同期発電機
平成
27
年
III-13
発電所の電
圧
調整に関する次の記述の、 に入る語句の組合せとして最も適切
なものはどれか。
【問題解
説
】
1
号機と
2
号機の同期発電機がそれぞれ
変圧
器により同一母線に接続されて系統に送
電している。
2
機とも電
圧
・無効電力調整装置は自動から手動に切り替えており、端子
電
圧
及び有効電力出力は同一である。この
状
態で
1
号機の界磁電流を
増
加させると、
1
号機から
2
号機には が流れて、
1
号機の力率は 側に、
2
号機の力率
は 側に
変
化する。
ア
イ
ウ
ア
イ ウ
① 進相無効電力 進相 進相
② 進相無効電力 進相
遅
相
③
遅
相無効電力
遅
相
遅
相
④
遅
相無効電力
遅
相 進相
⑤
遅
相無効電力 進相
遅
相
答え ④
【解
説
】
問題文の系統への同期発電機接続
状
態を
単
線結線図で表現すると図
1
、図
2
のようになりま
す。
図
1
は電
圧
・無効電力調整装置が自動運転の
状
態を示します。
2
機の発電機からは各々有
効電力
P
と無効電力
jQ
が出力され、送電線経由で無限大母線に
2P
と
2jQ
系が供給されてい
るものとします。この
状
態で同期発電機
1
の界磁電流を
増
加すると
内
部誘起電
圧
が上昇し
ますが、端子電
圧
は系統の電
圧
に依存して上昇せずに、
遅
相無効電力
(Q1)
が
増
加します。
増
加した無効電力
jQ1
の一部は系統に流れて送電線に流れる
遅
相無効電力が
jQ3
増
加しま
す。また
残
りは
併
列している同期発電機
2
に流れて無効電力を
jQ2
分減少します。
従
って、「ア」は
遅
相無効電力に、「イ」は
遅
相に、「ウ」は進相となります。
【詳しく解
説
】
図
3
に同期発電機の
励
磁電流と
内
部誘起電
圧
の関係を示します。回転子を廻しながら
励
磁
電流を流すと、発電機の
内
部誘起電
圧
は固定子鉄心の磁気飽和を伴いながら上昇します。
図
4
V
同期発電機を系統
(
負荷
)
に接続して電機子電流
I
が流れると、図
4
のベクトル図のように電
流に直行する方向に発電機同期リアクタンス相当分の電
圧
低下が起こります。同時に電
流に平行する方向に
内
部抵抗
(
電機子抵抗
)
相当分の電
圧
低下が起こり、端子電
圧
V
になり
ます。
図
5
界磁電流
増
加で
遅
相無効電力
増
加
界磁電流減少で進
相無効電力
増
加
図
5
は同期発電機の容量曲線と呼ばれる線図で、電
圧
と
周波
数
が
変
化しない場合の発電機の運転可能な範
囲
を示
すものです。
縦
軸に無効電力、
横
軸に有効電力をとって
あります。
図
4
の右図で発電機端子電
圧
が固定された
状
態で界磁電
流を
増
加すると、図
5
の上向きの矢印のように
遅
れの無
効電力が
増
加します。逆に界磁電流を減少させると図
5
の下向きの矢印のように、進みの無効電力が
増
加します。
有効電力は発電機を
駆
動する原動機の出力を上昇させる
と
増
加、低下させると減少します。同期発電機には系統
との間に同期化力が作用するので、原動機の出力を
増
減
させても回転速度は
変
化しないで出力が
変
化します。
同期発電機
【問題解
説
】
【解
説
】
同期発電機の制動巻線には、安定度の向上、故障電流の制限、高調波電流の抑制、ロー
タの電食防止、等の効果があります。制動巻線の抵抗が小さいと制動巻線に流れる電流
が大きくなり制動トルクが大きくなるので、安定度の向上に寄与します。逆に制動巻線
の抵抗が大きいと制動巻線に流れる電流が抑制されて故障電流が低下する傾向にありま
す。
制動巻線には や故障電流の制限などの効果があり、 には
のものが必要であるが、故障電流を制限するには逆に のものが効果的であ
る。
イ
ア
ウ
ア イ ウ
① 高調波電流抑制 低抵抗 高抵抗
② 安定度の向上 低抵抗 高抵抗
③ 高調波電流抑制 高抵抗 低抵抗
④ 安定度の向上 高抵抗 低抵抗
⑤ 電食の防止 高抵抗 低抵抗
ア
平成
25
年
III-15
同期発電機の制動巻線に関する次の記述の、 に入る語句の組合せとして最も
適切なものはどれか。
答え ②