平成10年度技術士第一次試験専門科目問題(情報工学部門) | 提供: | くろねこさん たっくんさん |
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あるシステムの一部としてサブシステムAが存在する。Aが故障する確率は0.1であることがわかっている。また、Aが故障したとき、システム全体が停止する確率は0.9であり、Aが故障していないとき、システム全体が停止する確率は0.1であることもわかっている。この状況でシステム全体が停止したとき、その原因がAの故障にある確率は次のうちどれか。
@ 0.9
A 0.8
B 0.5
C 0.1
D 0.09
推定正解 B
Aが故障原因の確率 0.1×0.9=0.09 ・・@
Aでない確率 (1-0.1)×0.1=0.09 ・・A
システムが停止した原因がAにある確率=@/@+A=0.09/(0.09+0.09)=0.5
以下の仕様の磁気ディスク装置がある。
シリンダ数/ディスク |
500シリンダ |
トラック数/シリンダ |
40トラック |
最大記憶容量/トラック |
4,500バイト |
ブロック間隔 |
100バイト |
このディスク装置に110バイトのレコード4,000件からなるファイルをブロック化係数10で記憶させたい。このとき必要となるシリンダ数は次のうちどれか。ただし、1つのブロックがトラックにまたがって記録されることはないものとする。
@ 1シリンダ
A 2シリンダ
B 3シリンダ
C 4シリンダ
D 5シリンダ
推定正解 C
110(1件)×10(ブロック化)+100(ブロック間隔)=1200バイト(1件)
4500(1トラック)/1200=3.7=3(1トラックに書き込める件)
4000(全件)/10(ブロック化)/3=133.3=134(必要トラック数)
134/40(1シリンダ中総トラック数)=3.35=4(シリンダ)
以下の流れ図は変数Nに入力されたゼロおよび正の整数の階乗を計算し、その答えを変数Aに格納するアルゴリズムを示している。なるべく少ないループ回数で計算を行うためには、空欄に入れる条件式は次のうちどれか。
@ N=2
A N<2
B N<1
C N>1
D N>2
推定正解 A
つきの文中の(a),(b)にもっとも適切に該当する字句の組合わせはどれか。
構造化設計では、1つのソフトウェアが多くのモジュールから構成される。このため、モジュール1個の機能は小さくなったが、下位のモジュールをテストするために、そのモジュールを呼び出す仮の上位モジュールを作る必要も出てきた。このような仮のモジュールのことを(a)と呼んでいる。また、逆に上位のモジュールをテストするために、仮の下位モジュールを作る必要も出てきた。このような仮のモジュールのことを(b)と呼んでいる。
(a) (b)
@ ローダ ディスパッチャ
A リンカ ローダ
B ローダ リンカ
C スタブ ドライバ
D ドライバ スタブ
推定正解 D
引用文献を手がかりに関連文献を探すことのできるデータベースはどれか。下記の中から選べ。
@ INSPEC
A SCISEARCH
B CA SEARCH
C Ei COMPENDEX
D MEDLINE
推定正解 A 収録対象誌の選定基準には引用分析が含まれており、通常の検索方法に加えて引用文献による検索ができる。
MARKに関する次の記述のうち、誤りのあるものを選べ。
@ MARCは目録情報をデータベース化したもの。
A 我が国には、JAPN/MARCがある。
B MARCのフォーマットは国際規格が制定されている。
C 各国のMARCはCD-ROM化される傾向にある。
D MARCは各国の論文レベルの情報を収録している。
推定正解 D MARKとは目録規則新版予備版を基盤とし国立国会図書館が全国書誌データ領布用に開発されたものである。
データベースの検索結果の適合性を測る尺度としての再現率と精度に関する下記の記述に誤りのあるものを選べ。
@ 精度は検索結果のかなでどれだけが適合していたかを表す指数である。
A 再現率が低いということは、検索漏れが多いという結果である。
B 再現率を上げようとすれば、必然的にノイズが増えることになる。
C 再現率の算出はできるが、精度の計算は実際には難しい。
D 再現率は情報要求に適合する蓄積情報に閉める検索された適合情報の割合である。
推定正解 C
確率分布を表す関数で重要なものの関数形を以下に示す。各関数形に対し、正しい関数名を表すものを選べ。
(a) (b) (c) (d)
@ 正規分布 レイリー分布 二項分布 カイ二乗分布
A レイリー分布 正規分布 二項分布 ポアソン分布
B 二項分布 正規分布 ポアソン分布 レイリー分布
C 正規分布 ポアソン分布 二項分布 レイリー分布
D カイ二乗分布 ポアソン分布 二項分布 レイリー分布
推定正解 C
次の文中の(a)〜(e)にもっとも適切に該当する字句の組合わせはどれか。
(a)と(b)は確率論で重要な役割を果たしている。いずれも標本数を無限大にしたときの(c)の漸近的挙動に関するものである。(a)によれば、(c)は真の(d)に確率収束する。(b)によれば、任意の分布に従う独立な確率変数の和は漸近的に(e)となる。
@ (a) 中心極限定理 (b) エルゴード定理 (c) 標本分散 (d) 分散 (e) ポアソン分布
A (a) エルゴード定理 (b) 中心極限定理 (c) 標本分散 (d) 分散 (e) ポアソン分布
B (a) 大数の法則 (b) 中心極限定理 (c) 標本平均 (d) 平均値 (e) 正規分布
C (a) 中心極限定理 (b) 大数の法則 (c) 標本平均 (d) 平均値 (e) 正規分布
D (a) 大数の法則 (b) 中心極限定理 (c) 標本分散 (d) 分散 (e) 正規分布
推定正解 B 大数の法則とはより多くのデータから平均を求めると真の平均値に近づく。
統計的検定に関する次の記述のうち、正しくないものはどれか。
@ 統計的検定とは、標本統計量から出発して、母集団統計量に関する命題の当否を検討することである。
A 標本統計量と母集団統計量の間には、標本誤差と非標本誤差の2種類の誤差がある。
B 統計的に有意とは、母集団統計量に関する帰無仮説が、十分な確率で棄却されたということを意味する。
C 帰無仮説を棄却する際には、まず仮説が正しかったときの標本統計量の出現確率を調べ、苑出現確率が十分小さいことを確認できたとき、仮説を棄却する。
D 標本数が非常に大きい場合には、わずかな相関関係や小さな差は、統計的に有意となることはない。
推定正解 D 一般に標本が大きくなるほど、標本の統計量が母集団の統計量と大きく乖離する確率は小さくなってゆくため標本が大きいほど統計的に有意な結果が出やすい。