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全般的な受験対策 |
最終更新:2016.10.02 |
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基礎科目・専門科目および適性科目から成る一次試験について、全般的な受験対策を記します。
ただし、受験対策は人それぞれです。学生さんから社会に出て間もない若手技術者、中堅技術者、熟練技術者、それぞれの立場で、ポイントは変わってきます。うのみにするのではなく、参考にできるところは参考にするというスタンスでお読みください。
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答案用紙はマークシートです。
模擬練習用答案用紙を用意しましたので、お使いください。なお、この答案用紙はNagaseさんよりご提供いただいたものです。 |
Excel版 PDF版 |
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学生のアタマになろう
一次試験は、JABEE認定教育課程の修了者と同等の学業レベルにあるかどうかを確認する試験ですから、経験は問われません。基礎知識が問われます。
学生あるいは卒業後まもない受験生はともかく、社会人となって長い受験生、特に熟練技術者は、学生のアタマに切り替えることが何より大切です。「学生のアタマ」とは何かというと、次のようなものだと思います。
- 出された問題に答える能力
頭の中の「知識の本棚」から答えになる知識を引き出してきて、必要であれば計算などをして整理し、それを提示する能力です。
知識と経験を組み合わせて「何を作ろうか」とか「これはどうなっているんだろう」ということを考える必要はありません。
- 空間イメージ、手順イメージ
頭の中で、「これとこれがこうなって・・・・」とか「こうして次にこうやって・・・・」といった抽象的なものをイメージする能力です。
高校生のとき、三次元ベクトルを理解しようとして頭の中で「箱の隅っこ」のような三次元座標をイメージして、そこから斜めに延びる「矢印」を思い浮かべたりしませんでしたか?ああいった、現実に目の前にはないものを頭の中でイメージする「アタマの構造」です。
- 論理的思考
上記と似ていますが、「経験ではこうだった」とか、「どうあるべきか」といったようなこと、あるいは実行した場合に生起しうるあらゆるケースを考えるなどということを一切考えず、ただただ論理的に「こうしたらこうなる。これはこうだからこうなる」という手順で考える能力です。
- 疑わない。背景を探らない。
「なぜこの法律はこういうことになってるんだろう」とか「誰の意図が働いてるんだろう」などとスレた考えを持たず、まっすぐに情報を受け止めて頭の中に格納するという特質です。
どうしたら学生のアタマになれるかというと、「学生が解くような問題の中にどっぷりつかる」ことです。学生時代の教科書を読んでも効果はあまりありません。退屈になって投げ出してしまうのが落ちです。
お勧めは、基礎科目の過去問題をしっかり解くことです。文献・教科書・インターネットなどいろいろな出典を当たって、各選択肢の正誤が自信を持って答えられるまで調べます。おそらく数日かかると思いますが、休日1日だけでもいいです。基礎科目解答にどっぷりつかって過ごすと、理工系大学を出ておられる方は、基礎科目がこんなに簡単だっかのかと感じるようになると思います。
一方、そもそも「学生のアタマ」になったことがない人もおられると思います。あるいは卒業から長年が経過して、とてもそんなアタマの切替はできないという方もいらっしゃるでしょう。そういう方は、このサイトのコンテンツや問題集、あるいは大学の教科書などを使って、とにかく勉強されることをお勧めします。特に大学の教科書は基礎から段階的に解説してあるので、比較的理解しやすいと思います。 |
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過去問題を解いてみよう
一番大切なのは、まず自分の実力を知ることです。過去問題を解いて採点してみましょう。
40%以下・・・・がんばらないとダメ。
50〜70%・・・・なんとか行けそうだが、より磐石に。
80%以上・・・・確認勉強程度で大丈夫。
まずこの程度の評価をし、あぶないものから優先順位をつけて勉強します。
この場合の「優先順位」は、勉強する順番ではなく、勉強するウェイト、頻度です。試験勉強は繰り返し訓練であることを忘れてはいけません。
たとえば、「基礎は苦手。専門はまあまあ。適性はバッチリ」と判断したなら、「基礎は毎日勉強。設計・計画→情報・論理→解析→材料・化学・バイオ→技術連関というローテーションで1日1分野づつ繰り返す。専門は2日に1度。11分野のうち2分野づつ。適性はやらない」と決めて勉強します。
そして、2週間〜4週間程度ごとに確認模擬試験を行い、レベルの再評価をします。これは、優先順位に関係なく全科目やります。
この結果にもとづき、次の2週間〜4週間のスケジュールを決めます。相変わらず適性はバッチリなら今度も勉強はしません。「基礎が良くなったが専門が落ちた」のなら、ウェイトを変えてみます。
すなわち、PDCAサイクルを回して勉強することがポイントです。
(P)自分の実力に合わせて勉強計画をたてる
→(D)勉強を実行する
→(C)実力確認をする(過去問題・模擬試験など)
→(A)(P)新たな自分の実力にあわせた勉強計画をたてる
→(D)勉強を実行する・・・・
という繰り返しです。 |
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科目別の対策
- 基礎科目
- 試験の内容
- 設計・計画、情報・論理、解析、材料・化学・バイオ、環境・エネルギーそれぞれに関する5つの択一問題群から6問ずつ出題され、そこから3問づつ、計15問選択します。つまり計30問中15問選択なのですが、30問中から自由に選択できるのではなく、6問中3問選択×5分野になっています。
- 問題レベルは大学専門課程程度です。
- 17年度あたりから、暗記系の知識問題から応用事例にも踏み出した問題が増えてきました。
- 24年度から過去問題が出題される数が増えています。4割あるいはそれ以上の割合で過去問題がそのまま、あるいは多少アレンジされて出題されています。
- 50%以上の正解率が条件です(これを下回ると他科目がどんなに良くてもアウト)。
- 基礎科目は、理工系の知識が大卒にふさわしい程度にある人ならば、頭さえ切り替われば6割は取れる問題です。専門科目に自信がない人は無論、万全を期するため、60%程度の正解を目指しましょう。逆に理工系の基礎学力に劣る人には難しいだけでなく得体の知れない(どう勉強するかもよくわからない)科目です。
- 試験対策
- 最もお勧めな方法は、次のやり方です。
- 過去問題をしっかりと
今年度も相当数の過去問題引用出題が続くと予想されます。
仮に30問中40%の12問が過去問題引用出題され、それに対して80%の確率で正解できれば、合格基準の50%(15問中8問)を超える9〜10点の得点が期待されます。
従って、過去問題を正解と解説とセットでよく勉強しておく必要があると思います。つまり、過去問題を教材として、正解選択肢はなぜ正解なのか、誤った選択肢はなぜ誤っているのかをしっかり考え理解するようにします。少なくとも「何番の選択肢が誤り」ではなく、「こういうことを書いてある選択肢が誤り」という理解が必要ですし、「こういうことを書いてある選択肢が、こういう理由で誤り」がベストです。
手間と時間はかかりますが、何を勉強したらいいのかよくわからない基礎科目で闇雲に勉強するよりははるかに効率がいいと思いますし、たとえばシステム信頼性の問題でも出題形式は多種多様にあるわけですから、どんな出題のされ方があるのかがわからないというよりも、過去問題をおさらいしておけばいいというほうがずっと楽です。
なお、これまでの引用実績から、3〜5年前の問題がよく引用されていますので、その中ですでに引用された問題以外のものが狙いどころになります。(ただ最近は連続して引用されることもあります)
- サービス文章題を優先する
過去問題(ただし覚えているものに限定)の次に優先すべきは文章題です。
基礎科目の問題は、主な問題タイプとして@文章題、A計算問題に分けられます。
そして文章題はさらに@-1常識感覚で解ける問題と、@-2知識がないと解けない問題に分けられます。合格率が高い年は@文章題、特に@-1のサービス文章題が多くなる傾向があります。
そこで、過去問題の次に文章題を探しましょう。そして文章題の中から@-1サービス文章題を探して、これを手早く解いていきましょう。
- セオリー計算問題で補う
過去問題とサービス文章題の次に狙い目なのは、セオリー計算問題です。計算問題の中には、よく出題されるセオリー的な計算方法を知っていれば簡単に解ける問題が多くあるのです。知識を必要とする文章題は「知っているか知っていないか」だけの勝負ですから、考えても無駄です。しかしセオリー計算問題は、いくつかの簡単な計算方法を覚えていれば対応できます。
- あとは当てずっぽうでいい
あとは当てずっぽうでもかまいません。それでも正解率20%です。もちろん実際には問題文をちゃんと読んで考えて、少しでもそれらしい選択肢を選ぶと思いますから、まるっきりの当てずっぽうばかりでもないと思いますが。
参考図書 |
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一次試験のうち基礎科目と適性科目の受験対策をまとめました。
基礎科目については9種類、余裕がある人のための追記を含めても13種類の問題に絞り込みました。
問題を数多く解いてトレーニングを積むという人が多いのですが、わかったようなわからないような状態で演習問題を解きまくるのが果たして効率的だろうかという疑問もあって、とにかく頻出問題に対する理解を深めることに特化しています。
そして適性科目とあわせて50問の練習問題も掲載しました。
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- 「0点の分野があると失格」という無責任なデマが一部で流れているようですが、そんなことはありません。基礎科目全体の得点での勝負なので、0点の分野があってもかまいません。
- 私が一番お勧めするのは、大学の教科書です。工学系大学を卒業され、まだ教科書が手元にある人は、せひそれを活用して、習ったはずのことを「復習」しましょう。
そういうものが手元にない人は、本屋さんで入手します。どの本を入手したらいいかは、
ネットで大学の講義計画を検索して使用テキストを調べる
工学系学部のある身近な大学の生協などに置いてあるテキストを調べる
などの方法があります。
たとえば私の手元には「土木計画学序説」(森北出版)という本がありますが、設計・計画分野と一部技術連関分野の勉強に適しており、このサイトの当該分野のテキストや模擬試験などを作るのに多いに参考になりました。この本は2,200円で、岩波「現代工学の基礎」よりはるかに安くなっています。
参考までに、私の手元にある「大学のテキスト」のリストを掲載します。こちら
- 専門科目
- 試験の内容
- 専門部門の基礎的問題(択一形式)を解きます。
- 平成14年度以降、出題形式が変化していましたが、17年度からは35問中25問選択で一定しています。
問題数が増えたことへの対策は、選択するかどうかを素早く決定すること、これにつきます。先頭の問題から1問ずつ考えて、わからなかったら捨てて・・・・などということをやっていてはとても間に合いません。
(1) 自分の専門分野の問題は全部選ぶことにして、その問題数を数える。
(2) 得意分野を中心に、合計25問になるよう問題を選ぶ。
(3) 選んだ問題を解いていく。
見込み違いで解けない場合を除き、その他の問題は見向きもしない。
これが一番効果的な対応ではないかと思います。
- 建設部門の問題は、「いろいろな工法・法令などを知っているか」ということが問われます。
- 試験対策(建設部門)
- 土質基礎・鋼構造・都市計画・道路・鉄道・河川砂防・トンネル・港湾・発電・積算・環境からの出題ですが、土質基礎・鋼構造・河川砂防に偏って出題されます。これら3分野(中でも、土質工学・構造力学・水理学)のうち1分野でも多く得意分野にしましょう。
- まんべんなく得点する必要はありません。偏ってもいいから合格ラインに達すればいいのです。なお、条件は正解率50%です。
- 得意分野とやや得意な分野を足して7分野〜8分野決め、大学の教科書やハンドブックなどの専門書を読んで勉強します。
得意分野4・やや得意3〜4が目標です。
- 上記以外の2〜3分野は、余裕ができたら勉強する程度にとどめます。過去問題は一通りやってみます。
- この勉強は、幅広く正確な知識の取得になりますから、一番力を入れるべきです。
特に土質工学・構造力学・水理学は建設技術者の基礎の基礎なので、この機会にぜひしっかり身に付けましょう、
若手は、将来技術者として大変役立つ、仕事に直結する基礎知識を仕入れる格好の機会になります。
熟練者は経験を基礎知識で裏打ちするチャンスです。
- 各分野の問題には傾向があります。例えば、都市計画は都市計画法の知識を問う問題が主に出されています。
また、道路は道路構造令、トンネルはシールドなど、「よく出る問題」があります。
- 適性科目
- 試験の内容
- 主に技術者倫理に関する択一問題が出ます。
- 時間は1時間です。
- 50%取れないことはまずない問題です。(過去の実績では適性科目で不合格になる人は10%未満です)
- 技術者倫理に関する知識問題(トレードオフ、告発・警笛鳴らし、専門職、インフォームドコンセントなど)が出ますが、常識感覚でも60%は楽に答えられます。
- 試験対策
- 17年度以降の問題を解いて、どのくらい取れるかをチェックしてみる。
- 両方とも80%以上得点できていたら、試験勉強は不要。
- 70%程度以下なら、下記文献)などを参考に勉強します。特に※の本が個人的にはお勧めです。
書籍名 |
著者 |
訳編 |
発行所 |
参照 |
科学技術者の倫理〜その考え方と事例 |
Harris,Pritchard&Rabins |
日本技
術士会 |
丸善 |
こちら |
環境と科学技術者の倫理 |
Vesilind&Gunn |
こちら |
科学技術者倫理の事例と考察 |
米国NSPE倫理審査委員会 |
こちら |
※大学講義 技術者の倫理入門 |
高城重厚・杉本泰治 |
− |
こちら |
※技術者倫理の世界 |
藤本温(編著) |
− |
森北出版 |
こちら |
技術士倫理事例集 |
日本技術士会倫理委員会 |
− |
日本技術士会 |
こちら |
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