平成18年度技術士第二次試験問題(電気電子部門)
 ●電気電子一般  択一問題および正解
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択一問題
 2-1 次の20問題のうち15問題を選んで解答せよ(解答欄に1つだけマークすること)。

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2-1-1 次のタービン発電機の水素冷却方式の特徴のうち,誤っているものはどれか。

(1) 空気冷却方式に比べて圧力損失(通風損失)が小さい。
(2) 空気冷却方式に比べて冷却効果が大きい。
(3) 年数を経ても熱伝達率が下がらない。
(4) コロナ発生電圧が低い。
(5) 水素ガスは大気圧より高い圧力で高純度に維持する。


正解は4

2-1-2 がいしが備えるべき次の条件のうち,誤っているものはどれか。

(1) 雨,雪,霧などの環境下では,漏れ電流が大きいこと。
(2) 電気的・機械的性能の経年劣化が少ないこと。
(3) 温度の急変に耐え,また湿気の吸湿がないこと。
(4) 線路故障時および線路開閉時に発生する内部異常電圧に対しても十分な絶縁耐力を有すること。
(5) 電線の自重や風圧,被氷雪などの外力に対しても十分な機械的強度があること。


正解は1

2-1-3 地中送電線の布設方式のうち,管路式や暗きょ式と比較して,直接埋設式の特徴で誤っているものは次のうちどれか。

(1) 布設工事費が増大する。
(2) ケーブルが外部からの損傷を受けやすい。
(3) 保守点検や漏油検出が難しい。
(4) 工事期間が短い。
(5) 地中送電線の増設が難しい。


正解は1

2-1-4 スポットネットワーク方式に関する次の文章において,下線部分が誤っているものはどれか。

スポットネットワーク方式は,複数の配電線から分岐線をいずれも(1) T分岐で引き込み,それぞれ(2) 受電用断路器を経て(3) ネットワーク変圧器に接続する。各低圧側は,(4) ネットワークプロテクタを経て(5) 直列に接続し,ネットワーク母線を構成する。

正解は5

2-1-5 2次巻線に抵抗を挿入した三相巻線形誘導電動機に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。

(1) 2次巻線に抵抗を挿入することで,始動トルクを増やすことができる。
(2) 2次抵抗の値を増やすことで,出力トルクの最大値を調整できる。
(3) 2次抵抗を2倍にすると,所定の負荷トルクに対するすべりが2倍になる。
(4) 2次巻線に抵抗を挿入すると,運転時の効率が低下する。
(5) 2次巻線に挿入する抵抗の値を増やすと,始動時の電流が減る。


正解は2

2-1-6 プロペラ型風車の受風面を通過する風の運動エネルギーから正味の風車軸出力に変換される割合を風車の効率とする。これには理論上の上限があり,ベッツ係数あるいはベッツの限界として知られている。この値に最も近い値は次のうちどれか。

(1) 30% (2) 45% (3) 60% (4) 75% (5) 90%

正解は3

2-1-7 下図のようなエレベータをモデルにした巻上機がある。エレベータのかご質量をmc[kg],平衡錘の質量をmb[kg]とし,滑車の半径をr[m],電動機と滑車の慣性モーメントの和をJ[kgm2]としたとき,エレベータを上向きにO.1g[m/s2](gは重力加速度)で加速するときに必要な電動機のトルク[Nm]は次のうちどれか。ただし,摩擦などによる損失はないものとする。

(1) 0.1Jg + 0.1r(mc + mb)g + r(mc - mb)g
(2) 0.1Jg + 0.1r(mc - mb)g + r(mc + mb)g
(3) 0.1Jg/r + 0.1r
2(mc + mb)g + r2(mc - mb)g
(4) 0.1Jg/r + 0.1r(mc - mb)g + r(mc + mb)g
(5) 0.1Jg/r + 0.1r(mc + mb)g + r(mc - mb)g


正解は5

2-1-8 次のIHクッキングヒータに関する説明で,誤っているものを選べ。

(1) IHクッキングヒータが家庭用調理器具として普及してきているが,IHとは電磁誘導加熱のことである。
(2) IHクッキングヒータで加熱できる原理には,電流の表皮効果が含まれる。
(3) IHクッキングヒータで加熱するために用いる鍋の材質としては,導電率が高いほど適している。
(4) IHクッキングヒータは,鍋で電気エネルギーを熱に変換するので効率が高い。
(5) IHクッキングヒータと電子レンジでは,加熱に用いる電流の周波数は電子レンジの方が高い。

正解は3

2-1-9 次の文章のうち正しくないものはどれか。

(1) 波長にくらべて充分な長さを有する同軸ケーブルは分布定数回路である。
(2) 異なる特性インピーダンスの同軸ケーブルを接続すると,電力の反射が生じる。
(3) 同軸ケーブルの特性インピーダンスは,中心導体と外側導体の太さの比を変えると変化する。
(4) 3C-2Vの同軸ケーブルと,5D-2Vの同軸ケーブルで異なるのはケーブルの外径だけである。
(5) インピーダンスのミスマッチはリターンロスで表示できる。


正解は4

2-1-10 標準信号発生器の出力電圧のダイアルは,出力端子を開放したときの出力電圧の1μVをOとしたdBで目盛っている。いまこの標準信号発生器の出カインビーダンスが50オームの純抵抗として,出力端子に50オームの純抵抗を負荷として接続し,出力電圧のダイアルを80dBにセットしたとき,負荷で消費される電力は何dBmか,最も近いものを次の中から選べ。

(1) -53dBm
(2) -33dBm
(3) -13dBm
(4) +13dBm
(5) +40dBm


正解は2

2-1-11 負帰還増幅回路などの回路の安定性を判定する手法としては使われないものは次のうちどれか。

(1) ナイキストの判別法
(2) ボード線図
(3) 特性方程式の根の複素平面上の位置
(4) インパルス応答の絶対値の積分
(5) スペクトルの絶対値の積分


正解は5

2-1-12 MOSトランジスタのドレーンと電源の間に負荷抵抗RLを挿入したソース接地増幅回路において,ドレーン電流の動作点を2mAに設定したとき,小信号電圧利得が10倍となるようにRLを選んだとする。いまドレーン電流の動作点を1/2に,負荷抵抗を2倍に変更したとき,この回路の小信号電圧利得はいくらになるか,最も近いものを次の中から選べ。

(1) 5倍 (2) 7倍 (3) 10倍 (4) 14倍 (5) 20倍

正解は4

2-1-13 携帯電話システムに関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。

(1) 通話するとき以外でも,携帯端末は電波を出すことがある。
(2) 位置登録は,着信に必須な機能である。
(3) CDMA方式では,他セルからの干渉の影響を受ける。
(4) 待ち受け時に.携帯端末は間欠的に受信している。
(5) ある通信事業者のネットワーク内で,複数の基地局エリアをまたがって通信を継続できる機能をローミングという。


正解は5

2-1-14 ダイバーシチ技術を用いる移動通信に関する説明として誤っているものは次のうちどれか。

(1) 同じ信号を複数のアンテナで受信したとき,すべての受信信号のレベルが同時に減衰する確率がより大きい方が通信品質をより改善できる。
(2) フェージングによる伝搬損失に周波数依存性があるとき,複数の異なる無線周波数で送信された同じ信号を受信することにより通信品質を改善することができる。
(3) 空間ダイバーシチ技術は,デジタルだけでなくアナログのシステムでも適用できる。
(4) 送信側と受信側にそれぞれ1本のアンテナしか用いない場合でも,受信レベルの時間変動があればダイバーシチ技術を用いて通信品質を改善することができる。
(5) 垂直偏波と水平偏波をそれぞれ受信する2本のアンテナを移動機に用いれば,通信品質を改善することができる。


正解は1

2-1-15 あるデジタル情報を伝送する際に8相位相変調を用いるとする。このとき変調速度が9600ポーであったとする。この場合のデータ伝送速度(ビット/秒)として正しいものは次のうちどれか。

(1) 9600ビット/秒
(2) 12800ビット/秒
(3) 19200ビット/秒
(4) 28800ビット/秒
(5) 57600ビット/秒


正解は4

2-1-16 次の記述のうち,誤っているものはどれか。

(1) NTSCカラーテレビ信号は直交変調技術を用いている。
(2) NTSCカラーテレビ放送で用いられている周波数帯域幅は,白黒テレビ放送で用いられた周波数帯域幅より広い。
(3) カラーテレビ放送では,色を表現するために赤,緑,育の加法混色の原理を用いている。
(4) インタレース走査(飛越し走査)は,テレビの垂直解像度を同一に保ったまま周波数帯域幅を半分にする技術である。
(5) ガンマ補正は,表示デバイスの電気一光変換の非直線特性を補正する操作である。


正解は2

2-1-17 低圧幹線に関する記述で,間違っているものは次のうちどれか。

(1) 唯一の過電流遮断器で保護された送風機用幹線において,全ての三相誘導電動機を200V定格から400V定格に取り替え,回路電圧を400Vに変更したので,定格電流が200V定格時の1/2の過電流遮断器に交換した。

(2) 高圧受電の施設において,こう(亘)長110oの既設低圧幹線を利用して,動力負荷に電力を供給する計画をした。幹線の電圧を三相200Vにしたときに,負荷電流に対する電圧降下率が14%になったので,動力負荷の定格を400Vとし,幹線の電圧を三相400Vに変更した。

(3) 太い幹線から細い幹線を分岐するときに,細い幹線を保護する過電流遮断器を分岐点からこう(亘)長3m以内の箇所に設けた。

(4) 集合住宅の電灯幹線を計画する上で,各住戸の使用電力容量を想定し,幹線に接続される住戸の使用電力容量を合計して,これに住戸の数に対応した幹線の需要率を乗じ配線太さを選定した。

(5) 低圧受電の施設において,こう(亘)長200m以上の三相200V低圧幹線の電圧降下を12V以下に抑えるように配線太さを選定した。


正解は1

2-1-18 三相200V,40kWの交流電動機が100%の負荷状態で運転されている時の入力電流として最も近い値は次のうちどれか。但し,100%負荷時の効率ηを90%,力率をcosθ=0.92(遅れ)とする。

(1) 100A
(2) 120A
(3) 140A
(4) 160A
(5) 180A


正解は3

2-1-19 屋内照明の計画要素である照度,色温度,輝度に関する記述で,間違っているものは次のうちどれか。

(1) 色温度4,500K(ケルビン)の光源を用いて,事務室の平均照度750lx(ルックス)を確保した。
(2) 商品が日立つようにミニハロゲン電球使用のスポットライトを用いて,宝飾店舗のショーウィンドウの演出を行った。
(3) 色温度3,500K(ケルビン)の光源を用いて,輝度を抑えた光天井(格子ルーバー)として,明るく落ち着いたホールを計画した。
(4) 色温度の低い光源を用いて,高照度な店舗を設計することにより,涼しげな空間を演出した。
(5) 間接照明でベース照度200lx(ルックス)を確保し,色温度の低い光源を用いたフロアー・スタンドで,落ち着いた居間の雰囲気を演出した。


正解は4

2-1-20 フルスケール30A,精度1.5級の交流電流計を使用して,正弦波の電流を測定したところメータが20Aを指示した。実際に流れている電流の正しい値は次のうちどれか。

(1) 20±0.30A
(2) 20±0.45A
(3) 20±1.50A
(4) 20±3.00A
(5) 20±4.50A

正解は3

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