基礎科目対策 最終更新:2022.10.26
TopPage 試験概要 受験願書 全般対策 過去問題 専門科目 適性科目 体験記

CONTENTS
1.お勧めの対策
2.解答に必要な知識
 1.設計・計画
 2.情報・論理
 3.解析
 4.材料・化学・バイオ
 5.環境・エネルギー・技術
3.択一問題解答のテクニック
 a.解答手順
 b.解答のコツ
 c.択一セオリー
 d.マークシートの注意事項
4.模擬試験問題ほか
 1.模擬試験問題
 2.過去問題等

答案用紙はマークシートです。模擬練習用答案用紙を用意しましたので、お使いください。
なお、この答案用紙はNagaseさんよりご提供いただいたものです。
   Excelファイル版(ダウンロード)・・・・こちら
   PDFファイル版(リンク)     ・・・・こちら


「失格規定」に注意!

次のいずれかに該当する場合は失格となります。(昨年度の場合)
 ・受験番号を正しく記入・マークしていない。
 ・いずれかの問題群において4問題以上を解答。

このような試験そのものとは関係ないことでこれまでの努力が水の泡になっては悔やんでも悔やみきれません。失格になるだけでなく、採点もしてもらえませんから、次年度試験の参考にもなりません。
失格規定に係る事項については、問題用紙の表紙部分に書いてありますので、試験に取りかかる前に確認してください。見過ごしり、他の事に気を取られていて注意を聞いていなかったなどと言っても取り合ってもらえません。問題を解くだけでなく、受験に関する規定全てをクリアして初めて合格だということを肝に銘じてください。
また、試験開始時間前記入があった場合は、途中で試験時間に入っても、記入が終わるまでは問題に行かないほうが得策です。作業を中断して問題に取り掛かると、受験番号等記入を忘れてしまう可能性があります。
試験の本質的な目的とは無関係に思えることでも、それが試験ルールの1つとして事前に周知されたものである以上、守らねば失格にされても文句は言えません。くれぐれも注意してください。

1.お勧めの対策

長年、頻出分野を絞って勉強することをお勧めしてきましたが、近年の出題傾向を分析し、最も効率的案試験対策として、これまでとは異なりますが、以下のような方法をお勧めします。

@過去問題をしっかりと
 技術士分科会議事録や24年度の出題実績からみて、25年度も相当数の過去問題引用出題が続くと予想されます。24年度基礎科目では11問が過去問題を引用していましたが、それでも25問中44%で、技術士分科会議事録にある「50%」にはまだ足りません。このことから、今後はさらに過去問題引用率が上がる可能性が考えられます。
 各分野少なくとも1問以上、おそらく2問から3問の過去問題引用出題があるでしょうから、それに対して80%の確率で正解できれば、合格基準の50%を簡単にクリアできます。
 過去問題引用の内容としては、24年度試験も参考にすれば、以下のような引用が考えられます。

  1. 問題文も選択肢も全くあるいはほぼそのまま
  2. 問題文は全くあるいはほぼそのままで、選択肢もそのままだが順序が変わっている。
  3. 条件等が一部変えてある。たとえば24年度問題1-2-4では、引用元の問題文における文字データの圧縮率を半分にしている。
  4. 類似問題。引用元の問題をベースにアレンジしてあるので、新しい問題としての考え直しに近くなる。
 上記1と2は過去問題と正解を丸暗記していても正解できるでしょうが、3はそうはいきません。4はさらに正味の実力が必要になります。
 従って、過去問題を正解と解説とセットでよく勉強しておく必要があると思います。つまり、過去問題を教材として、正解選択肢はなぜ正解なのか、誤った選択肢はなぜ誤っているのかをしっかり考え理解するようにします。少なくとも「何番の選択肢が誤り」ではなく、「こういうことを書いてある選択肢が誤り」という理解が必要ですし、「こういうことを書いてある選択肢が、こういう理由で誤り」がベストです。
 手間と時間はかかりますが、何を勉強したらいいのかよくわからない基礎科目で闇雲に勉強するよりははるかに効率がいいと思いますし、たとえばシステム信頼性の問題でも出題形式は多種多様にあるわけですから、どんな出題のされ方があるのかがわからないというよりも、過去問題をおさらいしておけばいいというほうがずっと楽です。
 なお、何年度試験の過去問題を引用したかを整理してみると、16年度2問、19年度2問、20年度5問、21年度2問となっており、3〜5年前の問題が引用しやすいといえます。すなわち25年度試験にとっては20〜22年度問題が狙いどころになります。

Aサービス文章題を優先する

 過去問題の次に特定しやすいのは文章題です。
 基礎科目の問題は、主な問題タイプとして@文章題、A計算問題に分けられます。文章題と計算問題の区別は、正解選択肢がどうなっているかを見ればすぐにわかります。 

(文章題の問題)
次の中で誤っているものはどれか
 @・・・・・・・・・・
 A・・・・・・・・・・
    :
 D・・・・・・・・・・

 
…問題文はごく短い

…選択肢が文章になっている

(計算問題の問題)
 次の・・・・・・
  ・・・・・・・・・
  ・・・・・・・・・
  ・・・・・・・・・
 @0.1 A0.2 B0.3 ・・・・ D0.5


…問題文が長い



…選択肢が数値になっている

そして文章題はさらに@-1常識感覚で解ける問題と、@-2知識がないと解けない問題に分けられます。合格率が高い年は@文章題、特に@-1のサービス文章題が多くなる傾向があります。
 そこで、過去問題以外では、文章題を優先して探しましょう。そして文章題の中から@-1サービス文章題を探して、これを手早く解いていきましょう。

Bセオリー計算問題で補う
 まずは過去問題、次にサービス文章題を優先するわけですが、その次に狙い目なのは、セオリー計算問題です。計算問題の中には、よく出題されるセオリー的な計算方法を知っていれば簡単に解ける問題が多くあるのです。知識を必要とする文章題は「知っているか知っていないか」だけの勝負ですから、考えても無駄です。しかしセオリー計算問題は、いくつかの簡単な計算方法を覚えていれば対応できます。 

Cあとは当てずっぽうでいい
 前記の過去問題とサービス文章題、セオリー計算問題で合格ライン近くまではいくと思いますから、それでもなお各分野3問選択に至らなかったら、あとは当てずっぽうでもかまいません。それでも正解率20%です。もちろん実際には問題文をちゃんと読んで考えて、少しでもそれらしい選択肢を選ぶと思いますから、まるっきりの当てずっぽうばかりでもないと思いますが。 

 なお、著しく不得意な分野がある場合、1分野なら捨ててしまっても構いません。「0点の分野があると不合格となる」というデマが流されていたこともありましたが、確実に0点の分野があっても合格した人は大勢おり、そういうことはありませんでした。0点の分野があっても不合格にはなりません。無責任なデマに踊らされることなく、効率的に点数を稼ぎましょう。
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2.解答に必要な知識

(1) 設計・計画

【分野の傾向】
 出題分野ごとの出題履歴をまとめると下表のようになります。

出題分野        \   年度 2005
(H17)
2006
(H18)
2007
(H19)
2008
(H20)
2009
(H21)
2010
(H22)
2011
(H23)
2012
(H24)
2013
(H25)
2014
(H26)
2015
(H27)
2016
(H28)
2017
(H29)
2018
(H30)
2019
(R01)
2020
(R02)
2021
(R03)
信頼工学 システム信頼性          
その他信頼工学                  
最適化 コスト最小化                  
利益最大化              
待ち行列                
工学基礎、設計基礎
ネットワーク工程                  
品質管理、統計管理          
ユニバーサルデザイン、人に優しい設計              
PL法、設計責任                  

【分野の基本対策】
 文章問題は、品質管理、統計管理やPL法、設計責任等が2021年度は出なかったので、2022年度は要注意です。出題されるとしたら過去問題が引用されるか、引用でなくても似たような選択肢内容が予想されますので、過去問題を理解しながら頭に入れましょう。
 信頼工学と最適化は計算方法さえ知っていれば簡単に溶けるセオリー計算問題が主です。特に2022年度は最適化に注意です。その他、出題傾向からみてシステム信頼性、ネットワーク工程も準備しておくといいでしょう。ネットワーク工程は情報・論理分野でも出題される可能性があり、応用問題もよく出ます。理解しやすいですし、土木系の方は実務でも使いますから覚えておくといいでしょう。
 なお、過去問題流用は毎年2〜3問あり、比較的近い2〜5年前の問題を流用することが多いようです。

【分野の基礎知識】
常識・知識問題に関連した知識をざっとまとめると、下記のようになります。

設計理論の基礎知識
基本概念 設計とは・・・・概念をモノの形にし、その作り方を具体的に指示すること、モノを作るために必要な情報を全て作り出すこと
思考展開:要求機能→機能→機構→構造
まず作ろうとするモノを明確にする。目的がなければ設計ではない。
設計には、創造的設計(前例なし、新たに設計:試作品・実験装置など)と定型的設計がある。
設計活動・
基本工程
広義の設計活動:企画→設計→製作→販売→使用→後対応
基本工程(工業製品):基本設計→詳細設計→生産設計→製作
創造的
設計
創造設計原理:着想を得る段階→着想を発展させる段階
着想を得る方法:水平法、対話法、ブレーンストーミング法、KJ法、TRIZ
TRIZ(トゥリーズ):発明問題解決理論
着想を発展させる方法:思考演算法、仮想演習、思考探索
定型的
設計
設計マニュアルが重要(効率的な設計のノウハウ)
CAD:コンピュータ支援設計/CAM:コンピュータ支援加工
CADとCAMの統合:設計時から生産技術と融合させる設計手法:コンカレントエンジニアリング
CAE(コンピュータ支援エンジニアリング:数値計算で技術検討を支援)、 CIM(コンピュータ統合型加工システム)もある
社会的
責任
PL法:製造物責任法・・・・製品に内蔵される危険・副作用傷害に配慮する義務
 過失証明が欠陥証明になった
   ・・・・消費者は、(1)欠陥がある(2)そのせいで損害の2点のみ証明すればOK
 工業製品のみ(農作物・電気・ソフトは別)
 外国でも適用される
ライフサイクルアセスメント:製品のライフサイクル全般にわたる、環境負荷の評価手法
 ライフサイクル:(製品が企画され、設計・製作され、使用されて消耗するまでの「モノの一生」
ゼロエミッション:社会全体で廃棄物をゼロにしようとする構想
 ある産業活動による廃棄物を他の産業活動の材料にする等する
バリアフリーとユニバーサルデザイン:対象者が制限なく社会サービスを受けられるような配慮
 バリアフリーは高齢者・身障者(弱者)が対象
 ユニバーサルデザインは外国人なども含めたあらゆる人が対象

また、システム設計についてまとめると、下記のようになります。時間に余裕があれば、計算を伴う出題実績のある並列化による信頼性評価、待ち行列、コスト最小化などを理解してください。

システム設計の基礎知識
システム信頼性 毎年のように出題されていますので、ぜひ理解しておいてください。直列と並列の2つの計算式を覚えておけば大丈夫です。
システム信頼性の解説はこちら
最適化
(オペレーションズリサーチ)
コスト最小化、利益最大化(見込み便益最大化)、待ち行列などがあります。令和2年度は利益最大化が出題されたので、コスト最小化と待ち行列に注意しましょう。いずれも計算式が問題文中に示されていたり、表の中や問題文中にあげられている数値を掛け合わせていくだけであったりするので、どの値を当てはめればいいのかさえ理解できれば簡単です。
待ち行列の解説はこちら
コスト最小化の解説はこちら
利益最大化の解説はこちら

マネジメントは、24年度までは「技術連関」分野で扱われていましたが、25年度からは設計・計画分野で扱われています。リスクマネジメント、ISO9001に代表される品質管理システム、安全・信頼性管理などを勉強しておきましょう。

マネジメントの基礎知識
リスク
管理
リスク=被害×発生確率=何かあったときの影響の大きさ×何かある確率
発生
確率
被害
(影響度)




→被害規模
(リスクマトリックス)
リスク 領域 領域内容
顕在化した場合の被害大・発生確率も大。
リスクの低減を要するが、困難な場合は、リスク回避も検討。
発生確率は低いが被害が大きい。
発生確率がある値以下なら、リスク移転・リスク保有も検討。
発生確率は高いが被害が小さい。日常経験することが多い。
被害規模がある値以下なら、リスク保有も検討。
組織としてそのリスクを許容してもいい。
リスクは、何が何でも低減・削減しなければならないものではない。
 影響は小さいが頻繁に起こる問題(報告書の誤字脱字など)は、よほど頻繁に起こるか影響が大きいかしなければ、企業の存在を脅かすほどにはならないので、そのままにしておく(リスク保有)ことも可能。
 逆に発生した時の影響は大きいが、その頻度は非常に小さいリスクもあり、極論すれば、巨大隕石の地球衝突などはリスクを保有する以外にない。また、家の火災などは「燃えない家」を作るコストや不便さを考えると、保険をかけておく(リスク移転)ほうが楽。
 リスクが大きい(影響も頻度も大きい)場合は、たとえば「そんなリスクの大きい商売には手を出すな」というように「リスク回避」を行うこともある。
 移転も回避もできず(あるいは適当ではなく)、それを保有できない程度に大きいリスクは、たとえばミスを減らすための企業活動を行うなどのリスク低減を行う。
品質管理 品質とは顧客要求条件の満足。
品質計画:品質目標・品質要求事項を定める活動。
品質改善:品質活動やプロセスの有効性を高める活動。
QC7つ道具:特性要因図・チェックシート・パレート図・ヒストグラム・散布図・監理図・グラフ
新QC7つ道具:関連図法・KJ法・系統図法・マトリクス図法・マトリクスデータ解析法・PDPC法・アローダイヤグラム
ISO9001:製品の品質保証・顧客満足の向上を目指すための要求事項を規定した国際規格。
システム
高信頼化
フォールトアボイダンス:故障を少なくする。
フォールトトレランス:故障しても正常機能を保つ。
フェールソフト:故障しても最低限の機能を保つ。
フールプルーフ:人間のミスの影響を抑える。 

 なお、この分野は設計の基礎を理解するという意味で、基礎からしっかり勉強するに越したことはありません。もしそのような余裕があれば、お勧めするのは「出題のタネ本」とも言われている「岩波講座 現代工学の基礎」(こちら)で、その中から下記4冊、とくにAとBを読んでみるといいと思います。
   @人工物の構造と特性《設計系T》
   A設計の理論《設計系U》
   B設計の方法論《設計系V》
   Cシステムの構造と特性《設計系W》
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Nagaseさんよりシステム信頼性に関するテキストをご提供いただきました。こちら
Nagaseさん、ありがとうございます。

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(2) 情報・論理

【分野の傾向】
 本分野は、大きく情報論理に区分されます。情報の問題は、以前はもっぱらインターネット関連知識(特に情報セキュリティ)に関する問題が出ていましたが、近年はビット・2進数に関する問題が頻出しています。
 論理の問題は、集合論理構文図などが出題され、工程管理に関するネットワーク法の問題もよく出題されています。

出題分野        \   年度 2004
(H16)
2005
(H17)
2006
(H18)
2007
(H19)
2008
(H20)
2009
(H21)
2010
(H22)
2011
(H23)
2012
(H24)
2013
(H25)
2014
(H26)
2015
(H27)
2016
(H28)
2017
(H29)
2018
(H30)
2019
(R01)
2020
(R02) 
2021
(R03) 
ソフトウェア ビット                
n進法          
バイト                        
構文図                  
アルゴリズム・スタック                        
実行時間                    
論理 ベン図                        
論理式・論理計算・条件式          
情報セキュリティ              
ネットワーク工程              

【分野の基本対策】
 ソフトウェア(プログラミング)に関する基礎知識、特にビット・バイト・n進法に関する問題が頻出しており、構文図・定義式も定期的に出題されています。これらは考え方がわかれば難しい問題ではないのですが、特にn進法などは「どうしてもその頭になれない」人もよくいますので、自分に合わないと思ったら潔く捨てたほうがいいでしょう。
 論理は多様な出題形式がありますが、「理詰めで考える」ことが得意な人とそうでない人に分かれます。これも自分に合わないと思ったら捨てたほうがいいですが、ベン図は簡単なので覚えておくといいでしょう。
 情報セキュリティ・情報全般はICT用語とともに、「知っている人は知っている」世界です。不得意な人は無理に覚えなくてもいいですが、いずれ技術士総監部門では必須の知識になってきます。ネットワーク工程は設計・計画分野でも出題されるので、使いこなせるようになっておくと得点源になります。
 過去問題流用は2〜3問ありますが、5年以上前の古い問題もよく流用されています。

【分野の基礎知識】
情報に関する基礎知識をざっとまとめてみます。

情報の基礎知識
ビット計算 1ビットの情報処理量→1か0の2つの処理量(電気が流れるかどうか)
nビットの情報処理量=2n通りの組み合わせができる
情報量=処理量(組み合わせ数)の、2を底とした対数=log22n
nビットの情報量はnである。
ビット計算の解説はこちら
ビットの知識のほかに、桁取り等を理解するため、2進数変換ができる必要がある。
2進数の解説はこちら
情報
セキュリティ
セキュリティ関連用語をどれだけ知っているかが重要。
キーワード例:ファイアウォール、認証、暗号化、公開鍵・秘密鍵、なりすまし、改ざん、ハッキング・ハッカー、ウィルス、ワクチン、迷惑メール、スパムメール、メール爆弾、ソーシャルハッキングなど
ネット知識 LANやWAN、インターネットとイントラネット、基礎用語(プロトコルやIPアドレス、HTML、URL、プロバイダ、サーバ、ファイアウォール・・・・)といったもの、および電子メールに関する事項を勉強するとよい。

また、論理についてまとめると、下記のようになります。

論理の基礎知識
構文図 文字列の厳密な文法を定義する条件フローのようなもの。
構文図の解説はこちら
工程管理 ガントチャート(横軸が日程の表)による工程管理と、アローダイアグラムを使った、ネットワーク法による工程管理がある。特にネットワーク法が毎年出ている。
CPMクリティカルパス(日程的余裕のない最長経路)
これらについては、こちら(専門科目・施工計画の資料)を参照
集合演算
論理演算
A and B(=A*B)、A or B(=A+B)などで表されるものを組み合わせる問題が出る。
統計確率の基本に立ち返り、単純化して考えられるかどうかの勝負。
右のようなベン図などを使うと効率よく解ける。
論理演算の解説はこちら
アルゴリズム 高級プログラミング言語(BASIC、C、FORTRAN、PASCALなど)を知っている人は、そのプログラミングの感覚ですぐに解ける。
フロー図などを使って、とにかく「何をやっているのか」が理解できないと解けない。
最近は出題されていない。
アルゴリズムの解説はこちら


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(3) 解析

【分野の傾向】
本分野は数値解析手法の他、力学・バネ・熱伝導その他の計算式や計算方法・物量の取り扱いに関する問題も出題されています。苦手な人にとって難問が多い中、数値の変化をつかむことにより中学の数学程度で解ける問題も出題されています。複雑な計算が必要な問題は近年なくなり、電卓なしでも解けるような問題になりました。

【分野の基本対策】
この分野が得意な人でも計算等時間を要する問題は後回しにするなど、時間配分には十分な対策が必要です。短時間で点の取れそうな問題を選択する力をつけることが鍵となります。基礎知識を習得して択一問題に慣れましょう。
特に熟練技術者にとっては各種解析手法を習得するのは大変です。微分の基本、及び「差分法」「有限要素法」「境界要素法」の概念を習得しましょう。比例・反比例、1次式・2次式とそのグラフに慣れておきましょう。
解析分野は難しい言葉が入っており、又、時間もかかるため敬遠されがちです。択一計算問題においては、
 ・選択肢→問題文のうち出題箇所→問題文全体の順で読むこと。
 ・変化を求める問題は、まず、比例、反比例について考えること。
 ・解答群のなかに単位や次元の異なる解答がある場合、単位や次元で絞り込むこと。
 ・簡単な事例(1とか、両端の数字など具体的な数字)にて計算してみること。

など、工夫することにより解答が絞り込めます。
また、イメージで正解の検討が付けられる力学問題(特に「どれが最も弱いか」というような、計算値ではなく該当するモデルを選ぶような問題)がたまに出されているので、そういう問題を見つけると得点が期待できます。

イメージで解ける問題例(平成24年度問題1-3-2)
下図に示すように、 2つのばねと1つの質点からなるばね質点系a、b、 cがある。図中のばねのばね定数はすべて問じkであり、また、図中の質点の質量はすべて同じmである。最も小さい固有振動数を有するばね質点系として正しいものはどれか。

@ a   A b   B c   C aとb   D bとc
正解はA
固有振動数が小さいということは、ゆっくり振動するということです。図を見れば感覚的にbが一番ゆっくり振動することがわかるのではないでしょうか。

【分野の基礎知識】
●微分・偏微分について

(dy/dxについて)
 「微分」とは、分かりやすい言葉でいえば「瞬間変化率」を求めることです。
例えば、1時間に40km走行すれば、平均速度は40km/時間ですね。しかし、速度規制は瞬間速度で規制され、一瞬でも60km/時間を越えてはなりません。
 「平均速度」を「平均変化率」と呼べば、「瞬間速度」を「瞬間変化率」と呼べます。これが微分の概念です。グラフ上では接線の勾配が「瞬間変化率」であり、微分の概念です。
 y=f(x)のとき、dy/dxをy=f(x)の「導関数」といい、dy/dx=lim(h→0)〔f(x+h)−f(x)〕/hとなります。導関数を求めることを「微分する」といいます

(∂y/∂xについて)
 関数z=f(x,y) のように変数が2個以上あるとき、yを一定に保った場合に、∂y/∂xはz=f(x,y)のxについての「編導関数」といいます。編導関数を求めることを「偏微分」するといいます

●数値解析について
厳密解と近似解の違い、差分法・有限要素法・境界要素法の概要について理解しておくこと。

手法 差分法 有限要素法 境界要素法
要素分割 正方形・長方形 三角形
簡単 面倒 簡単
境界変形
理論
主な適用例* 河川流、氾濫流、土石流 土石流、湖沼、地盤、地下水構造物・部材・部品の応力・変形 海の波


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まつさんに数値解析をわかりやすく説明していただきました。こちら
本当にありがとうございます。感謝申し上げます。

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(導関数の差分近似式について)
 導関数は、式ではdy/dx==lim(h→0)〔f(x+h)−f(x)〕/hとなり、lim(h→0)により瞬間変化率が算出されます。
 点x@での差分はu(i+1)−u(@)であり、単位(格子)幅hの差分近似式は〔f(x+h)−f(x)〕/hとなります。導関数の式からlim(h→0)を外した形となり、「h当たりの平均変化率」と覚えればよい。例えば自動車の速度表示は導関数により求めた瞬間速度ではなく「h秒当たりの平均速度」でしょうか。格子幅hを少なくすることにより精度は上がり、より瞬間速度に近似します。

●力学・バネ・熱伝導・重力その他の計算問題

 比例か反比例か、2乗に比例か、3乗に比例かを判断できれば解ける問題も出題されています。

(バネ)
のびのエネルギー(バネ係数kのバネののびをXとすると、のびのエネルギーはW=(1/2)KX2)、全ポテンシャルエネルギー(=内部ポテンシャルエネルギー+外力のポテンシャルエネルギー)がよく出題される。

(力学)
ヤング率、応力、ひずみについて理解しておくこと。特に比例・反比例の関係に慣れておくこと。

(熱伝導)
熱伝導は一次式ということが分かっておれば解ける問題が出題されています。

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(4) 材料・化学・バイオ

【分野の傾向】
本分野は、材料・化学バイオの2分野から成ります。ただ材料と化学はおおむね分けられるようです。
材料・化学については、「科学の雑学」的知識があれば、感覚的に正解がわかる程度のレベル・質の問題が多いようです。

【分野の基本対策】

  • 化学
    最初の2問は化学です。頻出問題は熱化学で、熱化学方程式の理解度を確認する問題が出ています。また過去問題の流用頻度も高いようで、25年度問題1-4-1などは要注意です。また化学反応式、酸アルカリなどもよく出題されています。22年度問題1-4-2、23年度問題1-4-1などは注意しておきましょう。
    なお平成15年度以前は出題内容が大きく異なり、その後の流用もないようですし、参考にはなりません。
  • 材料
    次の2問は材料です。材料には、金属と非金属がありますが、金属の諸性質に関する問題はほぼ毎年出ています。ただ、過去問題の流用はあまりありませんので、金属の諸性質について雑学的に知識を仕入れておく必要があります。
    金属以外ではセラミックスや、様々な材料の熱伝導率等の性質を問う問題が出ていますが、これらも過去問題の流用率は低く、予測が困難です。とりあえず24年度以降の問題はよく理解しておられることをお勧めします。
  • バイオ
    最後の2問はバイオというか生物工学関連です。
    今の一次試験が始まった当初はDNAやクローンの問題ばかりだったのですが、平成18年ごろから広く生物工学全般からの出題になっており、27年度はクローンとDNAがまた出ましたが、続くとは思えません。生体膜、酵母菌の呼吸等、アミノ酸などの問題が予想されますので、余裕があれば過去問題を使って勉強しておくといいと思います。

化学や生物工学が得意な人、材料に関する雑学が豊富な人は得点しやすいと思いますが、それ以外の人は比較的とっつきやすいと思われる材料あたりを中心に、多少あてずっぽうでも仕方ないので3問埋めるようにしましょう。

材料・化学の基礎知識
金属 自由電子の存在と、それゆえにもたらされる、電気伝導性・光沢・不透明・展性
セラミックス 代表例:アルミナ/高耐熱性・高強度・高硬度・絶縁性・光学的透明性・耐食性・生体適合性/じん性が低い


基本知識
 プラスチック・ゴム・繊維などの有機材料
 単量体(モノマー)が繰り返し結合(共有結合)した巨大分子の総称が高分子(ポリマー)
 粘弾性が大→壊れにくい/原子充填密度小→軽い
 多くは熱可塑性で、一部は熱硬化性
  熱可塑性:常温で固体・加熱すると溶解液となる→生計が容易
    さらに細分できる
    (1) 耐熱性の度合いによる3分類:汎用樹脂・汎用エンジニア樹脂・スーパーエンジニアリング樹脂
    (2) 高分子鎖の配行による2分類:結晶樹脂・非結晶樹脂
  熱硬化性:製品生成時に過熱冷却すると耐熱性を持ち再び熱溶解しない:FRPに利用
プラスチックの生成
 プラスチック原料の大部分は石油/石油中のナフサ(化学原料にする成分)を分別したり反応させたりして作る/反応のさせかたにより多種のプラスチックができる/種類の異なるプラスチック同士は混ざりにくい
グリーンプラスチック
 生分解性プラスチックともいう/トウモロコシやサツマイモなどの成分から作る環境負荷の少ないプラスチック/普通のプラスチックと同様の機能/使用後は自然界の土や水中に生息する微生物の働きにより分解/最終的には水や二酸化炭素に分解
グリーンケミストリー:化学合成段階で環境負荷低減をめざすこと
吸水性高分子
 紙おむつなどに利用され、非常に多くの水を吸い、圧力をかけても逆流しない。「さらさら」というCMを思い出そう
化学基礎 原子の構造(陽子・中性子・電子)/周期律表の特性(活性など)/原子量・分子量とアボガドロ数(1モルの質量が分子量で、1モル中の分子個数がアボガドロ数=6×1023)/化学結合

バイオは、下表の内容程度を最低限の知識として頭に入れておいてください。

バイオの基礎知識
バイオ全般 こちらのサイトがお勧め。
じっくり読んでいけば、1日から数日でバイオ・DNAに関する問題にはたいてい答えられるようになる。
DNA・RNA この表を覚えたらとりあえずOK!
核酸 鎖数 構成 塩基 塩基ペア 所在 役割
DNA 2本

リン酸

塩基
ATGC
アデニン・チミン・
グアニン・シトシン
A&T、
G&C
細胞核内 遺伝情報格納
RNA 1本 AUGC
アデニン・ウラシル・
グアニン・シトシン
A&U、
G&C
細胞核外 遺伝情報をDNAからコピー
→核外へ運びリボソームに伝達
→リボソームがタンパク質合成
DNAの一部が遺伝情報/DNAが集まって染色体形成
DNA再生:2本鎖が別れる → 1本づつを鋳型にしてもう1本が形成 → 2組になる
DNA鎖形成は両方向に/生殖細胞のみ染色体半分/数はRNA>DNA
細胞小器官 ミトコンドリア:酸素からエネルギー作る、元は単独生命体
リボソーム:タンパク質合成
クローン 倫理上問題があるのは体細胞クローン
クローン種別 遺伝子移植元 移植先 事例、備考 クローンの目的
胚細胞クローン 受精卵 核を除いた
卵子
一卵性双生児
双子・三つ子を人工的に作ったもの
倫理問題なし
バイオ農業で期待
食料の安定供給
体細胞クローン 体細胞 羊のドリー
もとの生体の「生まれ変わり」
クローン人間など倫理問題あり
老化が早いなど問題多い
死んだ人間を
生き返らせるなど?


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(5) 環境・エネルギー・技術

【分野の傾向】

環境、エネルギー、技術史といった範囲から出題されます。
初期はエネルギーに関する計算問題が主でしたが、17年度以降はほぼ出題されなくなりました。これに伴い中心が環境とマネジメントに移っていました。
さらに25年度からはマネジメントが設計・計画分野に移り、環境・エネルギーが主になっています。

【分野の基本対策】
 1・2問が環境分野、3・4問目がエネルギー、5・6問目が技術史や倫理・知財などについて出題されます。
 環境分野は、地球温暖化関連と法令などがよく出されています。過去問題の選択肢流用や類似分野からの出題が多いので、過去問題の内容を理解し、できれば関連項目まで勉強しておくといいでしょう。
 エネルギー分野は石炭石油天然ガス原子力、再生可能エネルギー、新エネルギーなどについてもかじっておくといいでしょう。
 「技術分野」はとらえどころのないネーミングですが、倫理関連と人物業績、科学史が問題されます。倫理関連では適性科目と重複しがちですが、人物業績も含めて似たような問題が頻出していますので、過去問題を幅広く目を通しておくといいでしょう。

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3.択一問題解答のテクニック

a.解答手順

 択一問題の特徴は、以下のようなものです。
  ●4コママンガ本と同じで、小さい問題がたくさんある。
   →順に解いていかなければならないという決まりはない。
  ●100点取る必要はない。合格ラインに達すればよい。
   →全分野にわたって答える必要はない。得意分野だけでもよい。
  ●問題自体を選択できる基礎科目のような場合、全問答える必要はない。
   →答えられる問題だけ解けばよい。他の問題は目を通す必要すらない。
  ●1問あたりの点数は、○か×かしかない。中間点というものはない。
   →わからない問題は、きっぱり捨ててしまったほうがよい。
  ●正確な知識はいらないことが多い。
   →正確に記憶するのではなく、だいたいのイメージで覚える勉強をする。
  ●正解を選ぶのが目的。それ以外の答えは不要。
   →大小比較問題では個々の選択肢の数値は不要です。たとえばこんな例


 したがって、試験では、
  ●自信のある問題から解いていく。
  ●合格ラインに達したと思ったら、さっさと次の分野の問題に行く。
  ●あれこれ悩まない。スパッスパッとふんぎりよく解いていく

といったことが効果的ではないかと思います。
 逆に、解くのに時間がかかってもとにかく1問目から順に解いていくとか、わからなくても解答するまで次の問題に進まないなどというのは、非常に効率が悪く、時間がなくなる原因になりますし、気持ちも焦って冷静沈着に考えられなくなり、実力が出し切れないことにつながります。

 一例として、私の択一解答手順を紹介します。あくまで私のやり方ですから、参考程度にお読みください。

(1) まず最初に、一度全体を見渡し、問題を分類する。
 最初に全問をざっと斜め読みします。何を聞いている問題か、どんな解答選択肢が用意されているか、そしてどうしたら正解がわかるか(計算したりする必要があるか)を判断します。
 そして、例えば次のように分類し、各問題のところにマークをつけます。
  すぐにパッと解けそうな問題    ・・・・◎
  少し考えたら解けそうな問題   ・・・・○
  考えたら解けるかもしれない問題・・・・△
  わからない、解けそうにない問題・・・・×


(2) 予想得点を概算する。
 合格ラインは60%に置きます。
 したがって、各分野3問選択、全部で15問選択であるならば、各分野ごとの◎の数(各分野3個まで)が9個以上あれば、それでもう合格ラインに達しています。専門科目の不出来もカバーしようとするなら、10〜12個程度あったほうがいいですが、そうでなければ、自信のある◎の問題だけ解いてしまえば、後は捨ててもかまわないということになります。
 これではあまりに大雑把ですから、少し細かく、
  a) ◎の数×(0.8〜1.0)
  b) ○の数×(0.5〜0.8)
  c) △の数×(0.3〜0.5)
  d) ×の数×(0.0〜0.2)

として、各分類ごとに予想得点を出してみます。()内の「〜」で範囲を持たせた数字は正答率です。慎重にいきたい人は左側の小さいほうの値を、あまり気にならない人は右側の大きめの数字を取ります。
 そして、a → a+b → a+b+c → a+b+c+d というように加算していきます。これが60%に達した時点で後は捨ててもいいと判断します。たとえば、a+bで問題数の6割を超えた場合は、△の問題、×の問題は捨ててもかまわないということになります。
 逆にいえば、×に分類した問題は、◎+○+△ではどうしても合格ラインに届きそうもなくて、「一か八か」で解答する問題であるといえます。
 こうして、「よし、◎だけ解いて適性問題へ行こう」とか、「△まで解かないとヤバイ。」というように、「この科目をどこまでやるか」を決めます。
 なお、全部で60%正解すればいいので、たとえば4分野で各2点づつ確実に取れるなら、不得意分野を丸ごと捨ててしまってもかまいません。ただし、まぐれ当たりもありますから、必ず解答はしましょう。また、真偽のほどは明らかではありませんが、「0点の分野があったら不合格」という情報もあるので、できるだけ0点という分野は避けましょう。

(3) 自信のある問題から順に解いていく。
 考えなくてもパッパッと解ける問題から、どんどん解いていきます。
 解けたら、たとえば「◎」や「○」マークの上からチェックマークを付けるとか、「済」と大きく書くとかして、解答済みであることが一目でわかるようにしておきます
 また、解答に自信があるものは、たとえば「OK」と大きく書いておきます。この問題は、もう2度と見直しません
 逆にじっくり考えないとわからない問題は、「?」と大きく書いて後回しにします。

(4) 「OK」の問題を除いて、今度はじっくり解いていく。
 「OK」の問題数では合格ラインに達していないと判断される場合は、考えないと解けない問題に取りかかります。
 迷ったときは、択一セオリーも使って選ぶのがお勧めですが、とにかくふんぎりが大切です。自分の知識でも運でもカンでも、何かを信じて決めてしまいます。そして、こういう迷った問題は、一度解答したらもう見直さないようにすることが大切です。こういうのに限って、後でまた迷って、結局間違った答えを選んでしまうことが多いものです。
 まるでわからない問題は、択一セオリーで、それも通じない場合はカン、あるいは前後の解答選択肢の配列(ずっと4がないから4だろうとか、3・3・3と来ているから今度は3はないだろうとか)、さらにはサイコロ(・・・・は持ってきているわけがないので、電卓の乱数とか鉛筆を転がすとか)で決めます。もともとマグレ当たり狙いですから、何でもかまいません。時間を割くだけ無駄です。

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b.解答のコツ

 択一問題の解答について、私なりのコツのようなものを述べます。

(1) 選択肢にざっと目を通す。
 選択肢1から順にじっくり読んで理解して・・・・というのは無駄です。
 まず、選択肢全部にざっと目を通します。

(2) 明らかな正解があれば、そこで考えるのは打ち切る。
 「明らかにこれが誤り(あるいは正しい)で、正解はこの選択肢」とわかった場合は、そこでその問題はおしまいにします。問題番号の下などに答え(正解である選択肢番号)を書き、大きく「OK」と書いて、次の問題に行きます。
 たとえば、5択の1番目の選択肢が正解であると確信できた場合は、選択肢2番目以降は読みません。「念のため・・・・」などと無駄な時間を使わないことです。
 無論、「絶対にこれが正解」と思える時だけですが。

(3) 明らかな正解が見つけられない場合、相反する選択肢がないか探す。
 同じ事項について、相反することを言っている選択肢が見つかった場合、そのどちらかが正解であることがほとんどです。

(4) 感性で決める。
 上記(2)も(3)もない場合(というより、(2)や(3)と同時進行になりますが)、「何かひっかかる」とでもいったような感性で決めます。
 こう書くと、非常にいいかげんな印象をうけるかもしれませんが、この「感性」は技術者にとって非常に大切なものだと私は思っています。成果品照査で通読チェックしていて、何かおかしい、数字がどうこういうのではなく、何かしっくりこないという感じがした場合、図面や計算書のチェックをすると、入力間違いなどの単純ミスが見つかることがよくあります。
 これは、長年の経験で培われるものであり、実務では、たとえば軟弱地盤上に盛土を構築する時に、「この強度(あるいはN値)の地盤にこの高さの盛土はヤバイ」と見通せる(もちろんちゃんと数値計算はするが、ダメなのを見越して調査や対策に言及できる)技術者と、「ソフトで計算して数字が出ないと私には何もわかりません」という技術者の違いとして現れます。
 それゆえに(蛇足になりますが)、私は今回の技術士制度改定のマイナス面として、経験軽視になりかねないという懸念を持っています。さらにそれが、RCCMが重視されるようになるのではないかという予測の根拠にもなっています。

(5) 最後はじっくり考えて知恵を絞る。
 最後はあきらめて、知恵を絞ります。しかし、このような問題はほとんどなく、「そんなことする前に択一問題を一度終わらせて次へ行こう」ということになります。これは単に私がものぐさであることだけが原因なのかもしれません。(^_^;)ゞ

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c.択一セオリー

 択一問題には、独特の傾向があります。これはたとえば「『〜しなくてもいい』というような書き方の選択肢はたいてい誤り」といったようなもので、運転免許試験などに顕著に現れています。これを「択一セオリー」と私は呼んでいます。

 一次試験・二次試験とも、択一問題はこの「択一セオリー」に逆らわない傾向がかなりはっきり出ています。特に一次試験で顕著ですが、二次試験も択一セオリーを逆手に取ったような問題は出ていません。

 択一セオリーには、どんなものがあるか、ざっと書き出してみます。

【誤りであることが多いもの】
●用語説明
 「○○は△△のことである」というように、用語説明をしてある場合、名称と説明の組合せを違えてあることが多い。この場合、名称は「PI」とか「DB」などの頭文字系が多い。多くの場合は各選択肢とも同様なのでこのセオリーは通用しないが、選択肢の中で1つだけ用語説明をしている場合は要注意。
●類似物併記
 「社会資本整備の機能による長期的効果をフロー効果、公共投資に伴う一時的な経済活動活性化効果をストック効果という」というように、「似たもの同士」をならべて説明しているような文章は、名称と説明の組合せを入れ替えてある場合が多い。
●無責任
 「〜する必要はない」といったような、無責任な感じがするものは誤っていることが多い。
●言い訳
 「仕方がない」など、努力を放棄して「仕方がないじゃないか」というような言い訳じみたことが書いてあるものは誤っていることが多い。
●断定・限定
 「〜しなければならない」、「〜のみである」、「〜以外にない」といったようなものは誤っていることが多い。
●仲間はずれ
 主旨、対象物、あるいは計算式など、1つだけ他と違う印象をうけるものは誤っていることが多い。
●職名
 技術士の登録権者などの職名が誤っていることが多い。一番多いのは「大臣」と「知事」を入れ替えてある。
●数値
 数値が違う値に変えてあるものが多い。1つだけ数値があがっていたら注意。


【正しいことが多いもの】
●最も当たり障りのないもの
 ソフトで見た目のよい言葉がちりばめてある、役所風の文章は間違っていないことが多い。
●誠実なもの
 誠実・まじめな印象を受けるものは、正しいことが多い。


 択一セオリーに頼ってはいけませんが、答えを選ぶ根拠が全くないけれど何か書かないといけない時には、全くのあてずっぽうで選ぶよりは多少はましだろうと思います。

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d.マークシートの注意事項

 マークシート式試験が未体験である方はほとんどおられないと思いますが、一応注意事項を記しておきます。

●解答は、問題用紙に一度書いてから、最後にまとめてマークシートに記入する。
 マークシートは非常に無機質です。パッと見てもどの選択肢を選んだのかよくわかりません。
 また、その都度記入すると、飛び飛びに問題を解いている場合は、ズレた番号のところにマークしてしまう危険性があります。
 単純な転記作業ですから、まとめてやったほうが効率的です。
 ただし、時間配分に十分注意して、余裕を持って転記できるようにしてください。時間がなくなって焦ると、マークは数字記入より時間がかかるだけにもう大変です。
●受験番号などの記入は最初に済ませる。
 問題に没入すると、こういったことは忘れがちになります。
 マークシートは、普通の解答用紙に比べて、未記入であることがわかりにくいという特徴があります。十分注意してください。
 特に16年度はこの記入に不備があると失格(採点すらしてもらえない)になってしまうことが予想されますので、最大限の注意を払う必要がありそうです。
●最後に、記入がズレていないか見直す。
 特に選択式なので、ズレた問題番号のところにマークしている可能性もあります。全部で15問しかありませんから、時間が許せば全問チェックしましょう。
●鉛筆はHB程度がよい。
 Hなどの薄い鉛筆はマークが薄くなります。逆にBや2Bでは紙や袖でほすれて汚くなります。
 記述問題の答案作成は、腕が疲れにくいBや2Bがいいですが、マークシートはHBが適しています
●マークはきれいに、しかし時間がなくなったら、とにかくマークする。
 よく、枠からはみ出したり、余白が残ったりしてきれいに塗りつぶせていないと、機械が読み取りエラーを起こして不正解になってしまうと言われます。
 現実にはこのようなことはほとんどありません。マジックでいいかげんにマークしたものでも十分読み取ります。また少々はみ出しでも平気です。
 しかし、読み取りエラーの可能性はゼロとはいえません。ですから、時間があれば丁寧にマークしましょう。逆に時間がなくなった場合は、とにかく全部にマークすることを優先します。
 なお、それより危険性が高いのが、汚れをマークとして読み取られるという可能性です。鉛筆の汚れは無論、こびりついていた消しゴムのカスが読み取られてしまうこともあり得ます。答案提出時には、よく掃除してから出しましょう。
 消しゴムで消せるボールペンというのもあります。しかし、これは消しゴムで消えるだけに手でこすっても簡単に落ちるため、マーク部分が薄くなるとともに周りを汚す危険があるので、お勧めしません。

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4.模擬試験問題ほか

1.模擬試験問題

本番と同じ構成・問題数の模擬試験問題です。実力診断にどうぞ。

作成年度 基礎科目 適性科目 専門科目(建設部門)
問題 正解解説 問題 正解解説 問題 正解解説
2020年度
2021年度
2022年度

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2.過去問題等

過去問題と正解および解説資料です。

種別 試験年度


2023(令和5)年度
2022(令和4)年度
2021(令和3)年度
2020(令和2)年度
2019(令和1)年度
2018(平成30)年度
2018(平成29)年度
2016(平成28)年度
2015(平成27)年度
2014(平成26)年度
2013(平成25)年度

上記各年度ごとの問題と
正解解説をまとめたもの
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