広域地盤沈下に大きな影響を与える水位変動は,地下水揚水に伴って変動する不圧地下水位である。
(5) 帯水層が複数存在して地下水位が異なる場合には,対象となる帯水層の深度ごとに観測井を設ける必要がある。
正解は4
4-31 地すべりに関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
(1) 斜面を構成する物質が重力の影響で斜面下方へ移動する現象を総称して,マスムーブメントと呼んでいる。地すべりは崩壊,土石流,落石等と並んでマスムーブメントの一種である。
(2) 地すべりは地質構造的に,背斜構造,流れ盤構造,ドーム構造,キャップロック構造などの部分で発生しにくい。
(3) 泥岩地域などの地すべりはごく緩慢な滑動が長期間続き,雨期や融雪期に比較的大きな移動量を示すことが多い。
(4) 地すべりの最上部に現れる崖を滑落崖という。その勾配は滑落崖を形成する地質の硬軟によって異なるが,その平面形は一般に馬蹄形を呈する二とが多い。
(5) 応急的な地すべり対策工として,滑落崖や開口亀裂をビニルシートで被覆して地下水の浸透を防止する,横ボーリングを掘削して速やかに地下水を排水するなどの工法が策定される。また押え盛上も多く採用されている。
正解は2
4-32 地球表面の高度の頻度分布等に基づく大陸と大洋底の相違点に関する記述について,最も適当なものは次のうちどれか。
(1) 大洋底のモホ面は大陸より深い。
(2) 大洋底には花圈岩質岩石が存在する。
(3) 大洋底では大陸より浸食・運搬・堆積作用が激しい。
(4) 海の平均深度は3,800mと陸の平均高度より大きい。
(5) 大洋底の生成年代の範囲は,0〜30億年である。
正解は4
4-33 鉱床は特定のテクトニックな場に形成される 現在の海底に生成している鉱床に関する記述について,最も適当なちのは次のうちどれか。
(1) 海洋性島弧周辺には,希土類元素の資源として重要なカーボナタイト鉱床が分布する。
(2) コバルトリッチマンガンクラストは海盆に分布する。
(3) 海洋性島弧周辺の海底及びその背弧には,銅・ニッケルに富んだマンガン団塊が分布する。
(4) 中央海嶺や背弧海盆拡大軸には斑岩銅鉱床が存在する。
(5) 海洋性島弧を伴う背弧や火山フロント周辺の海底カルデラなどには,黒鉱鉱床が存在する。
正解は5
4-34 現在,銅資源を産出している鉱床の記述について,最も適当なものは次のうちどれか。
(1) マンガン団塊はニッケルをはじめ銅を多く含んでおり,稼行されている。
(2) 熱水鉱床は新銅元素の資源として重要であり,中央海嶺に多く分布する。
(3) スカルン鉱床は,正マグマ鉱床である。
(4) 斑岩銅鉱床は、斑岩に伴う大規模で低品位の鉱染状の銅鉱床である。
(5) 黒鉱鉱床では,カリ質・フィリック質・プロピライト質の変質帯を形成している。
正解は4
4-35 プレート境界及びそれに関連する鉱床の記述について,最も適当なものは次のうちどれか。
(1) 島弧−海溝系は発散境界の沈み込み帯に分布する。
(2) 黒鉱鉱床はマリアナ型の沈み込み帯に分布する。
(3) 中央海嶺は収束境界であり,新たなプレートが生産される。
(4) 斑岩銅鉱床はマリアナ型の沈み込み帯に伴う。
(5) 砂岩型ウラン鉱床は収束境界に分布する。
正解は2