技術士第二次試験 平成20年度 筆記試験問題(建設部門)


建設一般

第二次試験過去問題Topへ

次の2問題のうち1問題を選んで解答せよ。(解答問題番号を明記し、答案用紙3枚以内にまとめよ。)

  1. 社会資本の維持管理に関する現状と課題を述べ、これに対する対策としてのアセットマネジメントの必要性及びその実用化に向けた方策についてあなたの意見を述べよ。
  2. 我が国の公共事業は、近年、縮小傾向にあるが、このような状況が、建設分野における技術力の維持及び向上に与える影響とその課題を挙げ、今後とるべき方策についてあなたの意見を述べよ。

専門問題

土質及び基礎
 次の10問題のうち2問題を選んで解答せよ。(問題毎に答案用紙を替えて解答問題番号を明記し、それぞれ3枚以内にまとめよ。)

第二次試験過去問題Topへ

  1. 市街地の外周部を取り巻く環状道路が計画されている。環状道路の一部に模式図に示す条件の延長2kmの掘割道路区間があり、U型擁壁が採用されている。掘割区間は図に示すよう
    に比較的軟弱な地盤状況にあり、また、点在する家屋に近接する形で平面線形が決定されている。このような条件下で以下の問いに答えよ。

    1. 本路線の掘割区間にはU型擁壁が採用されている。掘割道路の形式には、この他、ブロック積み擁壁や逆T型擁壁なども考えられるが、本路線でU型擁壁が採用されている理由を、この2 形式との比較で説明せよ。
    2. 本路線で選定されているU型擁壁の本体構造及び仮設土留めの設計に際して検討すべき事項を挙げ、それぞれについて検討方法及び必要な地盤情報を説明せよ。
    3. 工事着手前に追加ボーリングを実施したところ、模式図の条件よりも沖積砂質土が厚く堆積している区間があることが判明した。沖積砂質土層の上面境界がGL−7m付近となった場合について、当初設計から変更すべき事項を挙げ、それぞれについての対処策を述べよ。


  2. 市街地において延長2kmの高架橋の計画がある。概略調査の結果、模式図のような地盤の情報が得られている。この高架橋の基礎構造を杭基礎で計画するにあたって、摩擦杭基礎(GL−10m以浅の砂質土を対象)、不完全支持基礎(GL− 30m付近の砂質土を対象)、完全支持基礎(GL−50m以深の砂質土、砂礫を対象)の3つの支持形式について検討している。なお、橋脚下端に作用する鉛底力は常時で約10,000kNである。以下の問いに答えよ。なお、解答は各問いにつき1枚程度を目安とする。
    1. 上記に示した3つの支持形式に対する設計上の留意点と、検討に必要な地盤調査、試験内容について述べよ。
    2. 当地区の設計・施工条件を勘案し、あなたが最も適切と思う支持形式とその杭種及び杭施工法を1つ選び理由を説明するとともに、施工上の留意点について述べよ。
    3. その後の詳細な調査により、GL−3m〜−8mに障害物(RC杭φ400mm)が点在していることが判明した。(2)で選んだ支持形式の杭施工法において、障害物が比較的「少ない場合」と「多い場合」の両方について、設計・施工上の対処法を述べよ。


  3. 丘陵山間地の沢を埋める盛土延長約150m,道路幅員約20mの高規格道路が計画されている。沢の中心部には道路横断ボックスカルバートが計画され、近傍の地盤調査の結果、当該地点においては下図に示すような軟弱地盤が約10mの厚さで存在することが明らかになっている。以下の問いに答えよ。
    1. 盛土は切土の発生材(泥岩、砂質土、ローム)を流用することになっている。この場合に必要な発生材の調査内容、試験項目、その目的について説明せよ。
    2. この現場状況において、ボックスカルバート基礎の軟弱地盤対策について、工期に「余裕のある場合」と「余裕のない場合」のそれぞれに対して、あなたが適切と考える方法を挙げ、設計・施工上の留意点を述べよ。なお、供用後、多少の補修は許容できるものとする。
    3. 沢埋め盛土区間の施工に当たって情報化施工を行うことになった。当該現場にふさわしいと考えられる施工管理手法を提案し、それに必要な計測計画(計測器配置・期間等)を立案せよ。


  4. 模式図に示すような河川改修済みの堤防内に橋台を建設する計画がある。橋長は45m,幅員は24m,橋台高さは8mで、河川に対して50度の斜角を有している。周辺に民家や商業施設などは存在せず、用地上の制約も少ない。また、地質調査は実施しているが柱状図に示す標準貫入試験の結果しか得られていないため、追加調査の予定がある。なお、橋台背面の盛土(裏込め及び道路盛土)は橋台施工後、上部工架設前に実施する予定である。以下の問いに答えよ。
    1. 上記の構造条件及び柱状図に示す地盤条件から、橋梁完成後において橋台に生じる可能性のある変状現象を2つ以上挙げ、それぞれについての対策法及び対策法の設計にあたっての留意点を述べよ。また、これらの検討に必要な地質調査及び試験の項目を地層ごとに検討項目と対比して挙げよ。
    2. 既成杭の代表的な施工方法を3種類挙げ、それぞれの施工方法の概要、本橋台基礎に適用した際の得失を整理し、最適案を選定せよ。また、あなたが選んだ最適案について、施工上の留意点を述べよ。


  5. 現在は安定している古い地すべり傾斜地を横断する1車線道路について、拡幅による歩道付き2車線化が計画されている。このとき、以下の問いに答えよ。なお、解答は各問いにつき1枚程度を目安とする。
    1. 地すべりの基本的な型分類とそれぞれの発生形態・原因を概説し、地すべり地における現地踏査と変動計測の着眼点を示せ。また、当該緩斜面が旧地すべり地であることを確認し、あわせてすべり面を特定するための土質・地質調査計画についても基本的な考え方を述べよ。
    2. 模式図中央付近に示す道路拡幅工事がほぼ完成に近づいた頃、3日間の降雨継続後、図に示す2ヵ所の位置で新たな亀裂が観測された。旧地すべりブロックが活動を始める一般的な土質工学的要因を概説するとともに、今回亀裂が生じた原因を説明せよ。
    3. 一般的地すべり対策工の分類と基本的な選定に当たっての留意点を概説せよ。また、今回の地すべりに対して最も適切と思う対策工を選定し、その際、特にあなたが留意する点を述べよ。なお、斜面最下部は河川に近接している。


  6. 軟弱層が厚く堆積する臨海部の埋立て地盤上に中層建物を建設する計画があり、PHC杭の施工完了後、根切り工事を行う。根切り時の安定検討結果を踏まえて、法付けオープンカット工法と鋼矢板による自立山留工法を採用した。根切り工事を行ったところ、一部のエリアにおいて、杭頭位置が正規の位置よりも最大1m水平方向に変形するトラブルが発生した。この時、以下の問いに答えよ。なお、解答は各問いにつき1枚程度を目安とする。
    1. 埋立て直後に行われていたプレロード盛土の履歴記録を詳細に調べた結果、模式図中に「非プレロード盛土エリア」として示すように、プレロード盛土の行われていなかったエリアの存在が明らかとなった。杭を変形させた原因とその発生メカニズムを2種類挙げて説明し、それぞれについて地盤の変状状態と杭の変形状態を推察せよ。
    2. 変形の生じたPHC杭の健全性を調査するための具体的な方法を挙げて、利用可・不可を判断するための考え方を説明せよ。
    3. 設計段階に非プレロード盛土エリアの存在が既知であった場合、非プレロードエリアの基礎及び根切りの設計・施工上の留意点と対策法を説明せよ。なお、工期の制約上、プレロード盛土による対策法は採用できないものとする。


  7. 水深−1.5mの海底に模式図に示すような重力式防波堤を施工することを検討している。地盤が広い範囲で水平に広がっているものとして以下の問いに答えよ。なお、解答は各問いにつき1枚程度を目安とする。
    1. 正規圧密粘性土と過圧密粘性土のせん断特性と圧密特性について、両者の特徴を対比して説明せよ。また、模式図の沖積粘性土層が正規圧密である場合、せん断特性と圧密特性を定量的に評価するための地盤調査と土質試験の方法について述べよ。
    2. 地盤対策をしないで模式図のような重力式防波堤を線状に設置しようとした場合に想定される地盤の破壊、変形挙動について説明せよ。また、この場合に採用できる地盤対策工法(あるいはその組合せ)について、原理が異なる2つの方法を挙げ、それらの原理と特徴を述べよ。
    3. 上記(2)で挙げたそれぞれの地盤対策工法について、対策範囲の概略を図示しその根拠を述べよ。また、それぞれについての設計上の留意点を述べよ。


  8. 直接基礎の設計について以下の問いに答えよ。
    1. 直接基礎の支持力を算定する方法にTerzaghiの支持力公式(下式)がある。同式の前提条件及び各項の内容を説明せよ。また、偏心・傾斜荷重が作用する際の支持力をこの式で算定する場合、その影響を考慮する方法について説明せよ。
    2. 模式図の地盤に店舗兼共同住宅(鉄骨造、地上3 F、 地下なし、平面15mX40m)を建設する計画がある。上部粘玉層の地盤改良(固化改良)を併用した直接基礎の可能性を検討するとき、必要な検討項目とその内容を説明せよ。
    3. 上記検討において、建物の不同沈下が許容値を超えることが判明した。過大な不同沈下が生じる原因を複数挙げ、それぞれについて設計上の対処方法(基礎形式の変更を含む)を述べよ。


  9. 砂質地盤上の堤防の耐震性について、液状化の影響と対策に関する以下の問いに答えよ。なお、解答は各問いにつき1枚程度を目安とする。
    1. 液状化を生じやすい土質条件を挙げよ。また、標準貫入試験等から簡易に液状化の可能性を判定する方法について説明せよ。
    2. 地震による堤防天端の沈下量を解析的に推定する方法を2つ挙げ、それぞれの方法の概要と特徴を説明せよ。
    3. 模式図に示す既設堤防に大規模地震(レベル2地震動)が作用した場合に想定される被害パターンについて述べよ。また、地震被害を軽減するための対策工を2種類挙げ、各々について対策工の原理、確実性・施工性・経済性などの特徴を説明せよ。


  10. 圧密沈下問題に関して以下の問いに答えよ。解答は、各問いにつき1枚程度を目安とする。
    1. JISで規定されている2つの圧密試験方法について、それぞれの概要と特徴を記述せよ。
    2. 正規正密粘土の圧密沈下量推定式3種類と、圧密時間算定式を示せ。また、模式図1に示す地盤条件と載荷条件を考慮し、模式図2の圧密試験結果を用いて載荷盛土による圧密沈下量及び圧密に要する時間を概算せよ。軟弱粘土層は層厚6mの単一層としてよい。なお、圧密に要する時間は正密度90%時点(時間係数Tv=0.848)とし、地中応力算出時の水の単位体積重量は10kN/m2とする。
    3. 圧密現象には載荷に伴う沈下のほか,地下水汲み上げによって生ずる沈下もある。地層の上下を帯水砂層に挟まれた軟弱粘土層について、上部砂層の地下水を汲み上げるケース,及び下部砂層の地下水を汲み上げるケースを想定し,それぞれの圧密沈下発生メカニズムについて説明せよ。


鋼構造およびコンクリート
 次の16問題のうち、鋼構造を選択する者はAグループ(T−1〜T一4)から1問題とBグループ(T−5〜T−8)から1問題を選んで合計2問題、コンクリートを選択する者はCグループ(T−9〜T−12)から1問題とDグループ(T−13〜T−16)から1問題を選んで合計2問題について解答せよ。(問題ごとに答案用紙を替えて解答問題番号を明記し、それぞれ3枚以内にまとめよ。)

第二次試験過去問題Topへ

(Aグループ)

  1. あなたの専門とする立場から、鋼構造物に要求される性能を2つ以上挙げ、照査すべき項目の具体例を用いて概説せよ。また、性能照査型設計の特徴、課題、解決策を述べよ。

  2. あなたの専門とする立場から、鋼構造物におけるリダンダンシー (冗長性)について、具体例を挙げて概説せよ。さらに、リダンダンシーを設計に反映するための課題、技術的解決策を述べよ。

  3. あなたの専門とする立場から、市街地に計画される大型車交通量の極めて多い道路の鋼橋を設計するうえで考慮すべき点を3つ挙げ、それぞれについて概説したうえで具体的な方策を述べよ。

  4. あなたの専門とする立場から、鋼管(円形鋼管、角形鋼管)を用いた立体ラーメン構造(純ラーメン構造)の構造的な特徴を挙げ、設計上の課題と技術的解決策について述べよ。


(Bグループ)

  1. あなたの専門とする立場から、環境保全に配慮した鋼構造物の架設(建て方)計画を策定するうえでの課題を2つ挙げ、それぞれについて概説したうえで技術的解決策とその効果及び今後の展望について述べよ。

  2. あなたの専門とする立場から、鋼構造物の接合の一種である、溶接接合と高カボルト接合による併用継ぎ手の製作・架設(建て方)上の優位点と課題をそれぞれ2つずつ挙げて説明したうえで、課題に対する技術的解決策について述べよ。

  3. あなたの専門とする立場から、既設鋼構造物の長寿命化に寄与する技術を3例挙げ、それぞれの技術的特色について概説せよ。さらに、その中の1例について施工面での課題とその解決策及び効果について述べよ。

  4. あなたの専門とする立場から、既設鋼構造物の点検に関する技術的課題を2つ挙げて概説したうえで、それぞれの課題に対する技術的解決策と今後望まれる技術について述べよ。


(Cグループ)

  1. コンクリート用混和材料について、以下の問いに答えよ。
    (1)環境負荷の低減に寄与する混和材料を3つ挙げ、それぞれについて特性及び環境負荷低減に対する効果を概説せよ。
    (2)それらの中で今後さらに利用の拡大が期待されるものを1つ選び、利用拡大のための課題を示し、今後どのようなことに取り組むべきか、あなたの考えを述べよ。


  2. 再生骨材を用いたコンクリートについて、以下の問いに答えよ。
    (1)技術の現状について概説せよ。
    (2)再生骨材コンクリートの普及を阻害している要因について述べ、それらを解決するための方策について、あなたの考えを述べよ。


  3. 最近の高性能コンクリートについて、以下の問いに答えよ。
    (1)代表例を3つ挙げ、それぞれについて概説せよ。
    (2)そのうち1つを取り上げ、構造物を特定したうえで、その構造物に適用した際の課題と解決策について、あなたの考えを具体的に述べよ。


  4. コンクリートの施工性能について、以下の問いに答えよ。
    (1)高品質なコンクリート構造物を実現するために、必要とされるコンクリートの施工性能を3つ挙げ、それぞれについて概説せよ。
    (2)適切なスランプのあり方について、現状の課題を述べるとともに、コンクリート構造物を取り巻く状況変化の観点より、あなたの考えを述べよ。



(Dグループ)

  1. 鋼とコンクリートからなる複合構造について、以下の問いに答えよ。
    (1)2つの構造形式に大別し、それぞれの形式について概説せよ。
    (2)具体的な構造を1つ挙げ、設計施工上の留意点並びに現状の課題を述べるとともに、今後どのようなことに取り組むべきか、あなたの考えを述べよ。但し、鉄筋コンクリート構造、プレストレストコンクリート構造並びに鉄骨鉄筋コンクリート構造は除くものとする。


  2. コンクリート構造物の長寿命化について、以下の問いに答えよ。
    (1)新設コンクリート構造物の設計段階における方策を概説せよ。
    (2)疲労耐久性を考慮すべき部材を挙げ、その部材が疲労によって性能低下が生じた場合について、対策を示し実施にあたっての課題及びその取り組みについて、あなたの考えを述べよ。


  3. 変状が生じているコンクリート構造物の補強について、以下の問いに答えよ。
    (1)補強設計段階で考慮すべき事項を概説せよ。
    (2)耐荷性が低下しているはり部材を補強する場合について、適用可能な工法を2つ挙げ、それらの設計段階における課題及び解決策について、あなたの考えを述べよ。


  4. セメントの水和熱に起因する温度応力によって生じるひび割れの評価について、以下の問いに答えよ。
    (1)設計段階でひび割れの発生を評価するために、重要と思われる条件を挙げて概説せよ。
    (2)設計段階でのひび割れ発生の予測精度向上に向けての現状の課題を示し、今後どのようなことに取り組むべきか、あなたの考えを述べよ。

都市および地方計画
 次の8問題のうち、Aグループ(T−1、T−2)及びBグループ(T−3〜T−8)から各1問題、合計2問題を選んで解答せよ。(問題ごとに答案用紙を替えて解答番号を明記し、それぞれ3枚以内にまとめよ。)

第二次試験過去問題Topへ

(Aグループ)

  1. 近年、国や多くの地方公共団体が集約型都市構造あるいはコンパクトシティの実現を主要な政策目標の1つに据えているが、我が国においてこのように集約型都市構造が目指されるに至った背景・要因を3つ挙げるとともに、集約型都市構造に対する批判的な論点についても2つ挙げ、そのうえであなたが望ましいと考える都市構造について述べよ。

  2. 都市におけるバリアフリー空間の整備が必要とされる社会的背景について述べ、さらに「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」(バリアフリー新法)が新たに制定されるに至った理由と、それを踏まえて都市における移動等の円滑化を進めるための方策について述べよ。

(Bグループ)

  1. 緑地保全制度と都市公園事業が歴史的文化的資産を保存・継承・再生するためにこれまで果たしてきた役割と課題を述べ、また、これらの制度や事業を活用して歴史的文化的資産を活かしたまちづくりを進めるうえでの留意点について述べよ。

  2. 都市における「水と緑のネットワーク」を形成するにあたって、現状の自然環境の課題を述べたうえで、ネットワークを形成することの意義とその推進方策を述べよ。

  3. 我が国の都市において、自転車は交通手段として重要な役割を果たしているが、特に最近、市街地において自転車の利用に配慮した交通環境を整備すべきであるという議論がなされている。このような議論がなされるようになった社会的背景を指摘したうえで、自転車利用の観点から現状の交通環境の課題とその解決方策を述べよ。

  4. 市街地整備手法として土地区画整理事業がもつ特徴を3点述べよ。そのうえで、都市を巡る社会経済情勢の変化に対応して、今後、市街地整備手法として土地区画整理事業を適用することが効果的であると考えられる具体的なケースを1つ挙げ、事業執行上の課題と対応策を述べよ。

  5. 市街地再開発事業において民間事業者等の参画を図る仕組みを3点挙げて、その具体的な制度の内容を述べるとともに、市街地再開発事業を推進していくうえでの課題を挙げて、それを踏まえて、その仕組みの活用によって得られる事業関係者にとってのメリットについて具体的に述べよ。

  6. 都市計画法第7条に基づく市街化区域と市街化調整区域の区分、いわゆる線引き制度について、その目的、制度の概要及びこれまでの主要な制度変更点を述べるとともに、線引き制度をめぐって近年生じている課題や問題視されている現象を具体的に3点挙げて説明せよ。

河川、土砂および海岸
 次の10問題のうち,Aグループ(I−1,1−2)から1問題とBグループ(I−3〜I−10)から1問題を選んで合計2問題について解答せよ。(問題ごとに答案用紙を替えて解答問題番号を明記し,それぞれ3枚以内にまとめよ。)

第二次試験過去問題Topへ

(Aグループ)

  1. 源流部から海岸までの土砂管理の現状と課題、今後の目指すべき方向性について整理したうえで、あなたの得意とする分野で具体的な課題を設定し、それを解決するための具体的な推進策について述べよ。

  2. 近年の風水害の発生状況を踏まえ、河川、砂防、海岸分野のいずれかの分野において、被害の最小化を実現するために進めるべき施策について幅広く論ぜよ。


(Bグループ)

  1. 中小河川(概ね流域面積が200km2程度以下)における洪水防御や浸水被害軽減のための計画・対策のあり方について、大河川と比較した場合の中小河川の自然・社会的特性等を踏まえつつ、幅広く論ぜよ。

  2. 堤防を有し、氾濫防御が必要なおよそ10kmにわたるある河道区間において、最近20年間で、河原(植生がまばら、あるいはほとんど無い礫州)が優占する状況から、密生した樹木群が優占する状況に大きく変化し、河道内樹林化と呼べる状況となった。なお当該河道区間は扇状地河川であり、河床勾配はおよそ1/200、川幅はおよそ300mである。
    この河道内樹林化に関して行うべき調査・分析等の項目(既往調査結果の活用も含む)と、それにより何を評価・判断するかについての大要を、3つの観点すなわち「樹林化の原因把握」、「治水機能確保」、「河川環境の保全・再生」ごとに示せ。ただし、内容が互いに一部重複しても構わない。
    次に、こうした調査・分析等の結果を踏まえ、この河道内樹林化への対応策を検討・実施する際に、あなたが重要と考える事柄を、治水、環境、河川管理、地域との関係の視点を含め論ぜよ。


  3. ダムの試験湛水期間における安全管理の考え方を、コンクリートダム、フィルダムについて説明せよ。さらに、試験湛水中のコンクリートダムにおいて、基礎排水孔あるいは継目排水孔から安全管理上、注意が必要とされる基準を超える漏水があった場合の原因究明の手法、安全性確認の手法、解決策について論ぜよ。

  4. 第四期断層がダムに及ぼす影響を列記したうえで、ダムサイトの選定における考え方を説明せよ。また、第四期断層調査の手順を、各検討段階における留意点を含めて論ぜよ。

  5. 地球温暖化に伴う気候変動により、我が国では降水量の増大等が懸念されている。こうした気候変動が土砂災害の発生に及ぼす影響について論じるとともに、これらに対する土砂災害対策の方向性と技術的課題について、あなたの考えを述べよ。

  6. 大規模な崩壊等により河道が閉塞し、天然ダムが形成された場合に懸念される災害の形態について論じるとともに、その対策及び留意点について述べよ。

  7. コンクリート構造の海岸堤防及び護岸に関して、老朽化の現状、老朽化に伴う変状の特徴を述べ、効果的かつ効率的な維持管理のあり方について、技術者の立場からあなたの考えを述べよ。

  8. 高潮対策において海岸保全施設に求められる機能及び性能をそれらの照査方法ともに述べ、自然環境に配慮した高潮対策の進め方について論ぜよ。

港湾および空港
  次の2問題(1、2)について解答せよ。

第二次試験過去問題Topへ

  1. 近年の社会現在情勢を踏まえたわが国の港湾又は空港の整備に関し、以下の3テーマから1つを選び、背景と課題を整理し、課題から2つを取り上げ、あなたの考える具体的解決方策を述べよ。(回答問題番号を明記し、答案用紙3枚以内にまとめよ。なお、解答の書き出しには、テーマを明記すること。)

    1. スーパー中枢港湾政策の充実・深化について

    2. 地方圏の港湾におけるアジア物流への対応策について

    3. 三大都市圏又は地域の拠点空港における国際機能の充実・強化について


  2. 次の5設問のうちT設問を選んで解答せよ。(答案用紙を替えて解答設問番号を明記し、3枚以内にまとめよ。)

    1. 地球温暖化が、港湾又は空港に及ぼす影響と課題について整理し、そのうち技術面において重要と考える課題を2つ取り上げ、その解決方策を述べよ。

    2. 桟橋式係船岸壁又は空港基本施設舗装の維持管理における点検・調査、診断・評価、対策工の留意事項と技術的課題を整理し、そのうち重要と考える課題を2つ取り上げ、その解決方策を述べよ。

    3. 港湾又は空港の整備において、軟弱地盤上に100ヘクタールを超える大規模な埋立を行う場合の技術的課題を整理し、そのうち重要と考える課題を2つ取り上げ、その解決方策を述べよ。

    4. 「港湾の施設の技術上の基準」が昨年改訂されたが、耐震設計について、旧基準との相違点を整理し、取り組むべき技術的課題を2つ取り上げ、あなたの考えを述べよ。

    5. 既存ストックを活用した空港整備の観点から、空港利用者の利便性向上に関する課題を整理し、そのうち技術面において重要と考える課題を2つ取り上げその解決策を述べよ。

電力土木
  次の2問題(1-1、1-2)について解答せよ。(問題ごとに答案用紙を替えて、それぞれ3枚以内にまとめよ。)

第二次試験過去問題Topへ

  1. 近年、地震による震災や地球温暖化に伴う気候変動に関連した災害の多発が懸念されている。このような中で、電力設備に想定される自然災害リスクを具体的に挙げ、ライフラインとしての機能を確保するために必要な防災対策と災害発生時の復旧対策について論じ、その課題についてあなたの意見を述べよ。

  2. 次の3設問のうち、1設問を選んで解答せよ。(解答設問番号を明記すること。)

    1. (1)電力土木施設を1つ挙げ、その施設の保有すべき性能について、耐震性能あるいは耐久性能のいずれかの観点から述べよ。
      (2)(1)で挙げた施設を維持管理するうえで、必要と考えられる性能照査の課題とその対策について、あなたの考えを述べよ。


    2. (1)電力土木施設を1つ挙げ、その施設の保有すべき性能について、耐震性能あるいは耐久性能のいずれかの観点から述べよ。
      (2)(1)で挙げた施設の建設にあたり、現場条件等によって発生する設計変更の要点と留意事項について、あなたの考えを述べよ。

    3. (1)電力土木施設を1つ挙げ、その施設の保有すべき性能について、耐震性能あるいは耐久性能のいずれかの観点から述べよ。
      (2)(1)で挙げた施設の事業開発にあたり、その調査・設計における要点と留意事項について、あなたの考えを述べよ。

道路
  次の2問題(I−1,1−2)について解答せよ。(問題毎に答案用紙を替えてそれぞれ3枚以内にまとめよ。)

第二次試験過去問題Topへ

  1. コスト抑制が強く求められる一方、社会資本として本来備えるべき品質も確保される必要がある。建設分野における品質確保を取り巻く現状と課題を述べるとともに、品質を確保する上で重要と考える方策を2つ挙げ、それぞれについてその具体的内容と今後のあり方について、あなたの考えを述べよ。


  2. 次の5設問のうち1設問を選んで解答せよ。(解答設問番号を明記すること。)

    1. 近年、その特性から自転車交通が見直され、自転車利用の機運とともに自転車を取り巻く安心・安全な交通環境を求める声も高まっている。その背景及び現状の課題についてそれぞれ述べ、これらを踏まえて自転車を考慮した道路空間の実現に向けた取り組みについて、あなたの考えを述べよ。

    2. 交通事故の半数以上及び渋滞の3割以上が交差点で発生している状況下で、信号交差点における安全で円滑な交通を確保する上で重要な課題を3つ挙げ、それぞれの課題について効果的と思われる解決策について、あなたの考えを述べよ。

    3. 道路工事における施工管理に関する以下の問いに答えよ。
      1. 「工程管理」の意義と管理方法、「品質及び出来形管理」の管理手順と具体例についてそれぞれ述べよ。
      2. IT技術を活用した施工管理の具体例を2例挙げ、それぞれについてその特徴と課題及び今後のあり方について、あなたの考えを述べよ。

    4. 「舗装工事において発生したリサイクル材」と「その他のリサイクル材」のそれぞれについて、舗装工事における再生利用の現状と課題を述べるとともに、これらを踏まえて今後の再生利用のあり方について、あなたの考えを述べよ。

    5. 盛土工法に関する以下の問いに答えよ。
      1. 軽量盛土工法について、主な工法を2例挙げてその工法内容と特徴を説明せよ。
      2. 補強土壁工法について、主な工法を1例挙げてその特徴を述べるとともに、構造物として長期間安定して機能を発揮させる上での留意点を3つ挙げて、あなたの考えを述べよ。


鉄道
 次の12問題のうちグループから1問題と、Bグループから1問題の合計2問題を選んで解答せよ。(問題ごとに答案用紙を替えて解答問題番号を明記し、それぞれ3枚以内にまとめよ。)

第二次試験過去問題Topへ

  1. (Aグループ)

    1. 地球温暖化防止の観点から、鉄道の特性を踏まえ、鉄道の利用促進を図るための技術的な方策について、あなたの意見を述べよ。

    2. 少子高齢化の進展などの経済社会の構造的な変化が、地方中小鉄道にもたらす課題を挙げ、今後対処すべき技術的な方策について、あなたの意見を述べよ。

    3. 我が国では多くの産業分野で業務の外注化(アウトソーシング)が進展しているが、鉄道事業における業務の外注化の進展において、安全の確保や技術の伝承などの具体的な課題を挙げこれらの課題への対応について、あなたの意見を述べよ。

    (Bグループ)

    1. 鉄道駅と駅周辺地区の開発整備に関する課題を挙げ、その推進方策について述べよ。

    2. 鉄道と他のモードの交通機関との連携を強化するための方策について述べよ。

    3. 鉄道駅において、今後求められる旅客安全設備について述べよ。

    4. 杭基礎のある鉄道高架構造物の設計・施工において、コスト縮減やその品質を確保するための方策について述べよ。

    5. 降雨時における盛土の防災強度を向上する際に考慮すべき事項を挙げ、具体的な対策工法の得失について述べよ。

    6. 老朽化したトンネル覆工の営業活線下での補修・補強工事において、設計・施工上留意すべき事項について述べよ。

    7. スピードアップを行う場合、軌道として留意すべき事項について述べよ。

    8. レールの損傷の種類及びそれらを防ぐ対策について述べよ。

    9. レールの溶接の種類、特徴及び施工上の注意点について述べよ。 

トンネル
 次の2問題について解答せよ。

第二次試験過去問題Topへ

  1. 次の8設問のうち1設問を選んで解答せよ。(解答設問番号を明記し、3枚以内にまとめよ。)
    1. 山岳トンネルで使用される掘削工法について、次の間いに解答せよ。
      (1)掘削工法を4つ挙げ、どのような条件で適用するのか、その適用条件を述べよ。
      (2)地表面沈下やトンネルの変形を抑制したい場合に採用される掘削工法と留意点を述べよ。

    2. 山岳トンネルのインバートの設計に関して、次の間いに解答せよ。
      (1)インバートが保有すべき機能について述べよ。
      (2)インバートの設置が必要となる条件について述べよ。

    3. 山岳トンネルの覆工について、次の間いに解答せよ。
      (1)使用性及び力学特性から見た覆工が有すべき機能について、それぞれ3つ以上述べよ。
      (2)覆工のひび割れの発生原因及びひび割れ防止対策について、それぞれ3つ以上述べよ。

    4. 道路トンネルの安全と快適な環境を保つ目的で設置する換気施設、非常用施設、照明施設について、次 の間いに解答せよ。
      (1)それぞれの施設の設置目的を述べよ。
      (2)トンネル火災が発生した場合の、上記3つの施設の運用と留意点について述べよ。


    5. シールド機の推進機構について、次の間いに解答せよ。
      (1)総推力を検討する場合のシールド機の推進抵抗を列挙し、それぞれについて述べよ。
      (2)シールドジャッキの検討事項を列挙し、それぞれについて述べよ。

    6. 泥水式シールドで長距離施工を行う場合に関して、次の間いに解答せよ。
      (1)シールド機の耐久性を向上させるための検討項目を列挙し、それぞれについて述べよ。
      (2)材料搬送設備及び掘削土砂搬出設備について、それぞれの留意点を述べよ。

    7. 土留め壁の1つである地下連続壁について、次の間いに解答せよ。
      (1)地下連続壁を本体構造物の壁休全部あるいは一部として利用する場合、設計上の留意点について述べよ。
      (2)地下連続壁を本体利用する場合の構造形式を列挙し、それぞれの特徴について述べよ。

    8. 開削トンネルにおいて、本体構造物の設計で考慮する荷重のうち、次の間いに解答せよ。
      (1)地表面上の荷重及び土被り荷重について、それぞれ述べよ。
      (2)トンネルの側壁に働く土圧及び水圧の考え方を述べよ。


  2. 次の8設問のうち1設問を選んで解答せよ。(解答設問番号を明記し、3枚以内にまとめよ。)
    1. 図−1のような 5kmの長さの山岳トンネルを 2q掘削した地点で、切羽崩壊が発生した。
      (1)この急迫した危険に対し、対処すべき緊急時の措置を述べよ。
      (2)この図から、切羽崩壊が発生した原因を推定せよ。
      (3)(2)で推定された原因から、崩壊箇所を突破するための対策を述べよ。




    2. 図−2のような河川側から掘削する計画の小土被りのトンネル工区(1km)がある。地山条件を以下に示す。
      @ 坑口から500mは砂層主体、その先500mはシルト層主体の未固結地山。
      A 砂層は、透水係数が1×10-3〜10-4cm/secで、細粒分含有率が 5%。
      B シルト層は、透水係数が1×10-4〜10-5cm/secで、N値が15〜20。
      C 地表は畑であり、家屋等は無い。
      上記の条件を考慮して、次の間いに解答せよ。
      (1)未固結地山の砂層部(500m)とシルト層部(500m)において、それぞれ設計及び施工上考慮すべき事項を述べよ。
      (2)(1)の考慮すべき事項に対し、適切な対策工法を述べよ。



    3. 図−3に示す条件のもと、山岳工法で掘削されたD=10mのトンネルの覆工について、次の間いに解答せよ。
      (1)設計上の留意点を述べよ。
      (2)図−4の@〜Dに示すようなひび割れの現象が発生した。このうち3つを選び、それぞれの原因として考えられる事項、及び現象の発生を抑制する設計上、施工上の配慮について述べよ。




    4. 当初、図−5の横断図に示す切土で計画していた丘陵部を通過する一方向二車線の四車線道路で、地表部で発見された文化財(住居の遺構)を現地保存することとなり双設トンネルヘ変更(図−6)することになった。それに対して、次の間いに解答せよ。なお、用地幅や道路線形は大きく変更できない(数mは可能)ものとする。
      (1)用地幅内で双設トンネルを施工する場合、掘削工法によりいくつかに分類できる。その掘削工法と特徴について述べよ。
      (2)トンネル構造を決定するまで時間を要したため、工事の工期短縮が求められた。その場合に適用される掘削工法を挙げ、その設計上及び施工上の留意点を述べよ。





    5. シールド掘進に伴う地盤沈下について、次の間いに解答せよ。
      (1)掘進地盤が砂質土地盤の場合と軟弱粘性土地盤の場合で、どのような地盤沈下がシールド機の進行に伴い発生するか、答案用紙に図−7を描き写し、経時変化をそれぞれ示せ。さらに、地盤沈下の種類と発生原因並びに両地盤でどのように異なって発生するか説明せよ。
      (注:1つの図中に、凡例にならい砂質土と粘性土について記職するものとする。また、沈下量は両地盤の差が判ればよく、正確でなくてよい。作図はフリーハンドでよい。)


      (2)図−8に示すシールド工事計画において、地点Bで地盤変状予測解析を精度よく実施するために、地点Aにおいて試験施工を行う予定である。この試験施工で検討する項目を考察せよ。なお、地点Aと地点Bの地盤条件は同一で、地点Aは地上に建物等がない状況である。



    6. シールドトンネル工事にあたり、既設構造物に近接して施工する場合に、事前に行うべき検討項目を列挙せよ。さらに、既設構造物への補強が必要と判断された場合の補強対策及び施工時の留意点を述べよ。

    7. 開削トンネルの耐震性能を照査する場合の照査項目を2つ挙げ、耐震設計の手順を沓まえ、それぞれの照査内容について述べよ。

    8. 開削工法の土留め工の設計にあたり、掘削底面の安定を検討する場合に関して、次の間いに解答せよ。
      (1)Terzaghiのポイリング検討式を記載し、ポイリング現象を説明せよ。
      (2)図−9の条件で、掘削幅10mと50mの場合でTerzaghi式による必要根入れ長と掘削幅を考慮した必要根入れ長を算定し、答案用紙に図−10を描き写し、凡例にならいプロットし、ポイリングの安全性を評価せよ。ここで、必要根入れ長の計算は、結果のみでなく、計算過程も記載すること。
      検討条件:@掘削対象は、平面形状が正方形の立坑とする。
      A掘削幅を考慮した検討における補正係数は、表−1の数値を用いてよい。
      B安全率Fs=1.2とする。
      (3)ヒービング現象について、根入れ長に比べ掘削幅が狭い場合の安全性について考察せよ。



施工計画、施工設備および積算
  次の15問題のうち2問題を選んで解答せよ。(問題ごとに答案用紙を替えて解答問題番号を明記し、それぞれ3枚以内にまとめよ。)

第二次試験過去問題Topへ

  1. 以下の問いに答えよ。
    1. コンクリートの初期ひび割れの原因及び供用後数年を経て発生するひび割れの原因について、それぞれ2つ以上挙げて概説せよ。
    2. 供用後の鉄筋コンクリート構造物の点検の結果、ひび割れが発見された。検討すべき事項を挙げ、考えられる対応策について述べよ。

  2. 以下の問いに答えよ。(各問1枚程度)
    1. 建設工事で発生する建設副産物と建設廃棄物の関係を述べたうえで、建設副産物のリサイクルの現状について概説せよ。
    2. 建設副産物のうちの2品目について、リサイクルを推進するための方策を述べよ。
    3. 公共工事の現場において、構造物を構築するため掘削工事に着手したところ、汚染の可能性のある(有害かどうかは不明)焼却灰に遭遇した。今後の対応について述べよ。

  3. 建設工事における労働安全衛生管理について、以下の問いに答えよ。
    1. 労働安全衛星マネジメントシステム(OSHMS)について、その特徴及び概要を述べよ。(1枚程度)
    2. 工事現場において、重大な作業事故が発生した。この建設現場における労働安全衛生管理の再構築について、リスクアセスメントの観点から述べよ。(2枚程度)

  4. 市街地の道路下において、切ばり式土留め工法により深さ20m程度の大規模掘削(下図参照)を施工する場合について、以下の問いに答えよ。(各問1枚程度)
    1. 計測管理の重要性を概説したうえで、目視点検の点検項目とその内容について述べよ。
    2. 計器等による計測を行う場合の留意点について述べよ。
    3. 掘削途中で周辺地盤に亀裂が生じ、道路沿いの既設構造物に影響を与えると判断し工事を一時中断した。亀裂が生じた要因についてあなたの所見を述べよ。また、取るべき緊急対応策及び既設構造物の防護にかかわる対策工について述べよ。


  5. 最大支間長100m、多径間連続PC箱型桁道路橋の施工にあたり、以下の問いに答えよ。
    1. 張り出し架設で施工する場合、場所打ち工法とプレキャストブロック工法を対比して、利害損失を述べよ。
    2. どちらか1つの工法を選んで、施工計画上の留意点を述べよ。
    3. 供用後、主桁にたわみによる変形が認められたため通行を制限した。この現象を引き起こしたと考えられる原因を2つ挙げ、制限を解除して本格供用を開始するために取るべき対策について述べよ。

  6. 橋梁の基礎杭に関して、以下の問いに答えよ。(各問1.5枚程度)
    1. 中堀り杭工法について、実施に当たっての地質条件及び施工管理上の留意事項を述べよ。
    2. リバース工法により基礎杭を施工していたところ孔壁が崩壊した。当面の措置について述べるとともに、この事象を引き起こす原因を3つ推定して、それぞれの対応策について述べよ。

  7. 港湾の外郭施設である混成堤式防波堤について、以下の問いに答えよ。
    1. 混成堤式防波堤の施工手順を述べたうえで、その中の主要な工種3つについて施工計画上の留意点を述べよ。
    2. 混成堤式防波堤の竣工後に大波浪が来襲した場合の点検項目と点検方法について述べよ。また、ケーソンが転倒して水没した場合の防波堤の復旧方法について述べよ。

  8. 以下の問いに答えよ。
    1. 都市の鉄道複線高架橋(鉄筋コンクリート・ラーメン構造、線路方向スパン約5m)区間の中で1スパンが道路に使用されている。この道路を約15mに拡幅する計画があり、ラーメン高架橋3スパンを約15mの橋梁1スパンに改築する必要がある。この工事の施工方法の選定に際し評価すべき項目を挙げ、それぞれの内容について述べよ。
    2. 次に、この高架橋を改築するにあたり複数の施工方法を挙げ、前述の評価項目を比較検討して、適切と思われる施工方法について述べよ。
      なお、高架橋脇は施工ヤードとして十分使用できるものとする。

  9. 以下の問いに答えよ。
    1. 軟弱地盤上に道路の盛土を行う場合の対策工法を2つ挙げ、その工法の概要と施工計画上の留意点を述べよ。(1枚程度)
    2. 軟弱地盤上の盛土を施工中に、近傍の水田において地盤が隆起する現象が生じた。これに対しての初期の応急的な対応について述べよ。その後、盛土の施工再開に向けて検討を行う際に留意すべき事項について都述べよ。(2枚程度)

  10. ダムや水路構造物などを含む水力発電施設の新設工事に関して、以下の問いに答えよ。
    1. 工事の実施に際して環境保護対策を行う必要がある。このとき考慮すべき項目とそれぞれの実施方法について述べよ。(1枚程度)
    2. 新設工事に関する必要な調査・設計を行い工事に着手したが、この時点で計画区域に保護の対象となる猛禽(ワシ・タカ)類が生息していることが判明した。このような状況下において工事を円滑に実施するための方策を3つ以上述べよ。(2枚程度)

  11. NATM工法の一般的な覆工コンクリートについて、以下の問いに答えよ。(各問1枚程度)
    1. 覆工コンクリートの役割について述べよ。
    2. 覆工コンクリートの品質確保の方策について述べよ。
    3. 完成したトンネルの一部のアーチ部分にひび割れが発生し、その後も進行していることが判明した。その原因と対策について述べよ。

  12. 以下の問いに答えよ。(各問1.5枚程度)
    1. 泥土圧シールド工法と泥水式シールド工法のいずれか1つの工法について、切羽安定のための管理について述べるとともに、滞水砂礫層を掘進する場合の留意点を述べよ。
    2. 密閉型シールドにおいて発進中に起こりうるトラブルを2つ挙げ、それぞれについて想定される原因を概説するとともに、その対策について述べよ。

  13. 以下の問いに答えよ。
    1. CM(Construction Management)方式について概説するとともに、公共工事においてCM方式を活用する目的、期待される効果について述べよ。
    2. 我が国の公共工事においてCM方式を活用するにあたり、CMR(Construction Manager)がその役割を発揮するための課題と対応策について述べよ。

  14. 以下の問いに答えよ。(各問1枚程度)
    1. 公共工事コスト構造改革プログラムの一方策として積算方式の見直しが試行されている。試行中の「ユニットプライス型積算方式」と現行の積算方式のそれぞれの仕組みと特徴について述べよ。
    2. ユニットプライス型積算方式の導入で期待される効果を3点挙げ、その理由について述べよ。
    3. また、ユニットプライス型積算方式の本格導入にあたり、現状を踏まえた改善・推進方策についてあなたの意見を述べよ。

  15. 実行予算について以下の問いに答えよ。
    1. 工事別実行予算と要素別実行予算の内容はそれぞれどのように構成されているか、またそれぞれどのような特徴を持つか、両者を分けて述べよ。
    2. 最近の土木工事では、地球温暖化防止への対策を盛り込むことが必須の課題となっている。これに寄与するために実行予算上配慮すべき項目を3つ以上挙げ、それぞれのコストと効果について述べよ。


建設環境
 次の11問題のうち、Aグループ(I−1、I−2)及びBグループ(I−3〜I−11)から各1問題、合計2問題を選択し、解答せよ。(問題毎に答案用紙を替えて解答問題番号を明記し、それぞれ3枚以内にまとめよ。)

第二次試験過去問題Topへ

(Aグループ)

  1. 平成19年6月、政府は、国内外挙げて取り組むべき環境政策の方向を明示し、今後の世界の枠組み作りへ我が国として貢献する上での指針となる「21世紀環境立国戦略」を閣議決定した。この中で、現在、地球環境が抱える危機として、地球温暖化の危機、生熊系の危機、資源の浪費による危機を挙げ、この危機への迅速かつ着実な取組として、特に今後1、2年で重点的に着手すべき環境施策の方向性として、8つの戦略を示した。
    そこで、
    1. 現在、地球環卿鞄える上記3つの危機について、それぞれの現状と影響について述べよ。
    2. また、「21世紀環境立国戦略」の実現のために建設分野として果たすべき役割について、
      1. 「戦略4:公害克服の経験と智慧を活かした国際協力」又は「戦略5:環境・エネ2・ルギー技術を中核とした経済成長」から1つ挙げ、あなたの考えを述べよ
      2. さらに、「戦略6:自然の恵みを活かした活力溢れる地域づくり」から、ア)環境に配慮した美しい都市づくり、イ)豊かな水辺づくり、の各観点から1つずつ挙げ、あなたの考えを述べよ。

  2. ISO14001について、
    1. その目的や考え方を含めて概説するとともに、
    2. その中に規定されているPDCAの流れの各サイクルの内容について簡単に述べよ。また、
    3. 事業者の立場から、及び地球環境保全の観点から見たIS014001のような環境マネジメントの必要性にっいてあなたの考えを論ぜよ。


(Bグループ)

  1. 沿道における環境問題として、社会的に対応する必要が高いと考えられている環境要素である大気質及び騒音の現状について説明せよ。
    また、これらに起因する沿道環境問題の解決に向けた施策を広く展開するうえでの基本的な方向性について、具体的な対策や留意事項、課題を織り交ぜながら説明せよ。


  2. 都市における録(緑地)の果たす役割を3つ挙げ簡単に説明するとともに、そのうちの1つについて公園緑地計画上の留意点を具体的に論ぜよ。

  3. 今後の都市像の1つとされている集約型都構造を目指すことに関し
    1. 発生する磯念のある環境上の悪影響を2つ挙げ、溌生が懸念される理由とその内容を説明せよ。
      また、
    2. あなたが最も重要と考える環境上の影響に関し;悪影響を減少させるために必要と考える規制・誘導措置について、他の施策とのパッケージ適用などを含め、その実施可能性を論ぜよ。

    1. 地球環境保全の観点から、エネルギー消費量又はCO2排出量について、鉄道と自動車及び飛行機との比較を行い、鉄道が優れている理由について論ぜよ。
      また、
    2. 沿線環境保全の観点から、鉄道の騒音又は振動のいずれか一方について、規制の概要を記述し、その規制に適合するために鉄遣システム全体としてどのような対策が効果的かについて述べよ。

  4. 近年、構造物背後や護岸・海浜前面で、藻場や干潟の回復・再生を目指した海辺の自然再生が行われるようになって来ている。事前に対象地の自然調査を綿密に行っても、当初の予測どおりには自然の再生過程が進行しなかったり、異なる生態系が形成されてしまったりといったことが起こる可能性があるといわれている。そこで、
    1. このような状況に陥る主要な要因を、海辺の持つ特性から導いて2つ挙げよ。その上で、
    2. 各要因ごとに、対応策を2つずつ述べ、併せてその対応策を成功させるための技術上の課題や留意点を対策ごとに記述せよ。

  5. 地球規模の環境問題である温暖化対策としτ低炭素社会の実現へ向けた技術開発が重要となってきているが、持続可能な開発の観点から、石炭火力を中心に我が国の火力発電を取り巻く状況につい述べよ。さらに、我々国の石炭院火力発電所の建設に際して、今後温暖化対策として取組が必要と想定される技術的課題を2つ挙げ、国内外の社会情勢を踏まえ、温暖化問題解決に向けたそれぞれの将来展望を述べよ。

  6. 環境が目的化された平成9年の河川法改正以降、河川の自然環境に関する施策として新たに実施されたもの、又は取組が強化されたものを2つ取り挙げ、
    1. それぞれについて、取組の現状と課題について述べよ。
    2. それぞれについて、課題を踏まえた今後のあり方について、あなたの考えを述べよ。

  7. 公共用水域の底質ダイオキシン類対策について、底質からダイオキシン類を摂取する経路を遮断するための手法を2つ挙げ、それぞれの手法の概要を述べるとともに、それぞれの手法により対策を行う場合の留意点について述べよ。

  8. 下の図は、平成17年度における全国での建設発生土の搬出・利用状況である。
    1. 「利用土砂の建設発生土利用率」の計算式を図中の@〜Jの記号を用いて表せ。
    2. この図を参考に全国レベルでの建設発生土の現況を説明し、建設発生土のリサイクルを進めていくうえでの課題を3つ挙げよ。
    3. そのうち最も重要と考える課題について、重要と考える理由を明らかにした上で、現在実施されている施策を概観するとともに、あなたが今後必要と考える施策・改善策を提案し説明せよ。