口頭試験体験記 環境部門(平成18年度以前) Back

年度 体験記提供者 備考
09 01
12 02:環境測定 つったんさん 失敗体験記
13 03:環境保全計画 (県職員・44歳)
15 04:自然環境保全 ハナアルキさん
18 05:自然環境保全 レタルワタラさん

1

日時:平成91213日(土)

試験官:2
控え室から案内の女性の後についてドアの前に到着。
ノックをすると、中から「どうぞ」の声。
ドアを開け「受験番号と氏名」を告げる。
「どうぞおかけ下さい」の指示。
Q:あなたのこれまでの業務経歴と、技術士試験を受験した動機について簡単に説明して下さい。
(準備していたとおりに回答するが、緊張して声がうわずる)
Q:技術士とはなんですか。
(当時の例の研究…評価、高等な…をする人、と回答)
Q:業績論文に記載されている測定試験について、あなた自身が分析をしたのですか。
ムム、疑ってるな。ほとんど外部に委託した。私は一連の試験の計画をした。分析一連の操作については立ち会って監督をした、とややムキになって回答)
Q:なぜ自社内でしなかったのですか。
(質量分析装置のような高級機は自社内にまだない。新たな分析手法の開発段階であり、自社内ではまだ設備を揃える段階ではなかった、と回答)
Q:JISに決められた分析法との(業績内容の)関係を詳しく説明して下さい。
(コストや時間、操作の簡易性といったメリットを、一番しゃべりたかった内容なので、つい長々と話してしまう。途中で制止される。)
Q:さて、大気関係は業務としてされていますか。
(水質と土壌だけである。…大気も今後取り扱って行きたい(あわてて付け加える)と回答)
Q:世の中には環境基準とか、規制基準とかありますけど、それらについてあなたはどう思いますか。
いきなり違う話題に飛んで、一瞬頭が真っ白。基準は人にとって無害あるいは影響が小さい、というようなもので公害防止のためのボーダーラインにすぎない。広い範囲で例えば生態系や地球環境規模ではこの基準はあまり意味をなしていない、と回答)
Q:では、どうしていけばいいですか。
しまった、墓穴を掘ってしまった。…・・ええと、それはですね。国際的に気候変動枠組条約をはじめとした、地球環境問題に対応すべく活動が行われており…・・今後の調査研究が待たれるところです。すみません、勉強不足でした、と回答)
Q:海外での業務経験はありますか。
(まだないが、機会があれば執り行っていきたい、と回答)
Q:技術士の義務について説明して下さい。
(当時の3大義務を回答)
Q:その信用失墜行為とはどういうものですか。
また、一瞬頭が空白。…・・ええ、つまり、社会人として当然備わっているべきものが欠落している行為でして、…・・要は犯罪行為です、と回答)
Q:犯罪行為ですか。なるほど(含み笑い)。はい、ではこれで終わります。
赤字は私の心情(感情)以上
事後感想
 事前に予想された質問にはまずまずの的確な回答ができた。が、急に話題が飛んだり、こちらの回答した内容にさらに質問されたりすると、あわてて余計な事を言ったり。みなさんにも特に気をつけて欲しいのは、否定的な言い方を極力しないことです。私が墓穴を掘った、と思ったときは否定的な言い方をしてしまった直後です。あと、比較的ハイなときにガツンとくる質問がきたように思います(自信満々に答えた直後)。こちらの感情の起伏が相手に悟られないのが一番ですが、到底無理なことなので、せめて落ち着いて対話をすることに心がけたいです。

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2:環境測定

私の不合格体験記 - つったん 2003-11-14 (掲示板より)

平成12年度に環境部門(環境測定;騒音調査・解析)で受験いたしました。
 下記の3編で構成しました。
   第1編 平成12年11月8日 筆記試験の合格者発表 
   第2編 平成12年度 技術士第二次試験(口頭試験)
   第3編 平成13年2月7日(水)口頭試験の合格者発表
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第1編 平成12年11月8日 筆記試験の合格者発表 - つったん -2003-11-14 21:07:09 削除
第1編 平成12年11月8日 筆記試験の合格者発表

●合格者は下記のホームページで確認できた。

○科学技術庁ホームページ(http://www.sta.go.jp/)
○(社)日本技術士会ホームページ(http://www.engineer.or.jp/)
・会社のパソコンで当日の朝から繋げようとするが、閲覧が集中してなかなか繋がらず、昼前にようやく繋がった。

・合格者欄に自分の受験番号があることを確認!

・思いっきり歓声を上げたかったが、仕事中であったため、自重した。

・一緒に受験に行った同僚から「どうでした、確認しました?」と問いかけられ、照れくさいながら「番号あったよ」と答えた。

・周囲で聴いていた社員から「すごいねえ!」「やったね!」と祝福された。

・特に、前年度「水産部門」で合格された大先輩のI氏は、常に私の受験のことを気にされていて(受験前から、いろいろと対策等でアドバイスしていただいていた)、合格を知ると自分のこ とのように喜んでいただいた。

・しかし、まだ「口頭試験があるから、分からない。」と言うと、某氏が「口頭試験で落ちるなど今まで聞いたことがないでえ!」とのたまった。

・私はそうは信じるものの、無論、始めての口頭試験が大変なプレッシャーとなった。

●合格発表から数日たって、葉書で合格通知がきた。

・なんと、口頭試験日は思いも寄らなかった、試験初日の12月1日(金)13時30分からであった。

・試験会場は東京都渋谷区道玄坂のフォーラムエイトであった。

●私は、口頭試験の当日前夜まで、自分なりに試験対策を行った。

○「口頭試験対策(模擬試験問題と回答)」と題する演習資料(A4用紙23頁)  を作成し、繰り返し読んだ。
○また、暗記の必要箇所(技術士の定義・義務等)は暗記した。
・十分とは言えないまでも、やるだけのことはやったので、何とか対応できそうと思って、口頭試験に臨んだ。

第2編 平成12年度 技術士第二次試験(口頭試験)

○日時:平成12年12月1日(金) 13:30〜13:50(約20分間)
○試験会場:東京都渋谷区道玄坂 フォーラムエイト
○時間:13:30〜
○交通:飛行機(日帰り往復)

●設問の概要

○技術士受験の動機
○過去の業務で成功した例/失敗した例
○騒音の測定システムについて
○ISO9001/ISO14000への取り組みについて
○測定データの取り扱いについて
○測定値の精度とトレーサビリティについて
○技術士の義務/定義

●設問と「口頭試験」で一致したものは、

・巻頭の「技術士受験の動機」

・巻末の「技術士法の定義と義務」だけだった。

●経験論文に関する追求の設問はほとんどなかった。ということは、経験論文はほぼ十分であったことが示唆された。

・全体的な出来としては、可もなく不可もなくと思った。

・ということは、ほぼ合格だろうと考えた。

・帰路、飛行機の待ち時間を利用して、設問を思い返してメモを書いた。

●そして、年末までに「口頭試験の問題と回答(そして所感)」(A4・5頁)を作成した。

・これは、自分自身の受験体験として記録に残しておけば、今後何らかの役に立つだろうという思いと、また今後の弊社の受験者にも参考になるだろうという思いもあったからだ。

・さらには、もし合格すれば、「口頭試験体験記」としてお世話になった佐口氏のホームページに投稿してみようという考えもあった。

●筆記試験後の発表同様、合格発表まで2ヶ月以上もある。

・この間は、正直なところ何とも言えず落ち着かなかない状態であったと思う。

・自己採点では多分大丈夫だろうと思いつつも、発表を確認するまでは、うまく言えないが、胸にしこりができているような状態であった。

・そして、いよいよ合格発表の日がやってきた。

 (今この原稿を書きつつも、当時のことが思い出されて、胸がキューンと詰まるような想いが寄せている。)

第3編 平成13年2月7日(水)口頭試験の合格者発表

合格者は下記のホームページで確認できた。

○文部科学省ホームページ(http://www.mext.go.jp/)
○(社)日本技術士会ホームページ(http://www.engineer.or.jp/)
○日刊工業新聞/地方紙(地元新聞)
・やはり気になるものか? 当日の朝5時頃に目が覚めてしまった。

・何はともあれ、寝間着のままで新聞受けから地元紙朝刊をひきずり出して、新聞を開いた。

・どのへんに出ているだろう?と思いつつ、早くその頁を開きたいような開きたくないような複雑な心境であった。

・そしてついにその欄を目にすることになった。

・「うそ〜!?」 一瞬、目を疑った。

・名前がなかった。不合格である。

・そして、しばし茫然自失の状態となった。

・そこそこ自信があっただけに、大変ショックであった。

・もしかしたら、私の人生の中で最もショッキングな出来事だったかも知れない。

・同僚で、環境部門・自然環境保全で受けたT君の名前があった。

・また、建設部門・建設環境で受けた某コンサルO氏の名前もあった。平成11年度に、仕事でお世話になった方だ。実は、口頭試験前に、旧建設省の某事務所で偶然会い、技術士を受  け、お互い筆記試験に合格したことを確認していた。彼はやや不安そうであったが、私の方が「たぶん大丈夫ですよ」とねぎらっていた。が、皮肉なことに彼は合格し、私はすべった。

・なお、偶然にも私と同姓の名前もあり、目を凝らしたが、やはり自分の名前ではなかった。

・何が悪かったのだろう?

・しばらくは、思い当たる絶対的なミスは考えられなかった。

・結果がすべてで、振り返るのはつらかった。

・正直、不合格がわかってから、2週間程度は落胆の色は隠せなかった。と思う。

・社内でも、私が落ちたことは知れていた筈だが、私の前でそのことに触れる人はほとんどおらず、皆あえて避けようとしているようで、それがまたつらかった。

・しばらくたって、冷静になって振り返ると、もしかしてあれが原因だったのだろうかと思われる試験官の質問と自分の回答とのやりとりが思い出される。

・試験後は、それが原因とは思いもよらなかった。

・技術士倫理に関わる点だったが、私は正論をいったつもりだが、どうもそうでなかったようだ。

・今となってみれば、試験官のある設問に対して、試験官は「本当に(回答は)それでいいのですね?」と念を押してきたことが思い出される。私は、きっぱり「いいです。」と答えている。

・これが最も怪しいやりとりである。試験官は、技術士としてふさわしい者の回答として、別の答え方を期待していたのではないかと思う。

・さらに付け加えると、受け答えに迫力(覇気)がなかったのではないかと思う。

・また、事前の情報で「必要以上にしゃべりすぎるのは良くない」と思い込んでいたため、回答があまりにも淡泊すぎたのではないかとも思う。

・もう少し、自分をアピールすることも必要であったと振り返る。

・要するに、クライアント(顧客)から、本当に信頼される技術者であるべき要素が試験官に受け止められなかったのではないかと自戒する。

・何が不合格の原因であったかは明確ではない。

・今まで述べた何か一つが原因であったかも知れないし、それらが複合して全体的に好印象ではなかったのかも知れない。

・いずれにしろ、不合格となった以上、後戻りはできないことだ。

・これら全てが悪かったのだと思い、今後の教訓にすべきだと考えた。

以上、長レスにおつき合いくださった方ありがとうございました。何かの参考になれば幸いです。

●このレスをするにあたっては非常に迷いました。これからの口頭試験受験者にとって、マイナスになることがあってもプラス面があるのだろうかと。でも、朝顔さんやフクさんに返信いただき安心いたしました。
●私は過去に書き込みしたことがありますが、平成13年度は欲を張って環境部門(環境測定)と建設部門(建設環境)を併願しました。しかし、文字通り「二兎追う者一兎をも獲ず」を演じました。
●平成14年度は、その反省から建設部門(建設環境)一本に絞り、筆記を突破!無論、口頭試験は平成12年度の失敗を糧とし(いたらなかったことを補正し)、挑んだ結果、なんとか合格を手中にしました。
●朝顔さん他、受験生の皆さん。設問に応じて度を越さない程度に、自分をアピールすることも必要かと思います。ぜひ、がんばってください。

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3:環境保全計画

平成13年度技術士第二次試験(口頭試験)の記録

氏 名:□□□□ (44才・○○県職員)
技術部門:環境部門 選択科目:環境保全計画 専門とする事項:環境保全計画
* 経験論文の内容:(口頭試験では全く触れられず)
1 工業用水取水に関する環境保全計画
2 公共交通機関に関する環境保全計画
*H13からの業務経歴書の変更により、技術士(建設部門)であることを表明した。
*口頭試験当時の担当業務はダム建設(調査、計画、設計、施工の指導)であった。
○前日宿泊 渋谷東武ホテル(施設は概ね良好)、試験会場まで15分弱かかることを確認。隣県の職員S氏(建設部門受験者)と情報交換(19:00〜21:00まで飲みながら)その後、同じ県の職員N氏(建設部門受験者)と情報交換(21:30〜22:00)22:30就寝。
○当日 7:00起床(4:00頃に目が覚めてしまい眠れなかった)風呂に入り、8:00には朝食。新聞を読むも、皇太子の第1子誕生の記事がほとんどであった。(今日の口頭試験では時事ニュースはなさそうだと感じた。)10:15出発、10:30試験会場到着
○試験場所 渋谷フォーラムエイト 12F(受付7F、待合室10F)
○日 時 平成13年12月2日(日曜日) 11:30開始予定(実際11:28呼び出し、11:30〜11:52)
[試験官2名:向かって左=L(45歳ぐらい、環境省の方か?)右=R(45才ぐらい、大学の教授か?)と略記する。最初はLお一人であった。]
私) ×××(受験番号) □□(名前)です。
私) ○○から参りました。よろしくお願いします。
L) お座り下さい。
私) はい。
L) もう一人いますが、先に始めます。
L)今行っている業務の環境保全について話してください。
私) 建設中のダムについては、建設廃棄物の処理や騒音振動の適正化を、工事用道路を施工中のダムについては、改変面積を減らすことや現植生を利用することを、また調査中のダムについては環境配慮システムに基づき条例に準じた環境調査を行っています。(一部省略)
*途中でR入室
L)ダムを造ることについてどう思われますか?
私) ダム不要論もあり一般論でお答えするのは困難ですので、担当しているダムについてお答えします。当該地域は、しばしば制限給水が行われるなど水が非常に不足しています。また、ダムを造ることによる環境への影響は、改変面積が狭いことや同じような河川が他にもあることから小さいと判断しています。地元が熱望していることからも造る必要があると考えます。
L)○○県の環境に関する考え方は?
私) 知事の姿勢も含め、環境に配慮していると思います。また、ISO14001を近々取得する予定です。環境影響評価条例を作っており、それより規模の小さい公共事業については、環境配慮のシステムを作っており環境に配慮するようにしています。
R)今でこそ、河川の環境護岸などがありますが、あなたが仕事を始めた20年前頃は土木では環境なんてあまり考えていなかったでしょう。その当時どういう風に勉強しましたか?
私) 学生時代の同級生が砂漠の緑化に興味を持っており、一緒に色々勉強しました。
R)今はどのように情報を仕入れていますか?
私) インターネットなどを利用しています。
R)土木関係の業務のなかで、これほど多くの環境保全に携わられたのですか?珍しいのではないですか?
私) 同じ業務であっても、他の方と違って、環境保全の意識を持って業務を行ったということです。
R)失敗例と改善策は?
私) 平成元年の業務で、港湾埋め立ての閣議アセスの案件ですが、文献調査では周辺に△△△△△は生息していないはずでしたし、用心のために行った1年程度の現地調査でも生息していませんでした。ところが、平成11年頃に現地を再度調査したところ、もともといたのか復活したのかわかりませんが生息していました。もっと長く調査してみるべきでした。
R) 長く調査することも必要ですね。
L)技術士になれば何か変わりますか?
私) 建設部門を取得していますが、庁内では特に変化はありません。(←失言:前回と同じく、『受験する姿勢などが積極性として評価されていると思われる』などと追加しておくべきだった。)対外的には信用があり、コンサルタントの対応も違います。
L)あなたは技術士ですからご存じでしょうが、倫理はどう考えますか?
私) 改正された技術士法にもあるように、環境の保全や公益を害することのないようにしなければならないと考えます。
R)倫理に反することを部長や議員に強制されたらどうしますか?
私) 部長は説得できるはずです。議員に関しては、情報を地元に下ろして地元から意見を変えさせることができると思います。
L)技術士になっても県庁で勤めを続けていかれるでしょうが、どういう風に生かすつもりですか?
私) 環境政策に携わっていきたい。
L)事業をやる上などで環境部局とのやり取りは?
私) 環境部局が条例を作る段階でやり取りをしました。今は、条例や配慮システムができたので、事業の計画を作る段階で相談しています。
R)環境への影響を判断するのは困難だと思いますが、誰が判断するのですか?
私) 環境に関する委員会などで、大学の先生などに判断を仰ぐこともあります。
R)環境についての判断をしてもらうために先生方に渡す資料は誰が作るのですか?
私) インターネットを利用して作成したり、コンサルタントに委託して作ります。
L)あなたの環境保全計画での得意分野は?
私) 当県の土木職員の中では一番環境に詳しいと自負しています。(←質問に対し何も答えていない意味のない発言。せめて、「行政の立場にいますので、特に詳しい分野はありませんが、トータルコーディネイト(またはマネージメント)は得意な分野と言えると思います。」ぐらい答えたかった。)
L)ダムについて地元は?
私) 水が足りないことから、ダムに非常に熱心であり、環境問題も含め問題は生じていません。河川整備計画でもあまり意見はありませんでした。
L)あなたが地元に話しているのですね?
私) 最近も●●ダムについて地元と話しをしました。
L)ダムのLCAは?
私)インベントリー分析も含め、はっきりしたことがわかりません。今後勉強していくつもりです。
L)以上で終わります。
私)ありがとうございました。失礼します。

受験時の印象

(合否について)

技術的なことについて、ほとんど触れられなかった。『暖簾に腕押し、糠に釘』といった感じで、前回の口頭試験(建設部門)に比べて手応えがなかった。技術士法の義務も聞かれなかったので、かなり厳しいと感じた。結果は合格であった。

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4:自然環境保全

2003年12月
環境部門、自然環境保全
試験官2名

質問:業歴を手短に説明してください。

質問:平成10年以前はどんな業務に従事していましたか。

質問:入社当時は事務的な内容に従事していたのですか。

質問:学生時代の研究内容を説明してください。
(経歴を見て、試験官が個人的に興味を持ったらしい)
・ 研究の結果、ハチの種間に差はありましたか。
・ 何が分かりましたか。
・ 研究は発展させなかったのですか。
(ハチアレルギーでハチの研究が続けられなくなったことを話し、場が和む)

質問:自然環境調査を実施する場合の業務編成を教えてください。

質問:アドバイザーの先生などの人間関係でこれまでに問題になったことはありませんか。

質問:経験論文でワシタカ類の保全を書かれていますが、ワシタカ類保全を進める上での問題は何ですか。
回答:密猟の問題などがあり、他の事例を参考にすることが難しい。

質問:その問題を解決するためには、どうすればいいですか。

質問:ワシタカ類のデータの一元化についてはどう考えますか。

質問:オオタカは最近増えているというデータもあるが、保全すべき種と考えますか。

質問:マニュアル(猛禽類保護の進め方)の調査内容は、やりすぎだと思いますか。

質問:ワシタカ類の密猟対策はどのように進めるべきだと考えますか。

質問:自然再生の例を列挙してください。

質問:自然環境の開発を進めていく上での留意点を述べてください。

質問:開発を進める上で、どのように合意形成を図るべきだと考えますか。

質問:その方法には、どのような例がありますか。

質問:地域の自然環境の活用例をあげてください。

質問:農地としての利用にはどのようなものがありますか。

質問:技術士の義務責務を述べてください。

質問:あなたが従事している自然環境調査において、とても貴重な種の生息地が開発対象となっていることをマスコミがかぎつけています。どのように対応しますか。

質問:先の状況で、今まさにあなたは、マスコミのインタビューを受けています。どう答えますか。

質問:クライアントが、貴重な種が生息する情報を隠蔽しようとしています。あなたはどう対応しますか。

質問:以下の状況で、あなたは責任者として判断を委ねられています。どのように判断しますか;どうしても必要な開発予定地に、そこにしかいない貴重な種が生息している。
回答;中庸な策をとるしかないと思います。

質問:その内容を具体的に述べてください。

質問:もしこの試験に通ることが出来たら、技術士となるわけですが、そのときの抱負を述べてください。

以上、約28分。

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5

■ハンドルネーム           レタルワタラ
■体験記種類               口頭試験(合格)
■受験年度                  2006年度(平成18年度)
■受験部門                  環境部門
■受験科目                  自然環境保全 

1.準備
 口頭の準備として何をすればよいのか今一つ不明だったが、あくまで試験ということで、聞かれそうな質問についてサイトで確認し、予想問答についてまとめる。ただ同一部門の情報が少ないので、同じ部門で受けた友人に質問内容を教えてもらう(前々日だったがかなり役立った)。想定した問答は以下の通り。

・経歴の説明...提出した書類に沿って簡単に説明できるように。最初にしゃべることなので、スラスラ言えるよう確認。
・経験論文以外の業務経験の説明...何をしゃべるか決めておく。「失敗例を用意したらよい」というアドバイスがあるのだが、これはなかなか難しい。失敗したが、うまく技術改良でリカバーできたなどという都合のよい話はあまりない。細かい試行錯誤をした話にしておく。
・受験動機...「自己研鑽と社会貢献」がいいらしい。
・合格後の抱負...「社会的な責任が重くなることに見合うよう」
・技術に対する見識...専門問題への回答を見直しておくくらい。何を聞かれるのかよく分からず放置。
3義務2責務...内容を確認。「資質向上のためにしていること」の答えも考えておく。 

2.移動
 遠距離からの試験で日曜午後イチだったが、当日行くことにする。しかしのっけから寝坊してしまい(ふざけていると思われそうだが洒落にならず)、飛行機を予定より遅い便に変更。それでも余裕があるはずと自分に言い聞かせるが、肝心の飛行機がなかなか出発しようとしないのであせる。最初は着氷防止剤を塗るので10分ほどと言っていたが、霧が出てきて視界が悪いので離陸できないと言い出し、結局45分位してから飛ぶ(1時間以上遅れたら、もう東京に行く用事自体がなくなってしまう。降ろしてくれと言わなければならないところだった)。
※当HPでも前日に行くことを勧めているが、全く正しい(笑)。寝坊する私がふざけすぎているとも言えるが、冬は天候の影響があるので気をつけたい。

3.会場
 会場は渋谷のフォーラムエイト。渋谷には12時半過ぎに着く。荷物をコインロッカーに入れたかったが、全く空いてないので、そのまま会場に持っていく。面接のときも荷物全部持っていなければいけないらしいので何とかしたかったが、仕方ないので全日空のシールが付いたまま持ち込む。日曜日のためハチ公口は異常に込んでいて、人を掻き分けるようにしてフォーラムエイトへ。
 ビル内では、7階で受け付け、5階が控え室、試験も5階だった。控え室は4つあり、私の部屋は30名くらい。女性受験者は2名のみで、かなり黒々している。思ったほど重苦しくはないが、皆手持ち無沙汰な感じ。13時になるとどっと案内嬢が来る。8名くらいが来て、次々に名前を呼んで受験者を連れて行く。環境部門は他にいないようだったが、随分と多数の試験を同時にやるよう。
 面接部屋は、真ん中に椅子がぽつんと2つあって、一つに荷物を置き、もう一つに座らされる。前に長机があって試験官が2名、後ろに案内嬢が座る。 

4.面接
※以下は面接内容。A.B.は面接官。Aが司会役で行政マンのようだった。二人とも態度は紳士的で、質問内容も分かりやすかった。 

「経歴に関して」

●A.経歴を簡単にご紹介下さい。
A.自然公園の業務が多いんですか。
A.公園内と公園外で何か違いがありますか。

※経験論文は意図的に国立公園内のものを書いたためだろう。実際には公園外も多いが、法的規制の面で違いはあるが、内容的には似たことが求められるようになってきていると答える。 

「筆記試験に関する専門知識に関して」

B.経験論文に書かれている業務はいつの業務ですか。発注は環境省ですか。
B.再生事業ということで、再生の目標というのがあるのでしょうけど、どんな森林ですか。
B.二つ記述がありますが、一つ目で土砂流出の予測で使っている傾斜などのパラメータの根拠は。
B.二つ目の動物の指標調査で使っている森林調査区20箇所というのはどういう林ですか。いろいろタイプに分かれるのであればサンプルが少ないのでは。
B.歩行性昆虫を指標に使ったようですが、昆虫の結果というのはバラつきが大きいのでは。歩行性昆虫はそうでもないということなのかな。

※やけに細かく聞かれる。学会の質疑のよう。こちらのストーリーにあった議論なので答えやすかった。 

A.当然自然再生法はよくご存知かと思いますが、この法律のよい点と悪い点、改善点がありましたら教えてください。

※経験論文がらみなのか知識に関する質問なのかはよく分からない。自然再生自体は時事問題でもなくなってきているので。せっかくなので教科書的なことではなく、実態に沿った答えをする。悪い点というのはどこまでいっていいのか迷うが、運用面の課題ということで答える。

「技術士としての適正」

A.自然再生は結局公共工事の看板架け替えでないかと言われたりもしますが、どうですか。ほかの事業でも、市民からの批判が強かったり、対立があるケースというのはありますか、どうしたらよいですか。
A.行政の進める公益的な事業とそれに反対する市民勢力があって、相反するというケースはどうしたらいいと思いますか。

※どこまで正直に言ったものか困るが、「倫理的なことは原則論」と考え、「きちんとした調査とその結果の情報公開が重要」と答える。揉めるケースはこれらが守られていないということは間違いないので。

A.技術士になろうという動機となったときの抱負を教えてください。

※用意していた“行儀のよい”答え(笑)を答える。

B.経歴を見ると市民参加にも関わっているようですが、具体的には。

※簡単に内容を説明するが、場所など詳しく聞かれる。

A.アセスなどやられることもあるでしょうが、市民から「合わせメント」などの批判もあると思いますが。どうですか。

※(またその話か...何を言わせたいんだ)「きちんとした調査をして、その結果をそのまままとめることに対して、事業者がダメだということは今はあまりないと思うのですが。」と原則論で答える。実際そういう傾向ではあると思う。

A.でも批判が強い場合はあるでしょう。問題があるというか。

※(面倒になってきたので)「明らかに最初から問題あるときには、最初に仕事として断ると思います。それは経営判断ですから、仕事請けないだけです」と言い切ってしまった。自分は経営者の立場にいるのでこれでおかしくないだろうと思ったが、勤め人はこの辺は困ると思う。原則論で「正しい」ことだけ言っていればいいのか、現実社会に即して課題・悩みを正直に言ったらいいのか、よく分からなかった。何を言わせたかったのか分からなかったが、話はようやく終わった。 

A.技術士として守らないといけない倫理的なことがあると思いますが。何ですか。

※定番の質問のためか向こうも恥ずかしそうだったが、こっちも普通に答えるのは恥ずかしかった。 

A.その部門名の表示の義務はなぜあると思いますか。

※「技術士というのはたくさんの部門があって、自分も化学とか機械とかは全く分からないですし、自分が責任を持てる専門分野を明示しないといけないということではないでしょうか」と答える(よく知らないが多分)。

B.責務も二つあると思いますが、何ですか。(これも定番)

※「公益の確保と資質の向上です」

B.その資質向上についてはどういうことをしますか。

※学会での発表などは続けていきたいと思っています。CPDなども言おうかと思っていたが、話がそのまま続いた。

B.どんな学会に入っていますか。
B.随分いろいろ入っていますが(笑)、大変なのでは。その中で特に力を入れているのは。
A.こんなところで終わりますが(Bに)いいですか。 

※全体で23分くらい? わりとサクサク進んだ印象。圧迫面接的なこともなく、特に言葉に詰まったり緊張したりする場面もなかった。特にBの方は学会の質疑みたいで、当然経験論文・経歴書はよく読んでいた(採点した人かどうかは不明)。
※部門による違いかもしれないが、専門知識的なことを問う質問や、談合などの時事的なトピックは全くなかった。専門の問題についても特にふれられなかった。
※気になったのは、「市民との対立」「行政に都合のいい調査」ということについてAの方がしつこく聞いてきたこと。基本的には「倫理的なことは原則論で押す」というのでいいと思うが、環境部門だし、本音レベルも求めているのかと迷った。実際問題として、揉め事を大きくするだけの無能な仕切りをするコンサル&行政も多いので、重要なこととは思うが。
 

5.結果とまとめ
 無事合格した。筆記試験合格者と比べると、14/16名で、意外に2名も落ちていた。落ちなくて良かった.....
 想定問答の成果は、次の通り。オーソドックスな形だったので、予想は役立った。予行演習のようなことはやらなかったが、イメージトレーニングとしてやりとりを考えておいた方が無駄な喋りがなくてよいだろうと思う。

・経歴の説明...●
・経験論文以外の業務経験の説明...×
・経験論文に冠する説明...●
・受験動機と合格後の抱負...●
・技術に対する見識...×
3義務2責務...●

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