昨日はプロポのヒアリングのために愛知県の新城に行ってきた。
ヒアリングは10:40からだが、そのために朝6時前に自宅から10kmほどの上中駅から電車に乗り、敦賀・米原・名古屋・豊橋で乗り換えて延々4時間かけてやっと新城に到着した。
私は田舎住まいなのでJRを使うことはほとんどない。昨日も、いつもなら車で行くところを、虎の穴の添削などをしたかったので、本当に久しぶりに電車で行ってきた。
乗ったのは始発の田舎鈍行で、1両編成のワンマン電車である。駅にも改札員はいない。客は乗車ドアの横の整理券を買って、出るときに料金を支払うという、まるっきりバスの方式であるが、大部分は定期券、私のようなスポット客はあらかじめ目的地までの乗車券を買っているので、降車時に料金を支払う客はほとんどいない。典型的なローカル赤字線だが、部活の朝練習に出るのか、高校生が多く乗り込んでいた。ちなみに数年前にやっと電化されたが、JRは一銭も出さず、全て地元負担での電化であった。
乗っていると、駅に止まるごとに運転士(ワンマンなので車掌を兼ねる)が席を離れ、客席に向かって礼をしている。これまで見なかった光景であるが、そのときになって、「ああ、これはJR西日本なんだ」と思い出した。田舎の始発鈍行で、JRにあれこれ言いそうな客もいないのだが、かいがいしく礼を尽くしている。
客の生命を預かるという認識は、お客を大事にする、礼を尽くすということにつながる。それは誠意ともいえる。利便性を提供する一方で、安全を守るということを含めて誠意を尽くす。そういう意識がこんな田舎にも浸透するならば、それはいいことだなあと思う一方で、ワンマンカーでは一人で客に対応しなければならないから、彼(運転士)も大変だなあとぼんやり考えた。
もちろん、たとえ若手社員であろうと、客と相対するときは会社を代表しているのだから甘やかす必要はないのだが、いきなりこれまでやっていなかったことをしなければならないというのは、やはりストレスになる。JRはそういったメンタルケアも含めた社員教育をしていく必要があるだろう。・・・・うちの会社も、誠意がにじみ出るような社員を育てないとな・・・・
豊橋で下車するために名古屋からは新幹線「こだま」に乗りかえた。停車駅でウトウトしていたら、「のぞみ」だろうか、中央のレールを「くわっ」とばかりにものすごい勢いで通過していった。速ええなあ・・・・と思いながら、そういや昔、新幹線の歌があったなあと思い出した。
「びゅわーん、びゅわーん、はっしっる〜、ナントカカントカ超特急〜、じそーく250キロ〜、すべーるようだなはっしっる〜、びゅわーん、びゅわーん、びゅわーん、はしるぅ〜」というような歌だった。新幹線は私がまだ幼稚園のころに開通したが、それを祝しての歌なのだろう。とにかく「速いぞ、すごいぞ」という歌だ。高度成長経済のまっただなかで、科学技術がもたらしたトンデモナイ便利なものを称える歌である。
もうこの歌聞かないなあ、新幹線が当たり前化したこともあるけれど、価値観も変わったんだなあ、そうか、オレの生きている間でも世の中ずいぶん変わったんだなあ・・・・とボンヤリ考えながらウトウトしかけて、「いかん、豊橋を乗り過ごしたらえらいことだ」と我に返った。
豊橋からは飯田線である。なぜかいつもガイジンさんが乗っている。そういう土地柄なんだろうか。
そしてとうとう新城駅に到着。駅前には広場らしい広場もなく、タクシーもいない。ここではいつもタクシーに乗るのに苦労する。結局30分近く待ってタクシーに乗ることができた。
こじんまりして、道も狭い町だが、今回が3回目で、なんとなしに愛着が湧いてきてしまった。これでプロポに勝てると言うことはないのだが。^^;