技術士第一次試験 平成16年度 共通科目(地学) 問題と解答
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- 地震の震央から角距離にして103°以遠ではS波はまったく観測されない。このことについての正しい解釈は次のうちどれか。
(1) S波はエネルギー減衰率が大きいため、長距離にわたって伝播することができない。
(2) マントル内に上下の領域におけるよりも地震波速度が小さい低速度層が存在する。
(3) 地殻とマントルの間に不連続面が存在する。
(4) 地球の内部に波相の核が存在する。
(5) 地球内部の核が外核と内核に分かれている。
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正解:4
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- 地震と活断層についての次の記述のうち誤っているものを選べ。
(1) 発震機構の解析によって地震を引き起こした断層のタイプがわかる。
(2) マグニチュードの大きな地震はプレート境界で起こりやすい。
(3) 日本列島の内陸型地震は大部分逆断層によって引き起こされる。
(4) 内陸型の浅発地震の多くは活断層の活動と関係がある。
(5) 阪神・淡路大震災は野島断層や六甲断層系の活動によって引き起こされた。
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正解:3
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- かつて厚い氷末に覆われていたスカンジナビア半島では、後氷期の現在、重力に負のフリーエア異常が現れ、隆起が進行している。その原因は次のうちどれか。
(1) 氷床の荷重によって側方に押しやられていたマントル物質が戻って来つつあるため。
(2) 氷床の荷重によって圧縮されていた地殻が膨張しているため。
(3) 氷床の荷重によって圧縮されていたマントルが膨張しているため。
(4) 氷床によって冷却されて収縮していた地殻が膨張しているため。
(5) 氷床の荷重によって押しつぶされて薄くなっていた地殻が元の厚さに回復しつつあるため。
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正解:1
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- 磁針が真の北を指さない原因は次のうちどれか。
(1) 地球磁場の磁力線が赤道付近では水平、磁極付近では鉛直となっていることによる。
(2) 多かれ少なかれ近くの磁性岩体の影響を受けることによる。
(3) 地質学的時間を通じて地磁気の極性が頻繁に反転していることによる。
(4) 地質学的時間を通じて磁極が移動していることによる。
(5) 地理上の極と磁極とが一致していないことによる。
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正解:5
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- 次の大地形のうち、プレートの発散境界に見られるものはどれか。
(1) 大西洋中央海嶺 (2) サンアンドレアス断層 (3) 日本海溝
(4) アルプス-ヒマラヤ山脈系 (5) ハワイ-天皇海山列
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正解:1
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- 日本列島の地形とその地質学的成因の組合せのうち正しくないものはどれか。
(1) 日高山脈 − 2つの島弧の衝突
(2) 奥羽山脈 − 火山前線
(3) 伊豆半島 − 伊豆小笠原島弧の衝突
(4) 日本海溝 − ユーラシアプレートの沈み込み
(5) 日本海 − 背弧海盆の開口
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正解:4
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- 次の岩石の組合せは、海洋地殻を構成する岩石を浅部から深部に並べたものである。正しいものを選べ。
(1) 深海性堆積物、輝緑岩岩脈、枕状溶岩、はんれい岩、かんらん岩
(2) 深海性堆積物、輝緑岩岩脈、はんれい岩、枕状溶岩、かんらん岩
(3) 深海性堆積物、はんれい岩、枕状溶岩、輝緑岩岩脈、かんらん岩
(4) 深海性堆積物、枕状溶岩、はんれい岩、輝緑岩岩脈、かんらん岩
(5) 深海性堆積物、枕状溶岩、輝緑岩岩脈、はんれい岩、かんらん岩
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正解:5
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- 日本列島を構成している付加体で認められる、下位から上位にかけての層序として一般的なものは次のうちどれか。
(1) 超塩基性岩→塩基性岩→中性岩→酸性岩
(2) チャート→珪質泥岩→泥岩→砂岩
(3) 砂岩→シルト岩→粘土岩→石炭
(4) 中・古生層→第三紀層→洪積層→沖積層
(5) 岩塩→石灰岩→泥質石灰岩→石灰質泥岩→泥岩
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正解:2
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- 地殻変動によって急傾斜あるいは逆転した地層の上下を判定する堆積構造として不適当なものは次のうちどれか。
(1) ストロマトライト (2) 流痕 (3) 級化成層
(4) 平行薬理 (5) 斜交層理
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正解:4
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- 先カンブリア時代と古生代初期(カンプリア紀)の境界付近の時代を説明する内容として最も適切なものは次のうちどれか。
(1) 先カンブリア時代末の微生物生態系にとってかわり、カンブリア紀初期に大型で有殻の単細胞生物が適応放散した。
(2) 地球内部(マントル)からの熱上昇によってカンプリア紀に地球規模の激しい火山活動が起こった。
(3) カンプリア紀に入ると多細胞生物が爆発的に多様化し生物生産量が増大した。
(4) カンブリア紀初期に隕石衝突事変が起こって大量絶滅が起こった。
(5) 陸上生物が多様化し、大森林が形成され石炭が堆積した。
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正解:3
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- 下の地質断面図から読み取れる地学現象について、正しい順序に並んでいるのは次のうちどれか。
(1) 変成作用→花岡岩の貫入→不整合→上部原生界の堆積→地殻変動→不整合
→カンブリア系の堆積→不整合→上部デボン系〜ペルム系の連続的堆積
(2) 変成作用→不整合→上部原生界の堆積→地殻変動→不整合→カンブリア系の堆積
→花崗岩の貫入→不整合→上部デボン系〜ペルム系の連続的堆積
(3) 変成作用→花崗岩の貫入→不整合→上部原生界の堆積→地殻変動→不整合
→カンプリア系〜ペルム系の連続的堆積
(4) 変成作用→不整合→上部原生界の堆積→花崗岩の貫入→地殻変動→不整合
→カンブリア系〜シルル系の連続的堆積→上部デボン系〜ペルム系の連続的堆積
(5) 変成作用→花崗岩の貫入→不整合→上部原生界の堆積→地殻変動
→カンブリア系の堆積→上部デボン系〜ペルム系の連続的堆積
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正解:1
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- ある地域の西部に走向N40°Wで傾斜50°NEのA層群が、東部に走向南−北で傾斜20°EのB層群が分布しているが、その境界部分が露出していない。両層群とも逆転していないことが確認されている。この2層群の間でありえない関係は次のどれか。
(1) A層群がB層群を傾斜不整合で覆っている。
(2) B層群がA層群を傾斜不整合で覆っている。
(3) A層群とB層群は正断層で接している。
(4) A層群とB層群は逆断層で接している。
(5) A層群とB層群は水平ずれ断層で接している。
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正解:1
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- ある人類遺跡から出土した土器の年代を検証する方法として最も適しているのは次のうちどれか。。
(1) 焦げた土器の熱残留磁気による直角測定
(2) EPMA (X線マイクロアナライザー)による土器の化学分析
(3) 土器を含む地層断面における産出位置の検討
(4) 土器を含む地層中から出土した材木片の14C法
(5) 土器を含む地層に挟まれる火山灰層中の黒雲母のK-Ar法
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正解:4
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- 超高圧変成岩を特徴づける鉱物は、次のうちどれか。
(1) ざくろ石 (2) 藍晶石 (3) ルチル
(4) コランダム (5) コーサイト
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正解:5
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- 次の火山噴出物のうち、粘性の低いマグマを特徴づけるものはどれか。
(1) 軽石 (2) 縄状熔岩(パホイホイ溶岩) (3) 熔結凝灰岩
(4) デイサイト質溶岩 (5) 黒曜岩
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正解:2
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- 次の岩石や岩石質物質のうち、断層運動時に断層面で発生した摩擦熱で融解し、それが急冷して生じたものはどれか。
(1) シュードタキライト (2) マイロナイト (3) 断層ガウジ
(4) ハイアロクラスタイト (5) キンバーライト
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正解:1
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- 下の表は、ある堆積岩の平均化学組成を重量%で示したものである。この堆積岩は、次のうちのどれか。
(1) 石灰岩 (2) チャート (3) 泥岩
(4) 砂岩 (5) 苦灰岩
SiO2 |
78.3 |
MgO |
1.16 |
TiO3 |
0.25 |
CaO |
5.50 |
Al2O3 |
4.77 |
Na2O |
0.45 |
Fe2O3 |
1.07 |
K2O |
1.31 |
FeO |
0.30 |
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正解:4
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- 次の組合せは、マントルを構成する元素を酸化物の重量%の順番に並べたものである。それらのうち、正しいものを選べ。
(1) SiO2 > FeO >A1203>MgO >CaO
(2) SiO2 > FeO >MgO >Al2O3>CaO
(3) SiO2 > MgO >FeO >Al2O3>CaO
(4) SiO2 > MgO >A1203>FeO >CaO
(5) SiO2 > A12O3 > FeO > MgO >CaO
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正解:3
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- ある硫化金属鉱物の化学組成を求めたところ、Sの含有量が約25%(重量%)という値を得た。この鉱物は次のどれか。ただし、Cu,Fe,Sの原子量はそれぞれ63.5,56,32とする。
(1) 黄鉄鉱(FeS2) (2) 輝銅鉱(Cu2S) (3) 黄銅鉱(CuFeS2)
(4) キューバ鉱(CuFe2S3) (5) 斑銅鉱(Cu5FeS4)
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正解:5
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- 地球表層における地質時代スケールの長期炭素循環をみたとき、炭素が固定(貯蔵)されている量が最も多いのは次のうちどれか。
(1) 大気
(2) 海洋
(3) 陸上の生物(おもに森林植物)
(4) 地球表層の堆積物(おもに石灰岩(CaCO3)などの炭酸塩岩)
(5) 化石燃料(石炭や石油)
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正解:4
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