CONTENTS
望遠鏡って何だろう
まずは材料調達
レンズをはずそう
接眼レンズを作ろう
焦点距離をはかろう
ダンボールで鏡筒を作ろう
ラップの芯で鏡筒を作ろう
レンズをつけて、できあがり!

望遠鏡って何だろう

望遠鏡とは、
 焦点距離の長い凸レンズと、焦点距離の短い凸レンズを、それぞれの焦点が同じところに重なるようにしたもの
のことだ。それだけのことだ。
すると、物が大きく、そしてさかさまに見える。どうしてだろう。

凸レンズで太陽の光を集めて、火をつけたり紙を焦がしたりするよね。同じようにして、夜、蛍光灯のついた部屋の中で、床に紙を置いて、凸レンズで蛍光灯の光を集めてみよう。凸レンズの位置をいろいろ変えていくと、紙にくっきりと、蛍光灯がうつるはずだ。
これを虫眼鏡などの凸レンズで見ると、大きく見えるはずだ。

つまり、1つ目の凸レンズで光を集めて像を作り、これをもう1つの凸レンズで大きくして見る。これが望遠鏡の原理だ。
そして、太陽の光が一点に集まった時の、レンズと光が集まったところの間の距離が焦点距離だ。

ちなみに、2枚の凸レンズの焦点距離の比、つまり、
 1枚目の凸レンズの焦点距離÷2枚目の凸レンズの焦点距離
が倍率だ。だから、倍率を高くしようと思ったら、1枚目の凸レンズ(見るものの光を集めてくるほうのレンズ)は焦点距離が長いほうがいいし、2枚目の凸レンズ(写した像を拡大して見るほうのレンズ)は焦点距離が短いほうがいい。

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まずは材料調達

材料と道具は、次のようなものを使ってみよう。

  • 老眼鏡
    やってきました100円ショップ。老眼鏡のコーナーに行ってみよう。
    老眼鏡に「1.0」とか「3.0」と数字が書いてある。
    これは、老眼鏡の「度の強さ」のことだ。
    そして、度の強さは、レンズのふくらみの大きさ、つまり焦点距離の短さを表しているんだ。
    対物レンズ
    (先っぽのほうにつけるレンズ)は2度の老眼鏡レンズを1枚、接眼レンズ(目のほうにつけるレンズ)は5度の老眼鏡レンズを2枚使おう。だから、2度の老眼鏡1つと5度の老眼鏡2つで、望遠鏡が2台作れることになるね。
    接眼レンズを5度のレンズ1枚で作ることもできるけど、月のクレーターが観察できるほどの倍率の望遠鏡を作ろうと思うと、2枚使って倍率を高くしないとだめだ。
    老眼鏡は、ガラスのレンズよりプラスチックレンズのほうが、作るときに割れなくていいよ。
  • ダンボールやラップの芯
    望遠鏡の筒の部分を鏡筒(きょうとう)と言う。
    でも、「筒」と言っても、別に丸くなくてもいいんだよ。
    望遠鏡は、対物レンズと接眼レンズがそれぞれの端に直角についていて、それぞれのレンズの焦点距離(集めた光が1点にまとまるところまでの長さ)が重なった場所にレンズがありさえすれば、鏡筒は何でもかまわない。ラップの筒でもいいし、塩ビなどでもかまわない。一番簡単に手に入るのは、ダンボール。これで四角い筒を作れば、十分使えるものができる。
    ダンボールは、みかん箱のような重たいものよりも、ティッシュのような軽いものを入れるダンボールのほうが切りやすくていい。マーケットなどでもらえるよ。
  • セロテープ
    レンズやダンボールをくっつけるのに使う。ふつうのセロテープでかまわないよ。
  • ハサミやカッターナイフ
    ダンボールやラップの芯をを切るのに使う。
  • ニッパ
    老眼鏡のレンズがなかなか枠からはずれないときは、これで枠を切ってしまおう。小さい子はお家の人にやってもらったほうがいいよ。

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レンズをはずそう

レンズを買ってきたら、これを枠からはずしてしまおう。
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力を入れてねじったらレンズが取れることもあるし、ニッパで枠を切ってしまわないとレンズが取れないこともあるけれど、とにかくレンズを全部はずしてしまおう。

レンズの端をもって、メガネ枠をひねるようにするとポロッと取れるよ。

取れないときは、ニッパでメガネ枠を切ってしまえば簡単に取れるはずだ。でも、ニッパを使うときは気をつけてね。


接眼レンズを作ろう

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接眼レンズに使う5度のレンズを2枚、平たいほうの面どうしでくっつけよう。

最初にレンズの平たいほうに、セロテープを両側にはって、2枚のレンズの間に、ほんの少しすき間があくようにしてね。
これは、2枚のレンズがピッタリくっつくと、虹のようなもよう(ニュートン・リングと言うんだ)ができちゃうので、これを防ぐためなんだ。

そのあと、2枚のレンズを、ふちのところをセロテープでぐるっと巻いてくっつけよう。
レンズに傷をつけないように注意しながらやってね。

焦点距離をはかろう

黒い紙を地面にしいて、その上で老眼鏡を太陽にかざしてみよう。
地面に近づけたり離したりすると、太陽の光が集まって、紙の上で大きくなったり小さくなったりするよね。一番小さくなるところをさがして、そのときのレンズと地面の距離をはかろう。これがそのレンズの焦点距離だ。
一番小さくなったときのことを、「焦点が合う」とも言う。焦点が合うと、太陽の熱が1かしょに集まって、紙が燃えることがあるから、気をつけてね。

対物レンズ(2度の老眼鏡)で光を集めたところ 接眼レンズ(5度の老眼鏡の貼り合わせ)。
焦点距離が対物レンズより、ずっと短いね。

太陽が出ていないときは、部屋の蛍光灯の光を同じように集めてみよう。
こちらは一点に集まるのではなく、小さい蛍光灯の形がくっきり写るはずだ。

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ダンボールで鏡筒を作ろう

ダンボールで鏡筒をつくってみよう。

  1. ダンボールを切る
    ダンボールをよく見てみよう、すじが入っているよね。
    すじの方向に伸びた筒を作るんだ。
    長さ(すじの入っている方向の長さ)は、さっきはかった焦点距離と同じくらい、幅(すじの入っている方向と直角の方向の長さ)は30cmくらいあれば十分だ。
    ハサミで切るときは、すじに沿って、またはすじに直角に、まっすぐ切ろう。
    ななめに切らないように気をつけてね。
    カッターを使うときは、定規を使ってまっすぐに切るけれど、手を切らないように注意してね。
  2. 筒にする
    最初に、すじ5本ごとにミゾを掘ろう。すじを5本数えては、ハサミやカッターの背中(切るほうと反対側)ですじとすじの間をなぞって、ミゾをつけていくんだ。
    ダンボールの表面が破れるけど、気にしなくても大丈夫。
    すじを3本入れて、4本目の場所で切り離そう。
    これを、すじのところでポキポキと折ると、四角い筒になるよ。

    次に、同じようにして少し細い筒を作ろう。
    細いほうの筒の長さは、20cmほどで十分だ。
    今度はすじ4本ごとにミゾをほって、またポキポキと折って、つなぎ目をセロテープでしっかりとくっつけよう。
    これで細くて短いほうの筒が完成だ。

    次に、最初に作った太い筒を細い筒に重ねるようにして、セロテープでとめよう。
    これで、細い筒を出したり引っ込めたりできるようになったはずだ。
    なんだが望遠鏡っぽくなってきたでしょ?

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ラップの芯で鏡筒を作ろう

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今度は、ラップの芯で鏡筒を作るばあいの作り方だ。
こっちは簡単、太さの違うランプの芯を、焦点距離の長さになるように重ねていけばいいだけだ。
ちょうどいい太さの芯が集まらないときは、同じ太さの芯を縦に切って少し細くして、もう一度セロテープで巻けばOKだ。
芯と芯の間がスカスカのときは、細いほうの芯の端っこに、ピッタリになるように紙を巻いてセロテープで止めるといいよ。


レンズをつけて、できあがり!

最後に、レンズを筒の端にセロテープでとめてできあがり!
太いほうの筒の端に対物レンズ(2度のレンズを1枚)、細いほうの筒の端に接眼レンズ(5度のレンズを2枚くっつけたもの)をつけよう。
セロテープは、レンズのできるだけ端っこにつけてね。
このとき、注意しないといけないことは、レンズを筒に直角につけることだよ。

ダンボール望遠鏡 ラップ望遠鏡。カメラの三脚につけてみた。

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