技術士第一次試験 平成16年度 共通科目(生物) 問題と解答
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- 生態系の生産者は、独立栄養生物である。これに対して、生態系の消費者と分解者は従属栄養生物である。独立栄養生物と従属栄養生物に関する次の記述のうち、最も正しいものはどれか。
(1) 独立栄養生物とは、緑色植物のことである。
(2) すべてのバクテリアと動物は、従属栄養生物である。
(3) すべての独立栄養生物が、光合成を行う能力をもっているわけではない。
(4) すぺての食虫植物や寄生植物は、従属栄養生物である。
(5) カビやキノコの仲間(菌類)の中には、独立栄養生物がいる。
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正解:3
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- 東京近郊ではイチョウは4月初旬に開花し、秋に実る。次のイチョウに関する記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) イチョウは雌雄異株である。
(2) 雌花の胚珠に入った花粉は花粉管を生じるが、花粉管の伸長はきわめて遅い。
(3) 9月になると花粉管には精子が生じる。
(4) 精子は胚のうと受精する。
(5) イチョウは裸子植物なので、ギンナンを包む緑色の皮は種皮である。
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正解:4
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- 次の諸現象についての記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) オジギソウの葉が、昼間開いていて夜になると閉じるのは屈光性による。
(2) ミドリムシが光のあたる側に集まってくるのは走光性による。
(3) 雄のカイコガが雌のカイコガに誘引されるのは走化性による。
(4) メダカが流れに向かって泳ぐのは走流性による。
(5) 風で倒されたコスモスの茎が、やがて立ち上がるのは屈地性による。
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正解:1
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- 細胞が有機物を分解してエネルギーを取り出す現象を呼吸という。呼吸には嫌気呼吸(無気呼吸)と好気呼吸(有気呼吸)とがある。呼吸に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 嫌気呼吸の反応はすべて細胞の細胞質基質で行われる。
(2) 好気呼吸を行っている細胞には、発達したミトコンドリアが存在する。
(3) 呼吸によって有機物から取り出されるエネルギーは、普通ATPの形を介して使われる。
(4) ヒトの筋肉が連続して収縮する時には、筋肉細胞内で嫌気呼吸が行われている。
(5) 嫌気呼吸をアルコール発酵という。
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正解:5
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- 次の根に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) ジャガイモやサトイモの食用部分は根である。
(2) マメ科植物の根にはよく根粒菌が共生している。
(3) 根毛は単細胞である。
(4) 根冠は成長点を覆っている。
(5) 一般に根は放射中心柱である。
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正解:1
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- 植物の花芽形成に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1) 短日植物が花芽を形成するのは春から夏である。
(2) アサガオやキクは長日植物である。
(3) 昼間(明期)の長さが12時間以下になると花芽を形成する植物を短日植物という。
(4) 短日植物は、夜(暗期)の長さを知覚して花芽を形成する。
(5) 花芽形成で、光刺激を感受しているのは葉緑素である。
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正解:4
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- 酵素に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 酵素は生きている生物体内でのみはたらく。
(2) 50℃以上の温度でもはたらく酵素がある、
(3) 酵素には一般に最もはたらきやすいpHがある。
(4) 酵素反応の基質となる物質は一種類とは限らない。
(5) 酵素の本体はタンパク質である。
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正解:1
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- ウニの発生過程の順序として正しいものは、次のうちのどれか。
(1) 受精卵→胞胚 →桑実胚→原腸胚→プルテウス幼生→プリズム幼生
(2) 受精卵→桑実胚→胞胚 →原揚胚→プリズム幼生 →プルテウス幼生
(3) 受精卵→桑実胚→胞胚 →原腸胚→ブルテウス幼生→プリズム幼生
(4) 受精卵→厚揚胚→桑実胚→胞胚 →プルテウス幼生→プリズム幼生
(5) 受精卵→原揚胚→胞胚 →桑実胚→プルテウス幼生→プリズム幼生
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正解:2
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- ゼニゴケは雌雄異株である。雌株には雌器床が、雄株には雄器床ができるほか、どちらの葉状体にも茶碗の形をした無性芽器ができる。次のゼニゴケに関する記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 無性芽器に入っている無性芽は草相(n)である。
(2) 雄器床が水に濡れると無数の精子が出てくる。
(3) 朝、雄器床から黄色い袋状の構造が出現するが、それはシダ植物の前葉体(配偶体)と相同である。
(4) 袋が破れて出てくるのは花粉ではなく、胞子である。
(5) ゼニゴケには根はなく、その代わりに仮根がある。
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正解:3
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- 次に挙げる生物の系統に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) アサリ、バッタ、ミミズは旧口動物である。
(2) ソテツは裸子植物、スギナは被子植物である。
(3) ユレモやネンジュモなどのラン藻類は原核生物である。
(4) エイは軟骨魚類、ヒラメは硬骨魚類である。
(5) イネ、トウモロコシ、ユリは単子葉植物である。
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正解:2
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- 動物の感覚器(受容器)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) トンボは視覚器として複眼と単眼の両方をもつ。
(2) 味覚器と嗅覚器は、いずれも化学物質の刺激を受容する器官である。
(3) ヒトの視覚器では水晶体を前後させて遠近を調節する。
(4) コオロギの聴覚器は前肢にある。
(5) ヒトは体の傾きを内耳の前庭器官によって知ることができる。
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正解:3
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- 次に挙げる生物のうち、光合成をしていないものはどれか。
(1) アサクサノリ (2) ヒジキ (3) キクラゲ
(4) アオノリ (5) シャジクモ
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正解:3
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- 生態系において、生産者が光合成によって固定したエネルギーは、物質の流れにともなって高次の栄養段階にある生物に受け渡されていく。ある草原において、太陽からの光エネルギーが1年間あたり5×104cal/cm2で、生産者がそのうちの2%を固定したとすると、三次消費者に受け渡される1年間あたりのエネルギー量は、次のうちのどれか。ただし、栄養段階を1つ上がると、エネルギーは10分の1に減少するものとする。
(1) 103cal/cm2 (2) 102cal/cm2 (3) 10cal/cm2
(4) 1 cal/cm2 (5) 10-1cal/cm2
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正解:4
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- 次に挙げる2種類の生物の組合せのうち、いずれの種類にとっても不利益とならない、いわゆる相利共生の組合せはどれか。
(1) タバコとタバコモザイクウイルス
(2) サクラソウとマルハナバチ
(3) ゾウリムシとヒメゾウリムシ
(4) モンシロチョウとアオムシコマユバチ
(5) シマウマとライオン
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正解:2
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- 次の形成層に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 形成層は茎の先端や根の先端の成長点と同じく、おもに若い、細胞分裂可能な細胞でできている。
(2) 茎や根が肥大するのは形成層のはたらきによる。
(3) 茎の形成層は、外側に木部を、内側に師部を形成する。
(4) 木部を構成する細胞は、春のものは大きく、秋に向かってだんだん小さくなっている。年輪はそれによってできている。
(5) 春秋の区別のない熱帯では、茎の年輪がはっきりしないことが多い。
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正解:3
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- 植物ホルモン(植物成長調節物質)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) ジベレリンは、イネの馬鹿苗病菌というカビが分泌する物質として発見された。
(2) サイトカイニンには、植物の葉の老化を抑制する作用がある。
(3) バナナやリンゴなどの果実の成熟に関わっている植物ホルモンはエチレンである。
(4) アブシシン酸は、花芽形成に関わっている植物ホルモンである。
(5) 頂芽優勢とよばれる現象に関わっているのはオーキシンである。
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正解:4
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- 生物の進化に関する研究の歴史において、次に挙げる人名と理論・事例の組合せで最も適切なものはどれか。
(1) ラマルクと自然選択説
(2) パスツールと突然変異説
(3) ドフリースと生命自然発生誕の否定
(4) ミラーと化学進化
(5) ダーウィンと用不用説
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正解:4
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- 葉が秋に紅葉する条件は、次の記述のうちどれが最も正しいか。
(1) 葉柄の基部に離層ができ、冬が近いけれども日中はよく晴れて暖かいこと。
(2) 冬が近づき、日中は連日曇りか雨の低温になること。
(3) 春、葉が開いてから落葉直前までの太陽光の総受光量による。雨の多い冷夏の年は受光量不足で紅葉しない。
(4) 花が赤やピンク、または、それに近い色であること。花が白いと紅葉しない。
(5) 紅葉する植物では、葉の、霜の降りたところだけが紅葉する。
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正解:1
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- 絶滅が心配される種を絶滅危惧種というが、すでに絶滅していると思われる種もある。絶滅したと思われている種は次のうちのどれか。
(1) ニホンオオカミ (2) アマミノクロウサギ (3) エゾシカ
(4) カプトガニ (5) ヤンバルクイナ
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正解:1
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- キイロショウジョウバエの白眼の遺伝子は、劣性で、X染色体上にある。赤眼の雌と白眼の雄を交雑したところ、雑種第一代(F1)では、雌雄ともに赤眼であった。F1どうしを交雑した雑種第二代(F2)では、赤腹と白眼はどのような分離比で出現するか。次の予測のうち、最も適切なものはどれか。
(1) 雌雄ともすべて赤眼となる。
(2) 雌はすべて赤眼で、雄はすべて白眼となる。
(3) 雌雄とも赤眼と白眼の分離比が1:1となる。
(4) 雌はすべて赤腹で、雄は赤腹と白眼の分離比が1:1となる。
(5) 雄はすべて赤眼で、雌は赤眼と白眼の分離比が1:1となる。
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正解:4
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