平成19年度技術士第一次試験問題(化学部門)
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IV 次の35問題のうち25問題を選択して解答せよ。(解答欄に1つだけマークすること。)

Ⅳ-1 酢酸の工業的製造法に関する次の説明のうち,誤っているものはどれか。

 ① アセトアルデヒドを酸化すると酢酸が得られる。アセトアルデヒドの主な製造法は
   Höchst -Wacker法であり,気相で固体触媒を用いてエチレンを酸化する。
② 世界の工業用酢酸製造量は,現在はメタノールのカルボニル化によるものが最も多い。
 ③ ブタンなどの炭化水素を酸化する製造法は,酢酸が選択的に得られず,副生成物が多
   い。
 ④ エチレンを一段で直接酸化する製造法が,日本の企業によってはじめて工業化された。
 ⑤ 発酵法(醸造法)は,生成する酢酸の濃度が低く,工業用酢酸の製造法としては適さ
   ない。


Ⅳ- 2 次の記述に対し,(a)~(e)に入る語句の組合せで,正しいものは①~⑤のう
  ちどれか。

   2-メチルプロペン(イソブテン)に酸触媒存在下で水を付加させると,ほぼ選択的
  に(a)が生成する。これは,中間体である(b)のうち,3級の(b)が1級の(b)
  よりも安定であるためである。ハロゲン化水素が二重結合に付加するときの付加の選択性
  に関する法則を(c)というが,水の付加の場合にもこの法則が適用できる。(a)とは水
  酸基の位置が異なる(d)を合成するには,(e)のあとに酸化するなどの方法を用いる
  ことが必要である。

(a)              (b)  (c)      (d)        (e)
④ 2-メチル-1-ブロバノール カルボアニオン Saytzeff則 2-メチル-2-プロパノール オキシ水銀化
④ 2-メチル-1-プロバノール カルボカチオン Saytzeff則 2-メチル-2-プロパノール オキシ水銀化
③ 2-メチル-1-プロパノール カルボアニオン Markovnikov則 2-メチル-2-プロパノール ヒドロホウ素化
④ 2-メチル-2-プロパノール カルボカチオン Markovnikov則 2-メチル-1-プロパノール ヒドロホウ素化
⑤ 2-メチル-2-プロパノール カルボカチオン Saytzeff則 2-メチル-1-プロパノール オキシ水銀化


Ⅳ-3 次のうち,芳香族性を示すものはどれか。

  ①シクロブタジエン     ②シクロオクタテトラエン ③アズレン
  ④シクロプロペニルアニオン ⑤シクロペンタジエン

Ⅳ-4 ケトンの製法として不適切なものは次のうちどれか。

 ① 第二級アルコールの酸化
 ② 四置換オレフィンの酸化的開裂
 ③ アセチレン以外のアルキンの水和
 ④ アレーンと酸塩化物のFriedel - Crafts反応
⑤ 酸塩化物の還元




Ⅳ-5 次の反応のうち,生成物が誤っているものはどれか。

 ① アニリンとホスゲンを出発物質として,フェニルイソシアナートを合成。     
 ② クメンと酸素を出発物質として,アセトンとフェノールを合成。       
 ③ o-キシレンを過マンガン酸カリウムで酸化してテレフタル酸を合成。
 ④ 白金触媒存在下,トルエンを水素で還元してメチルシクロヘキサンを合成。
 ⑤ 濃硫酸の存在下,ベンゼンに三酸化硫黄を反応させてベンゼンスルホン酸を合成


Ⅳ-6 次の化合物のモノニトロ化による主生成物のうち,誤っているものはどれか。

① エチルベンゼン  → oーおよびp-エチルニトロベンゼン
 ② ニトロベンゼン  → m-ジニトロベンゼン
 ③ 安息香酸メチル  → o-およびp-ニトロ安息香酸メチル
 ④ アニソール    → o-およびp一二トロアニソール
 ⑤ アセトフェノン  → m-二トロアセトフェノン

Ⅳ-7 ジエチルエーテル中,酢酸エチル1.0 mo1と水素化アルミニウムリチウム(LiAIH4)
 を反応させ,酸性条件下,加水分解すると2.0 molのエタノールが生成する。この反応で
 理論上必要な水素化アルミニウムリチウムの量は,次のうちどれか。

① 0.5 mo1  ② 1.0 mo1  ③ 1.5 mo1  ④ 2.0 mo1  ⑤ 3.0 mol

Ⅳ-8 次のうち,原油の常圧蒸留工程で分離される留分として不適切なものはどれか。

① 液化石油ガス  ② ナフサ  ③ 灯油  ④ 軽油   ⑤ 潤滑油


Ⅳ-9 石油製品について性状分析を行った。 JISに規定されていない分析項目を含むもの
 はどれか。

 ① 工業ガソリンについて蒸留性状,オクタン価を測定した。
 ② 灯油について引火点,硫黄分を測定した。
 ③ 軽油について流動点、10%残油の残留炭素分を測定した。
 ④ 重油について引火点,勤粘度を測定した。
 ⑤ ストレートアスファルトについて針入度,軟化点を測定した。

Ⅳ-10 潤滑油に関する次の説明のうち,最も不適切なものはどれか。
 
 ① 作動油は,油圧機器,トルクコンバーターなどの動力伝達,力の制御に使用される。
 ② ギヤー油には,鉱油に極圧添加剤,さび止め剤,泡消し剤などが添加されているもの
  がある。
 ③ エンジン油は,内燃機関に用いられる潤滑油で,精製鉱油に清浄分散剤や酸化防止剤
  などが添加されている。
 ④ タービン油には,酸化防止剤,さび止め剤,泡消し剤などが添加されているものがあ
  る。
 ⑤ 全損式給油における一般の機械や軸受け,車軸などの潤滑に使用されるマシン油は,
  添加剤が加えられた精製度の商い高級潤滑油である。


Ⅳ-11 燃焼および燃料に関する次の説明のうち,誤っているものはどれか。
 
 ① 燃焼が起こるためには,可燃物,支燃物,着火温度の3要素が必要である。
 ② 燃焼のプロセスには固体燃料では表面燃焼,液体燃料では蒸発燃焼,気体燃料では拡
  散燃焼などがある。
 ③ 湿性ガス(wet gas)とは,メタン,エタンの他にプロパン以上の炭素数の炭化水素
  を含み,圧縮,冷却などにより容易に一部が液化するものをいう。
 ④ 一般に無煙炭の単位重量当たりの発熱量は,褐炭の発熱量よりも小さい。
 ⑤ 石油燃料と水を乳化した燃料には,水中油滴型と油中油滴型がある。


Ⅳ-12 エネルギー資源に関する次の説明のうち,最も不適切なものはどれか。

 ① オイルサンドは,タールサンドとも呼ばれ,熱乾留によって容易に石油様物質を得る
  ことができる有機質のケロジェンを多く含んでいる。
 ② 水とガスがつくる固体であるクラスレートのうち,水とメタンによってつくられるも
  のをメタンハイドレートという。
 ③ 地球大気圏直前での太陽エネルギー密度は,約1.4kW/m2であるが,地表に達するま
  でに減哀し,晴れた日の地表で約1 kW/m2になる。
 ④ バイオマスとは,エネルギーや化学原料に使うことのできる一定量集積した動・植物
  資源とこれらを起源とする廃棄物の総称である。
 ⑤ 風力発電には,水平軸をもつプロペラ形,オランダ形と,垂直軸をもつダリウス形,
  パドル形等の風車が使われる。


Ⅳ-13 ある重合度をもつ高分子がある。この高分子の回転半径を10倍にするには,重合
 度を何倍にすればよいか。次の中から最も適切な範囲を選べ。 

 ①1倍~75倍
 ②76倍~150倍
 ③151倍~225倍
 ④226倍~300倍
 ⑤301倍~375倍


Ⅳ-14 ポリエチレンの通常得られる結晶の単位格子は斜方晶である(a=0.740nm,b=
 0.493nm,c=0.253 nm)。
  下図はab面である。大きい○はC元素,小さい○はH元素を表す。
  一個の単位格子の中に繰り返し単位であるエチレン基(-CH2CH2-)の数は何個か,①~
  ⑤の中から選べ。


① 5  ② 4  ③ 3  ④ 2  ⑤ 1


Ⅳ-15 複合材料のうち,繊維をマトリックス樹脂中に埋め込んだ材料をFRPといい,繊
 維の種類によりGFRP(ガラス繊維強化プラスチック),CFRP(炭素繊維強化プラスチ
 ック),AFRP(アラミド繊維強化プラスチック)などがある。 FRPおよびその素材に関
 する次の説明のうち,誤っているものはどれか。
 
 ① 軽くて強いこと,軽くて変形しにくいことを表す尺度として比強度,比剛性(比弾
  性率)が用いられる。
 ② アラミド繊維は有機繊維であるが,ガラス繊維,炭素繊維よりも比強度が大きいもの
  がある。
 ③ 繊維の並べ方や積層方法を変えることにより,方向によって強度の異なる材料をつく
  ることができる。
 ④ GFRPの比強度は鋼よりは大きいが,高カアルミニウム合金(ジュラルミン)よりも
  大きくすることはできない。
 ⑤ マトリックス樹脂としては,不飽和ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂などの熱硬化性
  樹脂が多用されるが,最近では熱可塑性樹脂も用いられつつある


Ⅳ-16 液晶に関する次の文章において,下線部が誤っているものはどれか。

棒状や平板状の分子は,ある温度範囲で液体がもっている流動性と結晶怖がもっている
①複屈折性  を兼ね備えている例がある。結晶のような秩序をもつ液体であることから,
このような物質を液晶と呼んでいる。ほとんどの液晶は ②非誘電体 であり,電場の印
加により光学的性質が大きく影響を受けることを利用して各種表示用途に利用されている。
 溶融時,あるいは溶液状態でも結晶構造を示し, ③非常に配向しやすい 特徴をもって
いる高分子を液晶ポリマーという。 このうち溶融状態にするだけで液晶となるものを
 ④サーモトロピック液晶 ,適当な溶媒中で液晶となるものをリオトロピック液晶という。
液晶状態での分子の高い配向性を利用して,高強度,高弾性率の繊維を得る方法を
 ⑤液晶紡糸  という。


Ⅳ-17 膜分離に関する次の説明のうち,誤っているものはどれか。
 
 ① 膜を用いるガス分離法は,水素の精製,空気からの酸素,窒素の濃縮などに用いられ
  ている。
 ② 膜を用いるガス分離では,常に分子サイズの小さな分子が大きな分子よりも選択的に
  透過する。
 ③ 液体中の不純物を除去する膜分離では,精密ろ過膜,限外ろ過膜,逆浸透膜の順に分
  離の対象とする物質のサイズが小さくなる。
 ④ 逆浸透膜は,海水の淡水化や工業用脱イオン水の製造に用いられている。
 ⑤ 希薄溶液の浸透圧は溶質の濃度に依存するが,溶質がイオン化するときには,解離し
  たすべてのイオン種の濃度を考慮しなければならない。


Ⅳ-18 エクセルギーに関する次の説明のうち,誤っているものはどれか。
 
 ① 不可逆変化によって,変化にかかれる系全体のエクセルギーは減少する。
 ② 環境よりも高い温度では,流体のエンタルピーに対するエクセルギーの比は,高温に
  なるほど大きい。
 ③ 化学エクセルギーは,標準状態(1気圧,25℃)での,H2,N2などの単体のエクセ
  ルギーが零(ゼロ)と定義されている。
 ④ 熱のエクセルギーは,基準温度(環境温度)より高温でも低温でも正の値である。
 ⑤ エクセルギーが増大する反応は,自発的には進行しない。


Ⅳ-19 連続式槽型反応器で,容積が変化しないA→Bの反応を行う。反応はAの濃
 度に関する一次反応で,反応速度定数をk(h-1)とする。また,反応器の容積をV(m3),
 原料の供給量をvo(m3/h),原料中の成分Aの濃度をCAo(mo1/m3),反応器出口でのAの
 濃度をCA(mo1/m3)とし,この反応器内の液の平均滞留時間をt(h)とする。
  槽内が完全混合のとき,次の記述のうち誤っているものはどれか。

 ① Aの平均反応転化率をXA=1-CA/CAoとすると,1n(1 -XA)=-ktである。
 ② 反応器内部のAの濃度はCAに等しい。
 ③ 平均滞留時間はt=V/voである。
 ④ この反応器を2つ直列につなぐと,1つの反応器の容積を倍にするよりも反応転化率
  が向上する。
 ⑤ 異なる容積の反応器を直列につなぐ場合,どちらの反応器を先にしても反応転化率は
  同じである。


Ⅳ-20 次の法則とその内容の組合せのうち,誤っているものはどれか。

 ① Fickの法則:混合物質におけるある成分の拡散流束は濃度勾配に比例する。
 ② 1/7乗則:円管内乱流における速度分布は,壁に近い領域を除いて壁からの距離の
  1/7乗に比例する。
 ③ Daltonの法則:理想気体の混合物中の着目成分の分圧は,その成分のモル分率と全
  圧の積で与えられる。
 ④ Stokesの法則:球形固体粒子が粘性液体中を乱流領域で運動するときに,粒子が流
  体から受ける抵抗を与える。
 ⑤ Darcyの法則:固定層内を流体が比較的小さい流量で流れる場合の,流速と圧力損失
  の関係を与える。


Ⅳ-21 実在気体に関する次の文章において,下線部が誤っているものはどれか。

 実在気体のPV縮図(横軸:体積V,縦軸:圧力P)において,高温での等温線は理想
気体における ①ボイルの法則 からほんの少しずれるに過ぎない。ある温度以下で温度一
定のまま圧縮すると,ある圧力で気体は凝縮して液体を生じ始め,体積が減少していく。
すべての気体が液体になるまで圧力は一定のままであり,このときの圧力はこの温度にお
ける ②平衡蒸気圧 である。つまり,液体を生じ始め,気体すべてが液体になるまでの領
域は,気液2相が平衡を保っている領域であり,この間圧力が一定であることは,ギブス
が導出した ③相律 から ④自由度可変度) 0として説明できる。
気液2相領域の頂点と接する等温線の温度を臨界温度といい,液化させるためには温度
を ⑤臨界温度以下 にする必要かおる。


Ⅳ-22 ケイ素系無機材料に関する次の説明のうち,誤っているものはどれか。
 
 ① 微粉の無水ケイ酸,含水ケイ酸,ケイ酸カルシウム,ケイ酸アルミニウムはホワイト
  カーボンともいわれる。
 ② Si04四面体とAl04四面体の酸素を共有して三次元網目状に結合した結晶性アルミノ
  ケイ酸塩をゼオライトという。
 ③ シリカゲルは,ケイ酸ナトリウム水溶液を酸で中和し,脱水縮合により,シリカミセ
  ルが三次元橋かけ結合した無定形シリカとして得られる。
 ④ 炭化ケイ素のSi- C 結合はイオン結合性が強く,硬いので研磨粉や研削材等として使
  われている。
 ⑤ 水ガラスはケイ砂,石英粉末などを苛性ソーダ(水酸化ナトリウム),炭酸ソーダ
  (炭酸ナトリウム)などと溶融したものを水に溶解させた粘度の大きい液体である。


Ⅳ-23 次の窒素酸化物のうち,25℃,大気圧で固体になるのはどれか。

 ① N205  ② N02  ③ N203  ④ NO  ⑤ N20


Ⅳ-24 炭酸ソーダ(炭酸ナトリウム)製造に関する次の文章において,下線部が誤って
 いるものはどれか。

①ソルベー(Solvay)法 ではアンモニアを吸収した食塩水に二酸化炭素を吸収させ,
②炭酸ナトリウム を析出させる これをろ過して200℃程度に焼成する。ろ過した母液
に石灰乳(水酸化カルシウムスラリー)を加えて蒸留し,アンモニアを回収する。一方,
③ナトリウムと塩素 の利用率を高めるために,ろ液から ④塩化アンモニウム を分離し,
液を循環使用するのが, ⑤塩安ソーダ法 である。


Ⅳ-25 工業電解プロセスの一般的な特徴に開する次の説明のうち,最も不適切なものは
 どれか。

 ① 熱エネルギーだけでは進みにくい反応を行わせることができる。
 ② 生産量はファラデーの法則に従う。
 ③ 大量生産の場合には,槽電流として大電流容量で数kVの高電圧の直流電気エネルギ
  ーを利用することが多い。
 ④ 酸化,還元反応が別々の場所で起こるため純度の高い製品をつくるのに有利である。
 ⑤ 電圧を調整することにより副反応を抑制できる。


Ⅳ-26 窯業製品に関する次の説明のうち,誤っているものはどれか。

 ① 炭素質耐火物は電気,熱の良導体である。
 ② ムライト磁器は耐熱性,電気絶縁性に優れている。
 ③ 結晶化ガラスは微結晶の集合体で耐熱衝撃性が大きい。
 ④ フライアッシュセメントはポルトランドセメントより水和熟が小さい。
 ⑤ シリカ-アルミナ系耐火物のうち,高アルミナ質耐火物は,酸性耐火物に分類される。


Ⅳ-27 分子量が100,000,200,000,3 00, 000の高分子がそれぞれ1個,2個,3個ず
 つ存在する場合の重量平均分子量は,次のどの範囲にあるか。


① 100,000~140,000
② 140,001~180,000
③ 180,001~220,000
④ 220,001~260,000
⑤ 260,001~300,000


Ⅳ-28 分子量10万のナイロン66の重今度は次のどの範囲にあるか。ただし,各元素の原
子量はC=12,H=1,0=16,N=14とする。

① 300~400 ② 401~500  ③ 501~600
④ 601~700 ⑤ 701~800


Ⅳ-29 ポリエチレンの結晶密度を1.00 g /cm3,非晶密度を0.82 g /cm3 としたときの,
 密度0.96 g /cm3のポリエチレンの結晶七度(重量分率)は,次のどの範囲にあるか。

① 0.90~1.00 ② 0.80~0.89 ③0.70~0.79  ④0.60~0.69  ⑤0.50~0.59


Ⅳ-30 多孔性材料の紬孔物性を測宅したところ・細孔容積は0.85 mL/g、比表面積は
 352 m2/ g であった。細孔を円筒モデルとして計算した場合,細孔直径は次のどの値に最
 も近いか。
                                 
 ① 5nm  ② 10 nm  ③ 15 nm  ④ 20 nm  ⑤ 30 nm


Ⅳ-31 水電解槽の水位を一定に保ちながら7,000Aの電流で水素を製造している。水の供
 給量は次のどの値に最も近いか。電解中の蒸発などによる水の損失はなく,電流も100%
 電解に使われるものとする。
  ただし,各元素の原子量はH=1,0=16とし,1F=96,500クーロン,水の比重
 =1とする。
 
 ① 0.7 L/h   ② 1,3 L/h   ③ 2.4 L/h   、④ 4.7 L/h ⑤ 6.3 L/h


Ⅳ-32 空気圧力が1 bar(100kPa),室温27℃で100m3の密閉した室内で,炭素分が
 100%の炭30gを完全燃焼させた。室内の二酸化炭素濃度の増加(volppm)は次のどの
 値に最も近いか。
  ただし,気体定数R=0.083 L・bar/(K・mo1),各元素の原子量はC=12,0=16
とし,室内の温度上昇は無視できるものとする。

 ① 0.622   ② 6.22   ③ 62.2   ④ 622   ⑤ 6,220

Ⅳ-33 ベンゼン1 mo1が完全燃焼したときの燃焼熱は次のどの値に最も近いか。ただし,
 下記に示す熱化学方程式を用いて計算せよ。            

H2(気)+ 1/202(気)=H20(液)+286 kJ (1)
C(黒鉛)+ 〇2(気)=CO2(気)+394 kJ    (2)
6C(黒鉛)+ 3H2(気)=C6H6(液)-49kJ  (3)

 ① 900 kJ ② 1,700 kJ ③ 2,500 kJ ④3,300 kJ  ⑤4,100 kJ


Ⅳ-34 ベンゼンとトルエンの混合物が,100℃,100 kPaで気液平衡になっているとき,
 気相では,ベンゼンのモル分率がトルエンのモル分率の何倍になっているか。次のうち,
 最も近い値を選べ。
  ただし,100℃でのベンゼンとトルエンの蒸気圧はそれぞれ180 kPaと75 kPaとし,こ
 の気液平衡はラウール(Raoult)の法則が成り立つものとする。

 ① 0.31倍 ② 0.75倍 ③ 1.3倍 ④ 2.4倍 ⑤ 3.5倍

Ⅳ-35 A+2B→Cで表される反応を,下図の循環(リサイクル)を伴う反応系で
 行う。反応器でのAの転化率(単通転化率)が,原料の組成や流量にかかわらず50%の
 とき,この系全体でのAの転化率(総括転化率)を80%にするために,Aの一部を分離
 器で分離して,反応器に循環した。原料としてAを100 mol/h,Bを260 mol/h 用いた
 とき,反応器出口での全流量は,次のどの値に最も近いか。
  ただし,分離器から反応器へは純粋なAが循環されるものとし,副反応は起こらないも
 のとする。


 ① 200mol/h  ② 225mol/h ③ 240mol/h ④ 260mol/h ⑤ 300mol/h


正解
問題 正解 問題 正解 問題 正解 問題 正解 問題 正解 問題 正解 問題 正解
1 1 6 3 11 4 16 2 21 4 26 5 31 3
2 4 7 1 12 1 17 2 22 4 27 4 32 4
3 3 8 5 13 2 18 3 23 1 28 2 33 4
4 5 9 1 14 4 19 1 24 2 29 2 34 2
5 3 10 5 15 4 20 4 25 3 30 2 35 4