平成18年度技術士第二次試験問題(経営工学部門) ●経営工学一般 択一問題および正解 |
提供:Dr.Kさん |
択一問題
2-1 次の20問題のうち15問題を選んで解答せよ(解答欄に1つだけマークすること)。
2-1-1 次に挙げた分析方法のうち,作業研究に用いられる分析方法として最も不適切なものを選べ。
(1) 製品工程分析
(2) 作業者工程分析
(3) PTS法
(4) ABC分析
(5) 連合作業分析
正解は4
2-1-2 工程の編成に関する次の記述のうち,最も不適切なものを選べ。
(1) ロット生産では,工程待ちとロット待ちがあるが,ロットサイズを大きくすればするほど,工程待ちが多くなる。
(2) 機械中心に編成する場合,多工程持作業では,一般に,ネックの機械以外の機械に待ちが生じ,機械稼働率が低下する。
(3) 間欠型ラインであるタクト生産方式(タクト・システム)は,一定時間ごとに全工程め加工品または作業者が一斉に次工程に移動する方式である。
(4) 多台待作業では,作業者当たりの適正な受持ち台数は,機械干渉の関係から作業者と機械の稼働率を最も高めるように設定する。
(5) タクトタイムは,サイクルタイムあるいはピッチタイムともいう。
正解は1
2-1-3 次の記述のうち,最も適切なものを選べ。
(1) 生産予測の目的には,設備投資計画や大・中日程計画の予測があげられるが,いずれの場合も予測期間は目的にかなう最も長い期間をとるのが効果的である。
(2) 余力管理における余力は,能力と負荷との差を工数で表したものであるが,余力管理を工数管理とは言わない。
(3) 生産統制で使用される流動数曲線は,一般に,多品種少量生産に適している。
(4) 個別生産とは,個々の注文に応じて,その都度,設計を行い,1回限りの生産を実施する形態であり,複数個を生産する場合は個別生産とは言わない。
(5) 生産管理で対象とする現品とは,製品や部品のような物理的に管理される有形の生産対象物である。
正解は5
2-1-4 次の用語のうち,生産性を定義するものとして最も不適切なものを選べ。
(1) 労働量
(2) 投入資本
(3) 生産金額
(4) 付加価値
(5) リードタイム
正解は5
2-1-5 技術イノベーションが求められている。「技術の革新性」と「市場への対応」の2軸で考えてイノベーションを定義する次の用語のうち,最も不適切なものを選べ。
(1) 全くの新技術によって,新規市場を創造する構造的(Architectural)イノベーション
(2) 創られつつある市場に,既存技術で対応する緊急的(Instant)イノベーション
(3) 既存技術を用いて,新規市場を開拓するニッチ創造(Niche Creation)イノベーション
(4) 既存技術をより高めて,既存市場を更に追求する通常的(Regular)イノベーション
(5) 既存市場をより深めるために,既存技術を破壊する革命的(Revolutionary)イノベーション
正解は2
2-1-6 戦略策定のツールであるSWOT分析に関する次の記述のうち,最も不適切なものを選べ。
(1) 企業が置かれている状況を分析する。
(2) Strengths, Weaknesses, Opportunities, Threatsの頭文字から命名された。
(3) 企業の内部要因と外部環境を考慮した戦略構築に使用される。
(4) 利点の一つは,営利,非営利に関わらず適用できる点てある。
(5) 分析に供された情報が同じであれば、分析者が異なっても同じ結果を得ることが出来る。
正解は5
2-1-7 顧客にとってのサービス価値(=サービスの品質/サービスのコスト)を定める次の記述のうち,最も不適切なものを選べ。
(1) サービスの価値は,顧客が定める。
(2) サービスの価値は,経営者が人を多く雇い,設備を新設レ低価格で提供すれば高まる。
(3) サービスの品質は,期待と実績の差から決まる。
(4) サービスの品質には,サービス結果で決まる品質とサービス過程で決まる品質がある。
(5) サービスを受ける際のコストは,サービスを受けるに要した金銭的コストと非金銭的コストの両方である。
正解は2
2-1-8 プロジェクト組織に関する次の記述のうち,最も不適切なものを選べ。
(1) プロジェクト型組織では,プロジェクトマネジヤーの権限が最も高い。
(2) 機能型祖織では,プロジェクトマネジヤーは主としてコーディネーションを担当し,専任ではない。
(3) 強いマトリックス型組織では,プロジェクトのアドミニストレーションのスタッフは専任である。
(4) クロスファンクショナルチームは,プロジェクトチームではない。
(5) プロジェクトオフィスには,支援型,管理型およびライン型などの形態がある。
正解は4
2-1-9 次の記述のうち,ユニバーサルデザインの原則として最も不適切なものを選べ。
(1) 誰にでも公平に利用できること。
(2) 簡単に直感的にわかる使用法となっていること。
(3) うっかりミスや危険につながらないデザインであること。
(4) 無理な姿勢や強い力なしに楽に使用できること。
(5) いつでもどこでも利用できること。
正解は5
2-1-10 次の用語のうち,環境への配慮に係る用語として最も不適切なものを選べ。
(1) リデュース
(2) ライフサイクルアセスメント
(3) リユース
(4) アクセシビリティ
(5) リサイクル
正解は4
2-1-11 次の記述のうち,共同物流の目的として最も不適切なものを選べ。
(1) 物流業務の効率化
(2) 顧客サービスの向上
(3) 流通在庫の削減
(4) 交通混雑の緩和
(5) 環境負荷の軽減
正解は3
2-1-12 平成17年11月に「総合物流施策大綱(2005-2009)」が閣議決定された。次の記述のうち,この大綱の施策目標として最も不適切なものを選べ。
(1) スピーディで円滑かつ低廉な国際・国内一体となった物流の実現
(2) グリーン物流など効率的で環境にやさしい物流の実現
(3) 消費者や市場のニーズを重視した効率的物流システムの実現
(4) 各企業独自での物流システム改善によるコストの低減
(5) 国民生活の安全・安心を支える物流システムの実現
正解は4
2-1-13 オペレーションズ・リサーチの手法に関する次の記述のうち,最も不適切なものを選べ。
(1) 指数平滑法は観測値が古くなるにつれて指数的に重みを増加させる需要予測手法である。
(2) デルファイ法は多数の専門家に同一のアンケート調査を繰り返し,回答者の意見を収れんさせる手法である。
(3) 動的計画法は多段階の決定過程を対象とし,最適政策の任意の部分も最適政策であるという最適性の原理に基づく最適化の手法である。
(4) 一対比較法は代替案の中から一対ずつのあらゆる祖み合わせをつくり,相互の優劣を比較し,代替案の順位を決定する評価手法の一つである。
(5) 層別抽出法は母集団をなるべく各層の中が同質になるように分解した上で,各層から単純任意抽出を行う標本調査の手法である。
正解は1
2-1-14 信頼性に関する次の記述のうち,最も不適切なものを選べ。
(1) 故障樹木解析(FTA)は,故障事象と基本事象との論理的関係の究明に用いられる。
(2) 故障強度率は,故障のため設備が停止した時間の割合を示す指標である。
(3) 平均故障間隔(MTBF)は,設備が故障してから次に故障するまでの時間の平均値である。
(4) 平均故障間隔(MTBF)の値が大きいほど,保全活動が効率よく行われていることを示している。
(5) 平均修復間隔(MTTR)は,故障した設備を運用可能状態へ修復するために必要な時間の平均値である。
正解は3
2-1-15 ナレッジ・マネジメントに関する次の記述のうち,最も不適切なものを選べ。
(1) ナレッジ・マネジメントはナレッジを共有,活用できるようにする管理システム手法である。
(2) ナレッジ・マネジメントにより管理されるものは,電子的に蓄積できるものだけではなく,有益と考えられる情報全てが対象となる。
(3) ナレッジ・マネジメントにおいて,知の移転は重要な要素の1つである。
(4) SECIモデルは,暗黙知から新たに形式知を得る表出化プロセスと,形式知から新たに暗熟知を得る内面化プロセスの2つのプロセスから或る。
(5) 組織内で管理されているマニュアルや事例集もナレッジとみなされる。
正解は4
2-1-16 線形回帰モデルyi=βo+βixi+εiに対して,最小二乗法を用いた回帰分析を行う。ただし,yiは目的変数,xiは説明変数,βo,β1は回帰係数,εiは誤差を表し,誤差は互いに独立に正規分布N(0,σ2)に従うとする。このとき,次の記述のうち,最も不適切なものを選べ。
(1) 回帰係数の推定値は,残差の平方和を最小にする。
(2) 回帰係数の推定値は,正規方程式の解として求まる。
(3) 回帰係数の推定値は,不偏推定量である。
(4) 回帰係数の推定値は,互いに独立である。
(5) 回帰係数の推定値は,正規分布に従う。
正解は4
2-1-17 現時点で100万円の投資を行うと,1年後に70万円,2年後に60万円を受け取ることができる。それ以降の受け取りはないものとする。この投資の内部収益率として最も適切なものを次の中から選べ。
(1) 15% (2) 20% (3) 30% (4) 65% (5) 130%
正解は2
2-1-18 さまざまな要素が株式オプションの価値に影響を与える。ある1つの要素のみが変化もしくは異なった場合(他の要素を不変とした場合),次の記述のうち,最も不適切なものを選べ。
(1) 株価のボラティリティが上昇すると,オプション価値は減少する。
(2) 行使価格の低いコール・オプションの価値は,行使価格の高いコール・オプションの価値よりも高い。
(3) 無リスク金利が上昇すると,プット・オプション価値は減少する。
(4) 株価が上昇すると,コール・オプション価値は増加するが,プット・オプション価値は減少する、
(5) 満期までの時間が長ければ長いほど,アメリカン・オプションの価値は高くなる。
正解は1
2-1-19 株式Aに対するコール・オプションを1単位保有しているものとする。株式Aの価格が変化すると,このコール・オプションの価格も変化する。保有するコール・オプションと組み合わせたときに,このリスクをヘッジする手段として最も効果が高いものを次の中から選べ。
(1) 株式Aの買い
(2) 株式Aに対する先物の売り
(3) 株式Aに対するプット・オプションの売り
(4) 無リスク資産の買い
(5) 無リスク資産の空売り
正解は2
2-1-20 ポートフォリオ選択に関する次の説明のうち,最も適切なものを選べ。
(1) 効率的ポートフォリオとは,期待リターンが最大のポートフォリオである。
(2) 適切な分散投資は・期待リターンを減少させる.
(3) 分散投資によるリスク低減効果は,正の相関が強いものを組み合わせるほど顕著になる。
(4) 一般に,少数の銘柄に集中投資するよりも,多くの銘柄に分散投資をした方が総リスクは小さくなる。
(5) 十分に分散されたポートフォリオでは,リスクの大半が固有リスク(非システマティック・リスク)となる。
正解は4