平成17年度技術士第二次試験問題(環境部門) ●環境影響評価 |
提供:九州男児さん |
経験論文 1-1 選択科目 1-2 環境一般 2-1 環境一般 2-2 択一問題の正答 |
【環境影響評価】
Ⅰ-1 次の問題について解答せよ(解答用紙6枚以内にまとめよ。)
あなたが環境影響評価の技術的責任者として実施に携わった業務のうち、技術士業務として適当と思われる事例を2つ挙げ、(1)の項目について述べよ。次に、そのうち1つを取り上げ、(2)、(3)、(4)の項目について述べよ。
(1)業務の概要
(2)その業務における技術的問題と具体的に講じた対応策
(3)現時点での評価
(4)残された課題とその解決方策
Ⅰ-2 次の4問題のうち2問題を選んで解答せよ。(緑色の答案用紙を使用し、問題ごとに用紙を替えて解答問題番号を明記し、それぞれ3枚以内にまとめよ。)
Ⅰ-2-1 環境影響評価準備書の作成において、国のガイドライン(基本的事項)を踏まえ、環境保全のための措置を講ずるに際して留意すべき課題について述べよ。
Ⅰ-2-2 道路の新設事業の環境影響評価を実施するにあたり、代表的な環境要素である大気環境(大気質、騒音、振動)に関し、次の項目について述べよ。
(1)現況調査手法と留意点
(2)予測の手法と留意点
(3)評価の手法と留意点
Ⅰ-2-3 環境影響評価項目の中で、「環境への負荷」として取り上げられている「温室効果ガス等」に関し、その調査・予測・評価の手法と留意すべき技術的な課題について述べよ。
Ⅰ-2-4
埋立事業が干潟に及ぼす環境影響評価を実施するにあたり、干潟の水質浄化機能に着目して調査、予測及び評価を行う場合、生態系モデルを用いた手法について述べよ。
【環境一般】
Ⅱ-1 次の20問のうち15問題を選んで解答せよ。(解答欄に1つだけマークすること。)
Ⅱ―1―1 近年は中高年までも含む登山ブームであり、各地で山々の観光化が進んでいる。美しい山峰は、多くの自然公園とも関わりが深い。次のうち、「日本百名山」にも数えられ全国的に名高い山名<山頂名>と、その属する公園名の組合せとして正しいものを選べ。
①十勝岳、トムラウシ山、羅臼岳、大雪山<旭岳>、利尻岳 大雪山国立公園
②月山、飯豊山、蔵王山<熊野岳>、吾妻山<西吾妻山>、那須岳<茶臼岳> 磐梯朝日国立公園
③男体山、至仏山、妙高山、赤城山<黒檜山>、谷川岳<オキノ耳> 日光国立公園
④立山<大汝山>、鹿島槍ヶ岳、穂高岳<奥穂高岳>、薬師岳、乗鞍岳<剣ヶ峰> 中部山岳国立公園
⑤仙丈岳、北岳、金峰山、白山<御前峰>、鳳凰山<観音岳> 南アルプス国立公園
Ⅱ―1―2 我が国が参加する自然環境の保全に関する国際的な取り組みに関する次の記述について、正しいものを選べ。
①森林の保全と持続可能な経営を評価するための基準・指標についての国際的な取り組みが進められているが、我が国は、欧州以外の温帯林・熱帯林を対象とした「モントリオール・プロセス」に参加している。
②平成14年11月に開催された「ラムサール条約」第8回締約国会議で、宮島沼(北海道)、藤前干潟(愛知県)及び尾瀬ヶ原(福島県、新潟県、群馬県)がラムサール条約として登録された。
③「砂漠化対処条約」のもとで平成15年に開催された第6回締約国会議で、開発途上国が行う地球環境保全のためのプロジェクトに対し有償金協力として、地球環境ファンド(GEF)を同条約の資金メカニズムに加えることが決議された。
④遺伝子組み換え生物の利用による生物多様性への悪影響を防止するための国際的な枠組みである。「カルタヘナ議定書」に対応するため、我が国は国内制度を整備し、平成15年に同議定書を締結した。
⑤我が国では、「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」に基づく世界自然遺産として、屋久島、白神産地に加え、平成16年1月までに知床など5地域が登録された。
Ⅱ―1―3 次の各計画とその根拠となっている法律名の組合せで、誤っているものを選べ。
①「京都議定書目標達成計画」―「地球温暖化対策の推進に関する法律」
②「公害防止計画」―「環境基本法」
③「交通公害防止計画」―「自動車NOx・PM法」
④「環境基本計画」―「環境基本法」
⑤「循環型社会形成推進基本計画」―「循環型社会形成推進基本法」
Ⅱ―1―4 京都議定書に関する次の記述のうち、正しいものを選べ。
①京都議定書では、排出の抑制及び削減に関する数量化された約束の対象となる温室効果ガスを二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、ハイドロフルオロカーボン、パーフルオロカーボン、二酸化硫黄としている。
②京都議定書では、気候変動枠組条約における附属書Ⅰ国(主に先進国)の温室効果ガス排出量について、法的拘束力のある数値目標を設定している。この数値目標は、基準排出量と比べて、例えば米国-6%、ロシア0%、日本は-8%と定められている。
③共同実施(JI)は、非附属書Ⅰ国(途上国)同士が協力して、非附属書Ⅰ国内において排出削減(又は吸
収増大)プロジェクトを実施し、その結果生じた排出削減量(又は吸収増大量)に基づいてクレジット(ERU)が発行される仕組みである。
④クリーン開発メカニズム(CDM)は、附属書Ⅰ国(主に先進国)が関与して、非附属書Ⅰ国(途上国)
において排出削減(又は吸収増大)プロジェクトを実施し、その結果生じた排出削減量(又は吸収増大量)に基づいてクレジット(CER)が発行される仕組みである。
⑤京都議定書は、2004年11月にロシアがこれを批進したことにより、発効要件を満たし、2005年2月に発効したが、2005年3月現在、京都議定書を批進していない附属書Ⅰ国(主に先進国)には、米国、オーストラリア、ニュージーランド、ブラジルなどが含まれる。
Ⅱ―1―5 廃棄物処理に関する次の記述のうち、正しいものを選べ。
①自動車リサイクル法によれば、自動車が使用済みとなった場合、その自動車から発生するフロン類、エアバック類及びシュレッダーダストを自動車製造業者等が引き取り、リサイクル(フロン類については破壊)する。
②平成10年から平成15年の期間で、産業廃棄物の不法投棄の推移をみると、不法投棄件数、不法投棄量は、ともに増大し続けている。
③平成14年度における全国の一般廃棄物の排出及び処理状況等の調査結果によれば、前年度に比べて、ごみ総排出量と最終処分量は増加し、総資源化量・リサイクル率は減少した。
④循環型社会形成推進地域計画は、市町村(人口5万人以上又は面積400km2以上の計画対象地域を構成する)を対象に、廃棄物の焼却処理・埋め立てを総合的に推進することを目的として策定される。
⑤平成15年度における容器包装リサイクル法に基づく分別収集を実施する市町村数は増加し、また、分別収集量、再商品化も増加している。
Ⅱ―1―6 化学物質対策に関する次の記述のうち、正しいものを選べ。
①「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」は、難分解性の性状を有し、かつ、人の健康を損なうおそれ又は動植物の生息若しくは生育に支障をおよぼすおそれがある化学物質に着目して規制を行っている。
②「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」(PCB対策特別措置法)の施行により、拠点的な処理施設の整備が進められ、国内に保管されていたPCB廃棄物の無害化処理は現在ほとんど完了している。
③「残留性有機汚染物質に関するスットクホルム条約」(POPs条約)の対象12物質は、過去何らかの
用途があって製造されたものであり、非意図的に生成する物質は含まれていない。
④厚生労働省の平成14年度の調査結果では、わが国の1人あたりのダイオキシン類の食品からの摂取量は、平成9年度からほぼ横這いで、減少の傾向にはない。
⑤「土壌汚染対策法」では、土壌の特定有害物質による汚染の状況の把握に関する措置及びその汚染による人の生活環境にかかる被害の防止に関する措置を定め、国民の安全性を確保することとを目的としている。
Ⅱ―1―7 世界の保護地域に関する次の記述のうち、正しいものを選べ。
①国際自然保護連合(IUCN)による保護地域のカテゴリー区分では、国立公園とは主に景観保全と自然資源の持続可能な利用とを目的とする保護地域である。
②「ラムサール条約」では、内水面の湿地のみが登録対象で、海域の干潟は対象とならない。
③途上国を中心とした熱帯林開発などののために、世界の陸地の保護地域面積は最近の20年間で半減している。
④「世界遺産条約」に基づいて、我が国で自然遺産が登録されたのは、「世界遺産条約」の採択から20年以上も後である。
⑤「生物多様性条約」に基づく原生自然環境保全地域として、我が国では知床、十勝川源流部、白山、南硫黄島、大井川源流部、屋久島の6地域が指定されている。
Ⅱ―1―8 「環境影響評価法」の目的規定に関する記述として、下線を付した箇所のうち、誤っているものを選べ。
この法律は、①土地の形状の変更、工作物の親設等の事業の実施に当たりあらかじめ環境影響評価を行うことが環境の保全上極めて重要であることをにかんがみ、環境影響評価について②事業者の責務を明らかにするとともに、規模が大きく環境影響の程度が著しいものとなる③おそれがある事業について環境影響評価が適切かつ円滑におこなわれるための手続その他所要の事項を定め、その手続等によって行われた環境影響評価の結果をその事業に係る④環境の保全のための措置その他のその事業に関する⑤決定に反映させるための措置をとること等により、その事業に係る環境の保全について適正な配慮がなされることを確保し、もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に資することを目的とする。
Ⅱ―1―9 次の記述のうち、土壌汚染対策法施行規則第5条第四項第二号の規定に基づく環境大臣が定める土壌調査対象物質に係る内容(含有量調査の測定法等)として、誤っているものを選べ。
①特定有害物質として指定されている物質は、カドミウム及びその化合物、銅及びその化合物、六価クロム化合物、シアン化合物、水銀及びその他の化合物、セレン及びその化合物、鉛及びその化合物、砒素及びその化合物、ふっ素及びその化合物、ほう素及びその化合物の10項目である。
②採取した土壌はポリエチレン製容器又は測定の対象とする物質が吸着もしくは溶出しない容器に収める。試験は土壌採取後直ちに行う。試験を直ちに行えない場合には、暗所に保存し、できるだけ速やかに試験を行う。
③採取した土壌は風乾し、中小礫、木片等を除き、土塊、団粒を粗砕した後、非金属製の2mmの目のふるいを通過させて得た土壌を十分混合したものを分析用試料とする。
④作成した試料の重量とこれを摂氏105℃で約4時間乾燥してえたものの重量を比べて当該試料に含まれる水分の量を測定し、別に定められた方法で測定された対象物質の量を当該乾燥して得たもの1kgに含まれる量に換算して表示する。
⑤特定有害物質土壌含有量測定をおこなうための検
液の作成方法は、以下の3法に大別される。(1)濃度の規定された塩酸と一定の割合の試料を混合し常温、常圧下で振とう機を用いて2時間連続して振とう処理して作製する。(2)濃度の規定された炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム混合溶液を用いて上述と同様に処理する。(3)蒸留フラスコに試料と水を入れ、中和した後一定量の酢酸亜鉛溶液及び硫酸を入れて蒸留し、水酸化ナトリウム溶液に留出分をトラップして処理する。
Ⅱ―1―10 現在進められた入る自然再生事業において「自然再生」の基本理念として適切でないものを次の中から選べ。
①生物の多様性の確保を通じて、自然と共生する社会の実現等を旨とすること。
②専ら行政機関によって、透明性を確保しつつ自主的かつ積極的に行われること。
③地域の自然環境の特性、自然の復元力、生態系の微妙な均衡を踏まえ、かつ、科学的な知見に基づいて行われること。
④自然再生事業の着手後も自然再生の状況を監視し、その結果に科学的な評価を加え、これを事業に反映させる方法により行われること。
⑤自然環境学習の場としての活用への配慮が必要なこと。
Ⅱ―1―11 新幹線鉄道騒音の測定・評価の方法として誤っているものを次ぎの中から選べ。
①原則として連続して通過する20本の列車について、各列車の騒音のピークレベルを読み取る。
②騒音計の動特性は遅い動特性(SLOW)を用いる。
③測定は、屋外において原則として地上1.2mの高さで行う。
④測定点は、当該地域の新幹線鉄道騒音を代表すると認められる地点のほか新幹線鉄道騒音が問題となる地点を選定する。
⑤評価は、定められた方法で求めた測定値の大きさが上位半数のものを算術平均して行う。
Ⅱ―1―12 「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」に関する次の記述のうち、正しいものを選べ。
①国内希少野生動植物種に指定されていても生息地保護区外なら捕獲、採取は規制されない。
②国内希少野生動植物種の生息・生育地のほとんどが生息地等保護区に指定されている。
③生息地等保護区の管理地区内で工作物を新築する場合には環境大臣の許可が必要である。
④国内希少野生動植物種のうち、特に保護増殖事業が急がれる種は緊急指定種に指定される。
⑤国内希少野生動植物種は生物多様性条約に基づいて指定される。
Ⅱ―1―13 pH計とガラス電極を用いた水素イオン濃度(pH)の測定に関する次の記述のうち、正しいものを選べ。
①pH測定に使用したガラス電極は純水でよく洗浄した後、十分乾燥した状態でデシケータ中に保存するのがよい。乾燥保存したガラス電極は、次回の測定時に直ちに使用することができる。
②工場排水試験方法(JISk0102)では、pH標準液として、しゅう酸塩pH標準液、フタル酸塩pH標準液、中性りん酸塩pH標準液、ほう酸塩pH標準液、炭酸塩pH標準液の5種類が採用されている。
③pH計の校正はゼロ校正とスパン校正で行うが、
pH測定法(JISk8802)では、ゼロ校正にはフタル酸塩pH標準液を用い、スパン校正にはそれ以外のpH標準液を測定する試料のpH値に応じて適宜用いることが定められている。
④pH測定法(JISk8802)では、pH計をその性能により3形式(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ)に分類しているが、工場排水試験方法(JISk0102)では、このうち形式Ⅲ(pH測定の繰り返し性±0.1)のpH計を使うこととされている。
⑤pH計が11以上の試料の測定では、通常のガラス電極を用いるとアルカリ誤差を生じ、その測定値が高くなるおそれがある。特に、アルカリ金属イオン濃度が高いと誤差が大きくなるので、アルカリ誤差の少ない電極を使用したほうがよい。
Ⅱ―1―14 環境影響評価において、騒音振動の環境保全目標値として環境基準や規制基準を採用しているが、次のうちお誤っているものを選べ。
①騒音に係る環境基準
②振動に係る環境基準
③航空機騒音に係る環境基準
④振動規正法に基づく特定工場等の規制基準
⑤在来線鉄道の新設又は大規模改良に際しての騒音対策の指針
Ⅱ―1―15 植生図には様々な種類があるが、つぎのうち「現在のヒトの影響から解放されて自然に放置されるものと仮定したとき、その立地に成立しうる自然植生」を表した植生図はどれか。
①現存植生図 ②原生植生図 ③潜在植生図
④相観植生図 ⑤植生自然度図
Ⅱ―1―16 水試料の微量成分分析は試料採取後、直ちに分析するのが原則であるが、限られた時間内に分析できないため保存処理を行う場合、その方法として誤っているものを次の中から選べ。
①溶存態リン化合物の試験に用いる試料は、採水後速やかにろ過処理を行ったろ液を試料とする。試料水1Lにつきクロロホルム約5mLを加えて0~10℃の暗所に保存する。
②ヘキサン抽出物質を試験する試料は、容器の移し替えや分取をしないで、塩酸を加えてpHを4以下にして保存する。
③溶存マンガン、溶存鉄、クロム(六価)、などを除く多くの重金属の試験に用いる試料は、硝酸を加えてpHを4以下にして保存する。
④シアン化合物の試験に用いる試料は、20%水酸化ナトリウム溶液でpHを約12とする。
⑤クロム(六価)を試験に用いる試料は、共存する有機物などによるクロム(三価)への酸化を避けるため、そのままの状態でガラスビンに入れて0~10℃の暗所に保存する。
Ⅱ―1―17 環境影響評価法に基づき、環境影響評価を実施する事業の種類あるいは、その規模等を述べた次の記述の中で正しいものを選べ。
①原子力発電所は、放射性物質を扱う特殊性から、環境影響評価法に基づく環境影響評価を行う事業の対象外である。
②風力発電所は、出力1,000KW以上は、第一種事業として、環境影響評価法に基づく環境影響評価を行う事業である。
③廃棄物最終処分場は、30ha以上は、第一種事業として、環境影響評価法に基づく環境影響評価を行う事業である。但し、産業廃棄物を含まない一般廃棄物を対象にした最終処分場は、40ha以上が対象となる。
④公有水面埋立法による公有水面の埋立又は干拓の事業の面積が50haを超える事業は、第一種事業とした、環境影響評価法に基づく環境影響評価を行う事業である。
⑤幅員が6.5m、長さが10kmの大規模林道は、第一種事業として、環境影響評価法に基づく環境影響評価を行う事業である。
Ⅱ―1―18 ダイオキシン類に関する次の記述のうち、誤っているものを選べ。
①ヒトに対するダイオキシン類の暴露経路は、食品を通じたものがほとんどで、そのほか、大気、水、土壌から直接摂取等の経路が挙げられる。
②ダイオキシン類による土壌汚染の原因の1つに、枯れ葉剤としてベトナム戦争でも使われた2,4,5-T(2,4,5-三塩化フェノキシ酢酸)の製造過程で副次的に生成された2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ-パラ-ジオキシンを土壌に散布したことが挙げられる。
③ダイオキシン類はオクタノール/水分配係数(Kow)の値が小さい疎水性物質であい、有機物を含む土壌粒子に対して非常に強く吸着し、水にははとんど溶解しない。
④ダイオキシン類調査結果の分布を見ると、土壌中のダイオキシン濃度の多くは対数正規分布に適合し、高濃度の土壌汚染は局所的であると見られる。
⑤汚染土壌からダイオキシン類を除去する対策手法には、化学的脱塩素化法、熱分解法、生物学的分解法などがある。一方、暴露リスクを防止するという観点からすれば、汚染土壌を被覆するような対策手法も有効である。
Ⅱ―1―19 用水・排水中の微量有機物質の分析に関する次の記述のうち、誤っているものを選べ。
①アルキルフェノール類の分析において、溶媒抽出法又は固相抽出法で前処理を行う場合、試料を塩酸(1mol)/ℓ)でpH2に調整する。
②アジピン酸ビス(2-エチルヘキシン)の分析では、測定試料にフルオランテイン―d10を加えアジピン酸ビス(2-エチルヘキシン)―d8の回収率を求め、回収率が70~130%にあることを確認する。この範囲を超過した場合は再度試験を行う。
③フタル酸エステル類の前処理において、溶媒抽出法では試料にサロゲート物質としての重水素化物及び塩化ナトリウムを加え、ヘキサンを用いて抽出する。固相抽出法においては、試料にサロゲート物質として重水素を加え固相カラム又は固相ディスクを用い、酢酸エチルで溶出する。
④ベンゾフェノン及びアジピス酸ビス(2-エチルヘキシル)の前処理法はヘキサンによる溶媒抽出であり、固相抽出法は使用しない。
⑤ビスフェノールAの前処理は溶媒抽出法又は固相抽出法がり、抽出溶媒、溶出溶媒は共にジクロロメタンを用いる。
Ⅱ―1―20 我が国で見られる次の動物および植物に関する記述のうち、誤っているものを選べ。
①クマゼミは南西諸島から本州に分布する大型のセミであるが、「身近な生きものの調査(1995)」(環境庁)によると、分布息が北進している傾向にある。
②ニホンカモシカとニホンジカはともに草食(植食)動物で、足跡や糞の形が似ているが、分類上は異なり、ニホンカモシカはウシ科、ニホンジカはシカ科である。
③雑木林の林床や林縁などに生えるカタクリは、春に開花した後、夏までには地上部が消え、次の春までは地下部のみで過ごす。このような植物は「春植物」(スプリング・エフェメラル)と呼ばれている。
④シラカンバは陽樹で、伐採跡や山火事跡、あるいは失言の周辺部など日当たりの良い場所に生える。林を最初につくるもの、という意味で「開拓者」「パイオニア」と呼ばれることがある。
⑤黄色い花が「月」を思わせることから、一般には「月見草」とも呼ばれ親しまれているメマツヨイグサやオオマツヨイグサは、我が国固有の植物である。
Ⅱ-2 次の問題について解答せよ。(青色の答案用紙を使用し、3枚以内にまとめよ。)
国内外の環境の現状を踏まえ、環境への負荷が少ない持続的発展が可能な社会を実現する上での重要な課題を列挙し、そのうち最重要と考える2課題を選び、それぞれについて、解決に向けた技術及び技術士としての貢献の可能性について論述せよ。
問題番号 |
正答番号 |
Ⅱ-1-1 |
4 |
Ⅱ-1-2 |
4 |
Ⅱ-1-3 |
3 |
Ⅱ-1-4 |
4 |
Ⅱ-1-5 |
1 |
Ⅱ-1-6 |
1 |
Ⅱ-1-7 |
4 |
Ⅱ-1-8 |
2 |
Ⅱ-1-9 |
1 |
Ⅱ-1-10 |
2 |
Ⅱ-1-11 |
5 |
Ⅱ-1-12 |
3 |
Ⅱ-1-13 |
2 |
Ⅱ-1-14 |
2 |
Ⅱ-1-15 |
3 |
Ⅱ-1-16 |
5 |
Ⅱ-1-17 |
4 |
Ⅱ-1-18 |
3 |
Ⅱ-1-19 |
1 |
Ⅱ-1-20 |
5 |