技術士第一次試験 平成15年度 基礎科目 問題と解答案

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基礎科目解答案一覧
第1群:設計・計画 第2群:情報・論理 第3群:解析 第4群:材料・化学・バイオ 第5群:技術連関
1-1-1 1-2-1 1-3-1 1-4-1 1-5-1
1-1-2 1-2-2 1-3-2 1-4-2 1-5-2
1-1-3 1-2-3 1-3-3 1-4-3 1-5-3
1-1-4 1-2-4 1-3-4 1-4-4 1-5-4
1-1-5 1-3-5 1-4-5 1-5-5
1-4-6 1-5-6
1-4-7 1-5-7
は出題ミスにより、問題選択者全員を正解とする処置がとられました。

(1)設計・計画に関するもの

  1. 設計に関連した次の記述の中から最も適切なものを選べ。

    (1) 芸術家は自分の心象を自由に表現するのに対して、工学の設計者は独自の考えを設計に反映させることは許されない。

    (2) 同じ設計仕様を与えられた2人の設計者が異なる設計案を提示したとする。この場合、2人の設計案が共に設計仕様を満たすことはありえない。

    (3) 設計は科学的な判断に基づいて論理的に合理的に進めることが重要であって、設計案に冗長な機能や情緒的な価値を反映させてはならない。

    (4) 企業の特色や姿勢を伝えるために、製品の意匠デザインに工夫を凝らしてもよいが、製品の構成や構造の設計に影響を与えてはならない。

    (5) 数学の問題解答においては解を導いたときに作業は終わるが、一般には設計の作業は数学の場合のように終了が明確に定まるものではない。


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    解答案:5
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    (1)・・・・× おおいにオリジナリティを発揮すればよい。
    (2)・・・・× あり得る。
    (3)・・・・× 遊びがあっても機能を損なわなければよい。
    (4)・・・・× 設計目的を損ねなければ、別にかまわない。
    (5)・・・・○ 「答え」が明確に1つではないから、改良やトライアンドエラーもある。
  2. 設計や計画において考慮する寿命やライフサイクルについて、最も不適切なものを選べ。

    (1) 設計や計画で設定する設計寿命あるいは設計耐用期間等は、法律によって定められている資産の原価償却の期間と必ずしも一致するわけではない。

    (2) 製品や構造物の耐用期間は強度や機能の低下だけではなく、美観や景観の劣化によっても左右される。

    (3) 設計や計画当初に想定した寿命に至っても、維持管理や補修補強を行うことによって使用を継続することができる場合は少なくない。

    (4) 最高速度や最大容量・強度などに代表される製品や建造物の最大性能は、設計や計画で最も重視される項目であり、耐用期間や寿命は専ら製造・施工過程で考慮される項目である。

    (5) メンテナンスの計画をあらかじめ策定しておけば、製品や構造物における構成部品や部材個々の寿命は必ずしも同一である必要はない。


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    解答案:4
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    (1)・・・・○ そのとおり。
    (2)・・・・○ そのとおり。
    (3)・・・・○ そのとおり。
    (4)・・・・× 耐用期間や寿命は設計段階でも十分考慮すべき。
    (5)・・・・○ そのとおり。
  3. 製造や建設の過程において検査をX回行うと、不具合の発生する確率は1/X2と推定される。一方、総検査費用は20X万円と推定される。ここで、不具合が発生した場合の損失が1,000万円とすると、検査回数を何回に設定するのが最適かを下記より選べ。

    (1) 2回  (2) 3回  (3) 4回  (4) 5回  (5) 6回

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    解答案:4
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    (解法1)
    aokiさんに教えていただいたセオリー・公式を使うと、以下のようになります。
    dy/dx=0の時のxの値が最高・最低、というセオリーと、y=f(x)/g(x)のときdy/dx={f’(x)×g(x)- f(x)×g’(x)}/g(x)2という公式を使う。
    1000/2+20x=(203+1000)/x
    2
    dy/dx={602*2-(203+1000)*2x}/4=(204-2000x)/4=20-2000/3=0
    よって、3=2000/20=100なので、4<x<5。よって5回。
    (解法2)
    コストc=1000/x2+20xの値をトライアルします。
    2回の場合:x=2よりc=1000/4+20*2=290
    4回の場合:x=4よりc=1000/16+20*4=142.5
    6回の場合:x=6よりc=1000/36+20*6=147.8
    2回>6回>4回なので、答えは4回のあたりにある。
    5回の場合:x=5よりc=1000/25+20*5=140<142.5
    よって答えは5回。

    ※頭から順番にトライアルする必要はありません。両端と真ん中など、効率的に答えを絞り込んでいくことを考えます。
  4. 設計や計画を行う際に設定する設計荷重や設計条件の不確実さに関する次の記述の中で、最も適切なものを選べ。

    (1) 地震の強さをいずれの地域でも精度良く推定することは容易ではなく、設計に当たっては、かなりの安全の余裕を見なければならない。そのため、地震に耐える構造物や機器を経済的に設計することは不可能である。

    (2) 極めて稀にしか発生しない事象や荷重に対して万全の設計や計画を施すと、とても経済的に実現できない場合もある。このような場合には、設計対象物の一部が万一損壊しても、最悪の結果を招かないように製品や建造物を設計することが重要である。

    (3) 使い方を誤ると、極めて確率が小さくても人命が失われる恐れがあるのであれば、設計者は設計、計画を放棄するしかない。

    (4) 一般に、製品や構造物は複数の部品や部材から構成されている。不慮の負荷に晒された場合にも、これらの部品や部材の一つでも損傷を受けないように設計しなければならない。

    (5) 新規性の高い製品や構造物の設計荷重や設計条件、負荷を設定するときは、過去の事例や実績を最大限に重視するのがよい。


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    解答案:2
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    (1)・・・・× 不可能ときめつけてはいけない。
    (2)・・・・○ そのとおり。 フェールセーフの考え方。
    (3)・・・・× そんな極端な・・・・
    (4)・・・・× 「一つでも」が誤り。フェールセーフの逆になる。
    (5)・・・・× 過去の事例は重要だが、「最大限」が誤り。あくまで参考にする。
  5. A、B、C国からD国内の各都市への物流ネットワークと物資輸送コストは次に示すとおりである。D国内の各都市は、最も輸送コストが低くなるように、輸入国を選定するものとする。ここで、A、B、Cのいずれか一箇所からの物資輸送がすべて停止する事態を想定しよう。各都市はいずれの国からの供給が停止しても、かならず代替国を選定するものとする。このときD国全体の総輸送コストの上昇について、正しいものはどれか。
    A国 B国 C国
    都市1 5 25 33
    都市2 25 10 15
    都市3 30 20 12

    (1) 上昇の最も低いのはA国からの供給停止のときで、最も高いのはC国からの供給停止のとき。

    (2) 上昇の最も低いのはB国からの供給停止のときで、最も高いのはA国からの供給停止のとき。

    (3) 上昇の最も低いのはB国からの供給停止のときで、最も高いのはC国からの供給停止のとき。

    (4) 上昇の最も低いのはC国からの供給停止のときで、最も商いのはA国からの供給停止のとき。

    (5) 上昇の最ら低いのはC国からの供給停止のときで、最も商いのはB国からの供給停止のとき。


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    解答案:2
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    トライアルすればわかる。
    A国がOUT B国がOUT C国がOUT
    都市1 Bに。5→25 Aのまま Aのまま
    都市2 Bのまま Cに。10→15 Bのまま
    都市3 Cのまま Cのまま Bに。12→20
    コストアップ +20 +5 +8
    よって、A国から供給停止になった時のコストアップが最大、B国からが最低。

(2)情報・論理に関するもの

  1. 浮動小数点演算においては、数値の表現が有限桁で行われる。この結果、浮動小数演算においては、丸め、桁落ち、情報落ちの3種類の誤差が生じる。丸めは、記憶装置に入りきらない桁を切り捨てたり,(io進数の場合の)四捨五入に当たる操作を行うことによって生じる。桁落ちは,100000.1から100000.0を引くと0.1となるように、大きさの近い数値を引き算することによって有効数字が大きく失われることをいう。
    10進7桁の表現しか許されない場合を考えると、100000.0に0.01を加えても、100000.0と同じ値にしかならず、実効的には加算が行われない。これを情報落ちという。
    ここで、“+”を丸めを伴う浮動小数点加算を表すものとすると、
         
    1.0 + eps > 1.0
    となる最小の正の浮動小数点数を計算機イプシロンと呼び、収束判定の許容誤差限界などに使用する。次のアルゴリズムで計算機イプシロンを求めることができる。[ ア ]に入る正しいものを選べ。


    ステップ1 epsに1.0を代入する。
    ステップ2 もし、
    1.0+epsが1.0に等しいければepsを[ ア ]倍したものを求める計算機イプシロンとしてアルゴリズムを終了する。
    ステップ3 eps/2.0をepsに代人して、ステップ2へ。

    (1) 0.1  (2) 0.2  (3) 1.0  (4) 2.0  (5) 10.0

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    解答案:4
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    あれこれ考えずとも、アルゴリズムを理解すればすぐに解けます。
    最初は1.0+eps=1.0+1.0=2.0>1.0、よって処理継続。eps=eps/2.0=1.0/2.0=0.5として戻る。2回目は1.0+0.5=1.5>1.0・・・・と続く。
    つまり、条件式(1.0+eps>1.0)が成立する限りepsをどんどん小さくしていく。
    設問は、条件式が成立する最小のepsを聞いている。したがって、それは条件式が成立しなくなったときの直前のepsである。
    直前のepsを2.0で割ったものが今のepsだから、2をかけてやれば直前のepsに戻る。
    よって2倍で解答案:(4)。

  2. 127個の数値が配列a[1], a[21、…、a[127]に入っており昇順に整列されているとする。このとき、与えられた数値xと同じ値がa[1], a[2],..., a[127]にあるか否かを調べ、ある場合はそのアドレス(1, 2,…, 127のどれか)を求めたい。種々の数値x、a[1], a[21,…、a[127]の組合せに対して、次のアルゴリズムを用いるとき、ステップ2が実行される回数の最大値を選べ。

    アルゴリズム
     ステップ1 Lの値を1、Uの値を127とする。
     ステップ2 L>Uならば、「存在しない」というメッセージを出力して終了する。
     ステップ3 Mの値を(L+U)/2とする(この除算では、端数は切り捨てる)。
     ステップ4 a[M]<xならステップ5へ。a[M]>xならステップ6へ。さもなければステップ7ヘ
     ステップ5 M+1の値をLの新しい値とし、ステップ2へ。
     ステップ6 M−1の値をUの新しい値とし、ステップ2へ。
     ステップ7 Mの値を出力し終了する。


    (1)  7  (2)  8  (3)  9  (4) 64  (5) 127

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    解答案:2
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    何をやっているのかというと、2分探索をやっています。どんなものかということを、単純な仮想事例で説明しましょう。
      子供が17人、背の低い者から並んでいるとしましょう。身長120cmの子がいるかいないかを探します。
      まずはど真ん中の8番目の子供の身長を測ります。この子は130cmだとします。違いました。
      ということは、120cmの子がいるとしたら、この子より前です。
      そこで今度は、この子より前にいる7人のど真ん中、4番目の子供の身長を測ります。この子は115cmだとします。また違いました。
      ということは、120cmの子がいるとしたら、この子より後ろでさっきの130cmの子より前にいる3人の誰かです。
      そこで3人の真ん中の子の背を測りました。125cmです。また違った!
      もうあとはこの子とさっきの115cmの子の間にいる子しかいません。
      この子が120cmなら「120cmの子はいた」ことになるし、そうでなければ「いなかった」ことになります。

    というようにして、探索範囲を半分、さらに半分・・・・と範囲を狭めながら探索する方法です。こちらにわかりやすく説明されています。
    ということは、127個のデータですから、1回目は64番目がチェックされます。これでなかったら、残り63データの中の32番目がチェックされます。
    3回目は31データの16番目、4回目が15データの8番目、5回目が7データの4番目、6回目が3データの2番目。
    7回目は1データの1番目になります。これで終わりです。
    では7回でしょうか?いえ、これでデータがxとマッチしない場合があります。上記子供の例でいうと、最後の子が120cmでなかった場合です。
    その場合は、ステップ2が最後にもう一度だけ実行されます。これが8回目になります。
    以上より、解答案:(2)になります。
    なお、2分探索法の探索回数は、データ数がN件であれば、
     平均探索回数はlog2N
     最大探索回数はlog2N+1

    です。
    これを知っていれば、「127は2の何乗か」がわかれば一発で解けます。24=16、25=32、26=64、27=128ですから7で、最大探索回数を聞いていますから、プラス1で8です。
  3. 次の記述の中から誤ったものを選べ。

    (1) 個人のパスワードをシステム内で、管理者にも解読できないように暗号化して記録することは、一見安全なようであるが、パスワードを忘れたユーザに正しいパスワードを教えることができないという不都合があるので、現実には用いられていない。

    (2) 個人を認証する方法には、当該個人だけが知っている知識を用いるもの(パスワードなど)、当該個人だけが携帯しているもの(カードや印鑑など)、当該個人のバイオメトリックスによるもの(指紋、声紋、瞳孔など)、等があり、これらが併用されることもある。

    (3) 電子化された情報の不正なコピーを防ぐために用いられる「電子透かし」は、一種のノイズを加える方式であるので、オリジナル情報をできるだけ損なわない技術を伴う必要がある。

    (4) 信頼性が要求される通信システムでは、送信された情報に対して、「受信された」というメッセージを受信側から送信側に返す必要がある。

    (5) 公開鍵暗号は、暗号化の鍵と復号化の鍵の一方から他方が容易には求められないという非対称暗号体系でのみ実現可能である。


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    解答案:1
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    (1)・・・・× パスワード消去・再設定すればいいので誤り。そういうシステムはいくらでもある。
    (2)・・・・○ そのとおり。 よく映画でやっているでしょう。
    (3)・・・・○ そのとおり。
    (4)・・・・○ そのとおり。 TCP/IPはこうしている。
    (5)・・・・○ そのとおり。 CALS/ECの電子認証はこうしている。
  4. 次の記述の中から誤ったものを選べ。

    (1) ディジタルコンピュータにおいて、データや命令はすべて有限桁の数値として表される。数値かデータであるか命令であるかを判定する方法はない。その数値がデータとして用いられているか、命令として用いられているかは、プログラムの実行状況による。

    (2) ワープロソフトで作成された文書ファイルの大きさ(バイト数など)は、用いられている文字フォントの大きさに依存しない。文字フォントを小さいものに指定しても、文書ファイルは必ずしも小さくなるわけではない。

    (3) ディジタルコンピュータにおいて、数値計算が誤差を伴うのは、浮動小数点方式を用いる場合である。数値計算を固定小数点方式で行えば誤差は生じない。にもかかわらず、浮動小数点方式が広く用いられているのは、固定小数点方式では避けがたいオーバーフローやアンダーフローが浮動小数点方式ではまったく起こらないからである。

    (4) ディジタルコンピュータにおいて、プログラムか有限時間で終了するか否かを判定するアルゴリズムは存在しない。

    (5) 大量のデータを扱うプログラムでは、データの誤り検査が不可欠である。誤り検査は、データに冗長性があるときに可能である。データに冗長性がないときは、チェックディジットやパリティビットのようなチェック用の桁を付加するなどの方法が用いられる。


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    解答案:3
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    (1)・・・・○ そのとおり。
    (2)・・・・○ そのとおり。
    (3)・・・・× 固定小数点形式は有効桁数16桁以内の実数が扱えます。浮動小数点形式にすると扱える数値範囲は飛躍的に伸びますが、それでも限界は必ずあります。
    (4)・・・・○ そのとおり。
    (5)・・・・○ そのとおり。

(3)解析に関するもの

  1. ある1自由度振動系に外部から力F=ejwtを作用きせたとき、変位xの周波数応答は次のように示されるとする。
      
    x=Ge
    jwt, G=1/(1-w2)
    w,tはそれぞれ角周波数、時間である。このとき、力を加速度で割った物理量 力/加速度 の周波数応答は次のいずれになるか。


    (1) 1/G  (2) jwG  (3) −1/(w2G)  (4) −w2G  (5) −j/(wG)

    ---------
    解答案:3
    ---------
    (臨時掲示板より、ななしさんの解法)
    振動工学の知識を問います。変位xを1回微分すると速度、2回微分すると加速度になります。
    よって、加速度=d2x/dt2=−w2Gejwtであり、力/加速度は、ejwt/−w2Gejwt=−1/w2Gとなります。
  2. 次の文章から常に正しいものを選べ。

    (1) 有限要素法で得られる質量行列は非対称である。

    (2) 流れ解析には差分法が用いられており有限要素法を適用することはできない。

    (3) 熱伝導や過渡振動で用いられる時間方向の数値積分は陽解法である。

    (4) 構造非線形問題には材料学的非線形問題と幾何学的非線形問題がある。

    (5) 有限要素法の精度は同じ三角形要素ならその要素の大ききによるがその形状にはよらない。

    ---------
    解答案:4
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    (臨時掲示板参考)
    (1)・・・・× 対称のものもある。
    (2)・・・・× 流れにも適用事例あり。
    (3)・・・・× 陰解法でも可能。
    (4)・・・・○ そのとおり。
    (5)・・・・× 平たい形だと制度が落ちる。
  3. 図に示す一様な円柱状の媒体において、熱はx軸方向にのみ流れるとする。
    x=xの断面における温度をT(x)とすると、この断面より右側へ流入する熱量は
     q(x)=−dT(x)/dt
    ←これはdxのミスプリ!
    で表すことができるものとする。
    x=xの断面とx=x+Δx(Δxは微小長さとする)の断面にはさまれた微小領域内に単位時間に蓄えられる熱量の近似式として次のどれが最も適切か。

    (1) dT(x)/dx・Δx
    (2) −dT(x)/dx・Δx
    (3) d2T(x)/dx2・Δx
    (4) −d2T(x)/dx2・Δx
    (5) dT(x)/dx・Δx−d2T(x)/dx2・Δx
    ---------
    出題ミス(ミスプリ)により、問題選択者全員を正解とする処置がとられました。
    もしミスプリがなければ、
    解答案:3
    ---------
    (臨時掲示板より、るぶさんの解法)
    q(x)=−dT(x)/dxとすると、
    q(x)-q(x+凅)=-dq/dx・dx=d2T(x)/dx2・Δx
    しかしミスプリのdtを「微小な時間」と解釈すれば、ミスプリと気づかず、誤った答えを出してしまう可能性もあります。
    非常に問題だと思います。
  4. 図の振動系の運動方程式を
     MX+Kx
    =0 ・・・・(1)
    で表す。
    ※注:Xは小文字xにウムラウト

    ここに、x=(xa、xb、xc)は変位ベクトル、xは加速度ベクトル、Mは質量マトリクス,Kは剛性マトリクスであり、加速度は次の関係を満たしているとする。
      m
    aXa=−(ka+kb)xa+kbxb
      m
    aXb=kbxa−(kb+kc)xb+kcxc mbXb=kbxa−(kb+kc)xb+kcxcのミスプリ!
      mcXc=kcxb−kcxc
    このとき式(1)の質量マトリクスMと剛性マトリクスKはそれぞれどのように表現されるか。


     
    (1)
    (2)
    (3)
    (4)
    (5)

    ---------
    出題ミス(ミスプリ)により、問題選択者全員を正解とする処置がとられました。
    もしミスプリがなければ、解答案:1

    ---------
    **********皆様からの情報・ご指摘*****Nagaseさんに解説いただきました。ありがとうございます。
     先ず、力と加速度の基本的な関係式を思い出す。
    F=Mα ・・・・・・(0)
     (α:加速度、今回はXで表している。)
    この問題において、Fはばねの伸縮によって生じている力である。
    中立状態から質点が右(+方向)に変位すると、質点の左側のばねは「+方向へ伸ばされ」て「−方向へ縮もうとする」ので、そのため質点には−方向の力がかかる。右側のばねは「+方向へ縮められ」るために伸びようとして同じく−方向の力を質点にかける。よって、ばねから質点が受ける力はばねの伸び縮みとは逆向きとなるから、
    F=−Kx
       (x:変位)
    となる。従って、
    X+K=0 ・・・・(1)
    然し、この場合は問題中の3式に形を合わせ、
    X=―K・・・・(2)
    の形にした方が理解しやすい。
    3式中の第一式は、
    m
    aXa=−(ka+kb)xa+kbb
    これは更に右辺の順番を書き換えて、
    maXa=−kaa−kb(xa−xb)
    とすると理解しやすい。右辺第一項は、左のばねの伸びに伴い質点maが受ける力である。ばねの左端は固定されているので、右端の変位がそのままばねの伸びを示す。
    第二項は、中央のばねから受ける力であるが、中央のばねは両端が変位するので、ばね自体の伸びは変位の差で表され、両端の変位が等しければ単なる移動であって伸び縮みは生じていないことになるので、第二項の値は0となる。 第二式、第三式も同様に書き換えて考える。
    ただし、この設問の仕方は、既に関係式が与えられているので、力学の問題と言うよりは行列の掛算の問題であるから、以上の考察は意味を理解して応用力を身につけるためのものである。
    実際に(2)式を行列の形にしてみると、

    となる。右辺の前に−が付いているのに注意。又、実際の設問では変位ベクトルを行ベクトルで表示していたが、列ベクトルに直さないと右から掛けることが出来ないので注意を要する。

    **********


  5. 断面積100mm2、長さ100mmの弾性体の円柱がある。円柱の長手方向に力を作用させたところ、応力108N/u、ひずみ10-3を生じた。
    この円柱の長手方向に関するばね定数(単位はN/m)はいくらか。


    (1) 105
      (2) 106  (3) 107  (4) 108  (5) 109

    ---------
    解答案:4
    ---------
    (臨時掲示板より、ytsuboさんの解法)
    σ=108N/m2=102N/mm2
    σ=Eε→E=σ/ε=105N/mm2
    k=EA/L=105*100/100=105N/mm
    単位系を直して、k=108N/m
    応力とひずみを結ぶのは弾性係数。
    力と変位を結ぶのはばね定数です。

(4)材料・化学・バイオに関するもの

  1. 自動車や電気製品、そして家屋などを作る材料は、ある「形」に成形することができ、用途に応じて求められる「強度」を満足することが重要である。このような性質に関する基本的な説明として、次の中から最も不適切なものを選ぺ。

    (1) 民家の窓などに使われる透明なガラスはケイ素と酸素が強い結合で網目状に結びついていることが性質を決めている一つである。

    (2) テレビやプリンターのキャビネットに使われるプラスチックは炭素同士の共有結合と高分子鎖の絡み合いで強さを保ち、ときにはゴム粒子で補強される。

    (3) 鋼線に使用される高い純度の銅は、原子同士が金属結合で束縛されている。

    (4) 橋梁などに用いられる鉄鋼材料は製造方法を研究し、微細な構造を制御して作られるが、鉄の作り方を工夫すれば性質の異なる鉄ができることは日本の江戸時代でも知られていた。

    (5) 木材がプラスチックと異なり、年月を経るほど風格が出てくるのは、板材などに加工した後も、木の細胞が生きているからである。


    ---------
    解答案:5
    ---------
    (1)・・・・○ そのとおり。SiO2正四面体のことですね。
    (2)・・・・○ そのとおり。
    (3)・・・・○ そのとおり。
    (4)・・・・○ そのとおり。
    (5)・・・・× たとえ話ならともかく、木の細胞は生きていません。生きていたら細胞分裂して成長します。 
  2. 電子材料の構造と性質を理解しておくことは、材料を広い技術分野で活用するときには重要である。次のうち、最も適切な説明を選択せよ。

    (1) 銅は電気をよく通すので電線材料として最適だが、温度が高くなると電気抵抗が大きくなる。

    (2) 高分子材料は原子間の結合に寄与する電子が局在化していないので、絶縁材料として適当である。

    (3) 液晶は電子部品に多く使用されるが、これは液状の結晶が綺麗な色を発色する性質を巧みに利用したものである。

    (4) 高純度のシリコンやゲルマニウムは半導体として使用できるが、複数の異なった元素で構成されている化合物は一つの元素に着目すると純度が低いので半導体にはならない。

    (5) 鉄は電子を放出しやすいので、サビが出やすいが、天然には錆びにくく鉄の状態のまま産出される鉱石が多い。


    ---------
    解答案:1
    ---------
    (1)・・・・○ そのとおり。
    (2)・・・・× 
    (3)・・・・× 
    (4)・・・・× 
    (5)・・・・× 通常は酸化鉄として産出する。
  3. 次の組み合わせは、それぞれの物質を構成する元素の割合を重量%で比較した場合に、最も主要な元素を元素記号で示そうとしたものである。適切で無いいものを遠べ。

    (1) 皮革 C
    (2) 空気 N
    (3) 青銅 Cu
    (4) 水蒸気 O
    (5) 堆積岩 C


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    解答案:5
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    (1)・・・・○ そのとおり。皮はタンパク質なのでC、H、Oを主成分として、特にCとHを主体に構成されており、分子量からみてCが重量として主要。
    (2)・・・・○ そのとおり。空気の中で最も多いのが窒素、次が酸素。
    (3)・・・・○ そのとおり。そのまんま。
    (4)・・・・○ そのとおり。水なのでH2O。原子量がHは1でOは16だから、重量としてはOが主体。
    (5)・・・・× 岩石の主成分はSiO2で、その他アルミナ(Al23)やFe,Mg,Ca,Na,Kなど。炭素は有機物としてわずかに入っている程度。
  4. 物質生産において、廃棄物を削減し、さらには、全く無くしてしまう技術や、毒性や危険性のある原料や溶媒の使用を避ける技術の間発が望まれている。化学合成による廃棄物の量を見積もる方法として、反応の収率以外に、原子効率(atom efficiency)という概念がある。原子効率は、化学量論反応式を考え、目的の製品の分子量を、生成する「すべての物質」の分子量の全合計で割算して求める。次の反応のうち、原子効率の観点から最も優れていると考えられるものを選べ。

    (1) ブタジエン(CH2=CH-CH=CH2)とエチレン(CH2=CH2)からシクロヘキセン(C6H10)を得られる反応(Diels-Alder反応)。

    (2) 塩化アセチル(CH3COCl)とエタノール(CH3CH2OH)から、トリエチルアミン(N(C2H5)3)存在下で、酢酸工チル(CH3COOCH2CH3)を得る反応。

    (3) 臭化ブチルマグネシウム(C4H9MgBr)とホルムアルデヒド(HCHO)から1−ペンタノール(C5H11OH)を得る反応(Grignard反応)。

    (4) ベンゼン(C6H6)と無水酢酸((CH3CO)2O)から、触媒を用いてアセトフェノン(C6H5COCH3)を得る反応(Friedel-Crafts反応)。

    (5) シクロヘキサノン(C6H10(=O))とCH2=P(C6H5)3からメチレンシクロヘキサン(C6H10(=CH2))を得る反応(Wittig反応)。


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    解答案:1
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    反応前後のCやHの数を割り算で比較して、無駄がない(反応前÷反応後が1に近い)ものを選びます。これが1より大きいと、反応に使われない分子、つまり無駄、つまり廃棄物が生成することになります。単に元素の数を数えて合計すれば計算できます。
    (1)・・・・反応前はCが全部で6、Hが10。反応後はCが6でHが10.よって反応前÷反応後=1.0。つまり無駄がない。
    (2)・・・・パッとみてClが余る。
    (3)・・・・数える以前に、反応前のMgやBrが生成物にないので、そこに無駄がある。
    (4)・・・・Cが10、Hが12、Oが3→Cが8、Hが8、Oが1で、C,H,Oどれもが余る。
    (5)・・・・パッとみてPが余る。 
  5. 肺炎双球菌を形質転換きせてマウスに注射しDNAが遺伝子の本体であることを証明した実験について、次の結果から最も不適切なものを選べ。

    (1) R型非病原性菌をマウスに注射したが発病しなかった。

    (2) S型病原註菌をマウスに注射したところ発病した。

    (3) S型病原性菌の成分を分画してその多糖類画分をR型非病原性菌に混ぜてマウスに注射したが発病しなかった。

    (4) S型病原性菌の成分を分画してそのタンパク質画分をR型非病原性菌に混ぜてマウスに注射したところ発病した。

    (5) S型病原性菌の成分を分画してそのDNA画分をR型非病原性菌に混ぜてマウスに注射したところ、発病した。


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    解答案:4
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    DNA・遺伝子の勉強になるサイトとして紹介した「遺伝子の部屋」に、まさにこの実験が載っています(こちら)。
    このサイトをしっかり読んでいれば楽勝の問題です。
  6. 酵素の働きについて説明している次の文章について、( )内に最もふさわしい語句が入る組み合わせを選べ。

    酵素は、化学反応の反応速度を(ア)させるが反応物と生成物の平衡状態に影響しない。これは化学反応の障壁となる(イ)を、非触媒反応に比べ(ウ)させることを意味している。酵素上に(エ)という一定の部位があって、そこに基質がすっぽりと包み込まれるように結合し(エ)の働きによって基質が分解される。酵素と基質との相互作用には(オ)があり、酵素はむやみに決められた反応以外は触媒効果を示さない。


    (ア) (イ) (ウ) (エ) (オ)
    (1) 増加 活性化エネルギー 低下 活性中心 特異性
    (2) 低下 活性化エネルギー 増加 調節部位 恒常性
    (3) 増加 運動エネルギー 増加 活性中心 恒常性
    (4) 低下 運動エネルギー 低下 調節部位 特異性
    (5) 変化 化学エネルギー 増加 活性中心 恒常性
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    解答案:1
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    (ア)・・・・酵素は反応速度をアップする。
    (イ)・・・・活性化エネルギー。これは化学に関する文章などを読んでいれば、頭に残っているはず。
    (ウ)・・・・反応アップなのだから障壁となるものはダウンさせるはずだと、これは容易に想像がつくはず。
    この時点でもう(1)しか残っていません。
  7. DNAの構成成分について次の記述から最も適切なものを選べ。

    (1) DNAは塩基、糖、脂肪酸からなる。

    (2) DNAは塩基、アミノ酸、脂肪酸からなる。

    (3) DNAは塩基、糖、リン酸からなる。

    (4) DNAは塩基、脂肪酸、リン酸からなる。

    (5) DNAは塩基、糖、アミノ酸からなる。


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    解答案:3
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    DNAの勉強を詰めてやっていた人には、あまりに簡単でずっこけてしまったことでしょう。
    DNAは、アデニン・チミン・グアニン・シトシンの4つの塩基と、デオキシリボースという糖、そして糖と糖を結ぶリン酸から成っています。
    参考は、たとえばこちら 

(5)技術連関

  1. ウランやプルトニウムなどの核燃料物質1トンがすべて核分裂すると石油換算約200万トン分のエネルギーを発生する。現在実用化している軽水炉では、炉内で238Uがプルトニウムに変換されて核分裂するものも含めて、燃料として装荷する濃縮ウランの妁4%が核分裂した後炉外に取り出される。現在の軽水炉による利用では天然ウラン1トンは石油換算何トン分のエネルギーを発生しているか、次の中から正しいものを選べ。
    ただし、天然ウランの
    235Uの濃縮度は0.7%、装荷する濃縮ウランの濃縮度は4.2%、ウラン濃縮におけるテールウラン(濃縮過程で生じる劣化ウラン)の濃縮度は0.2%とせよ。

    (1) 1,000トン
    (2) 5,000トン
    (3) 1万トン
    (4) 2万トン
    (5) 8万トン


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    解答案:3
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    天然ウランを濃縮すると、濃縮ウランとテールウランができる。すなわち、天然ウラン1t→濃縮ウランxt+テールウラン(1−x)t。
    その中の核燃料物質についてみると、
    1tの天然ウランの235U濃縮度は0.7%なので、235Uは7*10-3t。
    xtの濃縮ウランの235U濃縮度は4.2%なので、235Uは42*10-3*xt。
    (1-x)tのテールウランの235U濃縮度は0.2%なので、235Uは2*10-3*(1-x)t。
    よって、7*10-3=42*10-3*x+2*10-3*(1-x)。両辺を10-3で割って、7=42x+2(1-x)=42x-2x+2。よってx=5/40=0.125t。
    1tで2*106tなので、0.125tなら、0.125×2*106=2.5*105t。
    この4%が反応するので、2.5*105×4*10-2=104=1万t。
  2. 電気と熱を同時に供給する熱電供給システム(コージェネレーション)が注目きれている。しかし、電気単独の供給では一般に系統電力の方が高効率であり、熱供給はボイラーやヒートポンプでも効率的に供給できる。電気と熱の需要構成が2:1の場合について、次の3つの供給システムを比較する。
     A:コージェネレーション(発電効率40%、最大排熱利用率40%(一次エネルギー投入量に対する比率))
     B:系統電力(発電効率50%)+ボイラー(効率80%)
     C:系統電力(発電効率50%)+電動ヒートポンプ(成績係数(COP)3.0)
    3つのシステムを一次エネルギー所要量の小さい順番に並べた場合、正しいものを選べ。


    (1) ABC  (2) ACB  (3) BCA  (4) CAB  (5) CBA

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    解答案:4
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    (臨時掲示板より、もっとさんの解法)
    電気と熱の需要が2:1なのでわかりやすく、100:50(kW)と仮定して、
    Aでは、発電に100/0.4=250kWの入力が必要、熱には廃熱で100kW出てくるので(50kWはあまって捨てる)、投入エネルギーは不要、よって一次エネルギー合計は、250+0=250kW必要。
    Bでは、電力に100/0.5=200kW。ボイラに50/0.8=62.5.合計262.5kW。
    Cでは、電力に100/0.5=200kW。さらにヒーポンの電力に50/3=16.7kW必要だが、この電力も発電効率50%なので一次エネルギー量としては、結局50/3/0.5=33.3kW。合計233.3kW。
    したがって、
    C<A<Bとなり、解答は4。
  3. 我が国の環境問題に間する次の記述のうち、最も適当でないものを選べ。

    (1) 現在、我が国の大気中の浮遊粒子状物質と二酸化窒素は環境基準の達成率が不十分であり、いずれも自動車由来の汚染が問題となっている。

    (2) 現在、我が国の大気汚染物質の中では二酸化硫黄の環境基準の達成状況は良好である。

    (3) 水域の富栄養化とは環境ホルモン(内分泌撹乱物質)の汚染によってもたらされる現象で、藻類が大量に発生するなどの問題が生じる。

    (4) 近年水循環の重要性が指摘されており、都市部では雨水浸透などの対策によって本来の水循環を復活させる試みが行われている。

    (5) 我が国のダイオキシンの主たる排出源は廃棄物の焼却であるため、排出防止の対策が進められている。


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    解答案:3
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    (1)・・・・○ そのとおり。
    (2)・・・・○ そのとおり。
    (3)・・・・× 環境ホルモンと富栄養化は関係ない。富栄養化は栄養塩類(窒素やリンなど)が原因物質。
    (4)・・・・○ そのとおり。
    (5)・・・・○ そのとおり。
  4. 環境改善技術に関する次の記述のうち、最も遠切なものを選べ。

    (1) 代表的な廃水処理法である活性汚泥法は、微生物の作用を用いて水中の汚濁物質を除去する方法である。

    (2) 廃棄物焼却施設の運転に当たっては、焼却するごみの質を管理することにより窒素酸化物排出の抑制を行うことができる。

    (3) 汚染土壌のバイオレメディエーションとは、植物などの生物が良好に成育するように汚染された土壌を除去することである。

    (4) 自動車の排気ガスからの大気汚染を防止するためには、それぞれの自動車に排煙脱硫設備を設置することが有効である。

    (5) 汚濁の遠んだ河川の浄化方法として、膜分離による浄化設備を河川内に設置する対策がその効果とコストの両面で有効である。


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    解答案:1
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    (1)・・・・○ そのとおり。
    (2)・・・・× 
    (3)・・・・× バイオレメディエーションは微生物による汚染除去。植物利用はファイトレメディエーション。
    (4)・・・・× 
    (5)・・・・× コスト面で問題大いにあり。 
  5. リスク(risk)、クライシス(crisis)、ハザード(hazard)という危険にかかわる言葉の意味として、最も不適切なものを選べ。

    (1) リスクは危険事象の起き易さ(確率)と、その影響度の組合せである。

    (2) りスクの概念の適用はマネージメント(企業経営)分野が先行しているが、産業と工学分野への適用も拡大しつつあり、例えばRBM(risk-based maintenance)などがある。

    (3) クライシスは狭義のリスクであり、顕在化すれば企業活動の継続性を脅かすリスクなどに用いられる。

    (4) ハザードは損失をもたらす偶然事故で、その影響度がリスクの大きさである。

    (5) ハザードは危険事象の潜在的要因で、それによって事故などが発生する可能性がりスクである。


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    解答案:4
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    (1)・・・・○ そのとおり。アメリカ原子力委員会などの定義。リスク=発生確率×被害規模。
    (2)・・・・○ そのとおり。
    (3)・・・・○ そのとおり。クライシスの和訳は「危機」、「重大な局面」。危機管理を英語でcrisis managementという。
    (4)・・・・× ハザードは危険要因であり、その結果(偶然であれ必然であれ事故そのもの)ではない。またリスクは「偶然事故の影響度」ではない。
    (5)・・・・○ そのとおり。ただし、正解に言うと、リスクは事故発生の可能性のみをいうのではなく、その被害規模との組合せである。
  6. 20世紀後半の科学技術と社会の間係について述べた次の文章のうち、最も不適切なものを選べ。

    (1) 生命科学の爆発的な進歩が見られ、遺伝子や脳の解明が進み、医療や製薬工業、食品工業などに大きな影響を及ぼした。

    (2) 国家が大型プロジェクトを積極的にバックアップし、とくに冷戦期には国家の威信の象徴として、宇宙開発などが競争的に進んだ。

    (3) 急速な工業化によって、水質汚染、大気汚染、生物種の絶滅などの環境問題が引き起こされたが、その多くは新しい技術関発で解決をみた。

    (4) とくに最後の四半期に情報化の技術が発展し、経済や政治のあり方にも大きな影響を与えて、高度情報化社会が到来した。

    (5) 気候変動や地震などの天変地異を予測する技術や理論が整備され、事前の予報精度は高くなったが、完全に災害を予防することはまだ不可能である。


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    解答案:3
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    (1)・・・・○ そのとおり。
    (2)・・・・○ そのとおり。
    (3)・・・・× 前段は正しいが、その多くは解決をみていない。
    (4)・・・・○ そのとおり。
    (5)・・・・○ そのとおり。
  7. 現代社会において技術に携わるとき、科学技術と人間や社会との適切な関係を常に考慮する必要がある。しかし現在の科学技術は、得てして人間や社会の問題を置き去りにして「暴走」してしまうことがある。このような状況を象倣するものとして、しばしば「ニつの文化の断裂」という表現が使われる。これは1950年代後半、ケンブリッジ大学で物理学を学んだ小説家のC. P.スノウ(C.P.Snow)が最初に使用した言葉だが、この「二つの文化」とは何を指しているのか。最も適切なものを選べ。

    (1) 自然科学と人文・社会科学
    (2) 科学(理学)と技術(工学)
    (3) 応用志向の学問と基礎研究志向の学問
    (4) 資本主義諸国と社会主義諸国
    (5) マスメディアと科学者・技術者


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    解答案:1
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    これは基本的に、あなたは『二つの文化』とは何だと思うか」という国語の問題ではなく、スノウが言った「二つの文化」とは何かという知識の問題です。ただ、前段の記述で、(1)のことであろうということは推定できるはずです。
    スノウの「二つの文化と科学革命」は、出版されています。