平成19年度技術士第二次試験問題
(経営工学部門)
提供:八方斎さん

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経営工学一般
専門問題
生産マネジメント
サービスマネジメント
ロジスティクス
数理・情報
金融工学
経営工学一般

2 次の5問題のうち3問題を選んで解答せよ。
  (問題毎に答案用紙を替えて解答問題番号を明記し、それぞれ1枚以内にまとめよ。)
  1. 部品を見込生産で在庫として持ち、完成品の組立は受注してから行う形態をストックポイント型生産という。この生産体制の特徴を挙げ、実施にあたってのポイントを説明せよ。

  2. ビジネス環境が変化し、製品の製造のみならず、顧客に対する個別対応やサービスの提供などが求められている。サービス業務の主な特徴として、無形性、生産と消費の同時性、顧客との共同作業などが挙げられるが、これらを考慮して、顧客価値の創出を目指すサービス提供業務にかかわるビジネスプロセスの構成、関係者の役割分担、責任範囲について述べよ。

  3. 物流(包装および流通加工を含む)にかかわる環境問題とその対策について、例を挙げて説明せよ。

  4. PDCAサイクルの要点について、具体例を示して説明せよ。

  5. 将来が不確実な投資プロジェクトにおいて、企業がもつ経営の柔軟性(選択肢)をリアルオプションと呼ぶ。投資プロジェクトの価値の経済性評価法の一つであるリアルオプション・アプローチについて例を挙げて説明せよ。
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専門問題

生産マネジメント

1 次の2問題について解答せよ。

  1. 次の問いについて解答せよ。(問題番号を明記し、2枚以内にまとめよ。) 
    1. 生産性は、産出量/投入量の比で表される。これを生産の構成要素(3M:Man、Machine、Material)に基づいて表せ。
    2. 機械加工、手扱加工、組立作業からなる職場がある。この職場の生産性(総合能率)の向上策をあげよ。なお、解答では、向上策を内容によって大別し、それぞれに具体的な対策をあげよ。

  2. 次の3設問のうち2設問を選んで解答せよ。(設問毎に答案用紙を替えて解答設問番号を明記し、それぞれ2枚以内にまとめよ。)

    1. ある工程において特性値の規格外れが多発している(特性値は計量値で、工程検査で全数測定している)。従来は管理状態にあり工程能力も項知恵能力指数Cpは1.33から1.66で十分であったが、ここ1ヶ月では5%の規格外れが発生した。
      1. 1ヶ月のデータを、どのように解析すればよいかを述べよ。
      2. 応急対策と恒久対策に分け、その方向性を述べよ。
      注)工程能力指数Cpは以下の式で算出される肯定能力を表す指標である。
        Cp=(上限規格−下限規格)/6σ
      1. 標準時間を設定することの意義と用途を説明せよ。なお、用途は、PDCAサイクルに基づいて整理して示せ。
      2. 多種少量の服飾製品を受注生産で製造する縫製工場において、標準時間を設定する際に適切だと思われる手法と、それを採用した理由を示せ。

    2. 受注・ロット生産で、部品加工及び組立てを行っている工場の納期遅延対策について述べよ。なお、解答では、(1)計画面、(2)管理面、(3)遅延回復及び分析面に分類して、それぞれに具体的な対策をあげよ。
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サービスマネジメント

1 次の2問題について解答せよ。

  1. サービスマネジメントの実施においては、提供するサービスの内容を明確にすることが重要である。サービス提供活動にかかわる構成要素は、顧客、業務、担当者であるが、サービス内容を決めるために担当者に求められる役割およびサービスの質を支配する資質、スキルについて述べよ。(問題番号を明記し、2枚以内にまとめよ。)

  2. 次の3設問のうち2設問を選んで解答せよ。(設問毎に答案用紙を替えて解答設問番号を明記し、それぞれ2枚以内にまとめよ。)

    1. サービスの提供に関わる業務には、サービス内容が明確なものと不明確なものがある。それぞれの場合について、顧客の要求を充たすサービスを提供するには、どのような課題があり、それらをどのように解決すればよいかを述べよ。

    2. 生産活動におけるサービスマネジメントでは、モノを生産して、顧客に提供し、製品が満足できる機能を発揮したかどうかを見定めるまでの全プロセスを対象とする。
      生産システムの構築に関するエンジニアリング・サービスを提供する業務において、生産活動におけるサービスマネジメントの視点から、次の2問のうち1問を選んで答えよ。
      1. 受託サービス業務を遂行するにあたり、依頼先の問題を明らかにするためには、一般にどのような手順に従って、何を明らかにする必要があるか。
      2. 性状が一定でない原料を受け入れ、所定の製品品質を製造する必要があるとして、生産現場のオペレーション要求を充たすためには、どのような設備構成を計画する必要があるか。

    3. 事業化をはじめ、種々の計画には、共通してシステムズアプローチが有効な手段として広く認知されている。目標が設定され、候補としてあげられる案に対する評価項目が決められたとき、どのような手順で、計画案をまとめ、最終的に最適な候補を選択・決定するかについて述べよ。
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ロジスティクス

1 次の2問題について解答せよ。

  1. 物流(包装及び流通加工を含む)の改善課題を1つ挙げ、その改善について構想検討から実施に至るまで、どのように進めるべきか、その手順を説明せよ。(問題番号を明記し、2枚以内にまとめよ。)

  2. 次の4設問のうち2設問を選んで解答せよ。(設問毎に答案用紙を替えて解答設問番号を明記し、それぞれ2枚以内にまとめよ。)

    1. 生活者包装の要件と今後の方向性について説明し、普及のための課題と展望についてあなたの見解を述べよ。

    2. 輸送方法の合理化に関する取り組み事例を説明し、普及のための課題と展望についてあなたの見解を述べよ。

    3. ロジスティクスとサプライチェーンマネジメントの概念について説明し、両者の関連についてあなたの見解を述べよ。

    4. VMI(Vender Managed Inventory)の意味について説明し、どのような特徴や利点があるのか、あなたの見解を述べよ。
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数理・情報

1 次の2問題について解答せよ。

  1. 次の手法について要点を説明せよ。(問題番号を明記し、答案用紙2枚以内にまとめよ。)
       1)FTA(Fault Tree Analysis)
       2)QFD(Quality Function Deployment)
       3)シミュレーション
       4)リスクアセスメント

  2. 次の3設問のうち2設問を選んで解答せよ。(設問毎に答案用紙を替えて解答設問番号を明記し、それぞれ2枚以内にまとめよ。)

    1. デポから複数の販売店に商品を配送する最適経路を求める運搬経路問題を考える。運搬経路問題に必要な情報を整理・分類して説明せよ。

    2. ある特性値に影響を与えると考えられる2つの因子を取り上げ、二元配置法による実験及び解析を行うにあたって、注意すべき点について述べよ。

    3. 信頼性の高いシステムを構築し、維持していくための方策について、a)耐久性、b)保全性、c)設計信頼性の観点から述べよ。
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金融工学

1 次の2問題について解答せよ。

  1. 一期間の二項骨子(もしくは二項ツリー)でオプション価値を評価する方法について、例を挙げて説明せよ。その例を一般化し、リスク中立評価法について説明せよ。(問題番号を明記し、答案用紙2枚以内にまとめよ。)

  2. 次の3設問のうち2設問を選んで解答せよ。(設問毎に答案用紙を替えて解答設問番号を明記し、それぞれ2枚以内にまとめよ。)

    1. 資本資産評価モデルによると、リスク資産へ投資した場合の期待リターンはその銘柄が持つ組織的リスクが大きいほど高くなるが、非組織的リスクの大きさには影響されない。その理由を説明せよ。

    2. 多くの企業収益は天候の影響を受けやすい。その収益変動のリスクを回避するための一つの方法として、天候デリバティブを用いる方法がある。収益に天候が影響する例を3つ以上挙げよ。その中の1つを取り上げて、具体的に起こりうる収益変動を説明し、その収益変動のリスクを回避するための天候デリバティブの商品設計を具体的に行え(仮想的な企業や事業を想定して説明してよい)。さらに、その際に生じる問題点やその対応策も述べよ。

    3. プロジェクトへの投資を判断する場合、その経済的価値を評価することが重要である。キャッシュフローの予測、資本コストの推定、経済的価値の評価と投資判断の各フェーズを考え、その方法について説明せよ。
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