最終更新:2021.06.22

第一次試験とは

技術士第一次試験は、技術士の前段階である「修習技術者」になるための試験です。

  • 受験資格の制限は特にありません。年齢・学歴・経験年数など関係なく、学生・外国人、誰でも受験できます。
  • 試験に合格すると、修習技術者になり、以下のいずれかの課程を経て、第二次試験が受験できるようになります。
    (1) 技術士補登録→指導技術士の下で実務経験4年
    (2) 優れた監督者の指導下で実務修習プログラム4年
    (3) 実務経験7年
  • 試験の内容は、下表のようなものです。
項目内容
出題期間出願書類配布:例年6月中旬から(技術士会HPからのダウンロードが効率的です)
出願書類受付:例年6月中旬~末ごろ(土曜日・日曜日・祝日を除く)
試験日例年10月の体育の日(ハッピーマンデー)でしたが、2021(令和3)年度から11月末になったようです。
試験地北海道,宮城,東京,神奈川,新潟,石川,愛知,大阪,広島,香川,福岡,沖縄
試験内容・合格基準科目および内容試験時間配点合格基準
専門科目
選択した技術部門に係る基礎知識及び専門知識に関する問題
10:30~12:30(2時間)2点×25問=50点満点50%以上(25点以上)
適性科目:技術士等の義務規定の遵守に関する適性に関する問題13:30~14:30(1時間)1点×15問=15点満点50%以上(8点以上)
基礎科目:科学技術全般にわたる基礎知識に関する問題15:00~16:00(1時間)1点×15問15点満点50%以上(8点以上)
受験料11,000円
免除規定適性科目免除規定なし
専門科目既技術士(登録部門と同一部門を受験)
基礎科目既技術士
(登録部門と他の部門を受験)
合格発表例年12月20日すぎでしたが、2021(令和3)年度から翌年2月になったようです。

進む国際化の中、技術者資格の国際相互承認のため、また外国企業の市場参入のため、日本の技術士資格と欧米の技術者資格との整合性をとる必要が出てきました。
 そして、エンジニアリング課程の高等教育・技術者倫理・継続的な技術力の維持向上といった、これまでの技術士資格で担保されていなかった資質を確認することを盛り込んで、平成12年度に技術士制度が改定されました。
 「エンジニアリング課程の高等教育の担保」とは、技術士をめざしてこれから実務経験を積むにふさわしい基礎知識を有することを保証することです。この方法には、JABEE認定教育プログラム修了と、第一次試験合格の2つの道があります。
 JABEE認定教育プログラムとは、国際的に認定されたエンジニアリング課程の教育プログラムのことで、これを修了することで、修習技術者として必要な基礎知識を有することを確認するものです。
 そして技術士第一次試験は、上記のような国際的に認定された教育プログラムを修了していなくても、これと同等の基礎知識を有することを確認するための試験です。すなわち、大学受験に対する大検のようなイメージになります。

 大学を受験するためには・・・・
   ①高校過程を卒業する
    そうでない人のために・・・・ ②大検に合格すれば高校卒業と同程度と認定する
 二次試験を受験するためには・・・・
   ①JABEE過程を修了する
    そうでない人のために・・・・ ②一次試験に合格すればJABEE修了と同程度と認定する

 こういったことにより、JABEE認定課程修了者は第一次試験を免除されます。
             ※文部科学大臣の認定手続きを要するので、実際の免除はJABEE認定から1年後になります。

 このような試験の性格上、試験問題は、実務経験とは縁の薄い基礎知識を確認するものばかりになります。問題の内容については、過去問題を参考にしてください。

平成25年度からの試験内容変更点

平成25年度、試験方式が変更になりました。24年度以前から受験している方、24年度以前の刊行書籍等を参考にして試験準備をされる方もおられると思いますので、以下に変更点を列挙します。

  • 基礎科目と専門科目各々で50%が合格ラインになった
    基礎科目と専門科目に関する合格基準が、従来の各々40%・合計50%から、各々50%に変更されました。
    従来は、たとえば基礎科目が40%しか取れなくても専門科目で56%取れば合格できました。つまり学力に偏りがあっても合格できたのですが、25年度からは各々で50%取らなければならなくなりました。
    若手技術者…基礎は取れても専門が難しい場合が多い→専門対策を重点的に
    熟年技術者…基礎が最低限しか取れない場合が多い→基礎対策を重点的に
  • 共通科目が廃止され、基礎科目に統合
    これに伴い、基礎科目の出題数が各分野5問→6問に増え、選択の幅が広がりました。
    また「技術連関」が「環境・エネルギー・技術に関するもの」に変更されます。ただし全体として内容はあまり変わらないと推定されます。

以上は試験実施形式上の変更ですが、実質的に影響の大きい出題方式の変更として、以下のことがあります。

  • 基礎科目で過去問題参照率がアップし、専門科目は重要分野に集中気味の出題傾向となった
    23年度試験で合格率が落ちた(主要因は基礎科目の得点低下)ことを受けて、24年度より基礎科目における過去問題活用(50%程度過去問題活用)、専門科目における重要分野を中心にした出題を進めました。その結果、24年度は63%の高合格率となりました。25年度は再び合格率が37.1%に落ちましたが、これは難易度調整の結果と思われますので、上記傾向は続くと予想されます。