都市計画資料 | ※この資料は、伏龍さんにご提供いただきました。 |
CONTENTS |
1.都市計画 |
2.都市計画区域 |
3.土地利用計画 |
4.都市施設計画 |
5.市街地開発事業 |
6.地区計画 |
7.その他 |
● 都市計画
都市の健全な発展と秩序ある整備を図るための土地利用,都市施設の整備及び市街地開発事業に関する計画 【都計法4条】
● 目的
都市の健全な発展と秩序ある整備を図り,もって国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与すること 【都計法1条】
● 基本理念
都市の健全な発展と秩序ある整備を図りつつ,健康で文化的な都市生活及び機能的な都市活動を確保すべきこと並びに,このためには適正な制限のもとに土地の合理的な利用が図られるべきこと 【都計法2条】
※ 都市計画は住民の生活に与える影響が大きいことを反映して,住民に近い存在の都道府県・市町村が決定主体
● 都市計画区域
一体の都市として総合的に整備し,開発し及び保全する必要がある地域 【都計法5条】
※ 都市計画区域は知事が決定し,大臣が認可する
● 土地利用計画
都市活動の機能性,都市生活の安全性,利便性,快適性等に配慮し,農林漁業,自然環境及び歴史的文化財等の保全との調和を図りつつ,計画区域内の土地の利用方法について定める
@ 都市計画区域区分
無秩序な市街化を防止し,計画的な市街化を図るため都市計画区域を区分して,市街化区域及び市街化調整区域を定める 【都計法7条1】
● 市街化区域
すでに市街化を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域 【都計法7条2】
● 市街化調整区域
市街化を抑制すべき区域【都計法7条3】
● 基本方針
市街化区域と市街化調整区域の区分及び各区域に関連し,その整備,開発及び保全の方針がある 【都計法7条4】
※ 都市計画区域区分は線引き区域と未線引き区域に分け,線引き区域を市街化区域と市街化調整区域に区分し,知事が決定
A 地域地区制度
土地利用の内容に応じて,それぞれの地域・地区に対し,住居・商業・工業等の用途を適正に配分することで,都市機能を維持推進し,適正な都市環境を保持するよう規制誘導する
A.用途地域
機能的な都市活動の推進,良好な都市環境の形成を図る目的で,市街化区域あるいは都市計画区域内で,用途を適切に配分して土地利用上の区分を図る
※ 市街化区域については,少なくとも用途地域を定め,市街化調整区域には,原則として用途地域は定めない 【都計法13条】
● 第1種低層住居専用地域······················ 低層住宅の良好な環境保護のための地域
● 第2種低層住居専用地域······················ 主として低層住宅の良好な環境保護のための地域
● 第1種中高層住居専用地域··················· 中高層住宅の良好な環境保護のための地域
● 第2種中高層住居専用地域··················· 主として中高層住宅の良好な環境保護のための地域
● 第1種住居地域·································· 住居の環境を保護するための地域
● 第2種住居地域·································· 主として住居の環境を保護するための地域
● 準住居地域········································ 沿道の特性に適した業務と住宅が調和する地域
● 近隣商業地域····································· 近隣住民のための商業の利便の増進を図る地域
● 商業地域··········································· 商業・業務の利便の増進を図る地域
● 準工業地域········································ 環境悪化の恐れのない工業の利便を図る地域
● 工業地域··········································· 主として工業の利便を増進するための地域
● 工業専用地域····································· 工業の利便を増進するための地域
B.特別用途地区 … 用途地域内で更に内容を限定した土地利用を定める
C.形態規制の地区制度 … 土地の高度利用を定める
D.構造規制の地区制度 … 建築物の防火構造等の構造規制を行う
E.景観等の保全地区制度 … 特定の都市機能に着目した地区整備を進める
F.その他の地域地区制度 … 駐車場整備や航空機の騒音防止等を定める
B 促進区域
市街化区域内において,主として関係権利者による市街地の計画的な整備又は開発を促進する必要がある土地の区域(市町村)【都計法13条】
C 遊休土地転換利用促進区域
都市内の低・未利用地において,主として関係権利者による有効かつ適切な利用を促進する必要がある土地の区域(市町村) 【都計法13条】
D 被災市街地復興推進地域
大規模な災害により相当数の建築物が消失した市街地において,計画的な整備改善を推進し,その緊急かつ健全なる復興を図る必要がある土地の区域 【都計法13条】
● 都市施設
当該都市計画区域における施設で必要なものを定め,特に必要がある施設は,当該都市計画区域外においても定めることができる 【都計法11条】
5.市街地開発事業(知事決定)
● 市街地開発事業
市街化区域において,一体的に開発,又は整備する必要がある土地の区域 【都計法13条】
@ 土地区画整理事業
未整備な市街地又は市街地予定地を健全な市街地にするため,地区内の土地の交換分合(換地)により,公共施設の整備改善及び宅地利用の増進を図る事業
健全な市街地の面的整備を図る都市計画上の最も重要な事業手法 !!
(土地区画整理事業の長所)
・面的な総合整備が可能
・多様な事業目的に対応できる
・開発利益を事業費に還元できる
・区域内住民の社会活動を継続させながら事業ができる
・公共施設整備について地区権利者に公平な負担を求められる
A 新住宅市街地開発事業
都市周辺地域において,健全な住宅市街地の開発と居住環境の良好な住宅地の大規模な供給を図る総合的・一体的な街づくり事業
B 工業団地造成事業
首都圏・近畿圏の近郊整備地帯及び都市開発区域において,公共施設等の都市基盤の整備された計画的な工業用敷地の供給を図るための事業
・近郊整備地帯 〜 無秩序な市街化を防止し,計画的な市街地整備と緑地保全を行う
・都市開発区域 〜 既成市街地への人口・産業の集中を緩和し,適正配置を図るため,工業都市・住宅都市と
して発展させる区域
C 市街地再開発事業
既成市街地の改造更新を必要とする地区において,市街地の合理的かつ健全な高度利用,良好な居住環境の形成や防災などの都市機能の更新を図る事業
・要改造更新地区 〜 本来,土地の高度利用を図るべき地区(老朽化低層家屋の密集,不十分
な公共施設整備,不健全な土地利用,環境・防災上の問題など)
!!(第1種)権利変換方式 (第2種)用地買収方式
D 新都市基盤整備事業
大都市周辺地域での新都市建設に伴って,公共施設や開発誘導地区のための土地を整備する事業
E 住宅街区整備事業
三大都市圏で,土地の交換分合を行いながら,公共施設の整備や共同住宅の建設等を行い,住宅街区の整備を図る事業
6.地区計画(土地の高度利用,土地利用の誘導)
@ 地区計画
建築物の建築形態,公共施設その他の施設の配置から見て,一体としてそれぞれの区域の特性にふさわしい態様を備えた良好な環境の各街路を整備し,及び保全するための計画 【都計法12条5】
A 住宅高度利用地区計画
土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の増進とを図るため,一体的かつ総合的に良好な住宅市街地の開発整備を行うための計画 【都計法12条6】
B 再開発地区計画
工場・鉄道跡地等の低・未利用地について,土地利用の転換を通じ一体的かつ総合的な再開発を誘導することで合理的かつ健全な土地の高度利用及び都市機能の更新を図るための計画
C 防災街区整備地区計画
密集市街地における特定防災機能の確保と土地の合理的かつ健全な利用を図るため,防災街区として一体的かつ総合的に整備する計画
D 沿道地区計画
沿道整備道路に接する土地の区域で,道路交通騒音により生じる障害の防止と適性かつ合理的な土地利用の促進を図るため,一体的かつ総合的な市街地を整備する計画
E 集落地区計画
市街化調整区域等の集落において,営農条件との調和を図りつつ,宅地整備などの良好な居住環境の確保と適正な土地利用を図り,集落地域の特性にふさわしい整備・保全を図るための計画
● 都市計画制限
都市計画実現のための公権力による私権の制限(一時的制限で長時間継続 → 都市計画事業制限)
● 都市計画事業
建設行為として,土地を何らかの方法により入手して事業を推進する計画(知事の認可,市町村施行)
● 開発許可
市街化区域及び市街化調整区域において開発行為をしようとする場合は,知事の許可を受けなければならない(市街化調整区域では,農林漁業を営むための行為等を除いては原則として認められない) 【都計法29条】
● 整備,開発又は保全の方針
線引きするに際してその区分及び各区域の整備,開発又は保全の方針を都市計画に定める
・都市計画の目標
・土地利用の方針
・市街地の開発及び再開発の方針
・下水道及び河川の整備方針
・交通体系の整備方針
・その他の公共施設の整備方針
◎公園緑地機能
● 都市骨格形成
都市形態を規制することで無秩序な市街化を防止し,誘導することで健全な都市の発展に資する
● 環境保全機能
自然及び文化財の保全,都市における生活環境を保全し,良好な都市気候の形成に資する
● 防災機能
災害時の避難地や避難路となる他,火災延焼の防止,大気汚染の緩和等公害の防止に寄与する
● レクリエーション機能
レクリエーションの場として,市民の心身の健康の維持増進と人間性の回復に資する
● 都市景観形成機能
都市を修景し,うるおいを与えることで都市住民に安らぎを与え,個性的な都市づくりに寄与する
◎都市公園
@ 住区基幹公園
日常的なレクリエーション等に供する目的で市街地内に住区単位で設置する
● 街区公園
専ら街区(1近隣住区を4分割した程度の区域)内に居住する者の利用に供する公園(誘致距離250m,敷地0.25ha)
● 近隣公園
主として近隣住区に居住する者の利用に供する公園(500m,2ha)
● 地区公園
主として徒歩圏内地区(4〜5近隣住区程度)に居住する者の利用に供する公園(1,000m,4ha)
A 都市基幹公園
都市住民の利用に供する公園で,人口10万程度の都市を標準単位として設置
● 総合公園
主として市町村の区域内に居住する者の利用に供する公園で,休憩,観賞,散歩,遊戯,運動等の総合的な内容を持つ公園(10ha〜,都市計画区域内人口1u/人)
● 運動公園
主として運動用に供し都市住民全般の利用に供する公園(15ha〜,1.5u/人)
B 大規模公園
広域の住民の利用に供する公園
● 広域公園
地方生活圏のように幾つかの市町村にまたがる住民の利用に供する広域レクリエーション公園(50ha〜,都道府県人口2u/人)
● 国営公園
国家的な記念事業や,我が国固有の優れた文化的資産の保全及び活用を図る公園
C 特殊公園
・風致公園 ・動植物公園 ・歴史公園 ・広場公園