My Note 元気が出るクスリ
2005.2.16

今日は、市の商工会議所が主催した講演会に動員で行ってきた。
動員講演会は日曜日にえらい目にあっているのだが、今日はいい話が聞けた。
講師は自衛隊イラク派遣の先遣隊長だった佐藤一等陸佐。「ヒゲの隊長」である。

話の内容は、「新しい土地に店を出す」というのになぞらえて、サマーワの住民との間に信頼関係を築きつつ、復興支援、すなわちインフラ整備を進めるというテーマで、まさか自衛官からこんな話が出てくるとは思わなかった。
生活習慣や宗教などの違い、日本が来れば膨大な物資や雇用がプレゼントされるとの過大な期待、自衛隊といえど武装した軍隊であることによるインフラ整備ではなく治安維持部隊という認識、そんな中からスタートして、自らの安全を守りながらインフラ整備を進めていかねばならず、我々も苦労する地元調整を、まったく勝手の違う国でやるのだから大変だったろう。
そういう中で、一発の銃弾も撃たずに地元の信頼を勝ち得た(撤退するなというデモがあったりしたそうである。アメリカとは雲泥の差だ)わけであるが、それを可能にした佐藤隊の基本姿勢は、
「何事にも前向きに、焦らず、正直にまっすぐ向き合う」
だったそうである。
一見ありきたりの言葉を集めたようであるが、私には一つ一つの言葉がものすごく納得できた。

前向きに。そう、ポジティブに、アクレッシブに。自分の道は自分で切り開く。マイナス思考にならず、楽観する。
焦らず。そう、焦っては絶対にダメだ。焦ると、人に対して厳しくなる。強要するようになる。どんなに理屈が通っていても、時間が必要なときもある。
正直に。そう、誠意が一番大事だ。人と人の付き合いである以上、誠意のない関係はダメだ。誠意はいつか通じると信じてあきらめずにがんばることだ。
まっすぐ向き合う。そう、逃げてはいけない。正面から誠意をもって相対する。まっすぐな気持ちが伝わらなければ仕方がない。

どれもが私がそうありたいと願い、努力してきたつもりのことばかりだ。パワーポイント画面でこの言葉を見たときは、「あ、おんなじおんなじ」と心の中で叫んだ。
自分の思っていることとほとんど同じ姿勢で、イラクで信頼を勝ち得たという話を聞くと、なんだか「アナタの考えは間違っちゃない。きっと大丈夫」と言ってくれているようで、本当に嬉しい。
最近、いろいろと気落ちするようなことがあった。投げ出したくなるような気になる時も正直あった。毎日分刻みとは言わないまでも10分刻みは確実なバタバタの中で、少し擦り切れてもいたかもしれない。
でも、いい話を聞けて元気が出た。また、前向きに、焦らず、誠意をもってまっすぐ向き合っていこう。


2005.2.16 ブログに掲載