技術士第一次試験 平成16年度 基礎科目
正解と解説
第一次試験過去問題Topへ
※技術士会公表の正解について、臨時掲示板での情報から解説を作成しました。
異論や情報などありましたら、メールにてお願いします。
(1)設計・計画に関するもの
- 設計案A,B,C,D,Eがある。これらを製品化して市場に出した場合、消費者側の条件a,b,cにより、表1に示すような売上額(単位:億円)が予想される。また、消費者側の条件が生起する確率は、a=50%,b=20%,c=30%と予測される。期待される売上.額が最も大きくなる設計案は次のうちどれか。
|
a |
b |
c |
A |
5 |
5 |
6 |
B |
4 |
6 |
8 |
C |
6 |
4 |
5 |
D |
3 |
7 |
7 |
E |
5 |
4 |
7 |
(1) A (2) B (3) C (4) D (5) E
---------
正解は2
---------
期待売上額は、a×0.5+b×0.2+c×0.3。
しかし大小比較なので、0.5や0.2ではなく、5、2、3を乗じたほうが早い。
A:5*5+5*2+6*3=25+10+18=53
B:20+12+24=56
C:30+8+15=53
D:15+14+21=50
E:25+8+21=54
Bが最も大きい。よって(2)。
- 次に示す設計技術者として負わなければならない責任のうち、最も不適当なものを選べ。
(1) 成果(設計した製品及び関連資料など)に対する責任
(2) 間違っていると思われる他人の指示や特定の規範に対し批判する責任
(3) 消費者に悪影響を与える情報でも、所属する組織に不利になる情報は守秘する責任
(4) 人間や環境に対し、安全を維持する責任
(5) 上司などの指示に無批判でプロジェクトに参加するのではなく、自らの考えも入れて判断を下し、自律的にかかわる責任
---------
正解は3
---------
(1)・・・・○ そのとおり。
(2)・・・・○ そのとおり。
(3)・・・・× 公益優先。
(4)・・・・○ そのとおり。
(5)・・・・○ そのとおり。
- 下図に示される左端から右端に情報を伝達するシステムの設計を考える。図中の数値は、構成する各要素の信頼度を示す。また、要素が並列につながっている部分は、少なくともどちらか一方が正常であれば、その部分は正常に作動する。
システムBのシステム全体の信頼度を、システムAのシステム全体の信頼度と同じにするためには、システムBの各要素の信頼度Xをいくらにすれば良いか。次のうち最も近いものを選べ。なお、システムBを構成する各要素の信頼度は同じであるとする。
システムA |
|
システムB |
|
(1) 0.87 (2) 0.90 (3) 0.93 (4) 0.96 (5) 0.99
---------
正解は3
---------
システムAの信頼性を計算し、それを3乗根計算すればOKですが、次のようにすれば、電卓なしでも比較的短時間で解けます。
システムAとBを比較すると、異なっているのは2つめ(システムAで0.9並列の部分)だけです。
Bはすべて直列ですから、並列が入っているシステムAと同等の信頼性を確保するためには、Xは0.9より高くなくては駄目です。
よって、答えは(3)〜(5)に絞られます。
ここでシステムAの信頼性を計算します。0.9*{1-(1-0.9)*(1-0.9)}*0.9=0.9*0.99*0.9=0.81*0.99なので0.8くらい。
ということはシステムBは0.8の3乗根程度です。そこで残った選択肢(3)〜(5)の真ん中あたりの0.95で試算します(0.96でもいいのですが、暗算しやすい0.95にします)。
A×0.95ということは、A-A×0.05ということです。0.95×0.95=0.95-0.95×0.05≒0.95-0.048くらいなので、0.9くらい。
0.9-0.9×0.05=0.9-0.045=0.855くらい。これではシステムAの0.8より高すぎます。
よって答えは0.90より大きく、0.95より小さい選択肢で、これは(3)しかありません。
**********皆様からの情報・ご指摘*****
補足解説(簡便解法)をNagaseさんが作成してくださいました。こちら
Nagaseさん、ありがとうございました。
**********
- 次の記述のうち、最も不適当と思われるものを答えよ。
(1) 規格や規準類に記載されている内容は、必ずしも完全なものではない。技術の進展や社会の二ーズ等に応じて改訂が定期的に行われる場合も少なくない。
(2) 規格や規準類を制定し皆が遵守することで、個々人や企業の生産活動が効率化、合理化される。一方で、新たな革新的な技術の展開を阻害する要因にもなり得るので、留意が必要である。
(3) 指針や示方書類は、設計や計画で達成しようとする目標を、設計者・計画者のみならず、第三者にも理解できるように記述されることが近年、求められている。
(4) 規格、規準類は制定される内容によって、国や地域レベルでの設計や製造の国際競争力を左右することがある。
(5) 規格や規準類は、製品・建造物などの設計や計画段階で選定する材料や工種、加工方法、構造強度の算定などに言及するものであり、製造・施工時の品質管理システムは対象外である。
---------
正解は5
---------
(1)・・・・○ そのとおり。
(2)・・・・○ そのとおり。
(3)・・・・○ そのとおり。
(4)・・・・○ そのとおり。
(5)・・・・× そんなことはない。感覚でわかる。
(2)情報・論理に関するもの
- レジスタに正の整数値aを入れ、左に5ビットシフトしてから、aを引く。この結果、レジスタの数値はaの何倍の値となるか、次の中から選べ。
ただし、レジスタ内で数値は2進数として扱われ、上記の操作中であふれは生じないものとする。
(1) 4 (2) 5 (3) 15 (4) 31 (5) 33
---------
正解は4
---------
2進数が理解できていれば簡単です。
「何倍か」という話なので、わかりやすく「1」を入れます。
「左に5ビットシフト」といわれるとわかりにくいかもしれませんが、「桁を5つ左にズラす」ということですから、2進数で100000、つまり10進数で25になります。25は10進数で32ですから、これから元の値である1を引けば31です。
- 社員の給与システムなど慎重なセキュリティ管理が求められるシステムにおいて、パスワードを忘れたユーザに対してシステム管理者がとるべき最も適切な方策を次の中から選べ。なお、このシステムでは、パスワードファイルは暗号化されているものとする。
(1) このユーザの登録を取り消し、新規のユーザとして登録する。このユーザが以前に作成したファイルは消去する。
(2) そのような場合に備えて、パスワードー覧表を印刷して金庫に保管しておき、問合せがあったら、本人に直接一覧表を閲覧させる。
(3) 新たにパスワードを設定し、それを記した媒体を厳封して本人に直接手渡す。
(4) 一時的にシステムをパスワードなしでログイン可能な状態にして、本人にパスワード登録コマンドを実行させる。
(5) そのような場合に備えて、パスワードファイルを暗号化されたものと暗号化されていないものの2種類作成しておき、暗号化されていないファイルを調べて、本人に電子メールで知らせる。
---------
正解は3
---------
(1)・・・・× 以前のファイルが消えてはどうにもなりません。
(2)・・・・× 一覧表はダメ。
(3)・・・・○ これが情報漏えいリスクを最小限にする方法です。
(4)・・・・× そんな危険な・・・・
(5)・・・・× ハッキングのリスクがあるのでダメ。
実際には(4)の方法も用いられているようですが、やはり情報漏えいリスクを最小化するのが基本です。一次試験は基本を問う試験であって、現場でどのように実際運用されているかを問う試験ではありません。
- ある日の天気が前日の天気によってのみ、図に示される確率で決まるものとする。即ち、ある日の天気が雨であれば次の日も雨である確率は1/2、次の日が晴の確率は1/4、次の日が曇りの確率は1/4である。このとき、次の記述の中から、誤ったものを選べ。
(1) ある日の天気が雨であれば、2日後の天気も雨である確率は3/8である。
(2) ある日の天気が晴れであれば、2日後の天気が曇りである確率は5/16である。
(3) ある日の天気が曇りであれば、2日後の天気も曇りである確率は1/4である。
(4) ある日の天気が曇りであれば、2日後の天気が晴れである確率は5/16である。
(5) ある日の天気が晴れであった時、遠い将来の日の天気が晴である確率は1/3である。
---------
正解は3
---------
(1)と(3)、(2)と(4)が同じことを言っています。(2)と(4)は当然ながら同じ確率になるのに、(1)と(3)の確率が異なっています。
したがって正解は(1)か(3)です。これ以外の確率は考える必要はありません。
ある日が曇りとします(別に晴れでも雨でもかまわない)。
翌日が同じ天気である確率は1/2。「2日後が最初の日と同じ天気」なので、さらにもう1日同じ天気である確率ということになります。よって1/2*1/2=1/4。
翌日が雨である確率は上図から1/4。かつ2日後に戻ってくる確率は上図から1/4。よって1/4*1/4=1/16。晴れの方へ行っても同じだからこちらも1/16。よって合計すると1/4+1/16*2=1/4+1/8=3/8。
つまり(1)の記述は正しい。よって正解は(3)。ごく簡単な計算で解けます。
**********皆様からの情報・ご指摘*****
補足解説をNagaseさんが作成してくださいました。こちら
Nagaseさん、ありがとうございました。
**********
- あるプログラミング言語で使われる名前(変数名や関数名)は、次の構文図で規定されているものとする。この時、名前でないものを選べ。ただし、英字はa,b,・・・,z、A,B,・・・,Zのどれか、数字は0,1,・・・,9のどれかである。
(1) A (2) name (3) B740 (4) C6H6 (5) 11PM
---------
正解は5
---------
構文図からも明らかですが、最初は英字でいけません。最初が数字だと数値あるいは行番号になってしまいます。しかし懐かしい・・・・^^;)
- ファイルから整数データ(最後のデータは0又は負数とする)を読み込んで計算を行なう、以下のプログラムについて、間違った記述を次の中から選べ。
・xの値を0とする
・aに整数データを読み込む
・aが正であれば以下のことを繰り返す
{ ・ x<aならばxにaの値を代入する
・ aに整数データを読み込む
}
・xの値を出力して終了する
(1) 読み込まれた正整数の中から最大値を選んでその値を出力する。
(2) 0又は負の整数が読み込まれると、計算結果を出力してプログラムは終了する。
(3) 最大値を選ぶ対象の整数は何個あってもよい。
(4) 最初に読み込まれる整数が負の場合、出力は行なわれない。
(5) 0又は負数の後に正整数があっても、読み込まれない。
---------
正解は4
---------
(1)・・・・○ そのとおり。 xにaを代入する繰り返して最大値を検索します。
(2)・・・・○ そのとおり。 「aが正であれば」に該当しないので、次の「xの値を出力・・・・にジャンプします。
(3)・・・・○ そのとおり。繰り返し回数が制限されていません。
(4)・・・・× (2)のとおり、「xの値を出力・・・・」にジャンプするので出力が行われないことはありません。
(5)・・・・○ そのとおり。(2)の通り繰り返し処理を飛ばして出力終了します。
(3)解析に関するもの
- 下図に示すように、重力場中で質量gの質点がバネにつり下げられている系を考える。ここで、バネの上端は固定されており、バネ定数はλ(>0)、重力の加速度はg、質点の変位はaとする。次の記述の中から誤ったものを選べ。
(1) 全ポテンシャルエネルギー(=内部ポテンシャルエネルギー+外力のポテンシャルエネルギー)Πpは、Πp≒1/2ku2−mguと表すことができる。
(2) 質点に作用する力の釣り合い方程式は、ku = mgと表すことができる。
(3) 質点に作用する力の釣り合い方程式は、全ポテンシャルエネルギーΠpの停留条件、dΠp/du=0から求めることができる。
(4) 質点の釣り合い位置において、全ポテンシャルエネルギーΠpは最大となる。
(5) 全ポテンシャルエネルギーΠpの極値問題として静力学問題を取り扱うことが、有限要素法の固体力学解析の基礎となっている。
---------
正解は4
---------
難しく考えなくても、単純に
・エネルギー=運動エネルギー+ポテンシャルエネルギー
・運動停止のとき(振動上下端)で運動エネルギー最小・ポテンシャルエネルギー最大
・その中間が釣り合い点だから、逆に運動エネルギー最大(一番速い)・ポテンシャルエネルギー最小
と考えれば(4)がおかしいことはわかります。
- 断面積0.2m2,長さ1mの弾性体の柱の両端が固定壁に固定されている。この弾性体のヤング率を2.0×105MPa、線膨張率を1.0×10-5K-1とする。柱の温度が100K上昇したとき、柱にはどれだけの応力が生じるか、次の中から選べ。ただし、温度上昇前の初期状態において柱の応力はゼロとする。
(1) 2.0×102MPaの引張り応力。
(2) 2.0×102MPaの圧縮応力。
(3) 2.0×101MPaの引張り応力。
(4) 2.0×101MPaの圧縮応力。
(5) 応力は発生しない。
---------
正解は2
---------
(臨時掲示板よりイカさんの解法)
拘束がないとして、100Kの温度上昇により発生するひずみ(ε)は、
ε=100×1.0×10^(-5)
=
1.0×10^(-3)
このひずみが発生しないように応力を与えると、
σ=E・ε
= 2.0×10^5 ×
1.0×10^(-3)
= 2.0×10^2 Mpa
温度上昇であるので、発生応力は圧縮である。
熱膨張する→天井を押し上げ、床を押し下げる力が発生する→圧縮応力→(2)か(4)・・・・というところまでは、落ち着いて考えれば常識感覚です。
あとは、「応力σ=ヤング率(変形係数)×ひずみ」ということを知っているかどうかの勝負です。
ひすみ(変形割合)=温度×線膨張率という知識も必要ですが、これは線膨張率の単位から推定することもできます。
- 気体中の微小な球状粒子が自由落下するときの沈降速度は、粒子にかかる重力と粒子周囲の気流による抵抗力の釣り合いによって決まると考えられ、ストークス近似によれば抵抗力は3μDuと与えられる。ここで、気体の粘性係数μ、粒子直径D、粒子速度uである。なお、粒子材質の密度は気体密度よりも十分に大きく浮力の影響は無視できるものとする。このとき、同じ材質の粒子では直径が1/10になると沈降速度は[ ]倍となる。
[ ]に当てはまる数値を次の中から選べ。
(1) 100 (2) 10 (3) 1 (4) 1/10 (5) 1/100
---------
正解は5
---------
(臨時掲示板より、イカさんの解法)
速度が均衡するときの釣り合い方程式は、
3・μ・D・u=m・g
ここに、
m:質量
g:重力加速度
これを速度(u)の式にすると、
u=(m・g)/(3・μ・D)
ここで、Dを1/10とすると、質量mは1/1000となる。
これを、式に代入すると、
u'=((1/1000)m・g)/(3・μ・(1/10)D)
=(m・g)/(100×3・μ・D)
=u/100
となります。
私は次のように感覚で答えを出しました。
・「泥のほうが砂より沈むのが遅い」的感覚でまず(4)か(5)に絞込み。
・粒子が細かくなると直線的でなく指数関数的に遅くなっていくはず(こういった物理現象はたいていそう)なので1/10より遅い1/100
このように、「増えるか減るか」的な感覚で文章題を理解することができれば、順当なところで2択、運がよければ正解絞込みまでいけます。前2問の同様です。勝負の分かれ目は、落ち着いて、感覚を研ぎ澄まして、文章題を理解することができるかどうかです。
- 固有値解析に関する次の記述のうち、最も正しいものを選べ。
(1) 弾性変形する構造体の固有振動数は、構造体の材質のみによって定まる。
(2) 質点ばね系の共振周波数は、その運動方程式の固有値解析により求められる。
(3) 平板の弾性変形については、常に固有振動モードが一つだけ存在する。
(4) 管路の気柱振動の固有値は両端の境界条件に依存しない。
(5) 固有値解析では一般に全ての固有値が求められなければ、固有振動モードは推定できない。
---------
正解は2
---------
(臨時掲示板より、もしゅもしゅさんの解法)
1は材質が同じでも部材の配置、断面形状などが異なると全然振動数は変わります。
3は、平板の固有モードは1次、2次…と色々な振動モードが存在します。
4、両端が自由と固定とでは、振動数は変わります。
5、数値解析の反復法では固有値を1つずつ求めていくことができます。
(臨時掲示板より、いらぬお世話さんの解法)
1. もちろん構造に依存します。
2. 〇。
3.
厚みが無視できる平板でも,モードは多数存在します。
4. もちろん依存します。
5.
通常,固有値ひとつがわかれば対応するモードひとつは求められます。通常とは,固有値が重複していないと確信できる場合です。
私は択一セオリーを基本に絞り込みました。かなり爆笑ものですが・・・・^^;)
(1)・・・・「のみによって」が気に入らない
(3)・・・・「一つだけ」が気に入らない
(5)・・・・「求められなければ推定できない」が気に入らない
よって(2)か(4)。(4)はカッコウ笛を思い出して「そんなことはない」と考えた。よって(2)。
- 有限要素法において三角形要素の剛性マトリクスを求める際、しばしば面積座標が使用される。下図に示すように任意の点Pの面積座標は(A1/A,A2/A,A3/A)で表される。ただし、λは3点(1,2,3)を頂点とする三角形の面積である。同様にA1、A2、A3はそれぞれ(P,2,3)、(P,3,1),(P,1,2)を頂点とする三角形の面積である。Pを重心とするとPの面積座標は次のいずれか。
|
(1) (1/2,1/2,1/2)
(2) (1/3,1/3,1/3)
(3) (1/3,1/3,2/3)
(4) (1/2,1/2,0)
(5) (1/3,1/3,0) |
---------
正解は2
---------
重心なので、ものすごく単純に考えればOKです。
- 領域0≦x≦lで微分方程式d2u/dx2=0(x=0でu=u0、x=lでu=ul)が与えられている。これを有限要素法で解きたい。
有限要素法では領域を下図のように有限の要素数Nヶに分割する。ここでは簡単のため等間隔で長さを1とする。
要素e内の有限要素解ueを要素eの両端x=xi、x=xi+1の値ui、ui+1で内挿して、ue(x) = Lieui+Lei+1ui+1で表現する。
Lei及びLei+1は次のいずれで表されるか。
|
(1) Lei=xi+1−x、Lei+1=x−xi
(2) Lei=x−xi、Lei+1=xi+1−x
(3) Lei=x−xi+1、Lei+1=xi−x
(4) Lei=x−(xi+xi+1)/2、Lei+1=(xi+xi+1)/2
(5) Lei=xi−x、Lei+1=x−xi+1 |
---------
正解は2
---------
(臨時掲示板より、wickyさんの解法)
有限要素法の基本事項です。
与えられた微分方程式を解くと、
u=Ax+B (A,Bは積分定数)
--- (*)
となります、この式に境界条件
x=xi のとき u=ui
x=xi+1 のとき
u=ui+1
を代入することにより、(xi+1)-xi=1 を考慮すると
A=(ui+1)-ui, B=(ui*xi+1)-(ui+1*xi)
となります。これを(*)に代入し整理すると、
選択肢@が導かれました(^^)
(4)材料・化学・バイオに関するもの
- 下記のA群の材料とB群の元素において、最も関係の深い(含まれるもの、必要なもの、有害なもの等)組合せを次の中から選べ。
A群 a.自動車用鋼板 b.電線用銅 c.耐光性プラスチック d.タイヤ用ゴム e.発光ダイオード
B群 イ.イオウ ロ、ヒ素 ハ.亜鉛 二.ガリウム ホ.チタン
|
a |
b |
c |
d |
e |
(1) |
イ |
ロ |
ハ |
ニ |
ホ |
(2) |
ニ |
ホ |
ロ |
イ |
ハ |
(3) |
イ |
ホ |
ニ |
ハ |
ロ |
(4) |
ハ |
ロ |
ホ |
イ |
ニ |
(5) |
ホ |
ニ |
ハ |
ロ |
イ |
---------
正解は4
---------
たとえば
・ダイオードとガリウムでe−ニで(4)
・自動車鋼板と亜鉛でa−ハで(4)
といった「一枚札」を知っていればすぐわかります。
- 次の記述のうち最も適切なものはどれか。
(1) 日本では大和朝廷以前から水銀鉱山が発掘され、水銀が利用されていたと考えられ、その後、奈良の大仏を建造する時にも水銀が使われた。
(2) 人類で最初に合成プラスチックを作った研究者はアメリカのベークランドであったが、彼はドイツの有機合成化学の成果を応用して、次々と新しいプラスチックを生み出し、その一つのポリエチレンは第二次世界大戦で多く使用された。
(3) 地球が誕生した時からウラン235と238は同じ比率でウラン鉱石の中に閉じ込められていたので、自然界にあるウランが自然に核分裂したことはない。
(4) 古代エジプトは古王国時代から周辺の地域に比較して格段に技術が発達していたが、特に優れた鉄器を作り出し、鉄製の武器を使用してヒッタイトなどの周辺諸国を征服した。
(5) 「スズペスト」とは中世ヨーロッパで蔓延した疫病の名前で、スズが原因して疫病が蔓延し、数千万人の犠牲者をだしたことがある。
---------
正解は1
---------
知らないと解けませんが、知っていると一発です。
私の場合、近所に硫化水銀(朱)の産地があり(遠敷と書いて「おにゅう」と読みます。昔は小丹生と書きました。丹生は朱のことです)、ここから取れた朱が奈良の大仏に使われたという記録があることを知り、面白かったので古代における硫化水銀のことを少し調べたことがありました。邪馬台国でも朱は使われており、「魏誌倭人伝」にも水銀鉱床の記載があります。このような経験があるため、一発でした。
- 次の物質のうち一種類の元素のみでできているといえるものはどれか。
(1) フラーレン (2) 酸化チタン (3) メタノール (4) 石灰岩 (5)
石英ガラス
---------
正解は1
---------
「フラーレン」は炭素単体物質ですが、知らなくても消去法ですぐわかります。
(2)は「酸化」、(3)は有機物、(4)は炭酸カルシウム、(5)は珪酸ですから単元素のわけがないですね。
- 水素原子、水素分子、又は水素イオン(水溶液中ではヒドロニウムイオン)いずれかについて説明した次の文章のうち、下線部分が最も不適切なものはどれか。
(1) [水素分子]は、常温常圧で無色無臭の気体である。
(2) [生息イオン]は、常温常圧の水中で平衡によって生じる。
(3) [水素原子]は、水分子の構成要素であり、酸素原子1個に対して2個結合している。
(4) [水素原子]には、質量数1、2,及び3のものが存在し、いずれも陽子1個を含む。
(5) 水溶液中の[水素分子]の濃度の指標として、pHが用いられる。
---------
正解は5
---------
(5)は「水素分子」ではなく「水素イオン」ですね。これはpHが何かを知っていればすぐわかります。高校レベルの大サービス問題です。
- メンデルはエンドウを栽培することで現代の遺伝研究のもととなる種々の法則を発見した。一例として、優性形質である丸形の種子の遺伝子型RRをもつ親と、劣性形質であるしわ形の種子の遺伝子型rrをもつ親を交配すると、雑種第一代の種子の遺伝子型はRrとなり優性形質の丸形を示すことを見いだした。この遺伝様式は優性の法則とよばれる。メンデルはさらに、Rrの遺伝子型をもつ雑種第一代、RrとRrの親同士を交配させてRR, Rr, rrの3つの遺伝子型をもつ雑種第二代を作ってその種子の形の観察から分離の法則を発見した。このような分離の法則から得られる種子の形の分離比について次の項目の中から最も適切なものを選べ。
(1) 丸形:中間形:しわ形=1:2:1
(2) 丸形:中間形:しわ型=1:1:1
(3) 丸形:しわ形=3:1
(4) 丸形:しわ形=1:3
(5) 丸形:しわ型=1:1
---------
正解は3
---------
「遺伝子の部屋」に出てきますね。
優性遺伝子と劣性遺伝子が中間を作るわけがないので(1)と(2)は除外、劣性が多数を占めるわけがないので(3)、と感覚的に解けます。
- エネルギー代謝を記述している次の文章につき、( )内に入る最もふさわしい語句の組合せを(1) 〜(5) の中から選べ。
細胞内の呼吸は有機物の分解、すなわち異化の過程で行われる。異化には酸素を必要とする場合としない場合かおり、したがって異化代謝は酸素を利用する好気的代謝と酸素を利用しない嫌気的代謝に大別される。好気的代謝においては有機物は酸素を消費しながら水と(1)に分解され、その過程で生体のエネルギー源アデノシン5’−三リン酸(ATP)が合成される。嫌気的代謝の代表例は(2)と大部分の(3)である。
微生物の働きによって糖分が分解され(4)や乳酸などに変化する現象を(3)という。(3)はいくつもの酵素によって進められる生体内反応である。(2)についてはグリコーゲンの成分である(5)がピルビン酸に分解する過程まで(3)と共通で酸素を必要としない。
|
(1) |
(2) |
(3) |
(4) |
(5) |
(1) |
二酸化炭素 |
解糖 |
発酵 |
アルコール |
グルコース |
(2) |
二酸化炭素 |
発酵 |
解糖 |
アルコール |
グルコース |
(3) |
アルコール |
発酵 |
解糖 |
二酸化炭素 |
グルコース |
(4) |
グルコース |
解糖 |
発酵 |
二酸化炭素 |
アルコール |
(5) |
グルコース |
発酵 |
解糖 |
二酸化炭素 |
アルコール |
---------
正解は1
---------
好気性・嫌気性を理解していれば感覚で解けます。
好気性分解では二酸化炭素が出る(有機物の炭素に消費した酸素をくっつける)ので(1)か(2)、あとは2段落目で「発酵」が(3)とわかります。
- ヒトの体温や血圧などは常に一定に保たれている。このように体内の環境を一定に保とうとする恒常性の維持はホメオスタシスとよばれ、自律神経系と内分泌系(ホルモン)がこの調節に重要な役目を果たしている。次のうち最も不適切なものを選べ。
(1) 動物の内部環境を形作るものは血液、リンパ液などの体液である。
(2) 腎臓は老廃物の排出や体液の水分調節の器官として重要な役割を果たしている。
(3) 心臓は血液を循環させているほか、グリコーゲンの合成と分解、解毒作用、尿素の合成など万能化学工場とよばれるほど、非常に多くの働きをしている。
(4) 自律神経系と内分泌系を統合する中枢は大脳とは独立して無意識のうちに働いている。
(5) 内分泌系は体液循環を伝達経路としホルモンを化学伝達物質とする細胞間の情報伝達系である。
---------
正解は3
---------
心臓は基本的にポンプです。あれこれ分解したり加工するのは肝臓です。これだけ健康ブームであれば、常識感覚に近いのでは?
(5)技術連関
- 石油(A)、石炭(B)、天然ガス(C)、乾燥木材(D)それぞれ1トンが完全燃焼した時の発熱エネルギーを大きい順に並べるとどのようになるか。次の中で最も適切なものを選べ。
(1) C>A>D>B
(2) A>B>D>C
(3) C>A>B>D
(4) B>C>D>A
(5) A>B>C>D
---------
正解は3
---------
木材が化石化したのが石炭で、木材の持っていた余計な成分(リンや窒素など)が抜けているので、石炭>木材。
石油と天然ガスを比べると、ガスのほうが低分子なのでガス>石油。
以上が成り立つのは(3)か(4)だけ。木材>石油ということはありえないので(3)。
あるいは、木材が最低というのは感覚でわかると思いますから、ここで(3)か(5)。あとは石油と天然ガスの関係でしょうか。
- エネルギー資源に関して、A、B、C、D、Eの5人がそれぞれ以下のような主張をしている。
A:エネルギー資源量として、石炭の確認埋蔵量は石油の確認埋蔵量より大きい。
B:第一次石油危機当時と比べて石油の確認埋蔵量は増大している。
C:海水中にはウランが1億トン以上溶けている。
D:100km2の受光面積をもつ太陽電池の年間発電量は我が国の年間電力需要量より大きい。
E:地球上の全権物の光合成による太陽エネルギーの年間正味固定量は人類の年間エネルギー所要量より小さい。
次の中から、誤った主張をしている二人の組合せを選べ。
(1) AとD (2) BとE (3) BとC (4) AとC (5) DとE
---------
正解は5
---------
最も大きな間違いはDです。サイトの演習問題などをされた方はおわかりと思います。
よって正解は(1)か(5)。
あとは感覚的にもEがおかしいことはわかると思います。
- 世界の環境問題に関する次の記述のうち、最も適切なものを選べ。
(1) 紙の原料である針葉樹を中心とした森林破壊の進行は著しく、そのため寒冷地に位置する先進国の主要な二酸化炭素排出源となっている。
(2) 生活排水に起因する水質汚濁は、とりわけ先進国の都市において深刻な環境問題である。
(3) 持続可能な発展とは、先進国と発展途上国のニーズを共に満たすような発展のことである。
(4) 人為起源の二酸化炭素は、排出される国や場所に関わらず、地球温暖化に対しては同程度の効果をもたらす。
(5) 化石燃料の燃焼に伴って酸素が消費されるため、地球大気中の酸素濃度の低下が著しくなってきている。
---------
正解は4
---------
(1)・・・・× 森林破壊は寒冷地の針葉樹林ではありませんし、それが二酸化炭素排出するわけでもありません。
(2)・・・・× 問題なのは下水整備がない途上国の都市部です。
(3)・・・・× アジェンダ21の重要な配慮点ではありますが、それ自体が「持続可能な発展」ではありません。
(4)・・・・○ そのとおり。
(5)・・・・× こういうことはありません。
- 環境は、許容範囲であれば、人間活動の影響を受け入れることができる。ある環境の場を考えた場合、重大な影響を生じることなく汚濁物質などの人間の負荷を受け入れることのできる量を環境容量と呼ぶ。水環境の環境容量について、次の記述の中から最も適切なものを選べ。
(1) 汚濁物質を分解する自浄能力を増大させることは環境容量の増加につながる。
(2) 汚濁物質を分解する排水処理は水環境の環境容量を増大させる。
(3) ある水環境の場が与えられると、全汚濁物質に共通の環境容量を求めることができる。
(4) 環境容量はそこで適用される排水処理の技術水準によって決まる。
(5) 異なる主体の間での水環境の環境容量の取引を排出権取引と呼ぶ。
---------
正解は1
---------
(1)・・・・○ そのとおり。
(2)・・・・× 排水を「薄く」することと受ける側の容量を増やすことは異なります。
(3)・・・・× 「全物質に共通」はありえません。
(4)・・・・× (2)と同じ理由で不適切です。
(5)・・・・× これは水環境の話ではありません。
- 次の記述の中から最も適切なものを選べ。
(1) ミュラーが殺虫剤としての優れた特徴を見いだし、後のノーベル賞を受賞する業績になったDDT(1,1,1−トリクロロ−2,2−ビス(4−クロロフエニル)エタン)は、その後、環境を破壊する化合物として使用が厳しく制限されるようになった。DDTは人間に対して強い毒性を持ち、これまでに多くの死者を出している。
(2) 放射線で照射して殺菌する食物として日本ではジャガイモが実用化されているが、放射線を照射すると食品が放射能を持つようになるので、日本以外では食品を放射線殺菌することは認められていない。
(3) 極地では海水に巨大な氷山が浮いている状態が見られるが、氷山の下に陸地などが無く、単に氷山が浮いている場合には地球温暖化によってその氷山が溶けても海水面の高さには影響がない。
(4) 食品添加物は安全が第一なので、地上に生息しているあらゆる生物に任意の量を投与しても毒性を示さない元素や化合物だけが、認可の対象になる。
(5) 人間の生活に有用に使える状態にある鉱石や原油などは埋蔵資源、化石資源などと呼ばれる。元素は質量保存則が成立するので、人間が使用しても元素の質量は不変であるから、人間の生活に有用に使用できる資源は尽きることはない。
---------
正解は3
---------
サイトの演習問題をやられた方は一発でしょう。
(2)の「日本以外」、(4)の「あらゆる生物」、(5)の「尽きることはない」は明らかに不適当で、(1)か(3)かということになります。
氷山は大部分が最初から海中に沈んでおり、解けても氷が水になるだけなので、海水位をあげることにはなりません。
- ISO 9001:2000 (JIS Q 9001:2000 品質マネージメントシステムー要求事項)では、(ア→イ→ウ→エ→オ)のサイクルによって計画と実施をモデル化し、必要な改善を計画にフィードバックし、継続的な改善が達成できる仕組みとなっている。上記( )内のサイクルを記述する言葉の組合せとして、最も適切なものを選べ。
|
ア |
イ |
ウ |
エ |
オ |
(1) |
Plan |
Act |
Check |
Do |
Plan |
(2) |
Plan |
Act |
Do |
Check |
Plan |
(3) |
Plan |
Check |
Act |
Do |
Plan |
(4) |
Plan |
Do |
Act |
Check |
Plan |
(5) |
Plan |
Do |
Check |
Act |
Plan |
---------
正解は5
---------
驚くような大サービス問題です。
- 信頼性・安全性解析手法に関する次の記述のうち、最も適切なものを選べ。
(1) 特性要因図(characteristic diagram)は、化学プロセスのようにフローシートで表されるものについて、操業条件の変化を定められた手引語に従って調べ、それぞれの変化の原因と結果、とるべき対策を表にまとめて検討する手法である。
(2) FTA(fault tree analysis)は、ある引金事象がどのような結果を引き起こし得るかを樹木の枝分かれ式に追求し、分析する帰納的解析手法である。
(3) ETA(event tree analysis)は、解析対象となるシステムに起こってはならない事故などを頂上事象として設定し、その事象を出現させる原因を機器・部品レベルまで次々に掘り下げ、洗い出していく演禅的解析手法である。
(4) FMEA(failure mode and effects analysis)は、評価対象の機器、システムを構成する部位に着目し、あらかじめ想定した故障モードを選択することにより、潜在危険を洗い出す、網羅性を有し、構造化された手法である。
(5) HAZOP(hazard and operability study)は、問題とする特性(問題点、事故など)とそれに影響していると思われる要因(原因)との関連を整理して、魚の骨のような図に体系的にまとめたものである。
---------
正解は4
---------
(1)・・・・× これはHAZOPの記述です。
(2)・・・・× これはイベントツリー分析(ETA)の記述です。
(3)・・・・× これはフォールトツリー分析(FTA)の記述です。
(4)・・・・○ そのとおり。
(5)・・・・× これは特性要因図の記述です。
つまり、(1)と(5)、(2)と(3)が用語の意味の組合せを入れ替えてあります。
- 次の文章の(ア)(イ)(ウ)に入る用語の組合せのうち、最も適切なものを(1) 〜(5) の中から選べ。
人類の歴史を振り返ると、(ア)目的で開発された技術が、新たな技術革新を推進させることが、しばしばある。たとえば(イ)は、(ア)目的の自律分散型ネットワークの開発が発端だったし、カーナビなどに使われている(ウ)も(ア)用の衛星がその端緒である。最新技術は使い方次第でどのような目的にも使えるものであり、その使途が重要なのである。
|
ア |
イ |
ウ |
ただし、
* VICS = Vehicle Information and Communication System
** GPS = Global Positioning System
*** ETC = Electronic Toll Collection System |
(1) |
独裁 |
インターネット |
VICS* |
(2) |
独裁 |
携帯電話 |
GPS** |
(3) |
軍事 |
携帯電話 |
ETC*** |
(4) |
軍事 |
インターネット |
GPS** |
(5) |
軍事 |
インターネット |
VICS* |
---------
正解は4
---------
これは一般知識レベルのサービス問題ですね。