再生可能エネルギー
【問題解
説
】
平成
27
年度
III-14
、令和
3
年度
III-15
S
再生可能エネルギー等の新しい発電に使用される装置に関する次の記述のうち、最も不
適切なものはどれか。
①
風力発電には、誘導発電機と同期発電機が用いられる。前者は交流で系統に直接に連系
する。後者は系統に連系して安定な運転を行うためには周波
数変
換器を介して連系する。
②
地熱発電には、地下で発生する高
温
の天然蒸気を直接蒸気タービンへ供給する方式と、
蒸気と熱水を汽水分離器により分離して蒸気のみを蒸気タービンへ供給する方式がある。
③
太陽電池の出力電
圧
は負荷電流によって
変
化するため、最大電力を得るために直流側の
電
圧
を制御している。
④
燃料電池は、負極に酸素、正極に燃料を供給すると通常の燃
焼
と同じ反応で発電する。
小型でも発電効率が高く、大容量化によるコスト低減のメリットが少ない。
⑤
二次電池は、発電に使用するためには自己放電が少ないこと、充放電を繰り返したと
きに電
圧
や容量の低下が小さいことが要求される。
答え ④
①風力発電に用いる誘導発電機は一般的に系統に直接連系され、同期発電機の多くは周
波
数変
換器を介して系統に接続されます。
従
って、①は適切な記述と判断できます。
②蒸気タービンに蒸気を吹き
込
むタイプの地熱発電には、地中から直接蒸気のみを得る
ドライスチーム発電と、熱水と蒸気の混合物を得て汽水分離器で蒸気のみを分離して蒸
気タービンへ送る方式、また地中から熱水を得て地上で蒸発させて蒸気にするフラッ
シュ発電があります。このことから、②は適切な記述であるといえます。他には地中か
ら得た蒸気や熱水の熱を熱交換器を介して他の低沸点の媒体に移し、この媒体でタービ
ンを
駆
動するバイナリー発電を行っている発電所も存在します。
③太陽光電池の出力電
圧
は気象
条
件や負荷電流の
変
化によって
変
動するので、最大電力
が得られるようにスイッチング素子を使って直流電
圧
を制御
(MPPT: Maximum Power
Point Tracking)
している場合が多いです。
このことから③は適切と判断できます。
④の燃料電池に関する記述では図
1
に示します作動燃料気体が水素ガスの燃料電池のよう
に
、正極には酸素、負極には燃料
(
水素ガス
)
を供給しますので、明らかに不適切な記述
と判断できます。「小型でも発電効率が高く、大容量化によるコスト低減のメリットが
少ない」の記述は燃料電池の型式にも依存しますが、
概
ね適切と判断されます。
⑤の二次電池の記述は一般的に二次電池に求められる性能なので適切と判断されます。
【問題解
説
】
平成
28
年度
III-13
通常のプロペラ形風力発電機に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
①
風車の受けるエネルギーは、受風断面積の
2
乗に比例し、風速の
3
乗に比例する。
②
風車の受けるエネルギーは、受風断面積に比例し、風速の
3
乗に比例する。
③
風車の受けるエネルギーは、受風断面積の
2
乗に比例し、風速の
2
乗に比例する。
④
風車の受けるエネルギーは、受風断面積に比例し、風速の
2
乗に比例する。
⑤
風車の受けるエネルギーは、受風断面積に比例し、風速に比例する。
答え ②
プロペラ式風車の出力
Pw
は式
(1)
にて算出されます。
Pw = Cp
・
1/2
・
ρ
・
A
・
Vw
3
・・・・・・・・・式
(1)
Cp
:出力係
数
(
ピッチ角
β
と周速比
γ
の関
数
)
ρ
:空気の密度
A
:受風断面積
Vw
:風速
図
1
式
(1)
は風車の受けるエネルギーは受風断面積
A
に比例し、風速
Vw
の
3
乗に比例していますの
で、答えは②となります。
図
2