RCCM受験体験記(全般) 「発注者の立場で」 寄稿者:RAYさん

2022発注者の立場で初めての受験で無事合格しました。この資格は、基本コンサルの皆さまのものと思いますが、掲示板を見ますと、発注者(東北いなかの中規模市です)での一定の需要があるようなので、情報共有します。
掲示板は基本ROM(リードオンリー:死語?)ですが、このサイトで大変お世話になっていることから一大決心して投稿しました。横展開よろしくお願いします。

○試験勉強
技術士受験(一次試験が11月末と遅かったため)のため、地元で受験可能だったためと、メンタル維持のため受験しました。どちらも「道路」で受験です。(いまさらながら、どちらか河川にすればよかったと思います)
RCCMの勉強時間 約2カ月
費用:受験手数料17320円+振込+申込送料+オンライン販売(フリーダウンロードパス2022 for RCCM3000円)

○受験日程
試験Aと試験Bは別日程で受験 初めにB(9月上旬)、約3週間後にAという日程です。技術士一次試験への時間的余裕を確保するための日程調整です。

○問題1 経験論文
私は、業務実績証明書は以下の3つを選択しました。
①渋滞対策の交差点改良
②老朽化+バリアフリー
③無電柱化
内容がさまざまな事例(国の制作の中でも、比較的トレンドに近いもの)を選択するように考えました。【経験業務その3】は③無電柱化にしました。(趣旨は以下の通りで、コンサルではない発注者がいつも考えることをできるだけ入れるように注意しました。)
共通する(1)~(4)はフォーマットを同じにして、覚えやすくしました。
8月に概要を作成し、試験Aが終わってから3週間の間に覚えました。できるだけ自分のロジックに沿ったなかで書いていけるような流れにしました。
特に気を使った点:横50字?と通常使っていないフォーマットなため、入力漏れがないように、自宅での準備もこのフォーマットを再現して、各センテンスの行数確認を行いました。
どうしても不安な方は、「記述答案添削講座25000円」もありますので、技術士受験の予行演習と考えて受けてみましょう。

○問題2、4-1、4-2 
各自オンライン販売で得点を取れるよう努力して下さい。合格は50点(総合60点)ですが、私の性格上80点確保を目標にしました。(技術士対策もありました)
過去問が更新されないので、ひとつ目新しい問題がありましたので記録します。
問 避難指示って、だれが、いつ出すのか?
  警戒レベル2は市町村長が発表する。レベル4、5は知事が発令する。みたいな問題です。
答 参考サイト
(その他内容省略)

○問題3 選択記述
まずは、公表済み問題テーマ6問について、本サイトで概略をつかみました。正直、担い手や災害などは業務で詳細把握していましたが、SDGsやカーボンニュートラルは一から勉強しました。
APEC様の内容で自分にしっくりこない(丸暗記は無理だったので・・・)ところは、白書で検索して、準備をしました。粗粗の原稿を作成して、1ヶ月位で数回見直を行い自分の原稿にして、試験に望みました。
また、コンサルの現状を知るために、建設コンサルタンツ協会のサイトで、報告書を確認して現状や将来を確認し、前文に盛り込みました。内容は、総花的な項目になってしまったのが少し気になりました。
試験にあたっては、CBT様の「担い手確保と働き方改革」のご託宣を受け、(他の受験者には迷惑だったと思いますが)、一所懸命キーボードを叩きました。(概略は添付)
最後のあがきで記憶力低下を補うため、通勤車(約20分)の中で、テキストを音声変換するオンラインサービス(音読さん)を使ってMP4化しました。が、あまり効果はなかったと思います。涙)

○終わりに
CBT2022は文字数の表示もあり、比較的楽に受験ができたと思います。また、時間も余裕を持って受けることができました。
掲示板では、「公務員がなぜRCCMや技術士を受けるのか」みたいな書き込みも散見されますが、自分のスキルアップのための受験です。立場の違いを超えて建設系職種を盛り上げましょう。
皆さまの合格を願っております。

○問題1(1600字の(5)(6)(7) 概略)
(5)技術上の問題点とその対応
本路線では、(現状を説明) 電線共同溝の埋設位置を決定することが課題となった。
この埋設位置が、事業全体の工程やコストに大きく影響するため、道路管理者、受託者、道路占用者とで総合的な調整会議を開催し、その移設の可否やその移設補償費について協議を行った。
その協議の結果を受け、電線共同溝について複数のパターンでの配置計画と、各々の概算費用やメリット・デメリットについて比較検討を行った。さらに、「電線共同溝整備マニュアル」を参考に、「浅層埋設方式」などの低コスト手法や長尺軽量部材やプレキャスト製品の活用についての検討も進めた。
その結果、限られた道路のスペースを上手に利用し、各施設の維持管理性などにも配慮した、適切な埋設位置の決定および支障物の移転計画を作成することができた。

(6)業務上の問題点とその対応
業務開始にあたって、沿線住民との合意形成の遅れによる業務の遅延が出ないよう、発注者と受注者が協力し、工事渋滞や安全性確保などについて対策を立案するとともに事業説明を行った。
①工事渋滞と交通安全の対策等
工事区間について、片側交互通行の交通規制を想定し、早期の交通開放ができよう施工範囲の設定を行うとともに、歩道については、迂回路を設けるなどの安全対策案を作成した。
さらに、作業効率の低下や安全性の低下する冬期工事を避けるよう、長尺軽量部材やプレキャスト製品の活用による工程の短縮や、債務負担行為の設定など調整を図った。
②住民説明
上記対策のほか、宅地への電線の引込や地上機器の設置については、個別に、沿線の土地利用状況や今後の計画等について聞き取りを行いながら、わかりやすく図面等を用いて丁寧な説明を行った。
これらにより、住民理解が得られ、スムーズな業務進捗と事業全体への影響を抑えることができた。

(7)上記2つの対応について、現時点での評価
(5)の評価
ⅰ 十分な事前調査と総合的な調整会議の開催により、迅速な配置計画等の策定が可能となった。
ⅱ 市街地の幹線道路における事業であり、長尺軽量部材やプレキャスト製品の活用した工期短縮や作業性向上等の提案は十分に評価される。
今後も、工期、全体事業費・その他の現場条件に合わせた最適な提案ができるように技術研鑽する。
(6)の評価
ⅰ 工事渋滞や交通安全の対策の提示は、住民の早期事業理解につながった。
ⅱ 電線の引き込みや地上機器などの住民説明も十分に行うことができ、スムーズな業務進捗につながった。
中心市街地に近く、条件が複雑な業務については、関係者や地元住民の合意形成をスムーズに行うことが業務遂行の重要課題となるが、十分な対応により業務完了に至った。

○問題3(「担い手確保と働き方改革」 概略) 
建設産業は、・・・担い手、地域の守り手、3K(きつい、きたない、きけん)などを記載
建設コンサルタントは・・・、長時間労働、賃金などの課題、若者や女性の離職、熟練者の高齢化、担い手の不足の現状などを記載
新担い手3法の成立など全体の方向性を記載

①建設コンサルタントの担い手確保・育成の課題
<1>処遇と就業環境
 今後の建設コンサルタントでの進めるべき課題を記載 協会資料から抜粋
 残業規制について記載
<2>官民一体となった取り組み
 国の施策、(3Kから新3K)など、処遇と就業環境の改善、担い手の育成、働き方改革の必要性を記載
<3>新技術
 DX導入による生産性向上、働き方改革、担い手の必要性を記載
 特に、インフラ点検などはコンサル頼みになるので、新技術による省力化、高度化を記載

②建設コンサルタントの働き方改革のあり方
<1>処遇と就業環境の向上
 以下の処遇と就業環境の改善に付いて記載
・発注者指定完全週休2日制、深夜労働の禁止、ノー残業デーの厳守
・能力や経験に即した給与体系
・女性の働きやすい職場つくり(産休、育休制度の充実、トイレ、更衣室、禁煙など)
・様々な働き方が可能な「ワークライフバランス(WLB)」確保
・働きやすい「ダイバーシティ」環境
・表彰制度、熟練者のノウハウやスキルの技術伝承など
<2>官民一体となった取り組み
以下の処遇と就業環境の改善に付いて記載
・官民一体となったPR、平準化
・入札制度改革
・給与水準の確保
・適正な工期の設定や平準化による長時間労働の是正
・ウィークリースタンスの厳守
・ドローン、レーザースキャナ、BIM/CIMの促進
・新技術基準改正
・検査の簡易化、書類の簡素化
<3>新技術の利活用
 以下の処遇と就業環境の改善に付いて記載
・ICT、IOT、AIなどによるDX推進
・ドローンやレーザースキャナによる測量、設計、ICT土工の実施による、施工性や安全性向上
・BIM/CIMの適用工事拡大
・RPAによる定形業務、単純作業の改善、省力化、ミス防止、コスト縮減
・5G6Gなど高速大容量通信網整備による、テレワークや時間、場所の効率化による働き方改革、遠隔操作、リモート臨場
・新技術の担い手育成、社会実装に合わせたマニュアル作成
・地方企業への支援、ICT機器の配置支援や開発促進