技術士第二次試験 平成17年度 専門問題(建設部門)


土質及び基礎
 次の11問題のうち2問題を選んで解答せよ。(緑色の答案用紙を使用し,問題ごとに用紙を替えて解答問題番号を明記し,それぞれ3枚以内にまとめよ。)

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  1. 乱れの少ない土試料の採取方法と,それから得られる土質パラメータについて,土の基本的性質を念頭において以下の設問に答えよ。
    1. ボーリング孔を利用して乱れの少ない土試料を採取する代表的なサンプラーを3種類挙げ,それぞれについて特徴と適用土質について述べよ。
    2. 土全体の体積(V),土粒子の体積(Vs),間隙・水・空気の体積(Vv・Vw・Va)及び土全体の質量(m),土粒子の質量(ms),水の質量(mw)を用いて土の3要素モデルを図示し,土粒子の密度(ρs),含水比(w),間隙比(e),湿潤密度(ρt),乾燥密度(ρd)の定義を示せ。
      乱れの少ない試料土について体積と質量を測定し,それぞれ196.25cm3,及び343.44gを得た。この土を乾燥炉に入れて所定の方法で乾燥し,デシケータ内で室湿まで冷却後に質量を測定して252.18gを得た。この土の合本比(w),湿潤密度(ρt),および乾燥密度(ρd)を求めよ。
    3. 砂の相対密度(Dr)の定義を式で示し,その利用方法と留意点について説明せよ。

  2. 地盤の変形問題を議論する際に必要とされるパラメータの1つである変形係数について以下の設問に答えよ。
    1. 平板蔵荷試験の試験方法について概説すると共に,試験結果を複式的なグラフに示せ。また,平板蔵荷試験結果に基づき変形係数を算出する際の算定方法を,複式的に表したグラフを用いて示し,併せてその際の仮定条件を述べよ。
    2. 平板蔵荷試験以外に変形係数を求める基本的な調査・試験法を3つ挙げ,変形係数を求める際の考え方の違いを比較し概説せよ。ただし,標準貫入試験結果に基づいて求める方法については除くものとする。
    3. 上記2で挙げた3つの調査・試験結果から得られた変形係数を利用する場合について留意点を示せ。

  3. 地すべり地において,道路を土工構造物(切土・盛土)で建設する際の,地すべりへの対応に関する以下の設問に答えよ。
    1. 道路の計画位置が決定する前と後の段階別に,地すべり対策の検討手順および検討内容を述べよ。
    2. 1と同じ段階別に,地すべり検討のために行われる主要な調査項目を挙げ,それにより把捉できる事項を具体的に述べよ。
    3. すべり面の推定範囲が道路横断方向約150m,道路縦断方向約90mである,地すべりの頭部において道路盛土を建設することとなり(下図模式図参照),集水井によって地下水位を5m下げることとして施工を開始した。盛土開始前の計測で地下水位が2mしか下がらなかったため,対策の再検討を行うこととした。考えられる対策を列記して,検討の優先順位をつけよ。また,そのように順位づけした理由を述べよ。


  4. 軟弱粘性土地盤上に道路盛土(盛土高8m)を計画・設計・施工するにあたり,以下の設問に答えよ。
    1. 段階施工や縁遠施工を計画している場合に必要な粘性土地盤のせん斯試験を挙げ,合わせて強度増加率mの算定方法を示せ。その結果から,圧密に伴う地盤の非排水せん断強さcuをどのように求めればよいか,式を用いて述べよ。ただし,盛土前の原地盤における土の非排水せん断強さcuo,強度増加率をm,盛土前土かぶり圧をpo,先行圧密圧力をpc',すべり面の土の圧密度をU,盛土荷重によって生じる応力を△pとし,po<pc'とする。
    2. 上記(1)の検討の結果,無処理では安定を満足できないことがわかり,軟弱地盤対策が必要となった。設計段階で選定される軟弱地盤対策工法のうち,対策原理の異なるものを3種類挙げて,対策による安定性増加のメカニズム,および施工上の留意点について述べよ。
    3. 本施工に先立って,無処理で高さ4mの試験盛土を施工した。下図のように盛土のり尻部の水平変位置石と,盛土中央部の沈下量Sを観測しながら盛土を立ち上げた。盛土の安定管理は,S−δ/S法(松尾・川村の方法)によった。途中水平変位δが大きくなってきたので,盛土載荷を中止していったん放置し,盛土が安定した後所定の高さまで盛り上げることができた。このとき現場で発生していた状況をS−δ/S管理図上に図示して説明せよ。


  5. 粘性土地盤において,高さ6mの鉄道盛土を建設する計画がある。盛土の耐震性に関連する以下の設問に答えよ。
    1. 大地震時に生じる盛土本体と粘性土地盤の沈下に着目し,考えられる現象を説明するとともに検証方法の概要を述べよ。
    2. 盛土の耐震性能向上のための方策を説明せよ。
    3. 地盤が軟弱で近接する杭基礎の構造物がある場合,地震時の盛土が杭基礎構造物に及ぼす影響を述べ,その検討方法と対策の内容について簡潔に説明せよ。

  6. 下図に示す既設の重力式護岸(概念図)について,以下の設問に答えよ。
    1. 地震時に想定される被災状況とその要因について,要因ごとに分類して説明せよ。
    2. 被災状況の防止・抑制のための地盤対策工法について,想定した被災状況の要因ごとに,適用可能な地盤対策工法の種類とその原理,ならびに設計・施工における留意点を述べよ。


  7. 下図のような地盤がある。ここに,平面が20mx50m,地下1階,地上5階の事務所ビルを建設する計画がある。地盤は,敷地内でほぼ一様であることから多少の沈下を許容し,直接基礎で設計することとしたい。細砂層は建物施工前に地震時に液状化しないように地盤改良を行う予定である。このとき,以下の問いに答えよ。
    1. 上記の条件で直接基礎の長期許容支持力を検討する際,留意すべき事項を説明せよ。
    2. 建物の不同沈下を求める手法および不同沈下算定時に考慮すべき留意点を,即時沈下と圧密沈下に分けて述べよ。
    3. 建物の不同沈下を低減する方法を複数示し,それぞれについて簡単に説明せよ。


  8. 複式図に示すような高低差を有する敷地で,地下調整池建設のために8mの掘削を行う計画がある。土留め計画の立案に際し,以下の設問に答えよ。なお,土留め近傍に敷地境界があり,その背面には変位に対して厳しく管理すべき精密機械工場が存在している。
    なお,工場建屋が敷地境界に接近しているため,土留め安保工としてグラウンドアンカーを採用するのは難しい状況にある。

    1. 土留めを計画する上で検討すべき事項を列記し,それぞれの対処策を簡潔に述べよ。
    2. 上記の検討に必要な地盤定数と,これを得るための地盤調査を記せ。
    3. 1次掘削,2次掘削および最終掘削完了時の土留め壁の変形の複式図を,A壁とB壁とを対比して示せ。
    4. 3を踏まえて,高低差を有する土留め壁の設計の留意点を一般的な対称形の土留め壁と対比しながら述べ,その計算の手順を箇条書きで示せ。


  9. 杭基礎の水平抵抗に関して,、以下の設問に答えよ。
    1. 杭頭接合(結合)法として,従来の剛接合のほかに半剛接合法,ピン接合法がある。剛接合と対比した場合のこれらの接合法の得失について述べよ。
    2. 水平方向地盤反力係数の推定法を述べよ。また,水平方向地盤反力係数に影響を及ばす要因に関して簡潔に説明せよ。
    3. 地震時の地盤変位を考慮した抗の挙動を評価する手法として応答変位法が提案されている。応答変位法の概要と設計上の留意点を述べよ。

  10. 老朽化した現橋に並列近接して新設渡河橋の計画がある。現橋は建設されて約50年が経過した鋼偏で,橋長は約240m,スパンは約40m,河川内橋脚は全て井筒基礎(オープンケーソン基礎)である。
    現橋は新設橋が完成後に撤去される計画で,新設橋はスパンが約80mの鋼橋,現橋と新設橋の橋脚位置は流下方向に対して同一である。
    なお,新設橋の基本計画を目的に予備調査が実施されており,それiこよると下図(模式図)に示す地盤条件である。
    以下の設問に答えよ。
    1. 上記のような条件で新設橋脚基礎を計画する場合,考えられる基礎形式を2つ選定し,選定理由と施工上の留意点を述べよ。
    2. 詳細設計及び施工計画を立案するにあたって必要と考えられる調査項目・試験項目を挙げて,その内容を説明せよ。


  11. 模式図に示すような道路橋脚(上部構造は3径間PC桁橋で,下部構造に作用する常時鉛直力は5,000kNとする)を建設する計画がある。現場は,臨海部水際線から100m以内にある市街地の狭隘な場所であり,既設道路の建築限界から,橋軸直角方向のフーチング幅を7.5m以下にする必要がある。これらの前提条件のもとで,以下の設問に答えよ。
    1. 地震時に不安定となる地盤の影響を考慮した設計の考え方について説明せよ。
    2. 前提条件のもとで,本構造物基礎を設計するに際して,留意すべき事項について説明せよ。
    3. 採用可能と考えられる基礎工法を列挙し,列挙した工法から最適工法を選定するための検討の考え方についてあなたの意見を述べよ。


鋼構造およびコンクリート
 次の18問題のうち、T−1−1を選択したものは、Aグループから1問題とBグループから1問題を選んで合計2問題、T−1−2を選択したものは、Cグループから1問題とDグループから1問題を選んで合計2問題について解答せよ。

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(Aグループ)

  1. あなたの専門とする鋼構造物の立場から、高性能鋼を2種類以上挙げ、その特徴と使用上の留意点について述べよ。

  2. あなたの専門とする立場から、維持管理に配慮した鋼構造物の計画・設計上の留意点について述べよ。

  3. あなたの専門とする立場から、鋼構造とコンクリート構造の接合構造の例を2つ以上挙げ、その設計上の留意点について述べよ。

  4. あなたの専門とする鋼構造物の設計におけるFEMなどの数値解析の例を挙げ、採用理由と精度の検証方法について述べよ。

  5. 次の5項目から2項目を選び、その内容を説明せよ。
     (1)疲労設計 (2)高力ボルト引張接合 (3)せん断遅れ (4)局部座屈 (5)じん性


(Bグループ)

  1. あなたの専門とする立場から、既設鋼構造物の耐震性能の向上策について述べよ。

  2. あなたの専門とする立場から、鋼構造物の施工時の省力化・合理化について述べよ。

  3. あなたの専門とする立場から、鋼構造物の改築事例を挙げ、その留意点を述べよ。

  4. あなたの専門とする立場から、鋼構造物への情報化施工の適用例を挙げ、その留意点を述べよ。

  5. あなたの専門とする立場から、鋼構造物の施工時に考慮すべき荷重を2つ以上挙げ、施工上の留意点を述べよ。


(Cグループ)

  1. 鉄筋コンクリート構造物のアルカリ骨材反応による劣化症状を3つ挙げ、新設および既設構造物それぞれにおけるアルカリ骨材反応対策の現状と課題を記すとともに、今後の展望についてあなたの意見を述べよ。

  2. 高性能コンクリートの現状を示し、それを構造物に適用した最近の事例を3つ挙げ、それぞれの特徴と適用にあたっての設計、施工上の留意点についてあなたの意見を述べよ。

  3. 短繊維補強コンクリートについて、異なる利用方法の事例を2つ挙げ、それぞれの特徴を記すとともに、材料、設計、施工上の課題と展望についてあなたの意見を述べよ。

  4. 材料・配合に起因する鉄筋コンクリート構造物のひび割れを1つ挙げ、発生の原因、使用性ならびに耐久性に及ぼす影響を記し、そのひび割れを防止するための設計・施工上の留意点についてあなたの意見を述べよ。


(Dグループ)

  1. 鉄筋コンクリート構造物の健全度を評価する非破壊検査について、測定の目的が異なる3種類の検査方法を挙げて、それぞれの概要と留意点を記すとともに、非破壊検査技術の今後の展望についてあなたの意見を述べよ。

  2. 塩害劣化が顕在化した鉄筋コンクリート構造物を、経済性を踏まえ、引き続き要求性能を確保しながら供用するための、点検・補修・補強など維持管理における留意事項について述べよ。

  3. プレストレストコンクリート構造物の耐久性に影響を与える要因を2つ挙げ、それぞれについて耐久性を向上させるための方策と今後の展望についてあなたの意見を述べよ。

  4. コンクリート構造物において部材のプレキャスト化が求められる背景を示した上で、プレキャスト部材が構造部材として用いられている最近の事例を3つ挙げ、その概要と技術的な特徴を記すとともに、コンクリート構造物のプレキャスト化の課題と今後の展望についてあなたの意見を述べよ。

都市および地方計画
  次の7問題のうち2問題を選んで解答せよ。(緑色の答案用紙を使用し、問題ごとに用紙を替えて解答問題番号を明記し、それぞれ3枚以内にまとめよ。)

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  1. 平成16年に制定された景観法について、法律制定の背景について述べるとともに、同法の内容に即しつつ、今後のまちづくりへの活用方策について述べよ。

  2. 中心市街地の機能回復のため地域内での居住人口の増加を図ろうとする際、考えられる都市計画手法の活用方策を述べよ。

  3. 現在のまちづくり上の課題に対応した土地区画整理事業の推進方策について事業の特性を踏まえつつ述べよ。

  4. 民有地において緑とオープンスペースを確保する方策について、平成16年に改正された都市公園法及び都市緑地法に留意しつつ述べよ。

  5. 保留床の一括処分に頼らず、保留床管理法人による持続的な賃貸経営により事業資金を回収する市街地再開発事業のあり方について述べよ。

  6. 都市における今後の公共交通利用の促進を支援するための、駅及び駅前広場、道路の改善方策について述べよ。

  7. 都市公園における植栽基盤整備計画・設計の手順と内容について述べよ。

河川、土砂および海岸
  次の11問題のうち、Aグループから1問題とBグループから1問題を選んで合計2問題について解答せよ。(緑色の答案用紙を使用し、問題ごとに用紙を替えて解答問題番号を明記し、それどれ3枚以内にまとめよ。)

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(Aグループ)

  1. 河川、砂防、海岸における市民等とのコミュニケ−ション及び合意形成のあり方について論ぜよ。

  2. 世界水問題を踏まえつつ、河川・砂防・海岸分野における我が国の国際貢献のあり方について、幅広い観点から論ぜよ。

  3. 人間活動が流域の水・物質循環系に与えてきた影響と課題を述べ、その解決に向けての方策について幅広く論ぜよ。


(Bグループ)

  1. 河川の低水管理のあり方について述べよ。

  2. 中小河川において、大規模な改良復旧工事等の抜本的改修工事を実施する際に、河道計画を検討するうえで、特に河川環境保全の観点から配慮すべき事項について述べよ。

  3. 標準的な重力式コンクリートダム{実施設計(配置設計)段階}において、コスト縮減策を検討する際の着眼点ならびに注意点を、できるだけ網羅的に述べよ。

  4. 我が国の既設ダムにおける問題について管理、運用、環境等の面から数点を述べるとともに、既設ダムの機能を向上させるための手法について数点を述べよ。

  5. 大規模地震時に発生する土砂災害の形態と周辺環境に及ぼす影響を解説し、その対応を検討する場合の留意点を述べよ。

  6. 移動の兆候が見られる地すべりに対する応急対策について、ソフト、ハードの両方の観点から述べよ。

  7. 海岸侵食の現状とその原因を踏まえ、砂浜の保全のあり方について述べよ。

  8. 我が国の津波災害の実態を踏まえ、総合的な津波防災対策についてハード・ソフトの両面から述べよ。

港湾および空港
  次の2問題について解答せよ。(緑色の答案用紙を使用し、問題ごとに用紙を替えて解答問題番号を明記し、それぞれ3枚以内にまとめよ。)

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  1. 東アジアなど海外諸国との人・物・情報の交流が著しく増大しつつあるが、その状況を経済活性化や地域づくりに活用するための、我が国の港湾整備又は空港整備のあり方について、あなたの考えを述べよ。

  2. 次の6設問から1設問を選んで解答せよ。なお、解答設問番号を明記し、技術的課題を2つ挙げて述べよ。
    1. 港湾または空港における交通サービスの効率化または高質化のための計画、管理または運営に関する、重要な技術的課題と対応策について述べよ。
    2. 港湾または空港において災害に対する安全性を向上させるための調査、設計または施工に関する、重要な技術的課題と対応策について述べよ。
    3. 港湾または空港における良好な環境の保全、再生または創出に関する、重要な技術的課題と対応策について述べよ。
    4. 港湾または空港における施設の設計手法の高度化または開発に関する、重要な技術的課題と対応策について述べよ。
    5. 港湾または空港の整備における調査または施工の経済性または迅速性の向上に関する、重要な技術的課題と対応策について述べよ。

電力土木
  次の2問題について解答せよ。(緑色の答案用紙を使用し、問題ごとに用紙を替えて解答問題番号を明記し、それぞれ3枚以内にまとめよ。)

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  1. 次の2設問のうち1設問を選んで解答せよ。
    1. 電力事業を取り巻く経済・社会環境が変化する最近の情勢を概括した上で、これに対応して、これからの事業展開において電力土木技術者の果たすべき役割について、あなたの意見を述べよ。
    2. 経年による老朽化が懸念される電力土木施設に関する保守・維持管理の課題を概括した上で、経済性と安全性の観点から合理的な保守・維持管理のあり方について、あなたの意見を述べよ。

  2. 次の8設問のうち1設問を選んで解答せよ。
    1. 電力地下構造物を1つ挙げ、調査・設計における土木技術上の要点について述べよ。
    2. 火力または原子力発電所の復水器冷却水施設の計画・設計における土木技術上の要点について述べよ。
    3. 送・変電施設を1つ挙げ、基礎の主要な構造形式を列挙し、その特徴と基礎地盤を考慮した選定方法の要点について述べよ。
    4. 発電所の建設または運転により、自然環境に大きく影響を及ぼすことが懸念される事例を1つ挙げ、その影響を低減させるための土木技術上の方策について述べよ。
    5. 風力発電所の調査・設計における土木技術上の要点について述べよ。
    6. 電力土木分野における情報化、システム化の具体的事例を1つ挙げ、その効果と評価について述べよ。
    7. 電力土木施設を1つ挙げ、その施設の耐震設計の要点について述べよ。
    8. 発電所の運転によって発生する副産物を1つ挙げ、その副産物のリサイクルの現状と今後のあり方について述べよ。

道路
  次の5問題のうち2問題を選んで解答せよ。ただし、1はすべての受験者が解答し、残る1問題を2以下から選ぶこと。(緑色の答案用紙を使用し、問題ごとに用紙を替えて解答問題番号を明記し、それぞれ3枚以内にまとめよ。)

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  1. 道路を取り巻く現状を踏まえつつ、より効果的、効率的かつ透明性の高い道路の整備・管理を進めていくために、あなたが特に重要と考える具体的方策を3つ列挙し、それぞれの内容と期待される効果について述べよ。

  2. 近年の道路政策に関わる景観配慮について、その動向と基本的考えを述べよ。さらに道路整備の構想・計画段階において、良好な道路景観を形成するにあたっての留意事項を地方部と都市部に分けて述べよ。

  3. 盛土のり面及び切り土のり面の設計・施工において留意すべき事項をそれぞれ述べるとともに、のり面の崩壊を防止するための効果的な排水対策について述べよ。

  4. 排水性舗装(路面騒音低減を目的として設置する場合も含む)の設計・施工において留意すべき事項を述べるとともに、維持管理における技術的課題及び解決方策について述べよ

  5. 路上工事縮減の従来の取り組みを挙げ、それらについて、道路利用者の立場に立った課題を述べよ。さらに、その解決に向けた具体的方策にについて述べよ。

鉄道
  次の12問題のうち、Aグループから1問題と、Bグループから1問題を選んで合計2問題について解答せよ。(緑色の答案用紙を使用し、問題ごとに用紙を替えて解答問題番号を明記し、それぞれ3枚以内にまとめよ。)

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  1. (Aグループ)

    1. 鉄道の利用促進を図るために、鉄道ネットワークの充実に向けて今後取り祖むべき方策について、あなたの意見を述べよ。

    2. 鉄道分野におけるITイヒの推進方策について、あなたの意見を述べよ。

    3. 鉄道事業者が実施している線路および鉄道施設構造物の維持管理業務のうち、今後の直轄と外注の施工区分について、あなたの意見を述べよ。


    (Bグループ)

    1. 駅の拠点性向上が求められている中、街づくりと一体となった駅整備のあり方について述べよ。

    2. 都市間鉄道の速達性向上のための方策について述べよ。

    3. 鉄道構造物の耐震補強について、設計・施工段階で留意すべき事項について述べよ。

    4. 鉄道を高架化する場合、環境対策を含め設計・施工上で配慮すべき事項について述べよ。

    5. 鉄道構造物の効率的なメンテナンスについて、重要と考えられる事項について述べよ。
    6. 鉄道土構造物において、切土および盛土を安定させるため考慮すべき事項について述べよ。

    7. 分岐器の保守管理において考慮すべき事項について述べよ。
    8. 軌道における噴泥発生の原因とその対策について述べよ。

    9. 保線作業の機械化、省力化の方策について述べよ。

トンネル
 次の10問題のうち2問題を選んで解答せよ。(緑色の答案用紙を使用し、問題ごとに用紙を替えて解答問題番号を明記し、それぞれ3枚以内にまとめよ。)

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  1. 山岳トンネルにおいて、インパート設置を検討する必要のある地山条件、立地条件などから、具体的な項目や現象を少なくとも3点を挙げ、それぞれの必要性について述べよ。

  2. 山岳トンネルの施工段階においては、地山条件により当初設計を変更することがあるが、変更に至る要因・現象とその対処方法について述べよ。

  3. 山岳トンネルにおいて重要な意味を持つ次の2項目について説明せよ。
    (1)屈折法による弾性波探査結果を評価する際の留意点
    (2)地山強度比

  4. 山岳工法で、土被り300m程度以上のトンネルを計画する場合の留意点と施工時に考えられる課題について述べよ。

  5. 道路トンネルにおいて、安全性・快適性を確保するために重要な3つの付属施設の概要を列挙しレそれぞれの施設規模に及ぼす要因について述べよ。

  6. シールドトンネルを近接して併設する場合の検討事項を3つ以上挙げ、それぞれについて設計上配慮すべき点と施工上の留意点を述べよ。

  7. シールドトンネルにより大深度地下で施工する場合、コスト縮減を踏まえ、現状の技術に対する改善点について述べよ。

  8. 密閉型シールドを設計する場合に、次の2設問に答えよ。
    (1)代表的なカッター支持方式を3つ挙げ、それぞれの支持方式について機能的特徴を述べよ。
    (2)巨礫・玉石層において、中小口径シールドを設計する場合に、(1)で取り上げた3つのカッター支持方式の中から相対的に望ましくない方式を挙げ、その理由について述べよ。

  9. 開削トンネルにおいて地下連続壁の施工計画を行う際、次の留意点のうち3つ以上選び、その内容を説明せよ。
    (1)掘削機の選定
    (2)エレメント割り、エレメント継手の構造、各エレメントの掘削
    (3)ガイドウオールの設計および施工
    (4)安定液の管理
    (5)鉄筋かごまたは鋼杭の建込み、コンクリートの打設

  10. 市街地において開削トンネルを建設する計画がある。土質条件は下図(複式図)に示すとおりである。これらの条件を踏まえて、次の2設問に答えよ。
    (1)一般的な掘削底面の破壊現象名を3つ挙げ、その中から下図の土質条件で予想される破壊現象を選び、何故その発生が予想されるか、その理、由について述べよ。
    (2)掘削底面の破壊現象を回避するために講ずべき適切な対策について、@土留め構造、A補助工法の面から記述せよ。


施工計画、施工設備および積算
  次の15問題のうち2問題を選んで解答せよ。(緑色の答案用紙を使用し、問題ごとに用紙を替えて解答問題番号を明記し、それぞれ3枚以内にまとめよ。)

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  1. コンクリートの温度ひび割れについて概説し、マスコンクリート構造物においてその発生を制御もしくは防止するために、施工計画上留意する点を述べよ。

  2. 施工現場から発生する建設副産物のリサイクルに関する課題と推進方策について述べよ。

  3. 市街地道路において大規模掘削工事(深さ30m程度)を行うにあたり、地下に多数の管路のほか幅3m、高さ2mの共同溝(箱型鉄筋コンクリート構造物)が横断している場合に、土留め工法、補助工法、埋設物防護工法について施工計画上の留意点を述べよ。

  4. PC連続箱桁橋で桁下空間を阻害せずに架設する工法を3つ挙げ、それぞれの特徴を説明するとともに、そのうちの1工法について施工計画上の留意点を述べよ。

  5. 河川を横断する橋梁の大型基礎の選定に当たっての留意点について概説し、オープンケーソン基礎、ニューマチックケーソン基礎、鋼管矢板基礎のうち1つを挙げてその特徴、施工計画上の留意点を述べよ。

  6. 港湾工事の特徴について述べるとともに、港湾の防波堤に用いられるケーソンの進水、曳航、据付について、施工計画上の留意点を述べよ。

  7. 複々線電化鉄道の土路盤下に施工基面と構造物天端の離れが1m未満のボックスカルバート(幅員15m程度の道路構造物)を新設する場合、必要な事前調査項目と施工計画上留意すべき事項について述べよ。

  8. 道路建設において、橋梁、地下鉄等の重要構造物に近接して施工を行う場合、施工計画上の留意点を述べるとともに対策工法を2つ挙げよ。

  9. 道路土工事の軟弱地盤上の盛土施工において、施工計画上留意すべき点について述べよ。

  10. ダム工事におけるコスト縮減策について、3例挙げて述べよ。

  11. 土被りの小さい未固結地山にNATMで計画された内空断面60u程度以上のトンネルについて、施工計画上の留意点を述べよ。

  12. 密閉型シールドで、長距離施工を行う場合と急曲線施工を行う場合のそれぞれについて、施工計画・施工管理上の留意点について述べよ。

  13. 今後の建設事業の実施にあたって、防災、環境の保全・創造、建設コスト縮減の観点から重要と考えられるテーマをそれぞれ1例挙げ、技術上の課題とその解決策について述べよ。

  14. 平成17年4月に「公共工事の品質確保の促進に関する法律」が施行されたが、これをふまえ公共工事の品質に関する特性を示すとともに、品質の確保に当たって配慮すべき事項を述べよ。

  15. 原価管理の手順をPlan-Do-Check-Actionの管理サイクルと対応させて概説し、現場で原価低減を実現する手法について具体的に説明せよ。

建設環境
  次の11問題のうち、A及びB両グループから各1問題、合計2問題を選んで解答せよ。(緑色の答案用紙を使用し、問題ごとに用紙を替えて解答問題番号を明記し、それぞれ3枚以内にまとめよ。)

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(Aグループ)

  1. ヒートアイランド現象の現状及び影響について概説するとともに、その原因を3つ挙げ、それぞれの原因に対しての建設分野における有効な対象について論ぜよ。

  2. 環境影響評価法に基づいて実施する環境影響評価の手続きを概説するとともに、今後よりよい環境影響評価が行われるための課題と方策について、あなたの考えを述べよ。

(Bグループ)

  1. 道路の環境問題について、
    1. 社会的に対応する必要性が高いと考えられている環境項目(物質名ではない)を3つ列挙せよ。
    2. (1)で挙げた環境項目のなかで、あなたが最も社会的に対応する必要性が高いと考える項目を1つ選定し、その項目を選定した理由について、その環境項目の特性、近年の動向、将来見通しの3つの観点から説明せよ。
    3. (2)で選定した環境項目における具体的な対策を挙げ、その対策の効果及び課題について論ぜよ。
  2. 都市における公園緑地計画を立案する際に、配置計画において配慮すべき公園緑地の機能を4つ挙げ簡単に説明するとともに、そのうち1つについて留意点を具体的に論ぜよ。

  3. 良好な都市景観を形成するための主な規制・誘導措置または事前制度について3種類を列挙して、都市景観形成の観点から、各々の概要を記述せよ。また、そのうちの1つの措置または制度を選択して明記した上で、その手法の適用が求められる市街地内の地区を想定し、当該地区の特性及び都市景観上の課題を記述するとともに、手法を適用する際の留意点および手法の適用による効果について論ぜよ。

  4. 新幹線鉄道について、沿線の騒音及び振動に関する規制の概要を記述し、騒音または振動のいずれか一方について、その規制に適合するためにどのような対策が効果的かについて発生機構別に述べよ。

  5. 沿岸域に存在する湿地帯、干潟、藻場が自然環境や生態系に果たしている主要な機能を3つ挙げ概要せよ。また、これらの湿地帯、干潟、藻場を保全・再生するための事業を実施する場合、計画段階、実施段階それぞれの段階で留意すべき事項について述べよ。

  6. 火力発電所や原子力発電所の建設によって生じる環境への影響について、アセスメントの対象となる、【@環境の自然的構成要素の良好な状態の保持、A生物の多様性の確保および自然環境の体系的保全、B人と自然との豊かなふれあいの確保、C環境への負荷の量の程度】の中から1つを選び、懸念される環境要素について列挙し、そのうちの2つについて、その概要、最近の対象および将来の技術的展望を具体的に説明せよ。

  7. 河川の自然再生事業を行うにあたって、調査・計画段階、事業実施段階のそれぞれの段階において検討すべき点について述べよ。

  8. 我が国における湖沼の水環境保全について、その現状と課題を述べるとともに、今後、実施・強化すべき施策について論ぜよ。

  9. 平成14年度建設副産物実態調査の結果を踏まえ、建設副産物のリサイクルの課題について述べ、建設副産物のリサイクルを推進するための方策を複数挙げて論ぜよ。