平成13年度技術士第二次試験問題(情報工学部門) 提供:たっくんさん

各部門の部屋Topへ
第二次試験過去問題Topへ


必須科目
情報工学一般(択一問題) 推定正解付
情報工学一般(記述問題)
選択科目
   全科目(経験論文)
専門問題(情報システム)
専門問題(情報数理及び知識処理)
専門問題(情報応用)
専門問題(電子計算機システム)

必須科目

情報工学一般(択一問題)

U−1 次の15問題について解答せよ。(必須科目U−1解答欄に1つだけマークすること。)

U−1−1 応答や動作をする動的なウェブページを作成する技術は、ウェブサーバー側で動作するサーバーサイド技術と、クライアント側(ブラウザ側)で動作するクライアントサイド技術とに大別できる。次の技術のうちでクライアントサイド技術はどれか。
@ ASP(Active Server Pages)
A CGI(Common Gateway Interface)
B Javaアプレット
C Java Server PagesとJavaサーブレット
D PHP(Personal Home Page)

推定正解 B


U−1−2 プログラミング言語の機能のうちで、オブジェクト指向との関連が最も少ないものは次のうちどれか。
@ クラス概念           A 継承
B データとそれに関連する関数とをまとめるカプセル化
C メッセージ交換         D 例外処理

推定正解 D


U−1−3 Java言語で内部コードとして採用している文字コードは次のうちどれか。
 @JISコード          AシフトJISコード
 B拡張UNIXコード(EUC)  Cユニコード(Unicode)
 DASCIIコード

推定正解 C


U−1−4 次の図法のうち、UML(Unified Modeling Language)で定義されていないものはどれか。
@ アクティビティ図
A ステートチャート図(state-chart diagram)
B データフロー図(DFD)
C シーケンス図
D ユースケース図

推定正解 B


U−1−5 集合に対する演算(union、difference、intersection など)が用意されている言語は次のうちどれか。
@ FORTRAN  A COBOL  B SQL
C C++      D Java

推定正解 B


U−1−6 次のリレーショナルデータベースの関係演算に関する説明のうち、正しいものはどれか。
@ 交わり(intersect)は、ある関係からある属性を除いたあとの組として残ったすべての組から構成される関係を返す。
A 差(difference)は、ある2つの関係の両方又は片方に現れるすべての組から構成される関係を返す。
B 積(product)は、2つの関係から1つずつ取り出した組で共通する属性の値を持つすべての組から構成される関係を返す。
C 選択(select)又は制約(restrict)は、ある関係から、ある条件を満足するすべての組から構成される関係を返す。
D 和(union)は、ある2つの関係について、最初の関係には現れるが次の関係には現れないすべての組から構成される関係を返す。

推定正解 B


U−1−7 あるソフトウェアの不具合(バグなど)の一定時間間隔当たりの発生率を、次のグラフのように記録している。これを見て、初期故障期間が終わったと推測される段階で出荷したい。その段階は次のどれか。



@ A     A B    B C
C D     D E

推定正解 A


U−1−8 20,000km離れた地点の間で、LANシステム同士を結んで、イントラネットを構築し、遠隔地間の運用を行うためのGUIを設計した。ネットワークは設計上100BASEであり、遠距離間でのLANシステム結合の課題は解決しているものとする。実際のネットワーク及び機器でのGUIのテストの前に、一方のPCから他方のPCに向けてPINGと呼ぶネットワークの通信チェックのプログラムを動作させた。すると、レスポンスタイムが200ミリ秒±20ミリ秒であった。以下の対応の中でどれが最も適切か。ただし、光速は300,000km/秒であるとする。
@ 10BASE対応の機器が使用されているかもしれないので、機器の検査作業をする。
A カテゴリー3のケーブルが使用されているかもしれないので、ケーブルの検査作業をする。
B 各PCのネットワークボードが不良と思われるので、ボードの交換をする。
C 短い経路でデータ送信が行われていると思われるので、データ送受信の経路確認をする。
D 200ミリ秒±20ミリ秒は妥当な値であるので、本来のテスト項目であるGUI  のテストを行う。

推定正解 @


U−1−9 複数のPCと複数の機器によるLANシステムを稼動させると、輻輳(ふくそう)が時々発生することが分かった。以下の中で最も適切な対応はどれか。
@ 輻輳は、ネットワーク上のデータが混み合って、通信できなくなる現象である。原因がソフトウェアにあることが少なくないため、ネットワークアナライザでの分析を依頼する。
A 輻輳は、ネットワークシステムでTCP/IPのデータ衝突が発生し、再送でデータ送信が正しく行われたことを意味する。特に対策は必要ない。
B 輻輳はネットワーク上の信号(特にそのレベル)が規定内に入っていないときの現象である。ハードウェア/ネットワークチームに原因追求を任せる。
C 輻輳は、ルータなどのネットワーク機器のトラブルによる故障である。ネットワークチームに原因追求を任せる。
D 輻輳は、本来のIPアドレスとは別のIPアドレスからデータを受信した時に発生する。全部のPC及び機器について、IPアドレスの設定チェックを依頼する。

推定正解 @


U−1−10 現行IPv4の社内システムに、順次IPv6対応のPC及びOSを導入しようとしている。以下の対応のうちで、間違っているのはどれか。
@ IPv6は、IPv4よりきめの細かいサービスの質(QoS)の設定が可能である。この機能を利用した社内システムサービスのニーズがないか、調査チームを発足させる。
A IPv6は、IPアドレスの自動設定が可能なためDHCPサーバが不要である。DHCPサーバの調査を行い、今後のIPv6の浸透とともにDHCPサーバをなくす方向を検討しておく。
B IPv6は、従来のIPv4と互換性がある。新しくネットワークを導入する部署には、IPv6の機器を導入するように指示する。
C 現行のシステムの中のWWWブラウザを利用したシステムで、アドレス欄にIPアドレスを直接記述している部署やシステムがないか調べる。
D 特に在宅勤務やモバイルなど、社外からの社内システムへのアクセスの要望の高まる部署に対し、社内システムのIPv6への取り組みの指針や導入計画を提示する。

推定正解 B


U−1−11 電子計算機システムの高速化を達成するための下記諸手段の中で、CPUのスループット向上に最も関係の深いものはどれか。
@ キャッシュ     A コプロセッサ
B 多重演算レジスタ  C パイプライン
D メモリ・インターリーブ

推定正解 @


U−1−12 次のプログラムの断片は与えられた正の整数nに対して幾つかの数値を出力するものである。出力結果を以下の@〜Dより選択せよ。
n=50;
x=n;
while(x < (n + 10)) {
i=2;
while((x % i) != 0) i=i+1;
if(x == i) printf("%d;",x);
x=x+1;
}
@ 52;    A 53;    B 53;55; 
C 53;59; D 53;59;61;
注:(a) x%iはxをiで割った余り。
  (b) n,x,iはすべて整数型。
  (c) !=は等しくない。
  (d) ==は等しい。
  (e) printf("%d;",x);はxの値を書き出して、その後に;を書き出す。

推定正解 C


U−1−13 次のソート・アルゴリズムの中で、ワーストケースの性能がO(n log n)のものはどれか。(ただしnは対象の要素数)
@ クイックソート    A ヒープソート
B 直接挿入ソート    C 選択ソート
D バブルソート

推定正解 A


U−1−14 次の5つの記述のうち、間違っているのはどれか。
@ ユーザビリティ工学では、製品の問題点を洗い出し、それらを改善することで使い易さを高めていこうとする。
A 人間工学は、人間の諸特性に適合するように機器装置を設計し、疲労を軽減した状態で、作業を安全にエラーなく効率的に行えるようにすることを目的とする。
B 認知工学では、人間の記憶、学習、思考、問題解決といった特性を理解した上で、それらに適合した形で機器やシステムの設計を行う。
C 感性工学では、機器やシステムが分り易く、効率的に使えるだけでなく、使って楽しく、満足感が得られることを重視する。
D 製造物責任(PL)法によれば、消費者が被害を被ったときにも製造側の過失を立証する必要があり、製品に欠陥があったことを立証するだけでは不十分である。

推定正解 D


U−1−15 次の5つの記述のうち、間違っているのはどれか。
@ デジタル化権とは、著作物などの情報をデジタル方式により初めて電子媒体に固定した者に対して与えられる権利のことであるが、現行の著作権法上では認められていない。
A Web上に登場させたバーチャルアイドルなどについては、名前、姿・声・キャラクター、プログラム自体などが著作権保護の対象となる。
B WEBページに載せる自分の写真の背景に他人も写っていたが、その他人の許諾を得る必要はない。
C 他人のWEBページから創作物であるコンテンツをダウンロードして自分のWEBページに載せる場合には、原則として複製と有線送信に関して著作権者の許諾が必要である。
D 日本からインターネットを通じてカリブ諸国のサーバーで開設されたカジノで賭博を行なうと、賭博罪が成立する可能性がある。

推定正解 B

戻る


情報工学一般(記述問題)

U−2 次の5問題のうち2問題を選んで解答せよ。(茶色の答案用紙を使用し、問題ごとに用紙を替えて解答問題番号を明記し、それぞれ1枚以内にまとめよ。)

U−2−1 ソフトウェア開発におけるウォーターフォール・モデルの利害得失を、この分野の動向に照らして論述せよ。

U−2−2 ソフトウェア開発プロセスの構成要素としての品質保証技術について論述せよ。

U−2−3 プログラミング言語処理系において、Webアプリケーションに対応するために特に重要とされる機能を論述せよ。

U−2−4 クライアント・サーバシステムにおいて、クライアントに汎用ブラウザを利用することがしばしば行われるが、かかる場合の利害得失を論述せよ。

U−2−5 システム分析者がユーザーの要求を仕様書にまとめる場合に留意すべきことがらについて論述せよ。

戻る


選択科目

全科目

T−1 次の問題について解答せよ。(答案用紙5枚以内にまとめよ。)

 あなたが受験申込書に記入した「専門とする事項」に関連して、あなた自身が体験したもののうち5件以内の業務名、該当期間、あなたの役割について年代順に列記し、その中で技術士にふさわしいと思う業務2件を選び、次の事項について論述せよ。
(1)業務の内容
(2)主要な技術的課題、及び解決策
(3)その解決策について生かした情報工学に関する専門知識、及びあなた自身が発揮した創意工夫
(4)その解決策に対する最近の技術水準から見た評価と将来展望

戻る


情報システム

T−2 次の問題について解答せよ。(緑色の答案用紙を使用し、10枚以内にまとめよ。)

 受発注システムをWebアプリケーションとして構築するケースを考える。このケースにおける企業の実態については自由に想定してよい。
 (1)あなたが想定する企業のビジネス・モデル(ビジネスの仕組み)について述べよ。
 (2)その情報システムを構想し、その内容をER図又はクラス図(タイプ図)を用いて説明せよ。
 (3)その情報システムのなかで最も注意を要する部分の技術的課題を3項目挙げて、その解決策を述べよ。
 (4)その情報システムを評価するための項目を挙げよ。

戻る


情報数理及び知識処理

T−2 次の問題について解答せよ。(緑色の答案用紙を使用し、10枚以内にまとめよ。)

 下記の3つの技術分野のうち2つを選択し、それぞれについて、そこに含まれる情報処理、あるいは知識処理に関連した手法を1つ選び、下記の設問項目について述べよ。
〔技術又は技術分野〕
1.Web3D
2.C言語による数値解析、C言語の応用、Visual Basicによるシミュレーション、Visual Basicの応用
3.数理計画
〔設問項目〕
(1)手法の概要
(2)手法が応用される分野
(3)手法に対する評価(使用経験、短所・長所、発展性など)

戻る


情報応用

T−2 次の2問題について解答せよ。(緑色の答案用紙を使用し、問題ごとに用紙を替えて解答問題番号を明記し、T−2−1は6枚以内に、T−2−2は4枚以内にまとめよ。)

T−2−1 現代は「知識が富の源泉である」といわれている、そこで、あなたの身近な組織(会社、団体、自治体など)で、ITを利用した「知識共有・知識創造」システムを構想し、次の4項目について述べよ。
(1)システムの概要(図示して説明せよ。)
(2)システムを構築する上での主要な要素技術
(3)システムを実現し、運用していくための諸問題
(4)予想される有効性と将来展望

T−2−2 次の4項目のうち、2項目を選んで論述せよ。(1項目2枚以内)
(1)CMM(Capability Maturity Modelsーソフトウェア能力成熟度モデル)
(2)Peer to Peer情報配信(Napster、Gnutellaなど)
(3)SOAP(Simple Object Access Protocol)
(4)Web−EDI

戻る


電子計算機システム

T−2 次の3問題について解答せよ。(緑色の答案用紙を使用し、問題ごとに用紙を替えて解答問題番号を明記し、T−2−1及びT−2−2はそれぞれ3枚以内に、T−2−3は4枚以内にまとめよ。)

T−2−1 ノイマン型コンピュータを構成する装置を2種類挙げ、それぞれについて性能向上の為の基本技術の概要及び抱えている問題点について論述せよ。

I−2−2 非ノイマン型コンピュータを2種類挙げ、それらの内容を概説し、将来展望について論述せよ。

T−2−3 複数のコンピュータを接続して1台のコンピュータとして機能させるクラスタシステムについて、その概要、主要な適用分野、抱えている問題点及び将来性について論述せよ。

戻る