他部門合格後に建設部門に挑戦〜レタルワタラさん <建設部門・建設環境> ■はじめに 専門は「自然環境の評価・再生」。建設環境はかなり幅広い分野だが、自分の場合は試験の選択で言えば「緑化」(都市・公園・道路)「河川」あたりに該当する。自然環境(生態学)が専門なので、環境部門取得後の受験となった。なんとなくそういうパターンは(「建設部門必要なの」という)疑念がもたれるかなという不安はあった。 受験履歴は、H18環境部門合格⇒H19建設環境筆記試験不合格⇒H20合格。 ■準備 筆記試験の解答再現について。いつもはやっていたが、今回は何となく無理そうだったので試験用紙にもほとんどメモせず、再現もしていなかった。合格を知ってから、思い出そうとしたが試験問題も思い出せない始末だった。 体験論文について。昔書いたものをベースに合格後に作成して送付する。しかし締め切り後に字数が指定に合ってないと言われてしまう。文字カウント機能で確認したはずだが、指定は行数と1行文字数であって、実際の文字数ではないと言われてしまう。期限過ぎていたため、すっかり驚いてしまうが、「字数削って送ってください。期限過ぎて良いです」といわれて感謝して再送付する。この辺は四角四面な対応ではなく救われた。指定のWordファイルを使ったのだが、行数が自動調整で勝手に変わっていたようだ。 口頭の準備は、業務が忙しくてできず。前日東京入りして、その日に以前受けたときの内容や想定される質問への対応について考えておく(特に他部門⇒建設部門と受験したことについて)。知り合いが技術知識問題も聞かれたといっていたので不安だったが、準備出来ないので、今手持ちの知識のみで行くことにする。2回目の口答試験なので不安感はあまりなかった。 ■試験 9時からの最初の組でスタート。試験官は2名で、若い人がリード役になっていた。呼び出し役はおらず、自分で待機し試験管の声で中に入る。試験官の後ろに時計があり、説明時間の把握はしやすかった。 (以下やり取り。一部回答は略している) ● あなたの経歴を言ってください。 ● 建設環境に関する学会などには入っていますか。 ⇒ 応用生態工学会・造園学会・保全生態学会など ● 応用生態工学会は珍しいですね。何か機会でも(妙なところで突っ込み。学会関係者?) ⇒ 関係する発表が多いのと、大学の先生に薦められたので。 ● 自然環境といっても専門は何ですか。(⇒ ?)鳥とか虫とか、ありますよね.... ⇒ そういうことでいえば、基本の専門は植物です。 ● 何か好きな植物をひとつ。(リラックスさせようとしているらしい、ちょっと恥ずかしい) ●何か他に公的な資格は。技術士も含めて。 ⇒ 環境部門を2年前にとっています。 ● 経験論文について10分程度で説明してください。 ⇒二つありますが….. ●両方お願いします。 ⇒詳述・概要とも同じくらいのボリュームで喋る。時間はややオーバーした程度。 ● 1つ目の今までは「育てすぎると環境に合わなくなる」とされてきたというのは何でそう思われてきたのでしょう。 ⇒ 今回の植物でもそういう種もある。また規格を揃えるために肥料をやりすぎたり、園芸的な手法が強すぎることもあったかと思う。 ● そういう造園会社の「発注者に合わせておけばいい」みたいのはあると思いますが、あなた自身の仕事でもそういう場面はありますか。(急に倫理の話に) ⇒ 幅広い解釈ができるものが多いので、一概には言えず、役所が自分の希望で解釈する傾向はある。いろいろな可能性とそれぞれの確率を説明するようにしている。 ● 開発した手法が採用される際に障害は無いのでしょうか。 ⇒実は2つ目の業務は採用されていない。コスト・手間がかかると新しい方法が受け入れられない。きちんと説明できなかったのは反省点。 ● 採用されなかったのは何が問題。コスト面などの問題については検討していますか。 ⇒廃棄や一時的な保管にコストがかかるので、施工の進捗に合わせて表土を移していくことは提案している。 ● 表土移植について、どんな手法があるか、今回の特徴を教えてください。 ⇒(そんないろいろあったけ….)何となく説明 ● こういう技術はやはりコストが問題になると思うが、採用されるための提案などは。(質問がやや繰り返し気味になってきた) ● こういう技術は市民の支持があれば採用すると思う。その点について、あなたが取り組めることは。 ● 技術開発したものを浸透させることは技術士の仕事と思うが会社として取り組んでいることは。 二人目に交代 ● 2つ目でよく分からないところが。マルチングなどで外来種が4分の1に抑えられたというのは。 ⇒ 実験をしてですね....と説明する ● 会社としてコンプライアンスのための取り組みは ⇒ (ちょっと答えづらいので、少し詰まってしまった) ● 先にも話しがあったが、失敗例というのは他にあるのか。 ● 環境部門の技術士ということだが、今回なぜ建設環境をとろうと思ったのですが。 ⇒ (これは予想していた)環境部門は自分の専門に近いので最初にとった。建設部門は、今回紹介した事例のように実際の仕事では何らかの工事とかかわりがあることが多いので。工学的設計の中で保全や復元の技術を生かすためにと。 ●どういうことを勉強していきたいのか。 ● 技術士だから知っているでしょうけど。罰則規定を一応。 ● 会社として技術を高めるためにどういうことが重要か。 ⇒ (また同じ話になるなあ……) ●以上です。 43分程度。ホテルに戻ってチェックアウトまでに質問内容を整理する(筆記試験のときの反省もあり(笑))。ほとんど体験論文周りだった。義務や責務についても既得者ということで、あまりなし。 問題といえば、前回同様に同じような質問が繰り返され、思わず同じように返事してしまい、流れが膠着してしまうことがしばしばあったこと。頭の中で違う切り口を探したものの、さすがにアドリブで違うネタを思いつくというのはなかなか難しい。しかし、ほとんどアドリブで答えた割りには、それなりに意味のある対話にはなったと思う。まず合格したはずと確信。 ■結果 3/6合格発表で無事合格。自分の地方では17/18で1名落ちていた。今回のケースは楽な試験の方だと思うので、準備は怠らないことが肝要だろう。ただ基本的には、口答試験は合格させるのが前提という姿勢は感じられ、緊張したり不安がったりする必要はないと思う。体験論文に関する説明と質疑がしっかりできるのが基本であると思う。 |
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